韓国外交通商省が、8月30日の韓国の憲法裁判所の決定に基づき、日本軍「慰安婦」被害者をはじめサハリン残留韓国人、原爆被害者らの請求権問題につき、 政府間交渉の開催を日本政府に公式に求めましたが、日本政府は相変わらず「日韓国交正常化交渉の中で解決済み」との見解を繰り返しています。
韓国挺身隊問題対策協議会は日本の外務大臣宛のハルモニたちの手紙を公開、日本政府に歴史的で法的な対応を求めています。
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玄葉 光一郎 外務大臣 殿
私たちは、韓国に住んでいる日本軍「慰安婦」被害者です。
今回新たに誕生した野田佳彦内閣で外務大臣となられ、 今後私たちの問題に直接かかわっていくことになられる玄葉光一郎新外相に、日本軍「慰安婦」問題の根本的な解決に積極的に対処されることをお願いするため、不躾ですが手紙を送らせていただきます。
私たちは、日本の植民地時代に日本軍「慰安婦」として連行され苦痛の生活を強いられました。戦後も被害者として保護されるどころか、傷と苦痛を隠して生きなければなりませんでした。日陰で暮らしながらも20年前、それでも死ぬ前に踏みにじられた名誉を取り戻したいと勇気を出しました。そして日本政府に問題解決を訴えてきました。
しかし、この20年間私たちが叫んできた叫びを日本政府は聞きいれませんでした。むしろ日本政府の言葉を聞くよう強いられてきました。 韓国政府も私たちの要求を解決するため、 外交的努力に積極的ではありませんでした。 その間に多くの被害者が亡くなり、「被害者」として名乗り出た234名の登録者中、69名だけが生存している状況です。
しかしご存じのとおり、8月30 日に韓国の憲法裁判所は韓国政府が日本軍「慰安婦」問題解決のための具体的措置をとらないことで基本権が侵害されたとし、政府の不作為にたいし「違憲決定」という画期的な判決を下しました。これを受けて9月15日、韓国政府がすぐに日本政府に二国間協議を提案しました。これは、私たちにとって大きな喜びを与えるニュースでした。過去66年間の苦痛と20年間の努力が、結実を迎えたのだなという希望を再び持つことができました。
新しく出帆した日本の内閣が韓国政府の提案を受け入れ、日本軍「慰安婦」問題解決のための協議をはじめることを期待しています。 そして解決までの時間を引き延ばさないよう願っています。私たち日本軍「慰安婦」被害者は、日本と韓国の間に明るい未来が来ることを心から望んでいます。胸の中にある「無念」も「怒り」も「傷」もすべて解き放ち平穏な心を持ちたいと思います。 これ以上日本政府に向かって大声を張り上げたくありません。そのためには、まず過去の歴史を正しく清算することが第一だと考えています。私たちに与えた日本の罪を認め、歴史的で法的な責任を取るという態度を見せるのが大切だと考えます。
1992年1月8日から毎週水曜日にソウルの日本大使館前で行われている水曜デモは、今年12月14日に1000 回を迎えます。私たちは、日本政府が1000回の水曜デモを待つことなく要求を聞き入れ速やかに問題を解決してくれることを要請します。
2011年9月15日
日本軍「慰安婦」被害者 53名
キル・ウォノク、キム・ボクトン イ・スンドク、イ・ヨンス、コン・ジョミョプ、クァク・イェナム、クォン・マルレ、キム・ギョンスン、キム・ギョンエ、キム・ダルソン、キム・ボクトゥク、キム・ボクソン、キム・ブニ、キム・ヤンジュ、キム・ヨニ、キム・オスン、キム・オックィ、キム・ウェハン、キム・ヨジ、キム・ユンシム、キム・ジョンブン、パク・プニ、パク・スニ、パク・ピルグン、ペ・ボンナム、ソン・ナミ、アン・ジョムスン、ヤン・ジェスン、ウ・ヨンジェ、ユ・ヒナム、ユン・グムネ、ユン・スンマン、イ・グィニョ、イ・ギジョン、イ・マクタル、イ・サンヒ、イ・ソノク、イ・スサン、イ・オクソン、イ・ヒョスン、イム・ジョンスン、チョン・ボクス、チェ・ガプスン、チェ・グムソン、チェ・ドンネ、チェ・ソンスン、チェ・オギ、ハ・スイム、ハ・ジョミョン、ハム・グィラン、ファン・グムジャ、ファン・グムジュ、ファン・ソンスン