ーある公爵夫人の生涯ーTHE DUCHESS
2008年 イギリス/イタリア/フランス
ソウル・ディブ監督 アマンダ・フォアマン原作 レイチェル・ポートマン音楽 キーラ・ナイトレイ(デヴォンジャー公爵夫人(ジョージアナ))レイフ・ファインズ(デヴォンジャー公爵)シャーロット・ランプリング(レディ・スペンサー)ドミニク・クーパー(チャールズ・グレイ)ヘイリー・アトウェル(レディ・エリザベス・フォスター)サイモン・マクバーニー(チャールズ・ジェームズ・フォックス)エイダン・マクアードル(リチャード・シェリダン)
【解説】 故ダイアナ妃の祖先にあたるデヴォンシャー公爵夫人のスキャンダラスな実話を映画化。華やかな生活の裏で、夫の無関心や裏切りに苦しみながらも、自身の信念と愛を貫こうとしたジョージアナ・スペンサーの生涯を描く。主人公のデヴォンシャー公爵夫人を演じるのは、『つぐない』のキーラ・ナイトレイ。故ダイアナ妃を連想させるドラマチックなストーリーはもちろん、古城でのロケーションや絢爛(けんらん)豪華な衣装も見どころ。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
最も裕福な公爵の一人、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)に嫁いだ17歳のジョージアナ・スペンサー(キーラ・ナイトレイ)。聡明(そうめい)で美しい彼女は公爵夫人としてイギリス中の人々に愛されるが、夫のデヴォンシャー公爵はジョージアナに男子の後継者を生むことだけを望み、自身は離婚歴のある女性との愛人関係を続ける。(シネマトゥデイ)
【感想】
この映画、ダイアナ妃の祖先とあって、そういう宣伝の仕方をしていますが、本質的には違うと思いました。
デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュが生きた時代は、18世紀半ばから19世紀初め、まだ女性に参政権もなく、世継ぎを生むことが勤めだと考えられていた時代です。
地位が高くお金持ちの第5代デヴォンシャー公爵ウィリアム・キャヴェンディッシュと結婚したのが、17歳のとき。
なんの疑いもなく、嫁いでいくのです。
☆ネタバレ
でも、夫の関心は、世継ぎを生んでもらうことしかないようでした。
平気で召使いと浮気はするし、それを「夫の些細なことはかまうな」と言うのです。
子供は女の子が二人、男の子は流産ばかりです。
しかも、夫の愛人の娘まで引き取って、ジョージアナはけなげに尽くします。
彼女の美貌は社交界の花となり、マリー・アントワネットとも比較されるほどです。調べてみると、同世代ですね。
療養先のバースで、レディ・エリザベス・フォスターと知り合い、仲良くなります。
彼女の境遇に同情したジョージアナは、エリザベスを自分の館に同居させますが、その温情が仇となり、夫はエリザベスと愛人関係に。
傷心のジョージアナは、昔からの知り合いのチャールズ・グレイと恋仲になり、エリザベスの計らいもあって、情事を楽しみますが、夫に知られ、結局家庭と子供を取るのです。
そのときには、すでにジョージアナのお腹にはチャールズの子供が宿っていたのですが、エリザベスとともに田舎にこもり、その子を産んで、チャールズの両親に差し出します。
つらい、我が子との別れ。
それも、乗り越えて、ジョージアナは肝臓ガンで48歳の若さでこの世を去るまで、社交界の花として、政治家のパトロンとして、また、ギャンブラーとして華麗に生きたようです。
亡くなったときには、借金があったようです。
生家も婚家もお金持ちだったのに。
チャールズ・グレイは、後にグレイ伯となり、イギリス首相ともなっています。
紅茶のアールグレイは彼にちなんだ名前だそうです。
このように、ドラマチックで波瀾万丈のジョージアナの人生ですが、この時代に自我に目覚めた女性としては、とても賢く生きた人だと思いました。
女性としての悲しみも苦しみも、たくさん乗り越えたのでしょうが、遺言でエリザベスを後妻に指名しています。
この三人の複雑な関係は、結局彼らにしかわからないのでしょう。
時代の中で、精一杯自分らしさを貫いた強い女性として、私には頼もしく感じられました。
