マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

火天の城

2011-05-10 08:59:05 | 映画ーDVD

ー火天の城ー

2009年 日本

監督=田中光敏 原作=山本兼一 キャスト=西田敏行(岡部又右衛門)福田沙紀(岡部凛)椎名桔平(織田信長)大竹しのぶ(岡部田鶴)寺島進(平次)山本太郎(熊蔵)石田卓也(市造)上田耕一(弥吉)ペ・ジョンミョン(太助)前田健(留吉)熊谷真実(ふさ)水野美紀(うね)西岡徳馬(丹羽長秀)渡辺いっけい(木村次郎左衛門)河本準一(羽柴秀吉)遠藤章造(堺の豪商)田口浩正(中川左内)内田朝陽(中井孫太夫)石橋蓮司(池上五郎右衛門)笹野高史(木曾義昌)夏八木勲(戸波清兵衛)緒形直人(大庄屋甚兵衛)

 

【解説】

11回松本清張賞を受賞した山本兼一の同名小説を基に、織田信長の構想にほれ込み、前代未聞の城郭要塞・安土城の築城に携わった天才宮大工・岡部又右衛門の生き様を描く時代劇。監督は『化粧師 KEWAISHI』の田中光敏。『釣りバカ日誌』シリーズなど、出演作が続く超売れっ子の名優・西田敏行が岡部又右衛門を演じる。共演は『レイン・フォール/雨の牙』の椎名桔平ら。城作りのダイナミズムを壮大なスケールでとらえた映像に注目だ。

 

【あらすじ】

織田信長(椎名桔平)から城の建設を命じられた熱田の宮番匠・岡部又右衛門(西田敏行)。又右衛門は即座に引き受けるが、建設を指揮する総棟梁は、名だたる番匠たちとの図面争いで決めるという。夢のような仕事を前に、寝食を惜しんで図面作りに没頭する又衛右門を、妻の田鶴(大竹しのぶ)、娘の凛(福田沙紀)らが支えるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

今は幻の安土城。

織田信長か自身のために作ったお城。

その築城にまつわる話と聞いて、とても興味がありました。

 

でも…微妙だなあ。

 

始まりの、コンペ大会は面白かった。

いずれも名だたる名匠、宮大工の名家と、田舎の宮大工の頭領岡部又右衛門(西田敏行)のコンペ。

信長の無理難題に、各者が趣向を凝らして挑みます。

そして、勝ち取った安土城の築城プラン。

 

木を切り出して製材するところから始まります。

いいですねえ。

今のように重機のない時代、すべて人海戦術で、しかも、ひとりひとりの技術力もすごいんだろうな、わくわく。

 

そうしたら、又右衛門が「親柱にする檜がいる」と、しかもその檜は木曽ー信長の敵である領地に行って、一番いい檜をもらう話、これは、史実なのかなあ?

かなり無理がある感じでした。

伊勢神宮の遷宮のための2000年の檜を譲ってもらうなんて…。

「2000年の檜を使って2000年の城を造る」という又右衛門の熱意に、山の民大庄屋甚兵衛(緒形直人)が命を賭けて惚れると言う設定でしたが。

 

でも、これも築城の逸話なので、いいことにしましょう。

 

だんだん納得いかなくなってきたのが、又右衛門の娘凛(福田沙紀)のエピソード。

凛は番匠見習いの市造(石田卓也)と恋人同士のようでしたが、市造が戦場に志願して行くとき、父親になぜ行かせたかと責めるシーンがあったけど、この時代の人が、父親に人命の大切さを訴えたりしただろうか?

