マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ワン・フロム・ザ・ハート

2008-07-18 12:17:26 | 映画ーDVD
ーワン・フロム・ザ・ハートーONE FROM THE HEART
1982年 アメリカ フランシス・フォード・コッポラ監督 トム・ウェイツ音楽
フレデリック・フォレスト、テリー・ガー、ナスターシャ・キンスキー、ラウル・ジュリア、レイニー・カザン

【解説】
フランシス・コッポラ監督によるロマンティック・エンタテインメント。7月4日の独立記念日を明日に控えた、ラスベガスの街。ツーリスト・ビューローに勤めるフラニーの夢は南洋のボラボラ島へ行くこと。そして同棲生活5年目を迎える恋人ハンクはそんな島へ行く事よりも彼女との平凡な家庭生活を密かに望んでいた。そしてそのような性格不一致の二人はささいな事からケンカ、フラニーは遂に家を出ていってしまう……。(allcinema ONLINE)

【感想】
ミュージシャンの友達が、一緒にトム・ウェィツが出演している「コーヒー&シガレッツ」を見ている時に、この映画を思い出して薦めてくれました。

コッポラ監督は「ゴッドファーザー」で一世を風靡して、「地獄の黙示録」でも評価を受けたが、興行的には失敗、つづくこの作品も失敗して、そののち3度も破産に追い込まれたそうです。

でも、この作品を探してみると、ファンが多くて驚きました。

内容は、あるカップルの痴話げんかとその顛末と言う、いたって個人的なよくあるお話でした。
でも、この映画の特徴は、ミュージカルじゃないけど、バックに流れるトム・ウェイツとクリスタル・ゲイルの歌が、ストーリーにぴったりで、けだるい当時の雰囲気をとても表していると思いました。
特に何度も何度もかかる「Take Me Home」。
いいよー。

主人公のフラニー(テリー・ガー)が憧れるのはボラボラ島。
私事ですが、新婚旅行先でした。ワォ!!

ハンク役のフレデリック・フォレストは、なんとジョニー・デップ監督作品の「ブレイブ」に出ている人でした!!

ファンタジーっぽいし、大通りでのダンスシーンはなかなかいいし、ナターシャ・キンスキーも不思議ちゃんの役ですが、魅力的。
大人の恋のお話としてはとても粋な感じでした。
ファンが多いのも納得です。

コッポラ監督が超お金持ちなのは、ワイナリーの経営に成功したからなんですって。
映画は難しいのね。

ジブリの森美術館

2008-07-16 12:39:38 | 展覧会
映画大好き友達が、吉祥寺で集合。
駅前のイタリアレストランでランチしながらたっぷりおしゃべりした後、駅前の「いせや」へ。
「いせや」はフォークシンガーの故・高田渡氏がこよなく愛したお店。
噂には聞いていたけど、一度行ってみたかったんです。

 吉祥寺駅前の「いせや」

1時半で、もう立ち飲みはお客さんで一杯。
なかなか雰囲気のある、店構えでした。


井の頭公園近くの「いせや」へ。
ここでは、店の前で炭火で焼き鳥を焼いてくれました。
1串80円。
安い!!
つくねとひなどりを焼いてもらって、それをかじりながら公園のなかを散策。
そこで、子供が学校から帰るという若いお母さんたちとお別れ。
残ったメンバーは公園を抜けて、ジブリの森美術館へ。

お腹ごなしにはちょうどいい距離。
まずトトロがお出迎えしてくれていました。



 これは閉館後にとった写真です。

館内は、平日というのにすごい人。
外国からの観光客もたくさん来ていました。
外国でも人気があるんですね。

ここで素朴な疑問、「ジブリって、何の意味?」
ウィキペディアによると「「スタジオジブリ」の名称は、サハラ砂漠に吹く熱風(ghibli)に由来しており、第二次世界大戦中のイタリアの飛行機の名前でもある。宮崎駿の思い込みから「ジブリ」となったが、「ギブリ」の方が原語に近い発音である」だそうです。


