The Best Of The Night Tripper / Dr. John (2008)
イギリスのレコード・レーベル「Demon Records」が出している「Music Club Deluxe」という2枚組ベストCDのシリーズの作品。以前、イアン・デューリー(Ian Dury)やジーザス・アンド・メリー・チェイン(The Jesus And Mary Chain)のものを購入した事があるが、今回はドクター・ジョン(Dr. John)。1968年から1974年という短い期間に焦点を当てた選曲。けれどドクター・ジョンと言えばやはりこの時期っていう気がする。このCDシリーズはどれも廉価だが、ジャケを含めてプロダクションも割としっかりしているし、選曲も過不足ない的確なものが多いので新品購入もおすすめです。
ドクター・ジョンを初めて聴いたのはミック・ジャガー(Mick Jagger)が参加した1971年の作品「The Sun, Moon, & Herbs」が最初。映像はたぶんザ・バンド(The Band)の「ラストワルツ」が最初かな。初めて聴いた時は、ピアノを弾くスタイルといい、ダミ声といい、大好きなレオン・ラッセル(Leon Russell)にそっくりだと思った。ただ、のちに写真で見たドクター・ジョンはヴゥードゥーっぽい呪術師のようなのが多く、雰囲気はちょっと捉えどころがなかった。確かに不思議な雰囲気な曲も多かったけど。その後にライノ(Rhino)レーベルのベスト盤や70年代のアルバムを買っている。アナログはたぶん1枚も持っていないはず。
ここに収められた各曲の雰囲気も様々で、いかにもニュー・オーリンズっぽいピアノが転がる曲や、まるでトム・ウエイツ(Tom Waits)などに通じる酔いどれっぽい曲、それに宗教がかったちょっとおどろおどろしい曲などバラエティに富んでいる。でもベスト盤ではあってもそれがバラバラではなく、ドクター・ジョンのあのダミ声でまとまってひとつの世界を作り出しているのがすごい。音楽ジャンルを飛び越える圧倒的なキャラクター。日本ではいまひとつ受け入れられていないような気がするけれど、来日したことあるのかな?
オークションにて購入(¥760)