マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

テープ

2007-12-11 09:42:02 | 映画ーDVD
ーテープー
2001年 アメリカ リチャード・リンクレイター監督 イーサン・ホーク(ヴィンセント)ロバート・ショーン・レナード(ジョン・ソルター)ユマ・サーマン(エイミー・ランデル)

【解説】
ミシガン州ランシングに建つモーテルの一室。オークランドで消防士をするかたわらドラッグを売り捌くヴィンセントは久々に帰郷すると、高校時代の友人ジョン・ソルターをここに呼び出した。映画監督のジョンは明日行われる映画祭に新作を出品するため十数年ぶりに故郷の地を訪れていた。ジョンと再会を果たしたヴィンセントは、やがて“あの日”の出来事についてジョンを問い詰め始める。それは、ヴィンセントのかつての恋人エイミーに関わること。ヴィンセントは、今では地方検事補となっているもう一人の当事者エイミーもここに呼び寄せていた…。(allcinema ONLINE)

【感想】
だいたい私は「恋人までの距離(ディスタンス)」、「ビフォア・サンセット」が大好きなので、この映画も気に入るに決まっているのに、見るのが遅いよなあ。
まあ、愚痴っても仕方がないけど。

私は、基本的におしゃべりが好き。
この映画の主人公はたわいないおしゃべり。
登場人物は3人だけ、場所はモーテルの小さな部屋だけで、移動はゼロ。

舞台の脚本らしいけど、映画としてはすごい挑戦ですよね。

3人は同じ高校の同級生。
イーサン・ホーク(ヴィンス)とロバート・ショーン・レナード(ジョン)は「いまを生きる」で共演しているので、二人は本当に同級生かのように錯覚してしまう。
そこにからむ、二人にとって初恋の人に近いエミリー(ユマ・サーマン)。
ユマとイーサンはこの撮影当時夫婦(今はもめているようです)なので、いよいよ興味が増す趣向。

ヴィンスは最初から論戦を吹っかける気だったのでしょう。
親友のジョンは今をときめく新進の映画監督。
自分は消防士だけど、麻薬の売人でもある、いわば、負け犬。
恋人も愛想をつかして去ったばかり。

寝取られたと恨みのある初恋のエミリーとの関係を、ジョンに問いただすつもり。
その小道具にテープを仕掛けて。

ジョンはまんまと乗せられて、エミリーとの情事を告白させられてしまう。
「あれはデートレイプだった」
テープに録音されて、もみ合っているところに、何も知らないエミリーがやってくる。

エミリーはジョンの存在を気まずく思いながらも三人の再会を喜ぶ。
エミリー「ヴィンスは初恋の人だもの、いつまでも好きだわ。初恋とはそういうものよ」
ヴィンス「僕は関係を拒まれて傷ついたのに、なぜ、君はジョンと…」
エミリー「あなたと別れた後だったわ。私はジョンを愛していた。だから抱かれたのよ」
ジョン「僕は…愛していたかどうか、わからない…」

たった3人しか出てこないのに、この緊張感。
ほんとうに脚本がいいのでしょうねえ。

誰も傷つかない結末も見事。
女は一枚上手でした。爽快!!

リチャード・リンクレイターとイーサン・ホークの才能に乾杯だなあ。