あまりに現代的な感覚に、かなりしらけてしまいました。

 

その上、お百度を踏む妻とか、妻の死とか、あまりに築城に関係のない家族のドラマの展開に、ますます気持ちが離れて行きました。

 

そんなことより、職人さんの技術や苦労に重点を置いて欲しかったです。

家族の話は、あくまでサイドストーリーにとどめて欲しかったです。

 

もう一つの不満は、巨石を動かすシーン。

もう少し、スマートにやれなかったのかなあ。

何かと言えば、刀に手をかけて職人を脅かす役人。

そんなことで職人や頭領を切り捨てたら、なるものもならず、それこそ信長の怒りを買うことになったと思いました。

 

この時代、石工さんもかなりの技術者集団だったと言うことです。

このあと、大阪城の石垣に代表される技術の始まりの時代のようです。

そうそう、築城の先駆的な物語なんですよね。

もっと、盛り上げられなかったのかなあ?

 

そして、信長暗殺。

忍者!!

しかも九の一!!

ワイヤーアクション、このシーン必要なのかなあ?

これも、史実らしいんだけど…。

 

結局、あの巨石はどうなったのでしょう。

 

クライマックスは、親柱である檜を4寸浮かせて切ると言うもの。

嵐で地盤が沈下したと言っていたけど、それも、なんか拙い感じがしました。

 

でも、一族郎党のチームワークで乗り切りました。ちゃんちゃん、終!!

 

えーっ、これで終わりなの?

 

3年で落城したんですよね。

そのドラマはないの?

2000年の檜が燃えて落ちるところが見たかったなあ。

 

もっとお城が主人公の映画として、見せてもらいたかったです。

 

期待値が高かった分、辛口になりました。


祝春一番2011 40周年記念 ーその3ー

2011-05-07 14:29:35 | ライブ

 

<5月4日>



朝早くから、すごい人出。

1時間前には野外音楽堂を取り囲むように、長蛇の列ができていました。

 

小椋ホズさんが、いとうたかおさんと長田(タコ)和承を従えてのオープニング。

珍しいアフリカの楽器、弦楽器のようなハープのような大きな楽器を演奏していました。

オープニングにふさわしい、爽やかな音色でした。

 

この日は、いとうたかおさんを始め、有山じゅんじさん、石田長生さん、豊田勇造さん、藤井裕さん、ヤスムロコウイチさんといった個性派ぞろい。

 

有山さんのステージには清水興さんと石田長生

 

石田長生のステージには有山じゅんじ

 

笑福亭福笑

 

笑福亭福笑さんの落語、山中一平さん一座の河内音頭、坂田明Unitの前衛的なジャズ、小川美潮・スプラゥトゥラプスなど、バラエティ豊かな出演者でした。

 

木村充輝さんはジャズのバンドで登場。

「木村さんとジャズをくっつけたのもあべちゃんやろね」と誰かがつぶやいていました。

 

ほら、こんなところにもあべちゃんが…

 

 

特筆すべきは、リトルキヨシとミニマム!genki!と加川良さんの競演。

genkiくんは良さんの一人息子さんです。

1昨年も出演していましたが、私は見れなかったので楽しみにしていました。

良さんは、ピンクのTシャツに真っ白なシャツを着て登場。

あまりのかっこよさに、曲がよくわからなかった。汗!

 

バンドとしても面白く、被災地にボランティアで物資を届けに行った話など、ピュアな気持ちが伝わってきました。

これからも、頑張って欲しい!!

なんか、親戚のおばちゃん気分になってしまいました。

関係ないのにねー。

 

 

<5月5日>

いよいよ最終日。

 

北海道から室蘭さんも駆けつけて、今日は主に加川良さんの応援だなあ。

芝生席で、良さんファンの皆さんと宴会。

差し入れのキムチ、美味しかったよ!

ワインやビールで何度も乾杯!!

これも春一の楽しみの一つです。

 

加川良さんといとうたかおさん

 

三宅伸治バンド、かっこ良かった!!