この建物全体が迷路のようになっていて、あちこち移動するだけでも楽しい。
パンフレットにも「迷子になろう、いっしょに」と書いてありました。

企画展示は「小さなルーブル展」映画は「水グモもんもん」。


大人も童心に戻れるいい美術館でした。

 この地図を参考にして、帰りも吉祥寺駅まで歩きました。

 夕暮れの「いせや」、なにやら名残惜しくて。

近距離恋愛

2008-07-15 10:52:39 | 映画ー劇場鑑賞
ー近距離恋愛ーMADE OF HONOR
2008年 アメリカ/イギリス ポール・ウェイランド監督 パトリック・デンプシー(トム)ミシェル・モナハン(ハンナ)ケヴィン・マクキッド(コリン)キャスリーン・クインラン(ジョーン)シドニー・ポラック(トーマス)

【解説】
10年来の大親友にある男女が、近過ぎるゆえに互いの恋心に気づかず、もどかしい関係を繰り広げるロマンチック・コメディー。テレビドラマ「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」が大好評のパトリック・デンプシーが、親友として近くにいた女性の結婚を前に自分の本心に気づく主人公を好演。相手役を『M:i:III』のミシェル・モナハンが演じている。監督は『ロザンナのために』のポール・ウェイランド。大人の恋心をコミカルかつ繊細(せんさい)につづった展開が共感を呼ぶ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
トム(パトリック・デンプシー)とハンナ(ミシェル・モナハン)は大学時代から10年もの間、一緒に食事をし、悩みを打ち明けあう間柄を貫いてきた。しかし、ハンナがスコットランドへ6週間の出張に行った間、トムは自分の恋心を自覚し始めるように。彼はハンナへの告白を決意するが、帰国した彼女には電撃的に恋に落ちた婚約者がいた。(シネマトゥデイ)

【感想】
ラブコメと割り切ってみれば、楽しい作品でしたが…。

だって、こんな男いるわけないでょ?
医者の息子で弁護士、カップスリーブの特許を持つ、リッチなトム(パトリック・デンプシー)。
女の子にはまったく不自由なく、「連泊はぼくのルールにない」と言い切れる男。
この男が、10年来思い続けているのがハンナ(ミシェル・モナハン)。
思い続けていたんでしょう?
友達というには、美男美女過ぎるよね。
ハンナも、気づかないわけがないと思うけど、ラブコメにありがちな鈍感さです。

このハンナが出張先のスコットランドで恋人を見つけました。
スコットランドの貴族で、スコッチ蒸溜所のオーナー・コリン(ケヴィン・マクキッド)。
この人は、なんでもトムの上を行く完璧な男。
恋敵にするには、分が悪過ぎる。

トムはハンナから花嫁付添人を頼まれ、一発逆転を狙うのですがー。

って、ハンナが結婚を決めてからでは遅過ぎるよね?
「卒業」じゃないんだから、もっと早くになんとかしておけばー?という感じは否めません。

トムのお父さんにシドニー・ポラック。
彼は、理想の女性を求めて離婚結婚を繰り返している。
この父にしてこの息子あり、トムの原点はここにあるのねえ。

スコットランドの風景が素晴らしい。
ああ、スコットランドも行ってみたいなあ。
近頃、アイラモルトにはまって、ウィスキーの味もわかってきた私!!(ホンマかあ??)
おいしいウィスキーも飲みたいなあ。

それにしても、このカップル、この先うまくいくのだろうか?
ハンナがトムの女性遍歴を知り過ぎているところが、心配です。

ザ・マジックアワー

2008-07-13 11:23:57 | 映画ー劇場鑑賞
ーザ・マジックアワーー
2008年 日本 監督・脚本=三谷幸喜 
佐藤浩市(村田大樹)妻夫木聡(備後登)深津絵里(高千穂マリ)綾瀬はるか(鹿間夏子)西田敏行(天塩幸之助)小日向文世(長谷川謙十郎)寺島進(黒川裕美)戸田恵子(マダム蘭子)伊吹吾郎(鹿間隆)浅野和之(清水医師)市村萬次郎(菅原虎真)柳澤愼一(高瀬允)香川照之(江洞潤)甲本雅裕(太田垣直角)近藤芳正(今野貴之介)梶原善(西さん)阿南健治(野島)榎木兵衛(なべさん)堀部圭亮(バンビ)山本耕史(愚痴る男)市川亀治郎(カメ)市川崑(監督)香取慎吾(-)中井貴一(磐田とおる)鈴木京香(小夜子)谷原章介(ニコ)寺脇康文(ワンチャイ・バンダラビカル)天海祐希(喪服の女)唐沢寿明(ゆべし)

