マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

クリスマスその夜に

2012-12-27 10:49:29 | 映画ーDVD

ークリスマスその夜にーHJEM TIL JUL/HOME FOR CHRISTMAS

2010年 ノルウェー/ドイツ/スウェーデン

ベント・ハーメル監督 トロンド・ファウサ・アウルヴォーグ(パウル)クリスティーネ・ルイ・シュレッテバッケン(トネ)フリチョフ・ソーハイム(クヌート)セシル・モスリ(エリサ)サラ・ビントゥ・サコール(ビントゥ)モッテン・イルセン・リースネス(トマス)ニーナ・アンドレセン=ボールド(カリン)トマス・ノールシュトローム(クリステン)ライダル・ソーレンセン(ヨルダン)イングン・ベアテ・オイエン(ヨハンヌ)

 

【解説】

クリスマスの夜に巻き起こる複数のエピソードを見つめながら、不器用ながらも懸命に生きる人々の物語を描くハートウオーミング・ストーリー。監督は、『ホルテンさんのはじめての冒険』『キッチン・ストーリー』でも優しい人間ドラマを作り上げたノルウェー出身のベント・ハーメル。さまざまなエピソードがつながっていき、登場人物たちの人生が明かされていくうちに引き込まれていくストーリーの行方に注目だ。

 

【あらすじ】

とあるノルウェーの町では、クリスマスイブを迎えていた。その夜、以前のわが家に潜入する、サンタに変装した男がいた。一方、男の友人の医師は、コソボ出身のもう帰郷することができないというカップルの赤ちゃんを取り上げようと奮闘。また、ある少年は、イスラム教徒のためクリスマスを祝うことがない女の子と一緒に過ごしていた。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「ラブ・アクチュアリー」みたいな群像劇です。

ノルウェーのクリスマス。

凍えてしまいそうに寒い映像です。

 

冒頭は、子供がクリスマスツリーの木を探しに森の中へ。

でも、それを銃口が狙っています。

 

次は、除雪車が通ったあとの道路の遠景。

カップルが隠れながら歩いています。

妻は妊娠中のようです。

 

次は町の中。

クリスマスは、家庭で祝うものなのですね。

町はひっそりとしています。

おもちゃやのディスプレーを見ている男の子に、女の子が声をかけました。

「お祝いしないの?」

男の子は「君は?」と聞いて、女の子が「イスラム教だからお祝いしないのよ」というと、「ぼくもしないんだよ」と言いました。

少年の家には家族が集まってお祝いしていましたが、少年は少女と一緒にいたかったんですね。

少女の天体望遠鏡で見つけた星はシリウス。

ベツレヘムに導いた星でした。

 

次の話は医者と患者。

患者は、妻に追い出された惨めな男。

患者の男は、妻の家に行き、サンタの格好をして、妻の愛人を気絶させ、サンタに成り済まして子供たちにプレゼントを届けました。

 

医者の方は、一人家で待つ妻に、仕事優先の自分の気持ちを打ち明けて、またも急患の元へ。

呼ばれた行き先は、コソボから逃げてきたカップルのお産の手伝いでした。

二人は、コソボ紛争の犠牲者で、故郷にいるとお互いの家族から殺されてしまうと訴えました。

医者は、赤ちゃんを取り上げたあと、二人に車まで貸してあげて、歩いて戻ります。

でも、医者の心の中に、愛する妻と子供を持ちたいという願望が芽生えました。

 

おかしかったのは、愛人の元でクリスマスイブを情熱的に過ごした男。

朝になって、愛人に「妻と別れられない、僕は二人の女性を愛せるんだ」なんてしゃあしゃあという。

愛人は、クリスマスのミサに押しかけて、妻の隣にちゃっかり座りました。

おどおどする男の顔が見物でした。

 

生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて、スウェーデンの姉の元に向かうカップル。

見上げた夜空にはオーロラが。

まるで、マリアとヨゼフと赤ん坊のキリストの逃避行のようでした。

 

冒頭の銃口をのぞいていたのはこの女性。

兵士だったのですね。

撃たなくてよかった、と見ている私もほっとしました。

 

最後のお話は、かつて栄光のサッカープレーヤーが帰郷するのですが、彼は物乞いに成り果てて、帰る汽車賃にもことかくほどに落ちぶれていました。

無賃乗車がバレて、途中で降ろされますが、そこは極寒の駅。

でも、昔の女性に巡り会い、食事とお風呂とひげ剃りができ、無事列車に乗りますがー。

 