今年は忌野清志郎さんの追悼ライブも武道館で行われていたようですが、伸ちゃんも天国の清志郎さんに熱い心を送っていました。

 

5th erement willプラス有山じゅんじ

 

この日は、アベちゃん色が濃いプログラムになっていました。

 

ラストは「牛ふたり」。

AZUMIとあべちゃんのユニット名です。

私もCD買ってしまいました。

あべちゃんて、ほんまに歌が好きやったんやね。

5年くらい前から、とうとう自分で歌い出して、最初は「マジクッアニマルズ」というハードなロックバンド。

最後は、アコースティックギターで「牛ふたり」。

バラードも歌ったのね。

自分で詩も曲も書いて、すごいなあ。

 

あべちゃんの歌を聞いていると、ほんとに彼はシャイなロマンチストだと思う。

ハートがあります。

ぶっきらぼうな言葉のなかから優しさが溢れて、すごくいいよ。

 

と思いながら聞いていましたが、だんだん体は冷えて来るし、AZUMIはどんどんヒートアップして歌い続けるし、いつ終わるんかいなあと心配になるほどでした。

あべちゃんの供養にはなったでしょうね。

 

最後のプレイヤーの名前は「福岡風太 阿部のぼる」となっていました。

ジーンとしました。

 

 

帰りがけにステージで帰りを促す案内をしていた風太さんに「おめでとう」と声をかけたら「何がめでたいねん」と言われました。

「だって、40周年無事に終わったやん」と言ったら、「まあな」って意外に素直な返事。

でも、「また赤字や」と言うから、「30日と今日は少なかったけど、あとはたくさん入っていたやん」と言ったら、「(入場料)3500円でこんなにたくさんのミュージシャンやで、こんなんあかんあかん」と言うから、「出演者、ギャラないやん」と言っておきました。

少ないギャラでいい音楽を聴かせてくださったミュージシャンの皆様、本当にありがとうございました。

 

私、ちょっと真面目なことを言いますが、この春一って、スポンサーもつけずに、福岡風太と阿部登の、わがまま勝手なコンサートに見えます。

入場料も安いけど、スタッフもボランティア、ミュージシャンもおそらくギャラが薄いと思います。

 

30日と5日は、客席はほとんど関係者ばかりかも、と思わせるくらいでした。

多くの人が関係者のワッペンや名札を付けていたから。

宮里ひろしさんの恒例の「へろへろ」では、関係者がどっとステージに上がったら、客席はガラガラになったもの。(それは言い過ぎかな?)

 

宮里ヒロシのステージ「へろへろ」

 

たくさんのミュージシャンが出ても、有名無名に関わらず持ち時間は25分ギャラも同じときいています。

私のような春一ファンには、そこがすごい魅力なんだけど、こんなコンサート、この二人にしかできないと思うわ。

 

私は毎年のように春一に来て、お気に入りのミュージシャンや歌に出会い、人生を豊かにしてもらいました。

いわば、私にとって音楽の先導者のような存在ね、アベちゃんは。

ここからのこの1年は、お気に入りの音楽を日本中追いかけて暮らすのが理想でした。

ほんと、20歳の頃に喫茶「ディラン」でアベちゃんに出会って、40近く彼に導かれてここまで来たんだなあ。涙!!

アベちゃん、ほんまにありがとう。

 

その阿部登がいなくなったんだから、痛手は相当のものでしょう。

でも、福岡風太の命がある限り、春一は続くと思います。

 

ほんの少しでしたが、まかないを経験して、スタッフの苦労もよくわかりました。

私は、来年も客席で聞いている方がいいけど、なんかあったら手伝うので、よろしくお願いします。

 

 

福岡風太さん、お疲れさまでした。

ありがとう。

また、来年ね。

 

 


祝春一番2011 40周年記念 ーその2ー

2011-05-07 13:54:58 | ライブ

 

<51日>

あいにくの雨模様。

でもお客さんの出足は上々。

 

オープニングは誰がカバヤねんR&R SHOW

 

ダンシング義隆はいませんでしたが、女性ヴォーカルのアモーレ猪熊さんが素晴らしい歌声を披露してくれて、雨なんかぶっ飛ばしそうな、楽しいステージでした。

 

おくむらひでまろ(元憂歌団のマネージャー)プロデュースのブルースタイム。

ちょっと時間が長かったかな?

