ーオール・アバウト・マイ・マザーー
1998年 スペイン ペドロ・アルモドバル監督 セシリア・ロス 、マリサ・パレデス 、ペネロペ・クルス 、アントニア・サン・フアン 、ロサ・マリア・サルダ
【解説】
ヨーロッパの巨匠ペドロ・アルモドバル監督による感動ドラマ。最愛の息子を事故で失ってしまった母親の、死を乗り越える魂の軌跡を描く。99年度アカデミー賞、最優秀外国語映画賞受賞。17年前に別れた夫に関して息子から問われた母マヌエラ。長い間隠していた夫の秘密を話そうと覚悟を決めた矢先、彼女は息子を事故で失ってしまう。息子が残した父への想いを伝えるため、マヌエラはかつて青春を過ごしたバルセロナへと旅立つ。
【感想】
とても奇妙な映画です。
男性は、本当の意味での男性は少ししか出てきません。
ゲイは重要な役割りでしたが。
しかも、彼らのひとりが父親。
この映画の公開当時なら、私はこの映画を理解できなかったかもしれない。
でも、「ボルベール<帰郷>」を見てとても気に入ったし、あと何本かアルモドバル作品を見ているので、この映画はとても感動しました。
一番良かったんじゃないかな?
17歳の一人息子エステバンを、彼の誕生日に突然の交通事故で亡くしたマヌエラ(セシリア・ロス)。
この日に、彼に父親のことを告げる決心をしていたのに。
マヌエラの仕事は臓器コーディネーター。ここからも、命がテーマであることを暗示して、うまい作り方です。
そして、下敷きは「イヴの総て」で、「欲望という名の電車」がストーリーに絡んできます。
観客にそういう深いところを考えさせながら、マヌエラの選択した人生をたどり、彼女の夫の子を産む女性、ロサ(ペネロペ・クルス )との数奇な運命をさらりと描いてしまいます。
この映画はすべての母性を温かくみつめてます。
ロサのお母さんのことだって、ひどい母親とは決して言いません。
彼女も虚構の家庭を精一杯守っているひとりの母親の姿だと思いました。
認知症の夫の世話も大変なんです。
この映画には3人のエステバンが登場しますが、悲劇の元凶となったのはマヌエラの夫のエステバン。
彼は新婚の妻を残して、パリで性転換の手術。
マヌエラはショックを受けるものの、バルセロナでしかたなく結婚生活を続けるが、妊娠した時点で夫を捨て、マドリードで自活する決心をした。
その後も、彼(彼女?)は放蕩を続け、彼の麻薬中毒を親身に世話をしてくれたシスター、ロサを妊娠させたあげくに、長年のルームメイトからお金を盗んで出奔。
しかも、自分はエイズを病み、あろうことか、ロサも胎児も感染させていた!!
こんな極悪人も珍しい。
ロサは出産して死亡、彼女のお葬式に、エステバンは現れた。
病んでボロボロの姿で。
こんな有様じゃ、探し出して、悪口雑言でも浴びせようといきまいていたマヌエラでさえも、現在と過去の悪行を責める気力も失せてしまいます。
ロサのお母さんだけが「うちの娘を殺した」と責めます。
マヌエラは「そうは考えないで」とたしなめますが、あのセリフがないと、見ている方の腹立たしさが、おさまらない気がしました。
希望は第3のエステバン、ロサの生んだ赤ちゃんですね。
この子がマヌエラをはじめ、関係するすべての人たちの生きる支えとなっています。
とても、いいラストでした。
「ボルベール」を見終わった時にも感じた「女たちはしたたかに逞しく、少々対立したって、どこかで折り合って、協力して生きていくものだ」という思いをさらに強くしました。
これは、アルモドバル監督からの力強いメッセージなのでしょうね。
ペネロペの成長もよくわかりました。
また、アパートの内装も、家具も素敵だし、服もおしゃれだし、画面のすみずみまで気配りが行き届いていました。
素晴らしい映画でした。
1998年 スペイン ペドロ・アルモドバル監督 セシリア・ロス 、マリサ・パレデス 、ペネロペ・クルス 、アントニア・サン・フアン 、ロサ・マリア・サルダ
【解説】
ヨーロッパの巨匠ペドロ・アルモドバル監督による感動ドラマ。最愛の息子を事故で失ってしまった母親の、死を乗り越える魂の軌跡を描く。99年度アカデミー賞、最優秀外国語映画賞受賞。17年前に別れた夫に関して息子から問われた母マヌエラ。長い間隠していた夫の秘密を話そうと覚悟を決めた矢先、彼女は息子を事故で失ってしまう。息子が残した父への想いを伝えるため、マヌエラはかつて青春を過ごしたバルセロナへと旅立つ。
【感想】
とても奇妙な映画です。
男性は、本当の意味での男性は少ししか出てきません。
ゲイは重要な役割りでしたが。
しかも、彼らのひとりが父親。
この映画の公開当時なら、私はこの映画を理解できなかったかもしれない。
でも、「ボルベール<帰郷>」を見てとても気に入ったし、あと何本かアルモドバル作品を見ているので、この映画はとても感動しました。
一番良かったんじゃないかな?
