ー007スカイフォールーSKYFALL
2012年 イギリス/アメリカ
サム・メンデス監督 ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)ハビエル・バルデム(ラウル・シルヴァ(ティアゴ・ロドリゲス))レイフ・ファインズ(ギャレス・マロリー)ナオミ・ハリス(イヴ)ベレニス・マーロウ(セヴリン)アルバート・フィニー(キンケイド)ベン・ウィショー(Q)ジュディ・デンチ(M)ロリー・キニア(タナー)オーラ・ラパス(パトリス)
【解説】
007のコードネームを持つイギリスの敏腕諜報(ちょうほう)員、ジェームズ・ボンドの活躍を描くスパイ・アクションのシリーズ第23弾。上司Mとの信頼が揺らぐ事態が発生する中、世界的ネットワークを誇る悪の犯罪組織とボンドが壮絶な戦いを繰り広げる。『007/カジノ・ロワイヤル』からボンドを演じるダニエル・クレイグが続投。監督に『アメリカン・ビューティー』のサム・メンデス、共演には『ノーカントリー』のハビエル・バルデム、『シンドラーのリスト』のレイフ・ファインズら、そうそうたるメンバーが結集。イスタンブールをはじめ世界各地でロケが行われた美しい映像も見もの。
【あらすじ】
MI6のエージェントのジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、NATOの諜報(ちょうほう)部員の情報が記録されているハードドライブを強奪した敵のアジトを特定し、トルコのイスタンブールに降り立つ。その組織をあと少しのところまで追い詰めるも、同僚のロンソンが傷を負ってしまう。上司のM(ジュディ・デンチ)からは、敵の追跡を最優先にとの指令が入り、後から駆け付けたアシスタントエージェントのイヴ(ナオミ・ハリス)と共に、敵を追跡するボンドだったが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
ジェームズ・ボンド役がダニエル・クレイグに変わって3作目です。
ロンドンオリンピックでは、ジェームズ・ボンドが女王をエスコートするという、思いもかけない演出で、しかもバッキンガム宮殿からヘリコプターに乗って競技場へ飛び降りるという驚きに満ちたものでした。
その映像のあとにエリザベス女王がロイヤルボックスに登場されて、感動したし、楽しかったですね。
1作目の「カジノロワイヤル」では、若いスパイのボンドが仲間のヴェスパーに恋をして、裏切られ、彼女を失うと言う内容でした。
次作「007慰めの報酬」では、ヴェスパーの恨みを抱きながら、国際社会の浦港像を暴くという内容で、最後はヴェスパーを騙した二重スパイに報復することができました。
ヴェスパーの面影を胸の奥深くにしまい込んだボンド、今回の作品は心も新たに、ジェームズ・ボンドの活躍が見られるのでしょう。
と思っていたら、オープニングでボンド(ダニエル・クレイグ)は列車から味方の狙撃の誤りで、深い川に落ちていきます。
アデルの歌う「スカイフォール」。
いいオープニングテーマです。
映像も素晴らしい。
わくわく!!
なかなか死なないボンド。
あのあと、MI6に連絡も取らず、南の島で静養中。
そもそも、自分だけで敵が奪ったHDを奪い返せると信じていたのに、M(ジュディ・デンチ)が、イブ(ナオミ・ハリス)に狙撃を命じたことに腹を立てていた。
M
しかし、奪われたHDにはNATO所属の諜報部員の情報が入っていて、奪った犯人はそれを公表していくと脅し、5人の諜報部員の情報がインターネット状で流された。
Mは情報安全委員会議長のマロニー(レイフ・ファインズ)に引退を勧告される。
そして、Mのパソコンはハッキングされ、犯行予告が届き、本部に戻るMの目の前で、本部が爆破され職員が犠牲となった。
このニュースを見たボンドはロンドンへ戻り、スパイの検査を受け(結果は不合格だったけど、Mが特別に合格にした)、再び任務を負って上海へ向かった。
上海で、HDを奪った犯人を突き止めたが、死亡させてしまう。
カジノでその犯人を知る美女セヴリン(ベレニス・マーロウ)と会い、彼女の雇い主のいる島へ向かう。
島にいたのはシルヴァ(ハビエル・バルデム)。
もと、MI6の諜報員をしていた男だった。
シルヴァ
セヴリンは殺されるが、ボンドはイギリス軍を呼びシルヴァを捕まえた。
この撮影が行われたのは、日本の長崎県の軍艦島だそうですね。
シルヴァは、有能な諜報員だったが、中国でハッキング中に捕まり、当然救われると思っていたのに、他の捕虜を解放する条件にシルヴァは見捨てられ、5日間の拷問の末、自殺使用し毒を噛んだが、死にきれず、それ以来Mを恨み、復讐を計画したいた。
シルヴァは周到な罠を仕掛け、ボンドはMを連れて、あのアストンマーチンで逃れ、自分の生まれ故郷である屋敷スカイフォールに連れて行き、シルヴァを迎え撃つ準備を始めた。
ここから先は、言えません。
今回は、ボンドの過去や生育歴が語られ、Mとの信頼関係の厚さ、絆の深さが語られます。
南の島でしょげているボンドはお母さんに反抗している子供のようだし、Mの信頼を取り戻してからの彼は、いろんな感覚が鈍っているにも関わらず、母の期待に応えようと頑張る子供のようでした。
そして、女王様に忠誠を誓う騎士のように、Mを抱きかかえながらMに誉めてもらった彼は、ようやく1人前のスパイと成長した姿なのかなあ、と思いました。
それと対比して描かれるのが悪人シルヴァですが、ハビエル・バルデムといえば、「ノーカントリー」の殺し屋役の方がずっと恐ろしかったです。
この作品は、「ダークナイト」を意識したと言われているけど、それほど怖くはなかったです。
タークナイトは架空の設定で、どんなふうにも誇張していけるけど、007はあくまてせ現実ベースなので、そこで勝負したら負けるでしょうね。
内容もMへの個人的な恨みだし、007のテーマらしくないなあと思いました。
もう少しこのシリーズは、軽妙洒脱な感じにならないかなあ。
次回は、人心一新だし、クレイグがどんなボンドに成長していくか、楽しみです。
個人的にはQを演じたベン・ウィショーが気になります。
Q