 


 

アチャコ&フレンズ

おなじみですが、いつもと変わらない強烈なメッセージですが、今回こそ、いろんなところに届くんじゃないでしょうか?

 

大塚まさじと長田タコ和承

 

大塚まさじさんの後に押尾コータローが登場し、演奏はもちろん圧巻でした。

 

「僕が高校生の頃、クラブの終わりに歌っていた歌」と言って、大塚さんの「茶色い帽子」を口ずさんでくださって、とてもうれしかったです。

 

ハンバートハンバート(佐野遊穂、佐藤良成)

 

山下洋輔さんのトリオ。

洋輔さんのピアノはますます過激で、素敵ですねえ。

若い仲間にも全然引けを取りません。

 

そして、あべちゃんがマネージャー業を始めた最初の人ということで、おしゃべりもしてくださいました。

 

 

ハンバートハンバートはラストにも登場し、ジャズの大御所山下洋輔のピアノで、アベちゃんの曲を熱唱。

遊穂ちゃんは大御所との競演にも、堂々とした歌いっぷりで、その澄んだ高音は私の胸にすーっと納まりました。

 

 

 

 

<53日>

私はこの日朝から、娘の代わりにまかないをお手伝いしました。

天王寺野音の頃に、手作りクッキーを売ったことはあったのですが、裏方は初体験です。

おにぎりを握ったり、洗い物をしたりしていたんだけど、まかないのチーフ田川律さんが出演すると言うので、客席から見ていました。

 

松田ari幸一と村上律

 

田川律とそのバンド

 

田川さんが大塚さん抜きで「歌」を歌うのを初めて見たけど、よかった!!

ご自身の作品だものね。

当たり前よねー。

 

その間に娘が到着して、私はまた観客に戻りました。

つまり、あんまり役に立たなくて、お騒がせしただけでした。

まかないスタッフの皆さん、ごめんなさい。

 

アベちゃんの奥さんのNIMAさんが坂田明さんのサックス伴奏で、ダンスを披露してくれました。

客席に飛び出して、軽やかに踊りました。

かつて、アベちゃんが会場の隅々までぐるぐる回っていたことを思い出しました。

アベちゃんの精霊が、あちこちにいてNIMAを見守っているようでした。

「アベちゃんが一番愛した人ーNIMAさん」という風太さんの紹介も悲しかったです。

 

サニーデイサービス

はじめにきよし

 

「サニーデイサービス」や「はじめにきよし」など、メジャーな出演者のお陰か、観客の数はすごいものでした。

 

撮影禁止が厳しくて、ここに載せた写真は、知り合いからいただいたものが多いです。

 

松田ari幸一、村上律、中川イサト、中川五郎、友部正人という常連組も、今年はさらに力が入っているように思いました。

 

友部正人さんはこの日のトリでしたが、東京ローカルホンクと競演して、ロックだったし、飛びながら踊りながらのステージでした。

 

友部正人と東京ローカル・ホンク

 

さらにすごかったのは、中川五郎さん。

最近はライブ活動に力を入れていらっしゃるということで、サブステージだったけど、ベースに文ちゃん(岡崎善文)をいれて、太鼓とアコーディオンでアコースティックなんだけど、なかなか激しいステージでした。

ギターをハウリングさせて、ギターを壊して投げ捨てるのかと思いましたね。

(そこは、大人やから、そんなことはなかったとげどね)

伝えたいメッセージがたくさんあるのでしょうね。

中川五郎のホームページを見たら、そのライブの数、行動範囲の広さに驚きますよ。

私も心を動かされて、611日丹波篠山の一会庵の『歌と蕎麦と酒の特別な夜 Vol.17 中川五郎コンサート』に行くことにしました。

歌への情熱、60歳過ぎても衰え知らずです!

今、ピークが来ているのかも!!

ものすごい熱いステージでした。

 

ペーソス

 

この日一番面白かったこと!!

