マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

マリーゴールド・ホテルで会いましょう

2013-02-09 17:01:10 | 映画ー劇場鑑賞

ーマリーゴールド・ホテルで会いましょうーTHE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL

2011年 イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦

ジョン・マッデン監督 ジュディ・デンチ(イヴリン)ビル・ナイ(ダグラス)ペネロープ・ウィルトン(ジーン)デヴ・パテル(ソニー・カプー)セリア・イムリー(マッジ)ロナルド・ピックアップ(ノーマン)トム・ウィルキンソン(グレアム)マギー・スミス(ミュリエル)

 

【解説】

『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督が、ジュディ・デンチら実力派ベテラン俳優陣を迎えた群像コメディー。人生の終盤を迎えそれぞれに事情を抱える男女7人が、快適な老後を送るため移住したインドで織り成す人間模様を描く。出演は、ジュディのほかにビル・ナイ、マギー・スミス、トム・ウィルキンソンら。豪華リゾートホテルのはずがぼろホテルだったなど、想定外の事態に戸惑いながらも、前向きにセカンドライフを謳歌(おうか)しようとする7人の姿が涙と笑いを誘う。

 

【あらすじ】

「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を-」という宣伝に魅力を感じ、イギリスからインドに移住してきたシニア世代の男女7人。夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)をはじめ、それぞれに事情を抱える彼らを待ち受けていたのは、おんぼろホテルと異文化の洗礼だった。そんな周りの様子を尻目にイヴリンは、街に繰り出しほどなく仕事を見つけ……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

海外で老後を送ろうと考えている人も多いと思います。

まして、イギリス人は英語圏ならコミュニケーションに不自由がないわけですから、インドでの余生に飛びつく心理もわかります。

イギリス本国では、自分の持っているお金では老後の資金が不安、という人も、物価の安いインドでなら、優雅な老後が送れそう。

「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を-」という宣伝文句に乗せられて、イギリスから男女7名のお客がジャイプールにやってきました。

 

イブリン(ジュディ・デンチ)。

夫に依存して何不自由に暮していた彼女は、夫の死後、多額の借金があることに驚かされる。

夫の死後にわき起こった夫への不信感で、目の前が真っ暗になる。

息子は一緒に住もうと言ってくれたが、家を売って、インドで老後を過ごすことを決心する。

  イブリン

ダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)夫妻。

娘がIT分野で起業したため、退職金を出資したので老後の資金がなくなってしまった。

いまなら、安物の老人向け住宅しか買えない。

不服ばかりいう妻のジーン。

少しでも豊かな老後をと、インドにやって来た。

 

マッジ(セリア・イムリー)

何度も離婚結婚を繰り返す人生だが、未だに生涯のパートナーに出会えない思いがある。

息子の家で孫たちの子守りをしていたが、急に思い立って、インドでお金持ちのパートナーをみつけ新しい人生を始めようと思う。

 

ノーマン(ロナルド・ピックアップ)。

彼も永遠の青年でいたい。

ステキな恋人と出会いたいと考えているが、イギリスでは相手にされないので、インドへやって来た。

 

ミュリエル(マギー・スミス)

大腿骨の手術をしなければならないが、半年待ちだし、そのあとのリハビリも入れて費用がかかりすぎるので、インドで手術を受け、療養することにした。

イギリス人至上主義で、人種偏見がきつい。

  ミュリエル

グレアム(トム・ウィルキンソン)。

突然判事を辞め、かつて住んでいたこの土地にやって来た。

どうしてもあいたい人がいたが、まだ迷いはあった。

 

☆ネタバレ

7人がついたのは、豪華ホテルとはほど遠い、改修中のボロホテル。

電話はないし、ドアのない部屋もあるありさま。

支配人のソニー(デヴ・パテル)は父親から譲り受けたこのホテルを、なんとか一流のホテルにしたいという夢だけは立派に持っていた。

「話が違う」と詰め寄るお客に、「将来像を載せてみました」と明るく言い放ちます。

 

イブリンは、この現実を受け入れ、ブログを始め、ジャイプールの町に飛び込んでいった。

求人案内を片手に飛び込んだ会社では、アドバイザーとして雇ってもらった。

そこには、ソニーの恋人が勤めていた。

 

ダグラスは、ジャイプールの町のお寺や史跡などを訪ねて歩いていたが、妻のジーンは町の猥雑さになじめず、部屋に閉じこもってばかりいた。

 

グレアムは、黙々と人探しをしていた。

青春時代、愛したインド人の男。

使用人の息子で、ちょっとした事件のときに自分がゲイということがバレるのを恐れ、彼をかばうことができなかった。

それが、生涯の汚点となり、いまも彼を苦しめていた。

会いたい。でも、会うのが怖い。

彼は自分を許してくれるだろうか。

その葛藤に揺れながら、彼の行方を探し続けていた。

 