「クリスマスにふさわしい映画を」と思って鑑賞しましたが、ぴりりと辛いものもあるいい映画でした。

世界はまだまだ平和とは言えないのですね。

 

ラストの歌がよかったです。

「クリスマスには家に帰ろう」

日本なら、「お正月には家に帰ろう」ですね。

 

みんなが幸せなお正月が迎えられますように。

この年末に来ての政権交代で、日本もばたばたしていますが、来年こそは、落ち着いた安定感のある年になってほしいものですね。

 

ももへの手紙

2012-12-27 10:43:43 | 映画ーDVD

ーももへの手紙ー

2012年 日本

監督=沖浦啓之 キャスト=美山加恋(宮浦もも)優香(宮浦いく子)西田敏行(イワ)坂口芳貞(大おじ)谷育子(大おば)山寺宏一(カワ)チョー(マメ)

【解説】

『人狼 JIN-ROH』で世界の注目を集めた沖浦啓之監督が、7年の製作期間をかけて完成させた感動の長編アニメーション。父から遺(のこ)された一通の手紙を胸に、瀬戸内海の島へと移り住んだ少女が体験する驚きに満ちた日々を生き生きと描き出す。作画監督に『千と千尋の神隠し』の安藤雅司があたり、作画を『AKIRA』の井上俊之や『猫の恩返し』の井上鋭らが担当する。肉親との離別を体験した主人公の再生のドラマがしみじみと胸に響く。

【あらすじ】

父親を亡くしたももは、11歳の夏に母と2人で東京から瀬戸内の小さな島へとやって来る。彼女の手には、「ももへ」とだけ書かれた父からの書きかけの手紙が遺(のこ)されていたが、その真意はついにわからずじまいだった。ももは仲直りできないまま逝ってしまった父親のことで胸がいっぱいで、慣れない場所での新しい生活になかなかなじめずにいた。(シネマトゥデイ)

【感想】

すごく宮崎駿アニメ、「となりのトトロ」や「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」なんかを意識した作品ではないでしょうか?

これって、オマージュというのかしら?

 

父を亡くして都会の暮らしを引き払って、瀬戸内の静かな島に引っ越してきたもも(美山加恋)と母のいく子(優香)。

 

ももは、父との最後の言葉が喧嘩別れだったことから、心を閉ざしてしまっている。

そして、「ももへ」と書き出しで終わっている父の書きかけの手紙を何度も見返して、父が自分に何を伝えたかったのかと、自問してはしまうことの繰り返し。

 

母は、自立のためにと、介護講習を受けに留守がちだった。

母もまた、夫の急死を受け入れられないでいた。

なれない土地でひとりぼっちのもも。

 

空から雨粒のような水滴が3粒降ってきて、ももに触れて地上に落ちた。

彼らは、ももの家の古い妖怪の書いてある古文書にもぐりこんで、イワ(西田敏行)カワ(山寺宏一)マメ(チョー)という妖怪に姿を変えて現れた。

どういうわけか、ももにはその3人の妖怪の姿が見えるのだった。

 

☆ネタバレ

この3人の妖怪は、父が天に上がるまでのももと母の見守り隊だという。

そして、もものせいで母のぜんそくがひどくなり、医者を呼びに嵐の中を別の島へ行くというももを助けるのだった。

 

まず、この妖怪たちの畑を荒らしたり、作物を盗むというのが最後まで続いて、納得できませんでした。

日本は豊かだから、これくらいはいいのかな?

イノシシを追いかけ回すシーンでも、いろんなものを壊して、後始末がない。

もう少し、作物を作っている人に敬意があれば良かったのにと思いました。

 

あとは、嵐の中を、まだ開通していない橋を渡って医者を呼びにいくということ。

ちゃんと描いてなかったけど、お医者さんはどんなふうに連れて来たのかな?

嵐でヘリも飛ばないと言っていたけど。

母はぜんそくで、医者が来ても薬を処方する程度じゃないのかなあ?

それなら、電話か無線でもすみそうな気もするし。

立ち入り禁止の橋を渡る危険を冒す必要があったのかどうかって、びっくりしてしまいました。

追いかけてきた幸市も、大人なんだから止めるべきではなかったのか?

 

子供も見る映画でしょうに、理由があればは決まりを破っても命の危険を冒してもいいというのはどうなのかな? 

ラストは、瀬戸内の情景とともに、ももと父、母の心が通じて感動的だったけど、これでいいのかなあって思いが残りました。