ペーソスが舞台に上がったとたん、後ろの席の男性が「あっ!!」と小さな声で叫びました。

なにがあったか、と振り返ると、彼は申し訳なさそうにはにかんで、「薬飲むのを忘れていた、糖尿病」と言いました。

ペーソスで思い出すなんて、彼も春一の達人とお見受けしました!!

 

最終日の話なんだけど、私はこの5日間ずっと最前列にいたのですが、その男性もずっと2列目におられて、とうとう最終日お話ししました!!

19歳のときに加川良さんにであって以来のファンだとか。

6月3日の大阪御堂会館での「笑福亭福笑(ゲスト・加川良)」にも行かれると言うことで、再会を願ってお別れしました。

 

ラストはマイクなしで友部正人と東京ローカル・ホンク

 


 


祝春一番2011 40周年記念 ーその1ー

2011-05-07 13:29:47 | ライブ

 

ー祝春一番2011 40周年記念ー

我が家にとっては、恒例行事「春一番コンサート」。

今年は、430日から(52日はお休み)5日間、はじめて通し券を買って、朝一から終わりまで鑑賞しました。

こんなにまじめに参加したのは長い春一人生でも初めてのことでした。

 

この春一番コンサートは、1971年から天王寺野外音楽堂で、福岡風太、阿部登が中心となって始めたコンサートで、1979年から1995年までの休止をへて、1995年には大阪城や外ホールで、1996年からは服部緑地の野外音楽堂に場所を移して行われてきたものです。

 

その一翼をになう阿部登が、去年の11月に亡くなりました。

詳しくは、私のブログで。

ありがとう。あべちゃんー阿部登逝くー

 

今年の春一は、あべちゃんの追悼色の強いものになりました。

すべてのミュージシャンが、あべちゃんのために新しい歌を披露してくれました。

みんな、あべちゃんに心を込めて歌っていたので、今まで以上に心に届きました。

 

さらに、今年は3.11

感受性の豊かなミュージシャンたちは、強いメッセージをたくさん発信してくれました。

有事のときこそ、輝くのがアーティストだと思いました。

 

<430日>

オープニングはぜいたくなことに、LOW-LOWSでした。

 

ブラスユニットとコーラスユニットで、盛大に盛り上がりました。

 

俵越山(越前屋俵太)の書動のパフォーマンス。

宙刷り状態で書いたニコちゃんマークだけど、どこかあべちゃんの面影が…。

コンサートの期間中、この謎の微笑みがステージを見守り続けた。

 

今年は、寒いせいか、毎年なら散っているハナミズキが満開。

新緑に映えてきれいでした。

 

天野SHOさんがかっこよかったし、昨年のR-1グランプリファイナルに残ったナオユキさんのスタンダップコメディも面白かったです。

 

 ナオユキ

 

林亭(佐久間順平・大江田信)の素晴らしいハーモニーも、いつも以上に心を打ちました。

 

林亭

 

この日、うちの娘がスタップでまかないに入っていたのですが、林亭はステージが終わった後「朝からご苦労様です」とまかないスタッフの前で一曲披露してくださったそうです。

娘は、「すごくよかったし、東京の人はおしゃれやわ」と感激していました。

 

桜川唯丸一座の江州音頭。

毎年聞いているのに、今回の般若心経はしんみりしてしまいました。

 

 

この日、エンディングを飾った夕凪。

西岡恭蔵さんの「春一番」を歌い上げてくれました。

ものすごく、感動的でした。

 


 


阪急電車 片道15分の奇跡

2011-05-06 08:50:39 | 映画ー劇場鑑賞

ー阪急電車 片道15分の奇跡ー

2011年 日本

監督=三宅喜重 原作=有川浩 脚本=岡田惠和 キャスト=中谷美紀(高瀬翔子)戸田恵梨香(森岡ミサ)南果歩(伊藤康江)谷村美月(権田原美帆)有村架純(門田悦子)芦田愛菜(萩原亜美)小柳友(カツヤ)勝地涼(小坂圭一)玉山鉄二(遠山竜太)宮本信子(萩原時江)

