マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

いとしい人

2009-04-10 10:28:21 | 映画ー劇場鑑賞
ーいとしい人ーTHEN SHE FOUND ME
2007年 アメリカ
ヘレン・ハント監督 ヘレン・ハント(エイプリル・エプナー)ベット・ミドラー(バーニス・グレヴズ)コリン・ファース(フランク・ハート)マシュー・ブロデリック(ベン)

【解説】
『恋愛小説家』のオスカー女優ヘレン・ハントが、初監督にして、製作、脚本、主演までこなしたハートウォーミング・ラブストーリー。39歳の小学校教師を主人公に、結婚、離婚、妊娠といった人生におけるさまざまな問題を見つめていく。共演は『マンマ・ミーア!』のコリン・ファース、『プロデューサーズ』のマシュー・ブロデリックら。人生の痛みやほろ苦さをユーモアに包んで描き出したヘレン監督の手腕に注目したい。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
年下の同僚ベン(マシュー・ブロデリック)と結婚して10か月になる39歳の小学校教師エイプリル(ヘレン・ハント)。一刻も早い妊娠を望む彼女だったが、ある日突然、夫から別れを告げられてしまう。しかも、養母が他界する出来事が彼女を襲う。そんな中、実母を名乗る女性(ベット・ミドラー)が現れ、エイプリルの父親はスティーヴ・マックイーンだと言うが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
予告編を見て、かなり期待していたんだけど、あんまり乗っては行けませんでした。

39歳の小学校教師エイプリル(ヘレン・ハント)は、年下の同僚ベン(マシュー・ブロデリック)と結婚するが、彼は、結婚生活に自信をなくしエイプリルに別れを告げて出ていってしまう。

さらに、最愛の養母が亡くなり、おまけに実母と名乗るバーニス(ベット・ミドラー)が現れる。

運命の人だと思えるフランク(コリン・ファース)に出会うが、前夫の子供がお腹にいるのがわかる。

☆ネタバレ
フランクがいるのに、ベンとよりを戻しちゃう、しかもあんな不自然なカーセックス、あそこでかなりしらけちゃいました。
ベンはもう夫としてふさわしくないとわかったあとなんだから!!

彼女の不幸せの原因は、自分は捨てられた子供という原点にあって、それが大きなテーマでした。
だから、彼女は自分の子供にこだわって、流産のあと、人工授精を試み、さらに養子という選択をするわけだけれども、果たして、それが子供の幸せ本意で考えられたものなのかどうか…。
私は見終わったあと、かなり複雑な気持ちでした。

私は個人的に、40歳での妊娠、出産には懐疑的です。
生理的にどうかということもあるけど、その子が20歳になった時に、自分が60歳だという、社会的な問題も大きいと思う。

日本のような、親が子供にお金をかけて育てなければならない国では、自分のアイデンティティのために子供を持つというのは、自分の将来にも、国のためにもならないような気がします。
子供は、生まれたとたんにその子の人生が始まる。
自分で何かを選ぶなんて事は、何一つ出来ない存在なんだから、親の責任は重大だと思うのです。

でもまあ、それは日本の話であって、もっと進んだ福祉大国となれば、その選択もありかなあとも思いますが。

この映画に背中を押されて、子供を持ちたいと思う40歳以上の女性が増えなければいいなあと思いました。
確かに、そんなに簡単じゃないことは、みんなわかっているでしょうけどね。

映画から、私の関心はかなりそれてしまったようです。

監督・主演のヘレンは、自分の素顔をさらけ出し、観客に訴えることには成功していました。

マシュー・ブロデリックも、頼りない現代男性のイメージぴったり!!

コリン・ファースは「ブリジット・ジョーンズの日記」のミスター・ダーシーそのままでした。
彼も、完璧に頼れる男というわけではないけど、私もエイプリルに共感しました。
ある意味、アラフォーの理想の男性かもしれないと思いました。

ダイアナの選択

2009-04-10 10:24:30 | 映画ー劇場鑑賞
ーダイアナの選択ーTHE LIFE BEFORE HER EYES
2008年 アメリカ
ヴァディム・パールマン監督 ユマ・サーマン(ダイアナ・マクフィー)
エヴァン・レイチェル・ウッド(ダイアナ・マクフィー(高校時代))エヴァ・アムリ(モーリーン)オスカー・アイザック(マーカス)

【解説】
ローラ・カジシュキー原作の小説「春に葬られた光」を『砂と霧の家』のヴァディム・パールマン監督が映画化した心理劇。銃乱射事件に巻き込まれた女子高生の過去と現在を交互に見せつつ、彼女の人生をしっかりと見すえる。10代の主人公に『アクロス・ザ・ユニバース』のエヴァン・レイチェル・ウッド。成長した主人公を『キル・ビル』のユマ・サーマンが演じている。過去にとらわれた女性の衝撃的な運命の行く末に目を見張る。(シネマトゥデイ)

【感想】
高校生のダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)は登校後、いつものように親友のモーリーン(エヴァ・アムリ)とトイレでおしゃべりに興じていた。そんなとき、突如銃声と叫び声が聞こえ、しばらくすると銃を手にしたクラスメートが乱入して来る。いきなり彼女たちは目の前に銃口を突きつけられ、死ぬのは二人のうちどちらかだと言われ……。(シネマトゥデイ)

【感想】
この映画は、構成と編集に細心の注意を払ってあるので、軽々しく結末は言えません。

サスペンスではなく、命の意味を問うものなので、重いテーマですし、セリフの一言一言に哲学的な意味を求めてしまうので、なかなかしんどい映画です。

ダイアナ、17歳。
母親に反抗的で、学校でも問題児です。
マリファナ、ドラッグ、ろくでもない男とのセックス、あげくの中絶。
それでも彼女は、将来を夢見ていて、それには勉強も必要だということも承知している。
真面目なモーリーンとの友情。
考え方も夢も違うけど、大親友。

授業前、モーリーンと教室の前のトイレで化粧直しをしていると、突然銃声が響いた。
コロンバイン高校と同じ、高校生による銃乱射事件が勃発。
犯人は、トイレにも侵入してきてダイアナとモーリーンに銃を突きつけた。
哀願する二人に「どちらかを殺す。どっちだ?」と。

ダイアナ、32歳。
新進気鋭の哲学教授の夫と、小学生の娘。
自分自身も大学で美術を教えている。
平和で理想的な暮らしだが、あの事件が今も彼女を苦しめている。
そして、今日は15年目の記念日。

彼女の目に映った人生という意味の原題なのでしょう。
でも、あの多感で気難しい17歳のダイアナが、32歳のダイアナへと成長したということが、私には少し不自然に感じられて、最後はかなり混乱してしまいました。

☆ネタバレ
モーリーンは、宗教心に厚い人だから直ちに自分が犠牲になると申し出ました。
ダイアナは、自分のたとえ理想の人生であっても、この事件のことや自分のやってきたことでうまくいかないなら、モーリーンを生かせようという自己犠牲の気持ちが芽生え、決断させたのでしょうか?

このへんの意見が分かれるところでしょう。
私はその前に、そんな理不尽な申し出をする犯人に、若い女性の気持ちが振り回されることこそが許せないと憤ってしまいました。

高校銃撃事件という、それだけでも悲惨な事実を入れたことが、観客を惑わす結果になったのかとも思いました。
この映画のテーマが、最後にしかわからないので、観客がダイアナとともに成長できなかったように思いました。

エヴァン・レイチェル・ウッドはまだ20歳くらいなんですね。
いつも、難しい役をしています。
これも、かなり大変な役だと思いました。