2008年 イギリス/イタリア/フランス
ソウル・ディブ監督 アマンダ・フォアマン原作 レイチェル・ポートマン音楽 キーラ・ナイトレイ(デヴォンジャー公爵夫人(ジョージアナ))レイフ・ファインズ(デヴォンジャー公爵)シャーロット・ランプリング(レディ・スペンサー)ドミニク・クーパー(チャールズ・グレイ)ヘイリー・アトウェル(レディ・エリザベス・フォスター)サイモン・マクバーニー(チャールズ・ジェームズ・フォックス)エイダン・マクアードル(リチャード・シェリダン)
【解説】 故ダイアナ妃の祖先にあたるデヴォンシャー公爵夫人のスキャンダラスな実話を映画化。華やかな生活の裏で、夫の無関心や裏切りに苦しみながらも、自身の信念と愛を貫こうとしたジョージアナ・スペンサーの生涯を描く。主人公のデヴォンシャー公爵夫人を演じるのは、『つぐない』のキーラ・ナイトレイ。故ダイアナ妃を連想させるドラマチックなストーリーはもちろん、古城でのロケーションや絢爛(けんらん)豪華な衣装も見どころ。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
最も裕福な公爵の一人、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)に嫁いだ17歳のジョージアナ・スペンサー(キーラ・ナイトレイ)。聡明(そうめい)で美しい彼女は公爵夫人としてイギリス中の人々に愛されるが、夫のデヴォンシャー公爵はジョージアナに男子の後継者を生むことだけを望み、自身は離婚歴のある女性との愛人関係を続ける。(シネマトゥデイ)
【感想】
この映画、ダイアナ妃の祖先とあって、そういう宣伝の仕方をしていますが、本質的には違うと思いました。
デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュが生きた時代は、18世紀半ばから19世紀初め、まだ女性に参政権もなく、世継ぎを生むことが勤めだと考えられていた時代です。
地位が高くお金持ちの第5代デヴォンシャー公爵ウィリアム・キャヴェンディッシュと結婚したのが、17歳のとき。
なんの疑いもなく、嫁いでいくのです。
☆ネタバレ
でも、夫の関心は、世継ぎを生んでもらうことしかないようでした。
平気で召使いと浮気はするし、それを「夫の些細なことはかまうな」と言うのです。
子供は女の子が二人、男の子は流産ばかりです。
しかも、夫の愛人の娘まで引き取って、ジョージアナはけなげに尽くします。
彼女の美貌は社交界の花となり、マリー・アントワネットとも比較されるほどです。調べてみると、同世代ですね。
療養先のバースで、レディ・エリザベス・フォスターと知り合い、仲良くなります。
彼女の境遇に同情したジョージアナは、エリザベスを自分の館に同居させますが、その温情が仇となり、夫はエリザベスと愛人関係に。
傷心のジョージアナは、昔からの知り合いのチャールズ・グレイと恋仲になり、エリザベスの計らいもあって、情事を楽しみますが、夫に知られ、結局家庭と子供を取るのです。
そのときには、すでにジョージアナのお腹にはチャールズの子供が宿っていたのですが、エリザベスとともに田舎にこもり、その子を産んで、チャールズの両親に差し出します。
つらい、我が子との別れ。
それも、乗り越えて、ジョージアナは肝臓ガンで48歳の若さでこの世を去るまで、社交界の花として、政治家のパトロンとして、また、ギャンブラーとして華麗に生きたようです。
亡くなったときには、借金があったようです。
生家も婚家もお金持ちだったのに。
チャールズ・グレイは、後にグレイ伯となり、イギリス首相ともなっています。
紅茶のアールグレイは彼にちなんだ名前だそうです。
このように、ドラマチックで波瀾万丈のジョージアナの人生ですが、この時代に自我に目覚めた女性としては、とても賢く生きた人だと思いました。
女性としての悲しみも苦しみも、たくさん乗り越えたのでしょうが、遺言でエリザベスを後妻に指名しています。
この三人の複雑な関係は、結局彼らにしかわからないのでしょう。
時代の中で、精一杯自分らしさを貫いた強い女性として、私には頼もしく感じられました。