 

【解説】

始点から終点まで片道15分のローカル線、阪急今津線の電車内を舞台にした、有川浩の小説を映画化した群像ドラマ。乗客たちの目を通して、偶然同じ車両に乗り合わせた人々の人生を映し出していく。婚約中の恋人を後輩に奪われたOLと、恋人に振り回される女子大生を演じるのは、中谷美紀と戸田恵梨香。そんな不幸な彼女たちにもたらされる奇跡と、ハートフルなストーリーに注目。

 

【あらすじ】

阪急今津線の車両内。白いドレスを着て結婚式の引き出物を抱えた女性(中谷美紀)に、見知らぬ老女が声を掛ける。一方、暴れる彼氏を前に動揺する若い女性(戸田恵梨香)。降りる彼を追う彼女にもまた、老女が声を掛けるのだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

レデイースデイに鑑賞しましたが、それとばかりはいえない感じで、最前列まで満員という盛況ぶりでした。

さすが、地元と言うことでしょうか?

(兵庫県の話で大阪の話ではないのですが…汗!!)

 

阪急今津線、西宮北口から宝塚までの各駅電車。

始めに、登場人物の紹介があります。

みんな、この沿線に住んでいます。

群像劇ですが、どことなく触れ合うところが自然で素敵でした。

 

それぞれのエピソードは、取り立ててドラマチックなお話も、展開もありません。

普通に暮らしている人たちのお話です。

でも、それなりの悩みはあるものです。

 

婚約中に、彼氏を会社の後輩に寝取られてしまったOL翔子(中谷美紀)。

夫を亡くして一人暮らしだが、孫(芦田愛菜)のお守りを楽しくしている時江(宮本信子)。

かっこいいだけで付き合ったら、DVだった!彼氏とずるずる付き合っているミサ(戸田恵梨香)。

息子の学校のお母さんたちとの付き合い、高価なランチも楽しくないのに、引きずられてしまう気弱な主婦、康恵(南果歩)。

関西学院大学生で、地方から出てきて、友達となじめない女子大生美帆(谷村美月)と、やはり、友達から浮いてしまっている軍事オタクの圭一(勝地涼)。

その関西学院大学に憧れている高校生の悦子(有村架純)。

学校でいじめに遭っている様子の小学生。

 

彼らの往路を10月、復路を3月という気候のいい季節に設定して、景色とともに楽しませてくれました。

 

俳優さんたちがとても気持ちのいい演技をしてくれて、大阪弁も大切にしてくれて、爽やかな感動のある映画になっていました。

 

やっぱり、あんなうるさいおばちゃんがいたとしても、阪急電車は上品やね。

 

兵庫県のお話ではあるけど、隣の大阪人としても、とっても嬉しい作品でした。

 


私を離さないで

2011-05-02 14:07:44 | 映画ー劇場鑑賞

 

ー私を離さないでーNEVER LET ME GO

2010年 イギリス/アメリカ

マーク・ロマネク監督  キャリー・マリガン(キャシー)アンドリュー・ガーフィールド(トミー)キーラ・ナイトレイ(ルース)シャーロット・ランプリング(エミリ先生)イゾベル・ミークル=スモール(キャシー(子供時代))チャーリー・ロウ(トミー(子供時代))エラ・パーネル(ルース(子供時代))サリー・ホーキンス(ルーシー先生)

 

【解説】

イギリスの文学賞・ブッカー賞受賞作家カズオ・イシグロの小説を基に、傷つきながら恋と友情をはぐくみ、希望や不安に揺れる男女3人の軌跡をたどるラブストーリー。『17歳の肖像』のキャリー・マリガン、『つぐない』のキーラ・ナイトレイ、『大いなる陰謀』のアンドリュー・ガーフィールドといった若手実力派スター3人が豪華共演。詩情豊かでみずみずしい映像と、ドラマチックな展開の果てに待ち受ける衝撃と感動を堪能したい。

 

