ーヴィーナスーVENUS
2006年 イギリス ロジャー・ミッシェル監督 ピーター・オトゥール(モーリス)レスリー・フィリップス(イアン)ジョディ・ウィッテカー(ジェシー)ブロンソン・ウェッブ(ジェシーの恋人)リチャード・グリフィス(ドナルド)ヴァネッサ・レッドグレーヴ(ヴァレリー)
【解説】
20代の奔放な女性の登場により、自分の人生を見つめ直す70代の男性の心の旅が描かれるヒューマンドラマ。監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。主人公モーリスの心をかき乱すヒロインを新人女優ジョディ・ウィッテカーがみずみずしく演じる。本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた、オトゥールの名演に注目だ。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
モーリス(ピーター・オトゥール)とイアン(レスリー・フィリップス)は、1度も大役を演じることもなくベテラン俳優となってしまったさえない役者仲間。ある日、イアンの姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)が田舎町からやって来たことにより、2人の穏やかな生活は一変。モーリスは自由奔放なジェシーに夢中になる。(シネマトゥデイ)
【感想】
ただのエロ爺さんのお話かと思ったら、なかなか深い作品でした。
名優たちが老いをさらし、観客に向かって、生きる意味を問う。
そんな映画でした。
先日見た「ぼくの大切なともだち」とは違って、モーリス(ピーター・オトゥール)とイアン(レスリー・フィリップス)の間には、確かに友情がありました。
お互いの衰えを支え合う関係。
そこに割って入ったのが、イアンの姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)。
実家からも厄介者として放り出された18歳。
70歳代の二人とは、言葉の使い方や発音まで違っていました。
イアンは「悪魔」呼ばわりをして嫌いますが、モーリスは興味を持ちます。
モーリスには、「人生は快楽だ」という信念があります。
若い恋人を作って、幼子のいる家庭を捨てた前科もある。
いくら孤独な老いの姿で、前立腺の手術の後は男性機能がなくなろうとも、彼は自分の信じるままに前を向いて生きようとします。
一方のジェシーは、ほとんど自暴自棄で人生を投げ出しかかっています。
恋人に騙され捨てられ、母親にも見放されて、すごく孤独で自分の殻に閉じこもっています。
そこへ、エロ爺がささやくのです。
「ヴィーナス」と。
ピーター・オトゥールがとてもきれいなみどりの目をしていました。
体は衰えても、眼光は衰えを知りませんね。
ヴァネッサ・レッドグレーヴはモーリスの別れた妻の役ですが、これも女性には辛い素顔をさらして、二人の過去と彼女の思いの深さをセリフなしに表現していました。
すごいです。
新人のジョディ・ウィッテカー。
美人じゃないところがよかったと思いました。
でも、最後、絵のモデルとしてヴィーナスのポーズをとる瞬間、ヴイーナスになっていました。
すばらしい。
この作品、演劇や絵画や音楽に通じていればもっと楽しめたのに、と思いました。
なかなか凝った演出があちこちに見られました。
教養が足りないなあ。
2006年 イギリス ロジャー・ミッシェル監督 ピーター・オトゥール(モーリス)レスリー・フィリップス(イアン)ジョディ・ウィッテカー(ジェシー)ブロンソン・ウェッブ(ジェシーの恋人)リチャード・グリフィス(ドナルド)ヴァネッサ・レッドグレーヴ(ヴァレリー)
【解説】
20代の奔放な女性の登場により、自分の人生を見つめ直す70代の男性の心の旅が描かれるヒューマンドラマ。監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。主人公モーリスの心をかき乱すヒロインを新人女優ジョディ・ウィッテカーがみずみずしく演じる。本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた、オトゥールの名演に注目だ。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
モーリス(ピーター・オトゥール)とイアン(レスリー・フィリップス)は、1度も大役を演じることもなくベテラン俳優となってしまったさえない役者仲間。ある日、イアンの姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)が田舎町からやって来たことにより、2人の穏やかな生活は一変。モーリスは自由奔放なジェシーに夢中になる。(シネマトゥデイ)
【感想】
ただのエロ爺さんのお話かと思ったら、なかなか深い作品でした。
名優たちが老いをさらし、観客に向かって、生きる意味を問う。
そんな映画でした。
先日見た「ぼくの大切なともだち」とは違って、モーリス(ピーター・オトゥール)とイアン(レスリー・フィリップス)の間には、確かに友情がありました。
お互いの衰えを支え合う関係。
そこに割って入ったのが、イアンの姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)。
実家からも厄介者として放り出された18歳。
70歳代の二人とは、言葉の使い方や発音まで違っていました。
イアンは「悪魔」呼ばわりをして嫌いますが、モーリスは興味を持ちます。
モーリスには、「人生は快楽だ」という信念があります。
若い恋人を作って、幼子のいる家庭を捨てた前科もある。
いくら孤独な老いの姿で、前立腺の手術の後は男性機能がなくなろうとも、彼は自分の信じるままに前を向いて生きようとします。
一方のジェシーは、ほとんど自暴自棄で人生を投げ出しかかっています。
恋人に騙され捨てられ、母親にも見放されて、すごく孤独で自分の殻に閉じこもっています。
そこへ、エロ爺がささやくのです。
「ヴィーナス」と。
ピーター・オトゥールがとてもきれいなみどりの目をしていました。
体は衰えても、眼光は衰えを知りませんね。
ヴァネッサ・レッドグレーヴはモーリスの別れた妻の役ですが、これも女性には辛い素顔をさらして、二人の過去と彼女の思いの深さをセリフなしに表現していました。
すごいです。
新人のジョディ・ウィッテカー。
美人じゃないところがよかったと思いました。
でも、最後、絵のモデルとしてヴィーナスのポーズをとる瞬間、ヴイーナスになっていました。
すばらしい。
この作品、演劇や絵画や音楽に通じていればもっと楽しめたのに、と思いました。
なかなか凝った演出があちこちに見られました。
教養が足りないなあ。