【解説】
暗黒界のボスの愛人に手を出した男が、命を助けてもらう代償に伝説の殺し屋を探し出すコメディー・ドラマ。『THE 有頂天ホテル』の三谷幸喜が脚本と監督を務め、映画監督のふりをして無名の俳優を幻の殺し屋に仕立て上げようとする、しがないギャングの苦肉の策を描く。撮影と思い込み殺し屋に成り切る俳優に佐藤浩市、その俳優をだます小ずるい若者に妻夫木聡。うそと思い込みが巻き起こす感動と爆笑が交互に訪れる、巧みな脚本が光る。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
暗黒界の顔役・天塩幸之助(西田敏行)の愛人・高千穂マリ(深津絵里)に手を出してしまった手下の備後登(妻夫木聡)は、命の代償に伝説の殺し屋“デラ富樫”を探し出すハメに。期限の5日が迫ってもデラを見つけ出せない備後は無名の三流役者・村田大樹(佐藤浩市)を雇い、殺し屋に仕立てあげるという苦肉の策を思いつくが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
三谷幸喜さんや佐藤浩市さんが、あんまりテレビに露出して宣伝しているものだから、「これくらい宣伝しないとお客さんの入らない映画なんだ」と思って、後回しになっていました。

私は『THE 有頂天ホテル』がかなりのお気に入りで、DVDも持っているくらいなので、三谷さん、どうなっちゃったんだろう、と心配でした。

でも、その心配はご無用だったようですね。

この映画は主人公“デラ富樫”になりきった男ー佐藤浩市の独壇場でした。

佐藤浩市って、かっこいいのになかなかいい役がなかった感じ。
「壬生義士伝」では、よかったんだけど、それ以上に中井貴一がよかったものねー。

この映画では、そのスター性、カリスマ性を存分に発揮していました。

妻夫木聡のイメージとは違うキャスティングとか、三谷作品常連の戸田恵子さんの妖しいマダムとか、三谷監督ならではのキャストの厚みが驚きでした。
『THE 有頂天ホテル』つながりでは、慎吾ちゃんもカメオで出ていたしね。

セットの凝り方や町の名前、古い映画へのオマージュ、そうそう、市川崑監督の在りし日のお姿も見ることができました。
このように、見どころ満載の映画でした。

☆ネタバレ
ただ、少し納得いかないのは、物語がボス(西田敏行)と愛人・高千穂マリ(深津絵里)の愛情の証明に終わってしまったこと。
これでは、マリのわがままに付き合わされただけみたい。
そこが、少し、緊張感に乏しかったと思いました。
ボスは、マリにめろめろで、本当に殺すとは最初から思えなかったし。

人物の描写も、それぞれの役者さんの力量に頼るところが大きかったし、いままでの三谷幸喜らしい、新しいことに挑戦という部分では、少し弱いような感じがしました。

『THE 有頂天ホテル』や「笑いの大学」では、舞台の手法が映画では新鮮だったわけだし、私の印象では、三谷監督は、映画の人というより、まだまだ舞台の人という感じだなあ。

カンナさん大成功です!

2008-07-13 11:20:59 | 映画ーDVD
ーカンナさん大成功です!ー200 POUNDS BEAUTY
2006年 韓国 キム・ヨンファ監督 鈴木由美子=原作
キム・アジュン(カンナ)チュ・ジンモ(サンジュン)イム・ヒョンシク(カンナの父)イ・ウォンジョン(占い師)キム・ヨンゴン(チェ会長)ソン・ドンイル(チェ社長)ソ・ユン(歌手アミ)キム・ヒョンスク(ジョンミン)パク・フィスン(チョルス)

【解説】
鈴木由美子の同名コミックを映画化し、韓国のアカデミー賞“大鐘賞”で最多12部門ノミネートを成し遂げたラブコメディー。身長169センチ、体重95キロのヒロインが、全身整形で美貌(びぼう)を手に入れ、スター歌手としてサクセスしていく。監督は『オー!ブラザーズ』のキム・ヨンファ。主人公のカンナを本作で大鐘賞主演女優賞を受賞したキム・アジュンが演じる。自分自身と向き合えないヒロインの葛藤(かっとう)をコミカルに描き、誰もが笑って泣ける感動作に仕上がっている。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
身長169センチ、体重95キロのカンナ(キム・アジュン)は、美声を生かして音楽業界に入ったものの、舞台裏でスター歌手の声を当てる日々。ある日、思いを寄せるプロデューサー、サンジュン(チュ・ジンモ)が「カンナには才能はあっても美ぼうがない」と言っているのを耳にしたカンナは、美ぼうを手に入れるために大手術を決意する。(シネマトゥデイ)

