秋は夕暮れ…

　まるで猫の目のようにクルクルと変わる天気ですねぇ。昨日は晴れて気温も上がった東京は12日はまた泣き出しそうな空模様でいささか肌寒い天気です。久しぶりに青空が広がり、軽装で秋をたっぷり感じられた昨日はきれいな夕焼けも見られました。日の落ちるのも随分早くなり、東京の日没は午後5時11分で夏至の頃と比べると2時間も早くなっています。6時を過ぎるともう暗くなりますが、日の入り直後はまだ上空には青空も残り赤く染まった雲との対比が何とも言えない美しさでした。

　清少納言も枕草子で、秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。と詠んでいるように、平安の昔から夕焼けに染まる遠くの山を背にねぐらを目指すカラスの姿が見られるのは趣がある、ということなのでしょう。街の中のベランダからは山も飛び急ぐカラスも見えませんが、天気の良い日の夕暮れは値千金の美しさと言えそうです。今日は見えず、明日は雨だそうで、気持ちの良い秋はどこへ行ったんでしょうね。