マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

トランス

2013-10-23 11:09:27 | 映画ー劇場鑑賞

ートランスーTRANCE

2013年 アメリカ/イギリス 102

ダニー・ボイル監督 ジェームズ・マカヴォイ(サイモン)ヴァンサン・カッセル(フランク)ロザリオ・ドーソン(エリザベス)

 

【解説】

さまざまな作品を世に送り出したダニー・ボイル監督が、『つぐない』などのジェームズ・マカヴォイを主演に迎えたサスペンス。『トレインスポッティング』の脚本家ジョン・ホッジとボイル監督が再びタッグを組み、ギャングと名画を略奪した競売人が絵画の隠し場所の記憶を失い、ギャングが催眠療法で記憶を復活させようと画策するも予期せぬ事態に陥っていくさまを描く。『ブラック・スワン』などのヴァンサン・カッセル、『アンストッパブル』などのロザリオ・ドーソンが共演。

 

【あらすじ】

アート競売人のサイモン(ジェームズ・マカヴォイ)はギャング一味と協力し、オークション会場から40億円の名画を盗み出すことに成功する。しかし計画外の動きを見せた彼はギャングのリーダー(ヴァンサン・カッセル)に暴行され、それが原因で絵画の隠し場所の記憶をなくしてしまう。リーダーは絵画のありかを聞き出すため、催眠療法士(ロザリオ・ドーソン)を雇うものの……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

さすが、ダニー・ボイル監督作品。

スタイリッシュでスピーディー。

置いていかれないように。

 

全部ネタバレみたいな作品なので、見る予定のある方は、絶対に読まないでね。

 

☆ネタバレ

アート競売人のサイモン(ジェームズ・マカヴォイ)、オークション会場で強盗に会ったときのシミュレーションに余念がない。

 

ゴヤの「魔女たちの飛翔」をオークションしている時、まさに、強盗事件が起きた。

訓練通りに絵画を守るサイモン。

最後にマニュアルにはないのに強盗に逆らったため、殴られて気を失った。

 

その後の記憶をなくしてしまったサイモン。

強盗たちが盗んだ鞄の中に、絵画はなかった!!

 

強盗の首領は実業家のフランク(ヴァンサン・カッセル)。

そして、サイモンも強盗の仲間だったのだ。

ひどい拷問を受けても絵画の隠し場所を思い出せないサイモン。

 

そして、深層心理を探るべく催眠療法士(ロザリオ・ドーソン)の登場となります。

 

ここから、どこまでが夢の世界で、どこまでが現実か難しくなっていきます。

サイモンはさらに記憶喪失になっているし、人為的に隠された記憶もあるし、作られた記憶もあって、混乱します。

 

しかし、このせめぎ合いが実に面白い。

三人三様のバトルは見物です。

 

ジェームズ・マカヴォイが、いままでのイメージを払拭するようなダメ男。

ヴァンサン・カッセルは渋くていい男っぷりだし、ロザリオ・ドーソンの巨乳にはびっくり!!

 

私が謎だなあ、と思ったのは、サイモンがオークション会場から逃げる途中にぶつかった女性。

あの女性の死体が赤い車の中にあるというのは現実でしょう?

そうしたら、殺人事件だし、サイモンは犯人だし、お気楽に記憶をなくしていいのか?

死んだ彼女が浮かばれないでしょう?

「だとすると、絵画の盗難事件じゃすまないよ。話が変わってるー」と思いましたが、誰か、判った人はいますか?

 


ラブ・クライム偽りの愛に溺れて

2013-10-23 11:05:48 | 映画ーDVD

ーラブ・クライム偽りの愛に溺れてーCRIME D'AMOUR/LOVE CRIME

2010年 フランス 2010

アラン・コルノー監督 リュディヴィーヌ・サニエ(イザベル)クリスティン・スコット・トーマス(クリスティン)パトリック・ミル(フィリッペ)ギョーム・マルケ(ダニエル)

 

【解説】

フランスの映画監督アラン・コルノーの遺作。主演はリュディヴィーヌ・サニエとクリスティン・スコット・トーマス。コルノーは脚本も担当し、映画公開直後に亡くなった。翻弄され合う上司と部下という2人の女性が辿る、運命の顛末とは。パリにある、とある一流多国籍企業。イザベルは、上司で重役のクリスティーヌのもとで若き女性幹部として働いていた。お互い才能を認め合ってはいたものの、イザベルがクリスティーヌの恋人フィリッペとカイロ出張に行ったことで状況が大きく変化する。イザベルは華々しい業績をあげただけでなく、フィリッペと関係してしまったのだ。それを知ったクリスティーヌはイザベルのアイディアを横取りしたり、徐々にイザベルを排除しようとする。次第にイザベルはクリスティーヌに対して殺意を抱く。(allcinema ONLINE

 

【感想】

先日見たパッションのオリジナル版。

「パッション」のインパクトが強かったので、この作品は地味に見えてしまいました。

 

クリスティン・スコット・トーマスがすごく嫌みな上司をねっちりと好演しています。

この女優さんは、英語でもフランス語でもすごく流暢で、知性あふれています。

 