【感想】
私は韓流のファンではないけど、意欲的な作品には惹かれます。
邦画にはないストレートな表現と、熱意が楽しいと思います。

この作品も、友達の推薦もあり、見ることにしました。

この作品の原作は日本の少女マンガ。
ストレートな感じが韓流にあっているのかもしれません。
泣かされるもんか!と固く決心していましたが、最後は泣いてしまいました。
このへんの作り方がうまいなあ。

昔からよく言われる、醜女の深情け。
今回の主人公は大きな女性、カンナ(キム・アジュン)さんです。
ある顔は、テレフォンセックスのオペレーター。
ある顔は、認知症の父親を持つ娘。
そして、ある顔は人気歌手のゴーストシンガー。

この歌声がすばらしい。
ずんずんハートに響いてきます。

そして思いを寄せるサンジュン(チュ・ジンモ)は、歌手アミ(ソ・ユン)を売り出すことしか頭にない男。

ある日カンナは、サンジュンとアミの内緒話を聞いてしまう。
サンジュンの思わせぶりな態度は、すべてアミを売り出すためのものだと。

絶望したカンナは自殺を考えるが、死にきれず、全身美容整形に踏み切るーというストーリー。

その結果、カンナが失ったものと得たものは?

韓国ではプチ整形がはやっていて、日本よりも垣根が低いと聞いていましたが、それでも後ろめたいことのようですね。

見た目ねえ…。
若いだけで十分美しいことなんだから、個性を生かして自信を持って生きてほしいと、おばさんは思いますが、確かに、美醜は大きな問題かもしれませんねえ。

でもそれも相対的なもので、私のように美人の妹を持ったら、いつまでも劣等感から逃れられないけど、それを糧にして頑張ることもできるし…。
かなり、負け惜しみですねー!!

幸せは美醜に関わらないということは、歴史的にも証明済みだと思いますが、女心のホンネは「美人になりたい!!」ということに尽きるのかもしれません。

カンナさんは、自分のやったことと、その結果をいさぎよく受け入れて、変わらぬもの=歌唱力を取り戻します。

心を打つ歌の力は世界共通ですね。
最後は感動の涙でした。

28週後...

2008-07-13 11:17:51 | 映画ーDVD
ー28週後...ー 28 WEEKS LATER
2007年 イギリス/スペイン フアン・カルロス・フレスナディージョ監督 ロバート・カーライル(ドン)ローズ・バーン(スカーレット)ジェレミー・レナー(ドイル)ハロルド・ペリノー(フリン)キャサリン・マコーマック(アリス)マッキントッシュ・マグルトン(アンディ)イモージェン・プーツ(タミー)イドリス・エルバ(ストーン大佐)

【解説】
人間を凶暴化させるウイルスと人間との決死のサバイバル描き、大ヒットを記録したダニー・ボイル監督作『28日後...』の続編。ウイルスがまん延してから28週後、復興の兆しが見えた世界で、恐るべき事態が再びイギリスを襲う。監督は『10億分の1の男』のファン・カルロス・フレスナディージョ。出演は『フル・モンティ』のロバート・カーライルら。前作以上にパワフルでドラマチックな作品世界は必見。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
人間を凶暴化させる“RAGEウイルス”の猛威が収まり、復興計画が始まったイギリス。スペイン旅行中でウイルスの難を逃れたタミー(イモジェン・プーツ)とアンディ(マッキントッシュ・マグルトン)の姉弟は、父親のドン(ロバート・カーライル)と再会を果たす。しかし、感染を逃れたドンには子どもたちに言えない秘密があった。(シネマトゥデイ)

【感想】
「28日後…」が妙に気に入ったので、これも見ることにしました。
怖そーだけど、夫も付き合ってくれるということで、ちょっと安心。

感染すると凶暴なゾンビになってしまうゾンビウィルスから逃れて息を潜めて暮らしている生存者たち。
そこにドン(ロバート・カーライル)とアリス(キャサリン・マコーマック)もいた。
子供たちはスペインへ行っていて、無事だと信じている。

