心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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土手の桜はまだ早かった

2020年04月24日 | ほんのすこし
朝のゴミ出し。
ふと土手の方を見上げたら、なんだか・・・
急いで行ってみた。

なんだ、まだじゃないか。
桜はまだほんのつぼみで、これからという感じだった。
同じ県でも中央はもう満開らしいけど、さすが、北は遅いね。

でも蕾がたくさんついていて、咲いたら綺麗だろうなと思う。毎年、土手の桜が咲くのを楽しみにしているわたし。でも母に言わせるとこの土手の桜はもうおばあさんで、昔の勢いはないとのこと。母たちがここに住む様になった頃は、今を盛りといった感じで、花の勢いが凄かったと。
花も年老いていくんだね~、と言うと、母がうなづいた。
きっと自分の生きた年月とだぶって見えたのだろう。

あの桜の下で花見をしたこともあるよ、と遠い昔を思い出すように目を細めた。

その場面には父もいたのだろうな。
今よりずっと若かった自分を思い出して何を思っていたのだろう。母のまぶたに浮かんだ光景をわたしは知る由もないけど、若さと愛しさとがふんだんに溢れていた思い出がそこにはきっとあるのだろうと思った。

明日はきっと花開いているだろう。
老いてもまだ花を咲かす、その潔さもまた美しいとわたしは思う。
母よ、あなたは皺が多いとなげくけど、その皺さえわたしは愛しい年月の現われだと思うよ。