松明 ~光明を指し示して~

暗闇を照らし赤々と燃える。が、自身が燃え上がっては長くはもたない。火を消すことなく新しい松明へと引き継がれねばならない。

いじめが減らないほんとうの理由とは

2018-10-29 10:34:08 | Weblog

 過去最多の41万件。全国の公立私立の小中学校、特別支援学校が2017年度に認知した、いじめの件数である。なぜ、こんなにいじめに対して対策等をとっているのに減らないのか、その理由を思いつくまま考えてみる。

1教師が忙しすぎる。授業以前にいろいろな事務作業が多く、教材の研究や子どもとのふれ合いが十分にできていない。

2教えることが多すぎる。政府の成長戦略を受けて、金儲けのできる人間を育てるというように、教育界にさまざまな要求がなされている。
例えば、英語の教科化、プログラミング、AI教育など。そして道徳の教科化もある。時代の要求により仕方がない面もあるが、教える教師も教わる子どもも大変である。

3上記1、2のために、教師は単に教科を「こなす」だけになりつつある。子どもの主体性やコミュニ ケーション能力、考える力、想像力などを育てることが難しくなっている。そのため子どもは受け身の 学習が多くなってしまってる。学力格差も大きくなっている。

4学校や教師の責任もある。教師の意識改革が進んでいない。いかに雑務を減らして充実した授業をつ くるかの努力が真剣にされていない。
授業は教科指導を通して生徒指導、学級づくりをするものである。授業の充実により聡明な子ども、教養のある子どもを育てていない。

まだまだいくつかの原因があるだろう。とにかく子どもがよくならなければ、いじめは減らないのはは確かである。いくら大人や社会がいじめをなくそうといろいろな工夫しても十分でないと言えるだろう。まずは、教師が真の仕事ができるように、授業ができるように、聡明な子どもが育てられるように環境づくりをしてやることが大切である。また、教師の意識改革とその実践がどうしても必要である。
これらは、私の長い教職経験からの思いである。


※学校・学級づくり、授業づくりに協力します。お声を掛けてください。研修での講話や体験型研修をボランティアで行います。ホームページ「浜松授業研究の会」のお問合せ、ご連絡に記入してください。または、このブログのコメントに記入していただいても結構です。

「学級づくり」とは何か

2018-10-17 08:31:24 | Weblog

 〈ドッジボール大会等のイベントをやって、仲間づくりをすること〉が学級づくりと考えている先生がいないだろうか。しかし、そんなことで学級づくりなどできるものではない。学級づくりは授業の中でするものだからである。
学級づくりの原則には次の3つの柱があると考える。1つは「学級の雰囲気づくり」、2つは「子どもの価値観を変える」、3つは「子どもの学習能力の形成」をするである。以下、述べてみる。

1学級の雰囲気づくりをする
 重要なことは、授業等の中で、安心してものが言える学級の雰囲気をつくることである。分からないことがあたりまえ、まちがっても大丈夫をしっかりと子どもにわからせたい。

2子どもの価値観を変える
 子どもの価値観は、授業とはこういうものだとうことを変えることである。つまり、授業とは先生が教えてくれるものだ。ということから、授業とは僕たちが進めていくものであると。学級とはみんなで何か一つのものをつくっていくところだと。友達とは自分たちの価値観を高めるものだと。自分観とは自分としては、こんなことしかできない限界があるのだというようなものから、やればできるものだと変えていくことである。

3子どもの学習能力の形成をする 
1つは自分の考えを持つ、そして自分の考えを言う、そして、人の考えを聞く、これが基本である。そうして、コミュニケーション能力を育てる。あとは、問題をつくる能力だとか、証拠を見つける能力だとか、イメージを持つ能力だとかである。
 大事なことは教師が妥協しないことと徹底してやる姿勢である。徹底とは2つあって、子どもにやり切らせること(つまり,教師がやりきること)と一人の子どもも残さないことである。

私たちはよく体育などをやっていて、跳び箱など5,6人ができなければ、このままできなくてもいいや、となる。もし、そこでできない子どもをつくってしまうことになると他のことでもできない子どもをつくってしまうことになる。必ず全員ができるようにすること、それが原則である。本当に体の肉体的なことでできない場合はしかたがないけれども、できることはやらせることである。

 もう一つは価値観の徹底である。「教室は間違うところだよ」と言っておきながら、子どもがガラスを割ると「だれがやった!」「どうして割った!」と叱る。「友達の間違いから学ぶ」と言っておきながら、指導が一貫していない。いつも「自分で課題を求めて行動してね」と言っておきながら、「はい、一列に並びましょう」などと指示命令をやっている。これでは子どもは先生の価値観で生きていくことになる。先生の言うことでしか動かない人間になってしまう。だから、指導の徹底とか一貫とかは大切である。

 ただ、学級づくりというのは、生徒指導と同じように授業の中でやることが大切である。よく学級経営は授業とは別のところでと考える先生がいる。ドッチボールをして楽しくやろうとか、仲間づくりをしようとか、イベントを打つ、それは本物にならない。授業の中で追求していく子どもをつくることによって学級づくりをすることである。


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