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東大の安田講堂で1000名の人たちとサンデル教授が授業を行った。その様子をテレビで見て大きな感動を受けた。以下、サンデル教授の授業の特徴を記す。
○ 授業の課題(問題)が意表をつくものであり、学び手が考えてみたくなるものであった。
例 イチロー選手の年俸、約15憶はそれに値するのか・・・。それではオバマ大統領の3500万は、イチロー選手と比べてどうなのか。
例 原爆投下に対して、オバマ大統領は日本に謝罪すべきかどうか。謝罪する、しないのどちらかに手を上げてください。
○ すごい教材の研究がなされているが、それを一方的に教えるのでなく、学び手に問い掛け、一緒に考えていく。または、新たな課題を突きつけてゆさぶっていく。
○ 生活に近い事例を提示して、追求している課題と比較するようにする。
○ 様々な意見を組織して、新しい考えを生み出すようにしていく。
○ 学び手の意見を明確にして、全員が考えやすくしている。
○ 発言者は少なくても全員が授業に集中して考えている。互いに学び合っている。
○ すぐには、指名しない。学び手をよく観察してから意図的に指名する。
○ 学び手の名前や意見をよく記憶している。
○ 授業にリズムやテンポがある。
○ 手ぶり身ぶりで話す。ステージ上を歩く
などであろう。
サンデル教授の授業はテレビで何回も放映され、大きな話題になっている。また、書籍にもなり、好評を博している。今ではこの授業に近づきたいと高校や大学の先生もこの授業法を取り入れてきている。
さて、私が勉強しているある教育団体(研究会)の授業法である「課題追求型の授業」もこれに近いものだと感じている。
サンデル教授の授業の学び手は、大学生であり、社会人である。また、1000人という多人数を相手の授業であるから、小学生相手で1クラス、30~40人の授業と当然違うものがあるが、授業のねらいは同じようである。
それでは、課題追求型の授業の特徴を記してみる。
○ 教師が教材研究(解釈)で課題を考え、その答えと根拠を持つ。
○ 子どもに課題をつくらせ、その答えと根拠を持たせる。
○ 課題は意表をついたもの、追求したくなるような魅力あるものを提示する。
○ 課題は真実であるもの、追求して解決できるようなものにする。
○ できるだけ子どもの課題と意見で授業を展開する。しかし、教師は新たな課題を突きつけてゆさぶりをかける。
○ 全員が課題に対する考えを持たせるように、資料を分析したり、選択問題にしたりする。
○ 一人だけで考えることの上にグループで考えることもする。
○ 他者と考えることで、今までにない新たな考えを引き出すようにする。
○ 全員が「聴く、話す」ことがしっかりできるようにする。
○ 授業にリズムやテンポをつくる。
こうして記してみるとサンデル教授の授業と共通したところが多い。いやそれどころか、小学校の公教育として一層きめ細かいものであると思う。そういう意味でこの課題追求型の授業を自信をもって実践していきたい。