マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ゾディアック

2007-06-26 10:06:43 | 映画ー劇場鑑賞
ーゾディアックー
2006年 アメリカ デヴィッド・フィンチャー監督 ジェイク・ギレンホール 、マーク・ラファロ 、ロバート・ダウニー・Jr 、アンソニー・エドワーズ 、ブライアン・コックス 、イライアス・コティーズ 、クロエ・セヴィニー 、ドナル・ローグ 、ジョン・キャロル・リンチ 、ダーモット・マローニー 、リッチモンド・アークエット 、ボブ・スティーヴンソン 、ジョン・テリー 、ジョン・ゲッツ 、キャンディ・クラーク 、フィリップ・ベイカー・ホール 、ジェイソン・ワイルズ 、マット・ウィンストン 、ザック・グルニエ 、アダム・ゴールドバーグ 、ジェームズ・レグロス 、クレア・デュヴァル 、ポール・シュルツ 、ジョン・レイシー 、エド・セトレキアン 、ドーン・リー 、ペル・ジェームズ 、リー・ノリス 、ジョエル・ビソネット 、トーマス・コパッチ 、バリー・リヴィングストン 、クリストファー・ジョン・フィールズ

【解説】
アメリカ犯罪史上最も危うい連続殺人鬼と言われる“ゾディアック・キラー”を題材にした話題作。ゾディアックに関わり、人生を狂わされた4人の男たちの姿を描く。監督は『セブン』のデビッド・フィンチャー。『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホールが、事件の謎を追い続ける風刺漫画家を演じる。徹底したリサーチを基に練り上げられたサスペンスとしても、4人の男たちの生き様をリアルにつづった人間ドラマとしても楽しめる。

【あらすじ】
1969年、自らを“ゾディアック”と名乗る男による殺人が頻発し、ゾディアックは事件の詳細を書いた手紙を新聞社に送りつけてくる。手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール(ロバート・ダウニーJr)、同僚の風刺漫画家ロバート(ジェイク・ギレンホール)は事件に並々ならぬ関心を寄せるが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
この事件はアメリカでは有名なのでしょうね。
前半の事件をなぞっていく過程がとても退屈でした。
あれだけの情報量を短時間で理解するのは至難の業です。

後半は、ロバート(ジェイク・ギレンホール)が、家族も家庭も捨てて、事件の解明にのめり込んでいく様を描いて、面白かったです。

ポール(ロバート・ダウニーJr)がこの事件を世に出した仕掛人なのに、結局は身を持ち崩してしまうのが惜しいです。

捜査担当から、事件に翻弄されたストーキー刑事(マーク・ラファロ)のお人好しな感じがよかった。
ロバートのことを迷惑がっているのに、話を聞いてあげたりする、人間的な面が好感が持てました。

初動捜査に甘さがあったんじゃないかな?
筆跡鑑定も、血液鑑定、DNA鑑定など、そもそも信頼に足るサンプルなのかしら?と疑問に思いました。

日本にも未解決事件がたくさんあって、そういうものに関わってしまった人たちのなかには、ロバートの気持ちがわかる人もいるでしょうね。

結局犯人が分からず、未解決事件なんだから当たり前ですが、観客もイライラ感を募らせて劇場を放り出される結果となります。
何を見所と考えるか…。
一緒に見た夫は「長い映画やなあ」と不満げでした。

イノセント・ボイス 12歳の戦場

2007-06-26 10:01:00 | 映画ーTV
ーイノセント・ボイス 12歳の戦場 ー
2004年 メキシコ ルイス・マンドーキ監督 カルロス・パディジャ 、レオノア・バレラ 、ホセ・マリア・ヤスピク 、ダニエル・ヒメネス・カチョ 、グスタボ・ムニョス 、オフェリア・メディナ

【解説】
激しい内戦で多数の犠牲者や亡命者を出した、1980年代の中南米エルサルバドルの内情を描いた戦争ドラマ。無名の俳優オスカー・トレスが少年時代の体験をつづった脚本を、メキシコ出身のルイス・マンドーキ監督が映像化。むごたらしい戦争の悲惨さや無意味さを母子のきずなを絡めて語り明かす。主人公の少年に3000人の中から選ばれたメキシコの少年カルロス・パディジャ。軍隊徴収直前の微妙な少年の心理を自然体の無垢な演技で表現している。

【あらすじ】
1980年代、中南米エルサルバドル。政府軍と反政府ゲリラ組織が血で血を洗う内戦を繰り広げている中、11歳の少年チャバ(カルロス・パディジャ)は、父親が家を出たため、母親と妹弟を守らなければならなかった……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
チャコが病気で苦しんでいる間は、なかなかしんどそうな映画は見られなかったので、そろそろちゃんと見ていかなくては。
ということで、この作品。

この子役たち、いったいどういう子たちなのかしら。
あの悲しそうな目、どういう演技指導をしたらできるのか?
しかも、主人公チャバを演じたカルロス・パディジャ、ただものじゃない、すごいわあ。

内戦激しいエルサルバドルの市街。
チャバはお母さんとお姉さんと弟と暮らしている11歳の男の子。
お父さんは、家を出て海外へ行ってしまった。
チャバは長男として、家を守る自覚がある。

でも、そこは子供、遊びに夢中になって帰りが遅れ、お母さんに叱られることもたびたび。
お母さんは、生活の疲れと内戦で神経の休まる暇がない。

それなのに、内戦は激化するばかり。
子供たちは12歳になると、まるで拉致されるように学校へ軍隊が来て徴兵されてしまう。
これでは、市民から支持されるわけはない。

お母さんの弟はゲリラ軍に身を投じている。
チャバもゲリラ軍に誘うが、お母さんはきっぱり断る。
チャバはなんとしても守りたいと思う。
でも、どうやって…。

学校も銃撃戦に巻き込まれ、それに加担したと言って、神父さんまでリンチにあう。
もはや、どこにも安全な場所はない。
田舎のおばあさんの住む村に身を寄せるが、そこにも徴兵のための兵隊が現れる。

屋根の上にぺたんと寝て、隠れる子供たち。
夜通し星を数えて過ごす。

一番辛かったのは、チャバのお誕生日のシーン。
みんながサプライズパーティーを開いてくれるのですが、ろうそくは11本しか立てていない。

内戦のなかでも、子供たちは無邪気に逞しく生きているところが悲しい映画です。
どんな状況でも遊びを考えだすし、あわい初恋もある。
子供にはここしか生きるところがない。

生き残ったチャバは国外へ脱出し、オスカー・トレスとなって脚本を書き、この作品を世に送ったわけですが、まだ世界にはチャバのような子がたくさんいるかと思うだけで、胸が痛くなります。

子供たちが無邪気に笑っていられる世の中が、一日でも早く来ますように。