ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

五代目食堂 @岐阜県加茂郡坂祝町

2014年05月11日 | 岐阜県(中濃)

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この道を通った事のある人ならたぶん一度は気に掛けた事があるはず。国道21号線を犬山・鵜沼方面から美濃加茂方面に向かう途中の、木曽川とJR線に挟まれた場所に昔からずっとある「五代目食堂」。この土地の名前は「坂祝(さかほぎ)」と読みます。国定公園にも指定される風光明媚な土地、しかも国道沿いにありながら、この地は商売には鬼門とみえて、昔から店舗は定着せず、近くにあるドライヴ・インや店舗も長いこと閉鎖のまま。昔は果物屋やボーリング場もあったのだが、いずれもとうの昔に閉鎖となっている。そんな中にあり、孤独奮闘というか、泰然自若の店。

自分は幼少の頃からこの道を通る事が多くあり、見慣れた景色。ただ、この五代目食堂には一度も入った事がなかった。時分になると店舗前の道路脇には何台ものトラックが並ぶ、運ちゃん御用達の店なので、もちろん自分の親はここに停まることなく、店の中も外からは窺い知ることが出来ないので、どんな店か知らないまま時は過ぎ、とうとう中年と呼べる年齢になってしまった。周囲は相変わらず廃墟と化している建物ばかりだが、この店は昔ほどではないにしろ、相変わらずコンスタントに車が停まっている。ふと思い立って(意を決して)休日の昼に行ってみた。

雨の降る中、車を走らせると店前には意外にも(失礼)数台の車が。しかも休みだからか乗用車ばかり。その後ろに車を停めてのれんをくぐる。さすがに年季の入った店、しかも「とんちゃん(豚ホルモン)」がメインだけに綺麗な店とは言い難い。店に入って左側が厨房、右側に4人掛けテーブル席がいくつかと小上がり席。冷蔵ケースの中には皿に盛った惣菜類が並ぶ。窓の外にはJR線の線路が間近に迫っていて(しかも店の窓が線路より低い)、しばらくすると迫力ある音を響かせていった。各テーブルには鋳物コンロが置いてあり、もちろん1人でもOK。古くはあるがしっかりと客も入っていて、この日の先客は小さい子供を連れた家族連れ、中年女性2人組、若いカップル、それに男性1人客と意外にもバラエティ豊か。壁に貼られたメニュー(定食もある)からトンちゃん焼きとご飯の中サイズを注文した。

しばらくして鋳物コンロの上に、もやしととんちゃんがのせられた、真ん中が窪んだ特殊な厚い専用鉄板が用意され、火が点けられる。特に説明は無かったのでそのままもやしから水分が出るまで放っておき、しばらくしてから混ぜ焼きした。その間にご飯(小丼に一杯)とおしんこが用意され、食欲を刺激する味噌ダレの焼けるいい匂いが漂ってくる。トンちゃんにしっかり火を通し、もやしにしっかりタレの色と味が移ってから箸をつける。濃い味付けはご飯にぴったり(ビールはなおベターだろうナ…)。モリモリとご飯を食べ進む。旨い。だんだん煮詰まってきて味も濃くなり、トンちゃんの脂も落ち、風味と食感が変わっていく。ご飯大でもよかったかな…なんて思いつつ、あっという間に平らげた。

味付けの濃いメニューだけに特に他と比べて飛び抜けたものがある訳ではないが、素直に旨いトンちゃんだった。まだまだこの店の隠れた人気の秘密は分からないが、今度は何を試してみようか。そういえば「五代目」という店名の由来は?。(勘定は¥750)

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五代目食堂

岐阜県加茂郡坂祝町勝山1021-2

 

( 坂祝 さかほぎ 五代目 ごだいめしょくどう 麺類食堂 大衆食堂 ホルモン とんちゃん けいちゃん 豚汁 とん汁 )

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