【あらすじ】

外界から隔絶された寄宿学校ヘールシャムで、幼いころから共に日々を過ごしてきたキャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)。普通の人とは違う特別な存在として生を受けたキャシーたちは、18歳のときにヘールシャムを出て、農場のコテージで共同生活を始める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

手造り旅行「こま通信」の小松氏から「この作品見ましたか?」とメールがあったので、劇場鑑賞しました。

 

私は原作を読んでいないので、ここに描かれている世界の設定を理解するのに時間がかかりました。

1952年、人類は画期的な医療技術を発見し、寿命が延びた」(こんな感じ)というテロップに、「抗生物質かしら?」と思ったくらいです。

 

また、キャシー・H(キャリー・マリガン)の現在から物語は始まり、キャシーの独白で語られます。

「私は介護士です」

「介護士」?この言葉にも混乱させられました。

場面はすぐに過去へ。

子供時代のキャシーがそっくりなことに驚かされました。

 

キャシーとトミー(アンドリュー・ガーフィールド)、ルース(キーラ・ナイトレイ)が共に育ったヘイシャム寄宿学校。

校長(シャーロット・ランプリング)は、「あなたたちは特別です」と訓示していました。

喫煙を特に厳しく注意していましたが、それが物語に関係があるかどうか、気にも留めませんでした。

 

ところが、この作品は、すべてがこの世界を説明する伏線になっています。

観客にはとても理解しにくい世界です。

子供たちはすごく昔風な制服姿で、規律正しく素直です。

親の影がないので、孤児院かなあ?

それにしても先生たちの表情が硬い。

 

生徒たちはギャラリーと呼ばれる創作活動に力を入れています。

それをマダムと呼ばれる女性がたまに取りにきます。

 

新任のルーシー先生(サリー・ホーキンス)が、「あなたたちは長く生きられない。あなたたちの命はあなたたちのためにあるのではない」と言い残して学校を去りました。

 

☆ネタバレ

18歳になり、キャシーたち3人はコテージと呼ばれる共同生活の場所に移りました。

ルースとトミーは恋人になっていました。

他の寄宿舎から移ってきた若者たちとも一緒になり、希望者は「介護士」に、あとは「提供者」となります。

「介護士」となっても、「提供者」にならなくていいわけではありません。

少し、遅くなるだけです。

 

つまり彼らは、誰かのコビー(クローン)なのです。

人間を病気から救うために作られた、臓器提供者なのでした。

 

そこへうわさ話が入ってきました。

「ヘイシャムは特別なので、真の恋人であれば、提供を3年間猶予され、一緒に暮らせる」と。

トミーはギャラリーへの作品の提出こそが、その証だと考えました。

ルースとトミーは当然申請するものと思い、キャシーは身を引くように介護士となってコテージを出て行きました。

 

なのに、キャシーが去ってすぐ、ルースとトミーは別れました。

 

そして10年後、キャシーはルースを見つけました。

2度の提供で体はかなり弱っていました。

ルースの願いで、トミーに会いに行きました。

トミーも2度の提供を経験していましたが、まだ元気でした。

3人は海へ行き、そこでルースは二人に詫びました。

「嫉妬から二人の仲を裂いた。マダムの住所を償いのために渡すので、申請して欲しい」と。

 

ルースは3度目の提供で亡くなりました。

 

キャシーとトミーはトミーの作品を持ってマダムを訪ねます。

そこには校長もいて、うわさはでたらめだと言いました。

「ギャラリーは、あなたたちにも心はあると訴える行為だった」と。

でも、その努力もかなわず、臓器提供をするためだけの生き物となった彼ら。

 

そして、トミーも死に、キャシーにも「提供者」となる知らせが来た。

キャシーは元ヘイシャムのあった場所で、トミーの面影を探す。

 

なんとも、重いテーマです。

人間の技術が人の生死にまで関わってきた現代ならではのテーマでしょう。

つまり、臓器スペアの固まりのような存在の彼ら。

魂がないと思えたら、気が楽でしょうね。

 

近い将来、クローンの国ができるかもしれません。

「アイランド」という映画がありましたね。

人間の不老不死の欲求はどこまでいくのやら…。

 

私は、もちろん彼らにも魂があるんだと思いました。

だから、トミーの叫びが胸を打ち、涙が溢れました。

なぜ、彼らはそんなにもけなげに、潔く運命を受け入れることができるのか。

ジャーナリズムに訴えたり、反乱を起こしたり、自殺をしたりはしないのかな?

