ー4分間のピアニストー
2006年 ドイツ クリス・クラウス監督 モニカ・ブライブトロイ(トラウデ・クリューガー)ハンナー・ヘルツシュプルング(ジェニー・フォン・レーベン)スヴェン・ピッピッヒ(ミュッツェ)リッキー・ミューラー(コワルスキー)ヤスミン・タバタバイ(アイゼ)
【解説】
無実の罪でとらわれた天才ピアニストが自分の才能を信じてくれる女性教師との出会いを通して、再び人生の輝きを見出すまでを描く感動作。世代の違う2人の女性の、まったく異なるピアノへのアプローチを丁寧に映し出す。ドイツの名女優モニカ・ブライブトロイは入念なメイクで老年のピアノ教師役に挑戦。オーディションでこの役を獲得した新人のハンナー・ヘルツシュプルングと息の合った迫真の演技をみせる。4分間だけ演奏することを許された、ヒロインの驚きの演奏に言葉を失う。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
80歳になるトラウデ(モニカ・ブライブトロイ)は、60年以上女子刑務所でピアノを教えている。彼女は何年も貯金して新しいピアノを購入するが運送に失敗し、その責任を追及される。早急に彼女のピアノレッスンを受ける生徒を探す必要に迫られたトラウデは、刑務所内でジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)という逸材と出会う。(シネマトゥデイ)
【感想】
賛否両論の映画みたいなので、私はどうかなあ、不安な気持ちでしたが、なかな感動しました。
ドイツでなければできない映画なのではないでしょうか。
ストーリーはありがちです。
自暴自棄になっている殺人犯の若い囚人ジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)と、年老いたピアノ教師トラウデ(モニカ・ブライブトロイ)が、運命的な出会いをして、ジェニーの才能を見いだし、二人は固い絆で結ばれていく…のだろうという物語。
お涙頂戴映画になりそうでならないのは、この二人の存在感でしょう。
決して美人というわけではないこのふたり。
性格も、どちらもいいとは言えない。
この映画を鑑賞するに当たって、一にも二にもジェニーに共感できるかどうかにかかっています。
私は共感というより、このケースでも、人と人とが心を通わせるという危うさと、難しさを描くにはには足りないと思ったくらいです。
でも、生きるって何か、どんな意味があるのか、という永遠の問いに真っ向からぶつかった勇気ある作品でもありました。
それには、この不器用な二人の主人公がぴったりだと思いました。
ここからはネタバレです。
孤児で養父からピアノの英才教育を受け、その上に性的虐待を受けたジェニー。
自暴自棄となり、未婚で妊娠、そのうえ恋人の身代わりとなり殺人犯の汚名まで着たのに、恋人は出奔、赤ちゃんは難産の末に放置されて死んでしまった。
刑務官に逆らって瀕死の重傷を負わせ、罰を与えられても反省の色を見せない、ひねくれ者、嫌われ者。
一方のトラウデは、ナチスドイツが席巻していた頃、共産主義者の女性の恋人がいた同性愛者。
しかし、恋人がナチスに捕まった時に知らない顔をしてしまった。
なんの運命のいたずらか、彼女の私刑の場面に出くわしてしまったというトラウマを抱えている。
トラウデがジェニーに言う。
「誰にでも生きる使命がある。私は耐え忍ぶことね。でもあなたには才能がある」
ジェニーのからからに乾いた心に、トラウデに見いだされた才能がどう関わっていくのか。
若い人に見てもらいたい作品だと思いました。
「個人には興味がない。音楽の美に感心があるだけ」トラウデはそのスタンスを貫きます。
その思いにジェニーはどう応えたのか?
人は自分らしく生きたいという願望を持っている。
私はそう感じました。
ぜひ、見ていただきたいラストです。
2006年 ドイツ クリス・クラウス監督 モニカ・ブライブトロイ(トラウデ・クリューガー)ハンナー・ヘルツシュプルング(ジェニー・フォン・レーベン)スヴェン・ピッピッヒ(ミュッツェ)リッキー・ミューラー(コワルスキー)ヤスミン・タバタバイ(アイゼ)
【解説】
無実の罪でとらわれた天才ピアニストが自分の才能を信じてくれる女性教師との出会いを通して、再び人生の輝きを見出すまでを描く感動作。世代の違う2人の女性の、まったく異なるピアノへのアプローチを丁寧に映し出す。ドイツの名女優モニカ・ブライブトロイは入念なメイクで老年のピアノ教師役に挑戦。オーディションでこの役を獲得した新人のハンナー・ヘルツシュプルングと息の合った迫真の演技をみせる。4分間だけ演奏することを許された、ヒロインの驚きの演奏に言葉を失う。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
80歳になるトラウデ(モニカ・ブライブトロイ)は、60年以上女子刑務所でピアノを教えている。彼女は何年も貯金して新しいピアノを購入するが運送に失敗し、その責任を追及される。早急に彼女のピアノレッスンを受ける生徒を探す必要に迫られたトラウデは、刑務所内でジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)という逸材と出会う。(シネマトゥデイ)
【感想】
賛否両論の映画みたいなので、私はどうかなあ、不安な気持ちでしたが、なかな感動しました。
ドイツでなければできない映画なのではないでしょうか。
ストーリーはありがちです。
自暴自棄になっている殺人犯の若い囚人ジェニー(ハンナー・ヘルツシュプルング)と、年老いたピアノ教師トラウデ(モニカ・ブライブトロイ)が、運命的な出会いをして、ジェニーの才能を見いだし、二人は固い絆で結ばれていく…のだろうという物語。
お涙頂戴映画になりそうでならないのは、この二人の存在感でしょう。
決して美人というわけではないこのふたり。
性格も、どちらもいいとは言えない。
この映画を鑑賞するに当たって、一にも二にもジェニーに共感できるかどうかにかかっています。
私は共感というより、このケースでも、人と人とが心を通わせるという危うさと、難しさを描くにはには足りないと思ったくらいです。
でも、生きるって何か、どんな意味があるのか、という永遠の問いに真っ向からぶつかった勇気ある作品でもありました。
それには、この不器用な二人の主人公がぴったりだと思いました。
ここからはネタバレです。
孤児で養父からピアノの英才教育を受け、その上に性的虐待を受けたジェニー。
自暴自棄となり、未婚で妊娠、そのうえ恋人の身代わりとなり殺人犯の汚名まで着たのに、恋人は出奔、赤ちゃんは難産の末に放置されて死んでしまった。
刑務官に逆らって瀕死の重傷を負わせ、罰を与えられても反省の色を見せない、ひねくれ者、嫌われ者。
一方のトラウデは、ナチスドイツが席巻していた頃、共産主義者の女性の恋人がいた同性愛者。
しかし、恋人がナチスに捕まった時に知らない顔をしてしまった。
なんの運命のいたずらか、彼女の私刑の場面に出くわしてしまったというトラウマを抱えている。
トラウデがジェニーに言う。
「誰にでも生きる使命がある。私は耐え忍ぶことね。でもあなたには才能がある」
ジェニーのからからに乾いた心に、トラウデに見いだされた才能がどう関わっていくのか。
若い人に見てもらいたい作品だと思いました。
「個人には興味がない。音楽の美に感心があるだけ」トラウデはそのスタンスを貫きます。
その思いにジェニーはどう応えたのか?
人は自分らしく生きたいという願望を持っている。
私はそう感じました。
ぜひ、見ていただきたいラストです。