マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

4分間のピアニスト

2007-12-06 22:56:20 | 映画ー劇場鑑賞
ー4分間のピアニストー
2006年 ドイツ クリス・クラウス監督 モニカ・ブライブトロイ(トラウデ・クリューガー)ハンナー・ヘルツシュプルング(ジェニー・フォン・レーベン)スヴェン・ピッピッヒ(ミュッツェ)リッキー・ミューラー(コワルスキー)ヤスミン・タバタバイ(アイゼ)

【解説】
無実の罪でとらわれた天才ピアニストが自分の才能を信じてくれる女性教師との出会いを通して、再び人生の輝きを見出すまでを描く感動作。世代の違う2人の女性の、まったく異なるピアノへのアプローチを丁寧に映し出す。ドイツの名女優モニカ・ブライブトロイは入念なメイクで老年のピアノ教師役に挑戦。オーディションでこの役を獲得した新人のハンナー・ヘルツシュプルングと息の合った迫真の演技をみせる。4分間だけ演奏することを許された、ヒロインの驚きの演奏に言葉を失う。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
80歳になるトラウデ(モニカ・ブライブトロイ)は、60年以上女子刑務所でピアノを教えている。彼女は何年も貯金して新しいピアノを購入するが運送に失敗し、その責任を追及される。早急に彼女のピアノレッスンを受ける生徒を探す必要に迫られたトラウデは、刑務所内でジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)という逸材と出会う。(シネマトゥデイ)

【感想】
賛否両論の映画みたいなので、私はどうかなあ、不安な気持ちでしたが、なかな感動しました。
ドイツでなければできない映画なのではないでしょうか。

ストーリーはありがちです。
自暴自棄になっている殺人犯の若い囚人ジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)と、年老いたピアノ教師トラウデ(モニカ・ブライブトロイ)が、運命的な出会いをして、ジェニーの才能を見いだし、二人は固い絆で結ばれていく…のだろうという物語。
お涙頂戴映画になりそうでならないのは、この二人の存在感でしょう。
決して美人というわけではないこのふたり。
性格も、どちらもいいとは言えない。

この映画を鑑賞するに当たって、一にも二にもジェニーに共感できるかどうかにかかっています。

私は共感というより、このケースでも、人と人とが心を通わせるという危うさと、難しさを描くにはには足りないと思ったくらいです。

でも、生きるって何か、どんな意味があるのか、という永遠の問いに真っ向からぶつかった勇気ある作品でもありました。
それには、この不器用な二人の主人公がぴったりだと思いました。

ここからはネタバレです。
孤児で養父からピアノの英才教育を受け、その上に性的虐待を受けたジェニー。
自暴自棄となり、未婚で妊娠、そのうえ恋人の身代わりとなり殺人犯の汚名まで着たのに、恋人は出奔、赤ちゃんは難産の末に放置されて死んでしまった。
刑務官に逆らって瀕死の重傷を負わせ、罰を与えられても反省の色を見せない、ひねくれ者、嫌われ者。

一方のトラウデは、ナチスドイツが席巻していた頃、共産主義者の女性の恋人がいた同性愛者。
しかし、恋人がナチスに捕まった時に知らない顔をしてしまった。
なんの運命のいたずらか、彼女の私刑の場面に出くわしてしまったというトラウマを抱えている。

トラウデがジェニーに言う。
「誰にでも生きる使命がある。私は耐え忍ぶことね。でもあなたには才能がある」

ジェニーのからからに乾いた心に、トラウデに見いだされた才能がどう関わっていくのか。
若い人に見てもらいたい作品だと思いました。

「個人には興味がない。音楽の美に感心があるだけ」トラウデはそのスタンスを貫きます。
その思いにジェニーはどう応えたのか?