ある日、グレアムに興味を持ったジーンが跡を付けた。

グレアムの告白を聞いたジーンは、ますますここにいるのがイヤになった。

 

反対に、イブリンとダグラスはグレアムを理解し、とうとう見つかったその人を訪ねるグレアムに同行した。

その人は、結婚して家庭を持っていた。

そして、妻もその事実を知りながら、グレアムを温かく受け入れてくれた。

 

そして、グレアムはホテルに戻り、生涯の重荷を下ろしたかのように天に召された。

インド式のお葬式をして、みんなで見送った。

 

イブリンとダグラスが親密なところをジーンが見てしまった。

そこへ、ダグラスの娘から事業が成功したのでお金を返すと言う知らせが来た。

夫妻は、イギリスへ帰ることになった。

 

ミュリエルは、手術に成功して、ひとりでホテルに入ることが多かった。

食事を世話してくれているカーストの身分の低い女性が、ある日、自宅に招いてくれた。

ただでさえ人種偏見の強いミュリエル。

彼女の家族の前でも緊張して、車椅子で遊ぶ子供たちに「泥棒!」と叫んでしまった。

事実が分かり、懸命に謝るミュリエル。

後日、その女性に心から謝り、自分の体験を語り出した。

お金持ちのメイドを長年やってきたミュリエル。

自分では家族同然と思っていた。

そして、助手として入って来た娘に、自分の知識と技術を惜しみなく伝えた。

主人は、その助手が十分役に立ちことを知り、ミュリエルに暇を出したのだ。

誰かに自分の気持ちを伝えることで、気持ちが切り替わったミュリエルは、ホテルの帳簿をチェックし始めた。

 

ソニーは頑張っていたが、なかなか融資をしてもらえるところまでは行かなかった。

ソニーの母が乗り出して来て、このホテルは処分すると言い出した。

しかも、町で働く恋人のことも母は認めず、身分のあった人とお見合いさせると言う。

 

ダグラスも去り、ホテルも閉められてしまったら、どうすればいいのか途方に暮れるイブリン。

ところが事態は、思いもかけない結末へと向かっていきます。

 

個性豊かな名優たちが織りなす群像劇。

そこには化学反応がうまいぐあいに起きていきます。

配役の妙です。

ミュリエルが突然立ち上がり、歩けるのを見せるところなんて、笑えます。

 

老人たちの奮闘に、若い恋人たちがうまく絡んで、決して老いの棲み家的なお話で終わっていません。

ラストは少しばたばたしますが、終わってみればハッピーエンド。

 

ラスト、ソニーと恋人がバイクで走っていると、ダグラスとイブリンもバイクに二人乗りしてすれ違います。

すれ違いざまに手を上げるダグラスとイブリン。

本当に、ジャイプールの町にとけ込んでいて、いくつになっても人生は始められるんだと、希望に満ちたラストでした。

 

よかったですよ。

 


ローマ法王の休日

2013-02-09 16:52:46 | 映画ーDVD

ーローマ法王の休日ーHABEMUS PAPAM

2011年 イタリア

ナンニ・モレッティ監督 ミシェル・ピッコリ(ローマ法王(メルヴィル))イエルジー・スチュエル(報道官)レナート・スカルパ(グレゴリー枢機卿)ナンニ・モレッティ(精神科医(男))マルゲリータ・ブイ(精神科医(女))

 

【解説】

『息子の部屋』でパルムドールを受賞したナンニ・モレッティ監督が、新ローマ法王に選ばれた枢機卿の苦悩を描いたハートフル・コメディー。法王逃亡という衝撃的な展開や、ローマ法王が選出される選挙(コンクラーヴェ)の様子まどをシニカルに描写し、第65回カンヌ国際映画祭で好評を博した。法王就任という重圧から街へ逃げ出すものの、街の人々との交流を通して信仰心や法王の存在意義を見つめ直していく主人公を、フランスの名優ミシェル・ピッコリが哀感を漂わせながら演じ切る。

 

【あらすじ】

ローマ法王が亡くなり、新しい法王を選出するため各国の枢機卿がヴァチカンに集められた。全員が心の中では法王に選ばれないようにと祈る中、誰もが予想外だったメルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が新法王に選出される。サン・ピエトロ広場に集まった群衆たちを前にバルコニーで就任演説をしなくてはならないメルヴィルだったが、重圧のあまり街へ逃げ出してしまい……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ローマ法王に選ばれた枢機卿が、その重圧に恐れおののいて、町に逃げ出す、というのは予告編を見てわかっていましたが、こんな結果とは…!!

決して邦題のイメージで見てはなりませんよ。

コメディではなく、悲劇的な幕切れです。

 

新しいローマ法王の誕生を心から待ちわびていた世界中のキリスト教信者の善男善女たちは、本当にがっかりしたことでしょう。

こんな結末で、いいのでしょうか?

