ーアジャストメントーTHE ADJUSTMENT BUREAU
2011年 アメリカ
ジョージ・ノルフィ監督 フィリップ・K・ディック原作 マット・デイモン(デヴィッド・ノリス)エミリー・ブラント(エリース・セラス)アンソニー・マッキー(ハリー)ジョン・スラッテリー(リチャードソン)マイケル・ケリー(チャーリー)テレンス・スタンプ(トンプソン)
【解説】
『マイノリティ・リポート』などの原作者フィリップ・K・ディックの短編小説を、『ボーン』シリーズのマット・デイモン主演で映画化したサスペンスアクション。第三者によって運命を支配された現実を舞台に、巨大な陰謀に立ち向かう男の奮闘を描く。監督は『ボーン・アルティメイタム』などの脚本家ジョージ・ノルフィ。主人公と愛し合うヒロインを『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラントが演じる。独創的かつ衝撃的な設定と予測が困難な展開に注目だ。
【あらすじ】
政治家のデヴィッド(マット・デイモン)は、ある日、バレリーナのエリース(エミリー・ブラント)と恋に落ちる。しかし、突如現れた男たち、“アジャストメント・ビューロー(運命調整局)”によって拉致されてしまうデヴィッド。彼らの目的は、本来愛し合う予定ではなかったデヴィッドとエリースの運命を操作することだった。(シネマトゥデイ)
【感想】
SFなんだけど、見終わってよく考えてみると、ラブロマンスだよね。
運命の出会いは、運命をも変えるー?
下院議員のデヴィッド(マット・デイモン)はスラムの生まれで、両親も兄もなくし、短気で問題の多い性格だが、支持者からの信頼は厚く、上院議員に立候補し、支持率もまずまずだった。
しかし、もうすぐ投票日というときに、酔っぱらって全裸になるという醜態を演じてしまった。
失意の中で開票結果を待っているとき、男子トイレにひそんでいた美女エリース(エミリー・ブラント)と出会い、恋に落ちる。
敗戦の感動的なスピーチをして、また4年後の選挙を目指すこととなった。
ところが、デヴッドの心の中は、エリースでいっぱい。
なぜか、もらった電話番号をなくして、連絡しようもなかったのだ。
ある朝、バスの中でエリースと再会。
喜びながら事務所に行ったら、あら不思議、アジャストメント・ビューローの調整中。
「なんだ、これは!!」とあわてて逃げ出すが、調整員たちに捕まってしまう。
☆ネタバレ
見つかってしまってはしかたがないと、調整員のリチャードソン(ジョン・スラッテリー)が説明し始めた。
人間の運命は「運命の書」によって決まっていて、少しずれが生じたり、運命と違う方向に向かうと“アジャストメント・ビューロー(運命調整局)”が動いて、調整しているという。
デヴィッドはエリースとは別れるのが運命だそうだ。
今朝も、デヴィッド担当のハリー(アンソニー・マッキー)が、バスに乗る前にコーヒーをこぼさせて、バスには乗り遅れる予定だった。
ところが、彼が居眠りをしている間に、デヴィッドがバスに乗ってしまい、エリースとも会い、調整しているところも見てしまった、というわけ。
納得いかないデビッドは、リチャードソンたちを巻いて、エリースに会いに行った。
自分たではらちがあかなくなったリチャードソンは、外され、もっと上級のトンプソン(テレンス・スタンプ)のおでまし。
彼は、大上段に人類の歴史と自分たちの関係をぶちまけるけど、結局はデヴィッドとエリースは一緒になれない運命だと言う。
なぜなら、デヴィッドは大統領になる身の上で、エリースも世界的な振り付け師になる運命。
二人が一緒になったら、エリースは幼稚園のバレエの先生で終わるんですって。
それでも、デヴッィドはエリースが好き。
諦めきれない。
エリースが元彼のエイドリアンと結婚すると知って、いてもたってもいられずエリースの元へ。
そして、変わらぬ愛を確かめた二人は、運命に立ち向かうべく、アジャストメント・ビューローの議長を探しまわります。
最終的には、運命の書は書き換えられ、トンプソンはがっかりして去って行き、二人は結ばれるーという結末です。
この映画も夫と見たのですが、そのあとの飲み屋では会話が弾みましたよ。
「私とあなたが結婚していなかったら、二人はそれぞれの道で成功していたかもしれないね」
「ほんまや、僕は大会社の社長になっていたかも!!」と目を輝かせる夫。
「んな、わけないやん!」としらける私。
でも、まあ、大成しなくても、中年を過ぎて一緒に映画を楽しめる私たち、こういう運命でよかったよねー?