人は自分らしく生きたいという願望を持っている。
私はそう感じました。
ぜひ、見ていただきたいラストです。


ダーウィン・アワード

2007-12-06 18:56:03 | 映画ー劇場鑑賞
ーダーウィン・アワードー
2006年 アメリカ フィン・タイラー監督 
ジョセフ・ファインズ(マイケル・バロウズ)ウィノナ・ライダー(シリ・テイラー)デヴィッド・アークエット(ハービー・ウェトストーン)ジュリエット・ルイス(ジョリーン・ウェトストーン)ジュリアナ・マーグリーズ(カーラ)タイ・バーレル(エミール)ティム・ブレイク・ネルソン(パープ)クリス・ペン(トム・スパロウ)ジョシュ・チャールズ(-)マックス・パーリック(-)ケヴィン・ダン(-)D・B・スウィーニー(-)ロビン・タネイ(-)ジュダ・フリードランダー(-)ウィルマー・バルデラマ(-)ルーカス・ハース(-)メタリカ

【解説】
最も愚かな方法で死んだ人に対し、バカな遺伝子を減らしたことへの感謝の気持ちから贈られる実在の賞“ダーウィン・アワード”を題材にしたコメディー映画。監督は『知ったことか!』のフィン・タイラー。ダーウィン・アワード受賞者たちを調査する保険調査員にふんした『スキャナー・ダークリー』のウィノナ・ライダーと『エリザベス』のジョセフ・ファインズら、豪華スターが出演している。おバカな人々の豪快な生きざまをとことん楽しみたい。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
元刑事の保険調査員マイケル(ジョセフ・ファインズ)は、ダーウィン・アワード対象者を保険適用外にすれば、年間2200万ドルの損失を防ぐことができると証明するため、アメリカ中のダーウィン・アワード対象者を探し出す調査へ旅立つ。変死担当の保険調査員シリ(ウィノナ・ライダー)をパートナーに、調査を進めていくが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
つぼにはまってしまいました。
笑いたいなら、この映画!!

最も愚かな方法で死んだ人に対し、バカな遺伝子を減らしたことへの感謝の気持ちから贈られる実在の賞“ダーウィン・アワードの存在さえ知りませんでした。
でも、面白い。
ダーウィンの名前を冠にしたところが、いけてますね。

あのジョセフ・ファインズが、徹底的に笑わせてくれます。
ダーウィン・アワードオタクのプロファィラー、バロウズ。
ある決定的な欠点のお陰で警察をクビになり、この趣味を生かせないかと保険会社へ自分を売り込みに行きました。
ダーウィン・アワード候補になるような人を保険適用から除外したら、保険会社は年2200万ドルの支払いがカットできる、というのが彼の主張です。

試験的に使ってもらえることになり、そこでコンビを組んだのがベテラン調査員のシリ(ウィノナ・ライダー)。
冷血で冷静な調査員。

シカゴーイリノイ州ーネバダ州ーオレゴン州と二人の調査旅行は続きます。
おっと、忘れていました。
バロウズにぴったり張り付いてドキュメンタリーを撮影している大学生。
彼が、またユニークな存在です。

いく先々で出会うおバカな人たち。

 これはバロウズの妄想

まず、紹介されるのは、彼らの調査とは関係ないのですが、ダーウィンアワード設立のきっかけとなった、高層ビルの窓ガラスの強度を友達に証明するために、堅い椅子とともにぶつかって、窓を破壊、あえなく落下してしまった人物。
後で知ったのですが、彼は実在だそうです。
笑ってごめんなさい。

それから、コーラの自動販売機に押しつぶされて死んでいた人。
この人はバロウズの推理によれば、自動販売機に手を入れてお金を払わずに商品をかすめ取る常習犯で、たまたまお金わ入れたのに出てこない自動販売機の出口から手を入れて抜けなくなって、がたがた動かしていたら倒れた、というのが真相なので、保険会社は賠償を払わなくていいそうです。

次は、トム(クリス・ペン)からの請求ですが、新車を買ったら強盗に襲われて、自動車を盗まれ、友人が撃たれたというもの。
これも、バロウズのみごとな推理で一件落着。

 ハービー

ハービー(デビッド・アークエット)謎の失踪事件も、メタリカのコンサート中に起きた悲惨なバン落下事件も、バロウズは見事にそのおバカさを証明しました。

 バロウズが納得いかない事件

ただひとつ、高級RV車が歯科医院に突入して4人の被害者が出た事件だけは、シリの説に納得できないバロウズではありましたが。

でも、一番おバカなことをやらかしてくれたのはバロウズ自身。
バスルームの一件はめちゃめちゃおかしい。
抱腹絶倒ものでした。

メタリカ、本物が登場しています。
トム・ホランダー、ジュリエット・ルイスなど、豪華キャストです。

クリス・ペンに至っては、これが彼の遺作だなんて、皮肉がきき過ぎています。
合掌。