いじめられる部下にリュディヴィーヌ・サニエ。

この作品では、いじめる側といじめられる側という単純構造で描かれているので、ハリウッド版のようなエロティックな関係はなかったように思いました。

 

この作品の見どころは、完全犯罪の作り方。

このトリックの作り方を丁寧に描いて、サスペンスフルで面白かったです。

 


ロイヤル・アフェア愛と欲望の王宮

2013-10-23 10:49:26 | 映画ーDVD

ーロイヤル・アフェア愛と欲望の王宮ーEN KONGELIG AFFAERE/A ROYAL AFFAIR

2012年 デンマーク 137

ニコライ・アーセル監督 マッツ・ミケルセン(ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ)アリシア・ヴィキャンデル(王妃カロリーネ・マティルデ)ミケル・ボー・フォルスゴー(デンマーク王クリスチャン7世)

 

【解説】

18世紀のデンマーク王室で起きたスキャンダラスな史実を基に、国王と王妃、そして侍医の三角関係を描いた壮大なラブ・ストーリー。国王を意のままに操り、王妃と禁断の恋に落ちたドイツ人医師を、『007/カジノ・ロワイヤル』などのマッツ・ミケルセンが熱演。『ミレニアムドラゴン・タトゥーの女』の共同脚本を手掛けたニコライ・アーセルがメガホンを取り、デンマークの鬼才ラース・フォン・トリアーが製作総指揮として名を連ねる。華麗な世界の裏でうごめくドラマチックな駆け引きから目が離せない。

 

【あらすじ】

18世紀後半のデンマーク。ドイツ人医師のストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)は、精神的な病を患っている国王クリスチャン7世(ミケル・ボー・フォルスガール)の侍医となる。国王の信頼を得たストルーエンセは、一方で王妃カロリーネ(アリシア・ヴィキャンデル)と惹(ひ)かれ合うように。しかし事実上の摂政として手腕を振るうようになったストルーエンセを、保守派貴族たちは快く思わず……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「偽りなき者」に引き続き、マッツ・ミケルセン主演の作品。

ちょっとしたマイブームだな。

 

18世紀デンマーク王室のスキャンダル。

時の国王、クリスチャン7世(ミケル・ボー・フォルスガール)は精神を病んでいて、奇行が目立っていた。

 

夢と希望を胸いっぱいに抱いて嫁いで来たイングランドのプリンセス、カロリーネ・マティルデ(アリシア・ヴィキャンデル)は、新婚初夜でその淡い夢を打ち砕かれた。

王子が生まれたが、夫婦の間は冷えきったていた。

 

クリスチャンは旅先で病が重くなり、そこで出会ったのがドイツ人医師のストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)。

シェイクスピアの一節をつぶやいた王に、その続きをささやき、二人は盟友となった。

クリスチャンはストルーエンセを侍医に取り立て、一時も自分のそばから離さないほどだった。

 

カロリーネは、始めはストルーエンセのことを疎ましく思っていたが、彼の教養の深さを知り、次第に引かれていく。

 

やがて二人は不倫関係に。

 

クリスチャンは二人の関係に気づかず、クリスチャンとカロリーネの仲も夫婦関係の改善とまではいかなくとも、良い関係となっていく。

摩訶不思議な三角関係。

 

ストルーエンセはクリスチャンを使って国政改革にまで手を伸ばしていく。

当然面白くないのは失脚させられた元老たち。

王太后と組んで、ストルーエンセの失脚を謀っていた。

 

そんなときに発覚したカロリーネの妊娠・出産。

生まれたルイーセ・アウグスタはストルーエンセの子供だと噂された。

 

その噂を楯に、反対派はクーデターを起こし、クリスチャンにストルーエンセの逮捕を迫り、サインをさせて、ストルーエンセを反逆罪で処刑した。

カロリーネも囚人として監禁され、その後追放された。

 

デンマークの歴史スキャンダルでデンマーク人は恥じているらしいけれど、この映画では違う側面が描かれていて、興味深かったです。

 

ストルーエンセは、ただの不倫男、ただの権力欲の強い男ではなく、当時の啓蒙思想に傾倒していて、権力側から言うと思想的には危険人物だったようです。

それが、王と王妃に取り入って啓蒙思想を二人に浸透させて、次々に政策として実行していきます。

ただ、あまりに急進過ぎて、国民もついていけないようでした。

そこを元権力側に煽られて、国民たちもクーデターに利用された形に描いてありました。

 

心配だったのは、不倫の子と言われたルイーセ・アウグスタですが、彼女は王室の子として育ち、王室の夫を持ち、現在のスウェーデン王は彼女の末裔だそうです。

 

また、クリスチャン7世とカロリーネ王妃の間に生まれた王子フレデリク6世は、1808年に即位すると、ストルーエンセの処刑で一旦は逆行した国政を、また改革路線に戻したそうです。

 

なんという、歴史の不思議。

ただのスキャンダル映画ではありません。

面白かったです。