そこに襲いかかるゾンビの群れ。
ドンは、アリスを見捨てる形で脱出した。

そして、28週後…。
ウィルス感染者も死に絶え、ウィルスも壊滅したと考えられて、アメリカ軍に援護されながら、帰国者が受け入れられた。
待つ人のなかにドンがいて、スペインからタミー(イモジェン・プーツ)とアンディ(マッキントッシュ・マグルトン)の我が子が帰国したのを迎えた。

女医のスカーレット(ローズ・バーン)は帰国者の受け入れも時期尚早と考えていたし、まして、子供の受け入れには消極的だった。

ウィルスは思わぬ形で復活した。
子供たちが監視の目をかいくぐり、戻った自宅にいたアリスが特異な体質で、保菌者であるにも関わらず発症しないのだった。

しかし、アリスを保菌者と知らないドンは、見捨てたことをアリスに詫びるために収容先である軍の施設で接触し、感染者となってしまった。

軍施設の内部から発生した感染は、瞬く間に広がり、町は再びパニックに陥った。

アメリカ兵は、感染者も健康な市民も無差別に撃ちまくり、その中を姉弟とスカーレットは逃げ惑う。

怖いのは、ウィルス感染を止められないとわかった時点で、軍が市民に銃口を向けるところです。
ありうるなあ、と思って見てしまいました。

感染した父親が娘や息子に襲いかかるシーンもせつない。

ただ、最後は主人公が子供になってしまうので、なんか弱い感じがしました。

戦争の次に恐ろしいのが、ウィルス感染です。
サーズや鳥インフルエンザなど、拡散したら恐ろしい病気も現実にあります。

28週後というのは、ウィルスが死滅してしまう期間でもあるらしいので、現実味もあります。

夫が、「28週間くらい家にこもっていられる、備蓄をしておかないとね」とぽつりとつぶやきました。

ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

2008-07-12 18:29:17 | 映画ー劇場鑑賞
ーホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!ーHOT FUZZ
2007年  イギリス/フランス  エドガー・ライト監督 サイモン・ペッグ(ニコラス・エンジェル)ニック・フロスト(ダニー・バターマン)ジム・ブロードベント(フランク・バターマン)パディ・コンシダイン(アンディ・ウェインライト)ティモシー・ダルトン(サイモン・スキナー)ビル・ナイ

【解説】
ロンドンのエリート警察官が、左遷された平和な村で邪悪な組織と一騎打ちする爆笑アクション・コメディー。劇場公開を求める署名運動によって、日本での公開が実現した話題作。ゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』でその名を知られる、エドガー・ライトが監督を務め、サイモン・ペッグ、ニック・フロストが出演者に名を連ねる。パロディー描写と後半のバイオレンス・シーンは、アクション映画ファンのツボをこれでもかと刺激する。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
ロンドンのエリート警官ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)。優秀すぎるという理由で、田舎の村へと強制左遷。そこでも張り切るエンジェルだが、アクション映画好きで、どんくさいバターマン(ニック・フロスト)と相棒を組まされる。ある日、村で怪死事件が発生するも、殺人事件だと主張するエンジェルは相手にされず……。(シネマトゥデイ)

【感想】
日本では未公開のはずだったけど、ファンの署名運動によって公開の日の目を見たという、いわく付きの作品。

全編パロディのコメディで、監督はタランティーノもその才能をうらやむエドガー・ライトとか…。

ただ、私はイギリスのコメディにも警官の映画にも、まったく明るくないので、結果、抱腹絶倒というわけにはいきませんでした。
なんだか、悔しいなあ。

優秀過ぎると左遷されたニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)。
恋人にも去られ、1鉢の植木とともに、ヴィレッジ・オブ・イヤーを毎年とり続けているという平和な村へ赴任してきた。

どこへいっても裏表のない法の番人のニコラス。
ぶらっと出かけたパブでは、未成年者を店から追い出し、酔っぱらい運転の男を逮捕した。

朝になって、留置所をみるともぬけの殻、なんと、酔っぱらいの男は警官のダニー(ニック・フロスト)だった。
しかも、この男は署長の息子。
ふたりはコンビとなって、町の治安に当たることに。

まったく冗談の通じないニコラスに、規範意識は乏しいけれど、どこまでもお人好しのダニーのでこぼこコンビの妙。

平和な村に、事故にしか見えない死体がゴロゴロと発生して、ニコラスはしだいに事件に巻き込まれていくー。

物語の中盤は、かなりグロもあります。
ゾンビが専門の監督らしい、凝った死体です。

ラストは、派手なアクションがつづくけど、ニコラスは人を殺さない。
なにしろ、敵が年寄りとか市民なのでね。
そのへんを、面白いと思うか、物足りないと思うか。

ぼーっとしていた警察の人たちが、急にしゃんと目覚めたようになるのも不自然な感じだったし、あの爆発の後、みんな生き残っているのも無理があるのじゃない?

