マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

人生万歳!

2011-08-24 10:22:29 | 映画ーDVD

ー人生万歳!WHATEVER WORKS

2009年 アメリカ

ウディ・アレン監督 ラリー・デヴィッド(ボリス)エヴァン・レイチェル・ウッド(メロディ)パトリシア・クラークソン(マリエッタ)ヘンリー・カヴィル(ランディ)エド・ベグリー・Jr(ジョン)マイケル・マッキーン(ジョー)コンリース・ヒル(レオ)ジョン・ギャラガー・Jr(ペリー)ジェシカ・ヘクト(ヘレナ)キャロリン・マコーミック(ジェシカ)クリストファー・エヴァン・ウェルチ(ハワード)オレク・クルパ(アル)

 

【解説】

『それでも恋するバルセロナ』などの名匠、ウディ・アレン監督の通算40作目となるラブコメディー。久々に舞台をヨーロッパから古巣ニューヨークに移し、くたびれた中年男性と若い娘の奇妙な恋愛模様を映し出す。主役を務めるのは、アメリカを代表するコメディアンのラリー・デヴィッド。その恋人を『レスラー』のエヴァン・レイチェル・ウッドが熱演する。いかにも都会的ウイットに富んだ会話と、複雑な人間ドラマに笑いがこみ上げる。

 

【あらすじ】

かつて物理学でノーベル賞候補にもなったボリス(ラリー・デヴィッド)は、自殺を図るが失敗。命は助かったものの結局妻とも離婚し、大学教授の地位も失ってしまう。今では古いアパート住まいの彼はある晩、南部の田舎町から家出してきたメロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)という若い女性に同情し、家に上げるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ウディ・アレンの40本目の記念作品だそうです。

軽いタッチの作品ですが、ウディ・アレンの手慣れた感じが小気味よかった。

ドラマの途中で、観客に語りかける演出なんてあり得ないけど、実に自然にやってしまうところが、ウディ監督らしいなあ。

 

主人公のボリスはウディそのものだけど、ラリー・ディビッドが演じて成功でしたね。

嫌みな老人を演じつつも、知性とセクシーさがちょうどよかったです。

 

原題の「WHATEVER WORKS」は「なんでもあり」と言う意味だそうです。

だから邦題の「人生万歳!」もかなり皮肉がこもっていると思ってくださいね。

 

ボリス(ラリー・デヴィッド)は天才で、かつてノーベル賞の物理学賞候補にもなった人物ですが、いまは、自殺願望の厭世的な老人です。

才気あふれる有能な妻がいたけど、自殺未遂をして離婚。

その後遺症で足を引きずっています。

 

現在は、子供にチェスを教え、学者仲間と交流しながらおんぼろアパート(でも、メゾネットだけど)で一人で暮らしています。

 

偏屈で毒舌で皮肉屋、ネガティブなことばかりをしゃべりまくっています。

彼の持論は「どうせみんな死んでしまうんだから、人生なんでもありなんだよ」ということかな?

 

彼の家に、南部から家出してきた21歳のメロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)が転がり込んで起こる大騒動です。

 

☆ネタバレ

最初はメロディをバカだと軽蔑して、興味も示さなかったボリスだが、メロディの無知や非常識を通り越した純真無垢なところに、彼女の点数が上がって行くところがおかしかったです。

よく見れば、金髪ブロンドの美人だということで、さらに評価が上がっていく。

 

母の希望で美少女コンテストに出場して、学校にも行けない生活に嫌気がさして家出して、憧れにニューヨークにやってきたものの、頼る人もなく路頭に迷っていたメロディ。

家にいれてくれて、難しいことばかり言うボリスに驚くけど、結局追い出さなかったことに感謝する。

そして、いままで会ったことのない天才ボリス心から尊敬し、同居生活が気に入り、最終的には二人は結婚する。

「知的レベル格差婚」とボリスは言うが、年齢格差婚でもある。

 

そこへ、どこから聞きつけたのかメロディの母親マリエッタ(パトリシア・クラークソン)がやって来る。

パパが自分の親友と駆け落ちして、事業に失敗して家を手放し、残った貯金も株で大損して行くところがないと言う。

メロディがボリスを夫と紹介すると気絶してしまう。

 

マリエッタは、ボリスの友人の哲学者レオにその写真の才能を見いだされ、写真家のアルとレオと3人の生活を始め、無神論者の前衛アーティストとして目覚める。

 

しかし、メロディの夫としてのボリスを認めず、メロディに心を寄せる役者の卵ランディを近づける。

母の望み通り、ランディと恋に落ちたメロディは、ボリスに離婚を申し出るのだがー。

 

その他に、メロディの父親も現れて、本来のゲイとしての生き方に目覚めちゃうし、ボリスも、メロディと別れた後また自殺を図り、そこで知り合った占い師と再婚するというハッピーエンドを迎えます。

 

そして「人生なんでもあり」と締めくくるわけです。

 

これでもかというほど、後ろ向きの人生なんだけど、実はハッピーエンドなんて、やっぱりウディ・アレンは人が好き、人生が好き、映画が好きなんでしょうね。

 

すごく、面白かったですよ。