北向観音から、たった数百メートル遊歩道を行くと、別所温泉の街からは出外れて、見事な杉の木の立並ぶ安楽寺の参道に達する。
この寺も鎌倉時代には相当な規模であったらしい。北条氏の時代に最も栄え、その後は忘れられたようになっていたようだ。
本堂の奥の滑りやすい石段を登った先、まさしく木々に囲まれるようにして、八角三重塔が建っている。鎌倉時代末期の建物で、詳しくは分らないが非常に珍しい建築様式らしい。
三重塔は、本堂の裏山にあり、その足元までお墓が立並ぶ。すぐ近くまで、深い森が迫る。
屋根を支える部材が、デフォルメされて装飾と化しているように見える。