ティモシー・ダルトン以外の俳優さん、あまり顔がわからなくて、敵が何人残っているのかが、よくわからなかったので、最後の敵の出現は「まだいたの?」と思ってしまいました。

面白かったけど、やはり、この映画はこの監督のマニアやファンのための映画だと思いました。

ヴィーナス

2008-07-04 18:48:02 | 映画ーDVD
ーヴィーナスーVENUS
2006年 イギリス ロジャー・ミッシェル監督 ピーター・オトゥール(モーリス)レスリー・フィリップス(イアン)ジョディ・ウィッテカー(ジェシー)ブロンソン・ウェッブ(ジェシーの恋人)リチャード・グリフィス(ドナルド)ヴァネッサ・レッドグレーヴ(ヴァレリー)

【解説】
20代の奔放な女性の登場により、自分の人生を見つめ直す70代の男性の心の旅が描かれるヒューマンドラマ。監督は『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。主人公モーリスの心をかき乱すヒロインを新人女優ジョディ・ウィッテカーがみずみずしく演じる。本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた、オトゥールの名演に注目だ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
モーリス(ピーター・オトゥール)とイアン(レスリー・フィリップス)は、1度も大役を演じることもなくベテラン俳優となってしまったさえない役者仲間。ある日、イアンの姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)が田舎町からやって来たことにより、2人の穏やかな生活は一変。モーリスは自由奔放なジェシーに夢中になる。(シネマトゥデイ)

【感想】
ただのエロ爺さんのお話かと思ったら、なかなか深い作品でした。

名優たちが老いをさらし、観客に向かって、生きる意味を問う。
そんな映画でした。

先日見た「ぼくの大切なともだち」とは違って、モーリス(ピーター・オトゥール)とイアン(レスリー・フィリップス)の間には、確かに友情がありました。
お互いの衰えを支え合う関係。

そこに割って入ったのが、イアンの姪の娘ジェシー(ジョディ・ウィッテカー)。
実家からも厄介者として放り出された18歳。
70歳代の二人とは、言葉の使い方や発音まで違っていました。

イアンは「悪魔」呼ばわりをして嫌いますが、モーリスは興味を持ちます。

モーリスには、「人生は快楽だ」という信念があります。
若い恋人を作って、幼子のいる家庭を捨てた前科もある。
いくら孤独な老いの姿で、前立腺の手術の後は男性機能がなくなろうとも、彼は自分の信じるままに前を向いて生きようとします。

一方のジェシーは、ほとんど自暴自棄で人生を投げ出しかかっています。
恋人に騙され捨てられ、母親にも見放されて、すごく孤独で自分の殻に閉じこもっています。

そこへ、エロ爺がささやくのです。
「ヴィーナス」と。

ピーター・オトゥールがとてもきれいなみどりの目をしていました。
体は衰えても、眼光は衰えを知りませんね。

ヴァネッサ・レッドグレーヴはモーリスの別れた妻の役ですが、これも女性には辛い素顔をさらして、二人の過去と彼女の思いの深さをセリフなしに表現していました。
すごいです。

新人のジョディ・ウィッテカー。
美人じゃないところがよかったと思いました。
でも、最後、絵のモデルとしてヴィーナスのポーズをとる瞬間、ヴイーナスになっていました。
すばらしい。

この作品、演劇や絵画や音楽に通じていればもっと楽しめたのに、と思いました。
なかなか凝った演出があちこちに見られました。
教養が足りないなあ。

告発のとき

2008-07-04 13:12:49 | 映画ー劇場鑑賞
ー告発のときーIN THE VALLEY OF ELAH
2007年 アメリカ ポール・ハギス監督 トミー・リー・ジョーンズ(ハンク・ディアフィールド)シャーリーズ・セロン(エミリー・サンダース)スーザン・サランドン(ジョアン・ディアフィールド)ジョナサン・タッカー(マイク・ディアフィールド)ジェームズ・フランコ(カーネリー大佐)フランシス・フィッシャー(エヴィ)ジョシュ・ブローリン(ブシュワルド所長)ジェイソン・パトリック(カークランダー警部補)ジェイク・マクラフリン(スペシャリスト、ゴードン・ボナー)メカッド・ブルックス(スペシャリスト、エニス・ロング)ヴィクター・ウルフ(ロバート・オーティス兵卒)