17歳の一人息子エステバンを、彼の誕生日に突然の交通事故で亡くしたマヌエラ(セシリア・ロス)。
この日に、彼に父親のことを告げる決心をしていたのに。
マヌエラの仕事は臓器コーディネーター。ここからも、命がテーマであることを暗示して、うまい作り方です。
そして、下敷きは「イヴの総て」で、「欲望という名の電車」がストーリーに絡んできます。
観客にそういう深いところを考えさせながら、マヌエラの選択した人生をたどり、彼女の夫の子を産む女性、ロサ(ペネロペ・クルス )との数奇な運命をさらりと描いてしまいます。
この映画はすべての母性を温かくみつめてます。
ロサのお母さんのことだって、ひどい母親とは決して言いません。
彼女も虚構の家庭を精一杯守っているひとりの母親の姿だと思いました。
認知症の夫の世話も大変なんです。
この映画には3人のエステバンが登場しますが、悲劇の元凶となったのはマヌエラの夫のエステバン。
彼は新婚の妻を残して、パリで性転換の手術。
マヌエラはショックを受けるものの、バルセロナでしかたなく結婚生活を続けるが、妊娠した時点で夫を捨て、マドリードで自活する決心をした。
その後も、彼(彼女?)は放蕩を続け、彼の麻薬中毒を親身に世話をしてくれたシスター、ロサを妊娠させたあげくに、長年のルームメイトからお金を盗んで出奔。
しかも、自分はエイズを病み、あろうことか、ロサも胎児も感染させていた!!
こんな極悪人も珍しい。
ロサは出産して死亡、彼女のお葬式に、エステバンは現れた。
病んでボロボロの姿で。
こんな有様じゃ、探し出して、悪口雑言でも浴びせようといきまいていたマヌエラでさえも、現在と過去の悪行を責める気力も失せてしまいます。
ロサのお母さんだけが「うちの娘を殺した」と責めます。
マヌエラは「そうは考えないで」とたしなめますが、あのセリフがないと、見ている方の腹立たしさが、おさまらない気がしました。
希望は第3のエステバン、ロサの生んだ赤ちゃんですね。
この子がマヌエラをはじめ、関係するすべての人たちの生きる支えとなっています。
とても、いいラストでした。
「ボルベール」を見終わった時にも感じた「女たちはしたたかに逞しく、少々対立したって、どこかで折り合って、協力して生きていくものだ」という思いをさらに強くしました。
これは、アルモドバル監督からの力強いメッセージなのでしょうね。
ペネロペの成長もよくわかりました。
また、アパートの内装も、家具も素敵だし、服もおしゃれだし、画面のすみずみまで気配りが行き届いていました。
素晴らしい映画でした。
で、他の作品も気になったんで借りて来ようと思ってたとこです(笑)
ではまずこれから観てみよ~!!