 

でも、運命というものはそういうものかもしれないと、思ったりもします。

難病を抱えた人たち、かつての奴隷たち、紛争地域に生を受けた人たち、今回の原発事故のように、ただそこに住んでいたと言うだけで、故郷を離れなければならない人々。

 

叫んでも、訴えても、変えられない運命は確かにあるのです。

それなら、運命とどう向き合えばいいのか。

 

もう、私には答えることができません。

本当に残酷で、悲しい映画でした。

 

3人の若手俳優たちはとても素晴らしかったです。

特に、キャリー・マリガン、自分を抑え、トミーに対する愛が溢れた演技、すばらしかったです。

 

 


トイレット

2011-05-02 14:04:10 | 映画ーDVD

ートイレットー

2010年 日本/カナダ

監督・脚本=荻上直子 アレックス・ハウス(次男レイ)タチアナ・マズラニー(長女リサ)デヴィッド・レンドル(長男モーリー)サチ・パーカー(謎の女性)もたいまさこ(ばーちゃん)

 

【解説】

人生に退屈し、自分の世界に閉じこもって生きる三兄妹が、心を開いて家族のきずなを深めるまでを描く感動ドラマ。『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督が、海外で自分のオリジナル脚本の映画を撮るという念願の企画を実現。三兄妹と触れ合うばーちゃん役に荻上作品の常連もたいまさこ、謎の女性役に『西の魔女が死んだ』のサチ・パーカー。荻上作品ではおなじみのフードスタイリスト飯島奈美による美食の数々にも期待。

 

【あらすじ】

プラモデルオタクのレイ(アレックス・ハウス)、引きこもりピアニストの兄モーリー(デヴィッド・レンドル)、エアギターで自己実現のアイデンティティーを保っている大学生の妹リサ(タチアナ・マズラニー)の三兄弟は、人生は退屈の繰り返しに耐えることだと信じて疑わなかった。しかし、生前母親が日本から呼んだばーちゃん(もたいまさこ)との日々を過ごす中で、三兄弟の心に少しずつ変化が起こり始める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編でとても期待してたのですが、公開中には行けず、DVD鑑賞となりました。

 

カナダで結婚した娘にひきとられたばーちゃん(もたいまさこ)。

頼りの娘が先に死んでしまった。

後を託された次男のレイ(アレックス・ハウス)に残されたのは、このばーちゃんと古い家と、引きこもりの兄モーリー(デヴィッド・レンドル)と、憎まれ口をきく妹リサ(タチアナ・マズラニー)と猫のセンセーでした。

 

レイは一人暮らしをしていて、研究所に勤めているロボットオタク。

母に託されても知らん顔をしていましたが、アパートが火事になって兄妹とバーちゃんの住む家に引っ越してきました。

 

朝、トイレが塞がっている。

ばーちゃんが長いのだ。

しかも、出て来ると深いため息をつく。

「なぜだ!?」

 

人生を退屈と感じ、誰とも関わりたくなかったレイが、兄妹やバーちゃんに関わることにより、生きることの意味を考えるようになるというお話。

 

荻上映画の今回の食べ物は手造り餃子。

美味しそうです。

 

トイレも、日本の最先端のトイレ技術の素晴らしさをアピール。

TOTOが協賛でした。

 

淡々と描かれているけど、外国でも日本でも共通の人の営みから、人生まで考える作品になっていました。

ちょっと、テーマが大きすぎたかなあ、とも思いましたが、私はしっかりはまって、この夜のメニューは餃子になりました。