【解説】
失踪(しっそう)したイラク帰還兵の息子を捜索する父親が、アメリカ軍が封印しようとする真実に迫っていくサスペンス・ドラマ。2003年に実際に起きた事件を基に、『クラッシュ』のポール・ハギスが映画化。あえてアメリカの闇に触れ、正義ために何をすべきかを描いた。主演のトミー・リー・ジョーンズをはじめ、シャーリーズ・セロン、スーザン・サランドンの3人のオスカー俳優による、重厚な演技のアンサンブルも見どころ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
退役軍人のハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)は、イラクから帰還してくるはずの息子マイク(ジョナサン・タッカー)が脱走したという知らせを受ける。息子を探すために現地へ向かい、地元警察のサンダース刑事(シャーリーズ・セロン)と捜索を開始。真実が明るみに出るとともに、ハンクは知らなかった息子の素顔を知ることに……。(シネマトゥデイ)

【感想】
私は「クラッシュ」に夢中になった一人ですが、この作品もポール・ハギス監督の個性が強く出ている作品でした。

この監督は、ジャーナリズムの精神を持っているのではないかなあ。
描き方が一方的ではなく、いろんな立場の人を、誰に肩入れすることなく見せてくれます。

今回特に、サンダース刑事(シャーリーズ・セロン)の存在が秀逸だと思いました。
彼女はシングルマザーで刑事に昇格したばかり。
同僚のセクハラに耐えながら、幼い息子を育てています。
時には、無視して、時には鈍感なふり、時には激怒しながら。

これだけでも大きなテーマですが、監督はあくまで映画の流れの一コマとして使ってしまいます。
その設定に応えるかの様に、シャリーズも抑えた演技で、冷静に演じています。

そして、自分が追い返した女性が、イラク戦争帰りの夫に、無惨に殺されてしまったときの悔恨と深い同情を表した表情。
よかったです。

さて、本題、イラクに派遣された若い兵士たちのPTSDのお話です。

息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が基地から出奔して行方不明だとの一報を受けてハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)が基地に駆けつけました。
彼は、元軍人で二人の息子たちは彼に憧れ、軍人の道を選んだのでした。
しかし、長男はすでに戦死。
母親(スーザン・サランドン)は、マイクが無事に戻ることだけを祈っていました。

それが、物語の前半で無惨な死体となってみつかり、警察と軍を巻き込んでの犯人探しとなり、予想もつかない結末となります。

その結末が、救いがなくて、見終わって暗い気持ちになるのですが、私はむしろ、戦争というのは、人の体を壊すことばかりが強調されるけど、心を壊す方が深刻なのだと思いました。

この映画が事実に基づいて作られているということが、さらに観客の心を暗くするのです。

原題の「IN THE VALLEY OF ELAH」(エラの谷)は旧約聖書に出てくるダビデとゴリアテの話から取られています。
日本人にはなじみのない話ですが、このタイトルには、「巨人(イラク戦争)と闘わせるために、誰が若者を送るのか」という意味がこめられているそうです。
邦題の「告発のとき」ではその真意が伝わらないと思いました。

アカデミー賞にもノミネートされたトミー・リー・ジョーンズは、納得の素晴らしさでした。

息子が死んだと聞かされたときのスーザン・サランドンの演技には、私も泣いてしまいました。
戦争に息子を奪われた母親の悲しみはとてつもなく深いのに、いつまでたってもなくならないのですね。

あれ?ジェームズ・フランコがちらりと、かっこいい大佐の役で出ていました。
もっと、出てくるかと思ったら、ほんの少しでした。
惜しいなあ。

戦争はいけないと何百回叫んでも、戦争はなくならない。
大勢の母親が嘆き、大勢の父親が憤っても戦争はなくなりません。

ベトナム戦争のときのような反戦の、全世界を巻き込むようなムーヴメントは起きないけど、それほどまでに、社会の自浄力がなくなっているのかもしれません。
あるいは、大波乱の前の静けさかー。