キリスト教徒ではない私でも、ユーモアよりも強い不安を感じました。

 

この映画は、コンクラーベ(=ローマ法王選挙、「天使と悪魔」で知りました)で神聖に選ばれたメルヴィル(ミシェル・ピッコリ)の、実に個人的な心象を描いた作品です。

カトリック教会批判とかそういうものは感じられませんでした。

それどころか、ここに出てくる枢機卿たちは、子供のように天真爛漫で無垢な人たちでした。

こういう聖職者であれば、キリスト教も安泰なのでは?と思わせてくれたのですが…。

 

☆ネタバレ

無垢だからこそ、メルヴィルも目の前の法王という重圧に耐えきれず、逃げ出してしまうということなのでしょう。

メルヴィルは逃亡して、町のなかでいろんな人に会いますが、自分が若い頃に俳優になりたかったという気持ちを思い出します。

クライマックスは、信者の前に立ち、ひとりの人間としてのスピーチですが、法王はできないという内容です。

待ちわびた信者にとっては、悲劇的なスピーチとなりました。

 

ナンニ・モレッティ監督は自身も精神科医の役で出演していますが、キリスト教会に対して、人間がやる以上、こういうことも起こりえるという警鐘を鳴らしているのでしょうか?

教会がもっと人間をベースとした体質になるべきだという、示唆なのかなあ?

 

キリスト教信者ではない私には、測りかねる結末となりました。

 

コロンビアーナ

2013-02-09 16:50:23 | 映画ーDVD

ーコロンビアーナーCOLOMBIANA

2011年 アメリカ/フランス

オリヴィエ・メガトン監督 リュック・ベンソン脚本 ゾーイ・サルダナ(カトレア)ジョルディ・モリャ(マルコ)レニー・ジェームズ(ロス)アマンドラ・ステンバーグ(カトレア(9歳))マイケル・ヴァルタン(ダニー・デラネイ)クリフ・カーティス(エミリオ・レストレポ)

 

【解説】

『ニキータ』『レオン』などのリュック・ベッソンが、製作と脚本を手掛けたアクション・ドラマ。両親の命を奪ったマフィアに復讐(ふくしゅう)を果たすべく、すご腕の暗殺者となった女性の運命を追い掛けていく。『アバター』のナヴィ族のネイティリ役で世界的注目を集めたゾーイ・サルダナが、凄惨(せいさん)な過去を抱えた美ぼうの暗殺者カトレヤを熱演し、体を張ったハードな見せ場も次々と披露。『トランスポーター3 アンリミテッド』などのオリヴィエ・メガトン監督による、スピーディーな語り口とスタイリッシュなビジュアルにも注目したい。

 

【あらすじ】

1992年、南米コロンビア。麻薬組織のマフィアたちに目の前で両親を惨殺された9歳の少女カトレヤは、その場を逃れてシカゴでギャングとして生きるエミリオ(クリフ・カーティス)に身を寄せる。彼のもとで殺しのスキルを習得していったカトレヤ(ゾーイ・サルダナ)は、美しいプロの殺し屋として成長する。その技術を駆使して両親を殺した者たちに復讐(ふくしゅう)を果たそうと、彼らの所在を探りながら、殺しを重ねていくカトレヤ。だが、FBICIAをはじめとする捜査機関が、そんな彼女をマークし、行方を追い始める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「レオン」「ニキータ」のにおいがプンプンする作品。

最初の30分足らずで、主人公カトレアの原点をすべて語るスピーディなに展開に、すっと物語に引き込まれてしまいました。

 

南米コロンビアで平穏に暮していた少女カトレア。

しかし、父親は麻薬組織のボスで、敵対する別の組織に家を襲撃され、カトレアの目の前で両親が死んでしまう。

カトレアは、機転を利かせて家から脱出し、父から預かった秘密の情報を手にアメリカ大使館に逃げ込み、アメリカへ亡命を果たす。

アメリカでは、CIAからも逃げ出し、おじのエミリオ(クリフ・カーティス)の元へ。

エミリオも闇社会で生きる人で、カトレア(ゾーイ・サルダナ)は殺し屋となる。

 

カトレアには秘めたる思いがあった。

両親を殺した組織への復讐。

 

殺しのたびに、自分の印カトレアを死体に描いて、復讐の相手をおびき出そうとするが、その相手は非情にもエミリオや育ててくれたママまで殺してしまった。

 

怒りに燃えるカトレアは、敵の本拠地に単身で乗り込んでいく。

 

胸のスカッとする復讐劇でした。

主人公が女性なので、暴力もそれほどひどく感じないし、殺しも華麗でエンタメ的。

 

DVDで家庭で見るには面白いんじゃないかな?