ー食べて、祈って、恋をしてーEAT PRAY LOVE
2010年 アメリカ
ライアン・マーフィー監督・脚本 エリザベス・ギルバート原作ジュリア・ロバーツ(リズ・ギルバート)ハビエル・バルデム(フェリペ)ジェームズ・フランコ(ディビッド)リチャード・ジェンキンス(リチャード) ヴィオラ・デイヴィス(デリア) ビリー・クラダップ(スティーブン)
【解説】
世界中の女性から絶大な支持を受けるエリザベス・ギルバートの自伝的ベストセラー小説を、ジュリア・ロバーツを主演に迎えて映画化した人間ドラマ。ジャーナリストとして活躍するヒロインが離婚と失恋を経て、自らを立て直すために出た旅の日々を描く。ヒロインの人生を変える男性に『ノーカントリー』のハビエル・バルデムがふんするほか、『スパイダーマン』シリーズのジェームズ・フランコらが共演。イタリアやインド、バリ島でロケを行った美しい風景も見どころだ。
【あらすじ】
ニューヨークでジャーナリストとして活躍するエリザベス(ジュリア・ロバーツ)は、離婚と失恋を経た後、すべてを捨てて自らを探す旅に出る。イタリアでは食の快楽を追求し、インドのアシュラムでは精神力を高めるべくヨガと瞑想(めいそう)に励む。そして、最後に訪れたインドネシアのバリ島では、彼女の人生を大きく変える出会いが待っていた。(シネマトゥデイ)
【感想】
この映画、評価が低くて、結局映画館に見に行かなかったのです。
でも、見に行けばよかったー。
いい映画でした。
人の意見に惑わされてはダメね。
ジャーナリストのリズ(ジュリア・ロバーツ)は、バリに旅行し、薬療師の老人に占ってもらった。
☆2度の結婚をし、1度は短く、1度は長い。(今の結婚が長いか短いかはわからない)
☆全財産を失うが、取り戻す。
☆もう一度バリに戻って来る。
6ヶ月後のニューヨークには、スティーブン(ビリー・クラダップ)との結婚生活に迷いが生じたリズがいた。
悩んで、リズは家を出る。
そして、自分の脚本で演技をする役者の卵デイビッド(ジェームズ・フランコ)に会う。
行くところもないリズはデイビッドの家で同棲を始めるが、やがてうまくいかなくなる。
ディビッドは「お互い不幸せなのはわかっているけど、別れる不幸よりましなのでこのままいよう」という。
一方で、スティーブンとの離婚は泥沼化。
とうとうリズの全財産を譲ることで成立した。
ニューヨークで煮詰まってしまったリズは、かねてから憧れていたイタリアと、ディビッドが信仰していたインドの導師の修行所を回り、薬療師の予言通りバリに行く計画を立てて実行した。
まずは、イタリア。
スウェーデン人の女性と知り合い、イタリア語の先生を紹介したもらい、彼の家族と共に4ヶ月、ひたすら食を楽しむ生活をした。
次にインドへ行き、朝から規律正しく生活し、瞑想に耽った。
リチャード(リチャード・ジェンキンス)や、結婚前のインドの若い娘たちと出会い、人生について深く考える。
そして、何かを掴んで、バリへ戻って来た。
家を借りて、薬療師の元で、瞑想に耽る。
生活も始めた。
あるとき、車にぶつかってしまう。
大事に至らなかったが、それを運転していたのがフィリペ(ハビエル・バルデム)。
彼もまた、バリで傷ついた心を癒していたのだった。
確かに、リズのやり方を見て、「何を贅沢な」と怒りを感じる人も少なくないでしょう。
みんな、何かをがまんして生きているのですから。
もっと、生活のためにあくせくしている人がいる、我慢が足りない、それはごもっともです。
でも、私の知り合いに、まさにこんな感じで(理由は知らないですよ)、離婚して長い旅をした人がいます。
当時は、周りの人から「辛抱が足りない」と言われたそうです。
でも、彼女はそのあとの困難な人生も「わが人生に悔いなし」と明るく生きています。
自分の人生、結局は自分とどう折り合いを付けるかということでしょう。
他人には理解できない結婚の失敗。
自分が失敗と感じたら、リセットしてやり直すことだって、とても勇気のいることだし、選択肢のひとつだと思います。
私はリズの生き方にとても共感できました。
失敗を認めることは自分にとっても辛いことだし、自信を喪失してしまいます。
人も傷つけてしまったし、自分も深く傷ついた。
いったい、自分って何なんだろう。
神様に救ってもらいたいけど、神様って何なのかしら?
リズは何度も自分に問いかけ、人生の意味を考えるのです。
40歳を過ぎて自分探しなんて、甘いーという意見もあると思うけど、いくつになっても迷うことはあるでしょう。
人生で迷子になったら、まず、自分の足下を見なくっちゃ、と思います。
自分の気持ち、自分の立っているところ、自分が信じられる世界。
それもわからなくて、道なんか見つけられないでしょう。
リズはその点、とてもラッキーだったと思います。
まず、いい人に恵まれたこと、自分なりの神様を見つけられたこと。
そして、いいアドバイザーと出会ったこと。
なかなか新しい出会いに一歩を踏み出せなかったリズだけど、フィリペを受け入れるまでに成長しました。
人間いくつになっても、成長できるんですね。
失敗を恐れず、幸せを掴んでもらいたいと思いました。
最近、30代40代の人の独身の人たちとおしゃべりする機会も多いのですが(飲み屋でね)、独身も気楽でいいでしょうが、人生のパートナーも見つけた方がいいわよ、とお節介おばちゃんの私は、つい言ってしまいます。
この世は男と女しかいないんだから、手をつないで生きていくことのできる人がそばにいると心強いと思いますよ。
諦めないで、勇気を持ってパートナー探しをして欲しいなあ。
そして、この結婚ダメだー、と思ったら、リズのようにリセットする勇気も大切ですね。
これは本当に、難しいことですけどね。
なんにしても、自分の人生は一回切りなんだから、満足できる人生に作り上げたいですね。