マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ある公爵夫人の生涯

2009-04-27 14:06:06 | 映画ー劇場鑑賞
ーある公爵夫人の生涯ーTHE DUCHESS
2008年 イギリス/イタリア/フランス
ソウル・ディブ監督 アマンダ・フォアマン原作 レイチェル・ポートマン音楽 キーラ・ナイトレイ(デヴォンジャー公爵夫人(ジョージアナ))レイフ・ファインズ(デヴォンジャー公爵)シャーロット・ランプリング(レディ・スペンサー)ドミニク・クーパー(チャールズ・グレイ)ヘイリー・アトウェル(レディ・エリザベス・フォスター)サイモン・マクバーニー(チャールズ・ジェームズ・フォックス)エイダン・マクアードル(リチャード・シェリダン) 
【解説】 故ダイアナ妃の祖先にあたるデヴォンシャー公爵夫人のスキャンダラスな実話を映画化。華やかな生活の裏で、夫の無関心や裏切りに苦しみながらも、自身の信念と愛を貫こうとしたジョージアナ・スペンサーの生涯を描く。主人公のデヴォンシャー公爵夫人を演じるのは、『つぐない』のキーラ・ナイトレイ。故ダイアナ妃を連想させるドラマチックなストーリーはもちろん、古城でのロケーションや絢爛(けんらん)豪華な衣装も見どころ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
最も裕福な公爵の一人、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)に嫁いだ17歳のジョージアナ・スペンサー(キーラ・ナイトレイ)。聡明(そうめい)で美しい彼女は公爵夫人としてイギリス中の人々に愛されるが、夫のデヴォンシャー公爵はジョージアナに男子の後継者を生むことだけを望み、自身は離婚歴のある女性との愛人関係を続ける。(シネマトゥデイ)

【感想】
この映画、ダイアナ妃の祖先とあって、そういう宣伝の仕方をしていますが、本質的には違うと思いました。

デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャヴェンディッシュが生きた時代は、18世紀半ばから19世紀初め、まだ女性に参政権もなく、世継ぎを生むことが勤めだと考えられていた時代です。
地位が高くお金持ちの第5代デヴォンシャー公爵ウィリアム・キャヴェンディッシュと結婚したのが、17歳のとき。
なんの疑いもなく、嫁いでいくのです。

☆ネタバレ
でも、夫の関心は、世継ぎを生んでもらうことしかないようでした。
平気で召使いと浮気はするし、それを「夫の些細なことはかまうな」と言うのです。
子供は女の子が二人、男の子は流産ばかりです。
しかも、夫の愛人の娘まで引き取って、ジョージアナはけなげに尽くします。

彼女の美貌は社交界の花となり、マリー・アントワネットとも比較されるほどです。調べてみると、同世代ですね。

療養先のバースで、レディ・エリザベス・フォスターと知り合い、仲良くなります。
彼女の境遇に同情したジョージアナは、エリザベスを自分の館に同居させますが、その温情が仇となり、夫はエリザベスと愛人関係に。

傷心のジョージアナは、昔からの知り合いのチャールズ・グレイと恋仲になり、エリザベスの計らいもあって、情事を楽しみますが、夫に知られ、結局家庭と子供を取るのです。
そのときには、すでにジョージアナのお腹にはチャールズの子供が宿っていたのですが、エリザベスとともに田舎にこもり、その子を産んで、チャールズの両親に差し出します。
つらい、我が子との別れ。
それも、乗り越えて、ジョージアナは肝臓ガンで48歳の若さでこの世を去るまで、社交界の花として、政治家のパトロンとして、また、ギャンブラーとして華麗に生きたようです。
亡くなったときには、借金があったようです。
生家も婚家もお金持ちだったのに。

チャールズ・グレイは、後にグレイ伯となり、イギリス首相ともなっています。
紅茶のアールグレイは彼にちなんだ名前だそうです。

このように、ドラマチックで波瀾万丈のジョージアナの人生ですが、この時代に自我に目覚めた女性としては、とても賢く生きた人だと思いました。
女性としての悲しみも苦しみも、たくさん乗り越えたのでしょうが、遺言でエリザベスを後妻に指名しています。
この三人の複雑な関係は、結局彼らにしかわからないのでしょう。

時代の中で、精一杯自分らしさを貫いた強い女性として、私には頼もしく感じられました。






最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白かった! (NAKAちゃん)
2009-05-08 10:49:57
この夫婦 理解に苦しむ関係ですが 映画は面白かったです。
それにしても 後の首相との間に子供があったと言うのは 歴史に出てくるくらいだから その時から周りの公認だったのでしょうが・・・・不思議ですね!
彼女が ダイアナ皇太子妃の遠縁というのも 何だか・・・
返信する
NAKAちゃんへ (マダムよう)
2009-05-09 08:43:53
理解に苦しむのは、この時代の倫理観がわからないからでしょう。
日本だと、公爵夫人であろうと、姦通罪で死刑よね。
その方がわかりやすいという方が、ひどいと思うわ。
不倫の結果の子供が無事に育ってよかったと思う。

女が子を産む道具としか考えられていなかったのは、洋の東西を問わないことは事実のようですね。

よくここまで、女性が社会的地位を得れたことだと、先人の遺業を思うわ。
まだまだ、足りないから努力は続けなくていけないけどね。

私たちは、その恩恵を当たり前のことのように思っているけど、こういう映画を見て、過去の女性がどう生きたかを考えさせてくれる映画って、いいなあと思いました。

返信する
Unknown (杏子)
2009-05-10 17:43:55
境遇は似ているようだけど、女性の地位が上がった現代より公爵夫人の時代の方がより強さを必要としたことは確かでしょうね。

夫との間の愛情を信じて嫁いだ17の娘が嫡男を産んでいないというだけで軽んじられ、孤独を分かち合う筈の親友に裏切られ、それでも乗り越えていく強さは現代の比ではないねぇ。

映画では夫の方にも少しは夫人への愛情があったように描かれているのは好感が持てます。彼も不器用な人間だったってことかな。
返信する
杏子さんへ (マダムよう)
2009-05-11 09:08:47
私も、杏さんと同じようにこの映画を見ました。
強い女性だったと思うわね。
そして、そりなりにいい人生だったんじゃないかなあ。
屈折していたけど、親友とと愛人と、そして夫と子供、ある意味、全部手に入れた人かもね。

借金を残して死ぬなんて、ある意味確信犯かなあ、って想像が膨らみました。
返信する
実話だから説得力ありました (meg)
2011-07-02 20:47:50
ずいぶん女性には生きやすい世の中になってきたけれど、
やはりダイアナ妃や雅子さまと重ね合わせながら
見ました。

雅子さまも、これくらい強くなれたらもう少し楽になるだろうになー
返信する
megさんへ (マダムよう)
2011-07-03 15:06:34
ほんとねえ。

女性も生きやすくなったとはいえ、まだまだ「こうあらねばならない」と不自由を強いられている人がいますね。
宗教的に縛られている人や、社会的地位や立場で縛られている人もいますね。

日本の皇室は、そういう意味では生きにくいところかもしれませんね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。