この映画が世に問うているテーマは、見過ごせないと思いました。

ぼくの大切なともだち

2008-07-04 13:08:23 | 映画ー劇場鑑賞
ーぼくの大切なともだちー MON MEILLEUR AMI/MY BEST FRIEND
2006年 フランス 
パトリス・ルコント監督 ダニエル・オートゥイユ(フランソワ)ダニー・ブーン(ブリュノ)ジュリー・ガイエ(カトリーヌ)

【解説】
人生の半ばを過ぎた2人の男が、偶然の出会いをきっかけに、不器用ながらも友情を育んでいくハートウォーミング・ストーリー。監督は『ハーフ・ア・チャンス』など、新作をコンスタントに発表し続ける名匠パトリス・ルコント。主演は『あるいは裏切りという名の犬』のダニエル・オートゥイユと『戦場のアリア』のダニー・ブーン。シンプルだが深みのあるテーマをかかげながら、男同士の友情を繊細(せんさい)につづったストーリーが温かい感動を呼ぶ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
友人と呼べる人間がいないことを指摘された敏腕美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)。ショックを受けた彼は、ビジネスパートナーのカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)と“10日以内に親友をつれてくる”という賭けをする。そんな中、フランソワは陽気なタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)と出会うが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
この映画はいいですよー。
レディースデイとはいうものの、立ち見が出て、私も最前列で見にくかったです。
それでも、すごくいい映画でしたよ。

フランス映画だけど、わかりやすいし、おもしろいし、ほろっときます。
特に、定年間近で、これと言った趣味もなく、仕事一筋に来たお父さん。
「家族が優しくしてくれない」なんて不満言ってないで、この映画を見てください。
幼なじみにでも、電話してみようかな、って気になりますよ。
フランソワみたいに、ひどい目に遭うかもしれませんが。

 フランソワ

さて、古美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、仕事一途で、周りの人間にも、一人娘にも疎外されている感じ。
でも、本人はまったく気にしていなかったのです。
フランソワの頭の中は仕事のことだけ。
共同経営者のプライベートな生活も、一人娘の喘息の原因も、関心ゼロでした。
「友情の壷」に出会うまでは。

なぜか魅せられてしまったこの壷。
ギリシャ時代、友が死んで、自分の涙でこの壷を満たすために作られたという。
この壷のために、フランソワは店の経営まで揺るがす衝動買いをしてしまったのです。

 共同経営者のカトリーヌもあきれ顔

「ところで、フランソワ、あなた友達はいるの?親友と言える人は?」
「もちろん、いるよ。君だろ?」
「ぼくは君の友達じゃないよ」
「がーん!!」
せっかく手に入れた壷が、友情の証の賭けの対象となって、それを受けたフランソワは何が何でも友達を捜さなければならなくなったのです。

そこで助けを求めたのが、タクシーの運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)。
クイズマニアで上がり症のブリュノ。
彼も、友達がたくさんいるタイプには見えないんだけど、まあ、手近には彼しかいなかったのね。

友情とは何か?
友達って、どんな存在の人?

映画のなかではいろいろ例が示されますが、私にはどれも正解だとは思えなかった。
結局、サン=テグジュペリの「星の王子様」からの引用が使われていました。
私も大好きな一節。
キツネが王子様に友情について語る言葉。
「君にとってぼくは沢山いるキツネの1匹。でも互いになじめば大事な存在となる。君はぼくの大切な人。僕は君のたった1匹のキツネ」
人生を共に歩く言葉だなあ。
私も大好きだから、キツネのストラップを携帯に付けているくらいです。
ご存じない方は、「星の王子様」を読んでくださいね。
珠玉の言葉で満ちあふれている本です。

大人の友情、ほんとうに難しいテーマです。
ないならないでも、すませられそう。
寂しさを友とするならね。

怖い顔のダニエル・オートゥイユが、恥も外聞もなく欲しがる「友達」。
このギャップはかなり面白い。
ブリュノの、底抜けにお人好しの人なつっこい顔の裏に隠された悲しみも、胸を打ちました。

星の王子様の言う通り、本当に大切なものは目には見えないのですね。

結局、フランソワは身近なところに友情があったのだと気づき、ブリュノも戻ってきました。

友情はファンタジーかもしれないけど、私も友達には「人なつっこさ、笑顔、誠実」の3つの言葉を大切にして、いつまでも仲良く付き合っていきたいと思いました。