奇妙な人間関係が、コメディにならないとこが、監督の手腕ね。
でも、それがとてもユーモラスなの。
それで、観客の心をつかむんだと思うわ。
母を語るって、ほんと、難しいと思うけどいい映画でした。
ボルベールは観ようと思ってるうちに終わっちゃったわ………
こらは前に観ました。かなり好きな映画です。名前忘れちゃったけど娼婦のお友達が良い味出してましたよね、このお友達がみんなの潤滑油みたいな役目ね。
重いドロドロしたストーリーをサラッと描いてましたね。
根底にあるのは、男、女、親子、家族を越えた全ての人に対する深い愛情なんですね。
ラストも好きです。
二人の女を泣かせて行方をくらませた結果、結局は病に犯され苦悩した人生を送って来たうちひしがれたエステバン、彼さえも我が子に対する愛情だけは強く持っていたところは救われました。
ボルベールはDVDが出たら観たいですね!
特典で、ご本人も言っていたけど、出てくる人は奇人変人ばかり、それをコメディにしないで作ったらどうなるのかと。
だから、ここで出てくる奇妙なキャラクターは、観客を驚かす確信犯なのですね。
そして、その変人奇人たちが、それぞれの人生に流されることなく生き抜く姿が感動的でした。
私もアントニア・サン・フアン演じた、あのゲイの人のセリフも生き方も大好きです。
ああいう人が、お友達だったら、いつも笑わせてもらって、元気がもらえそうですね。
父親のエステバンは極悪非道だけど、それも許してしまうマヌエラの強さ、それが母性なのかもしれないね。
一人息子の死の悲しみにも耐えるし、マヌエラはほんとうにある意味、理想の母親よね。
自分に置き換えたら、無理ー!!
>彼さえも我が子に対する愛情だけは強く持っていたところは救われました。
いやん、okoさんも優しいなあ。
私はあんなくらいじゃ、ぜったい許さないわよ!!
ボルベールは僕も見たかったのですが、残念。
Talk to her というのも確かこの監督さんですよね。
この映画の中の、屋外ライブのシーン、カエターノというブラジルの国民的歌手が「鳩」Paroma というスペンの国民的歌謡を歌っています。
とても素敵です。
歌のことばかりで、済みません。
結構本数を見ているのよ。
だから、何があっても驚かなくなっています。
この映画はよかったー!!
「トークトゥハー」も面白かったですよね。
音楽は覚えていません。
詳しいですね。
「ボルベール」も是非ご覧下さい。
女の映画ですけどね。笑!!
マダムは、この映画、とてもお気にいりのようですね。
私は、最初イマイチわかりにくかったけど、最後には「良い映画だったなあ」という感じ
日本にも、ゲイやニューハーフなど個性的な人がいるけれど、ヨーロッパでは普通に結婚した人がゲイになったりするんですね
ゲイの数も多いんだろうなぁ・・・・・
息子が父のことを打ち明けられたら、どんな反応を示しただろうなぁ・・・・
それに移植問題。
今、うちの新聞で連載されていますが、みんな本音と建て前が違うんでしょうね・・・
自分の子供や身内が死の宣告を受けたら他人の臓器を貰ってでも生き延びて欲しい、でもわが子が脳死になったら死とは認められず一日でも長く生きて欲しい・・・
【ドナー登録】したい気持ちはあるけれど、私はまだまだ決断できそうにありません
しかも、だいぶ、ジャンルが広がってきたんじゃない?
この作品は、監督をしばらく追いかけていると、ますます面白くなると思うよ。
このアルモドバル監督は、自らもゲイのようです。
だから、女の気持ちがよく描けるんじゃないかな?
移植の問題。
自分の子供や家族のためなら、移植してほしい、でも、自分や自分の身内が提供する側にはなりたくない、というのが本音ですよね。
安楽死もそうじゃない?
自分は、安楽死させてほしいけど、家族はできるだけ生きていてほしい。
私はドナーカード持っているよ。
でも、悲しいことに、年齢制限があって、長生きしたら意味がない(使える臓器もあるようですが)ようね。
お守り代わりには、いいのではないでしょうかね?