マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

オペラ座の怪人

2007-06-29 12:42:58 | 舞台
劇団四季の「オペラ座の怪人」は1988年の日成劇場を皮切りに、全国でロングラン上演を繰り返しているヒット作です。
私は2002年の京都劇場の公演を見たことがあります。

それまで、ミュージカルをとはご無沙汰でしたが、とても感動したことを覚えています。

2004年にはジェラルド・バトラー主演で映画化されています。

そして、今回の大阪公演、友達の尽力で前から5番目のセンター付近に座席が取れ、わくわくしながら見に行きました。

私はこのミュージカル、本当に好きだなあ。
まず、ストーリーがいい。
構成がいい。

最初のオークションのシーン、不気味な感じで音楽もなくはじまり、ラウル・シャニュイ子爵 が落札するオペラ座のいろいろな品物。
そして最後に紹介される、豪華なシャンデリア。
観客が、つり上げられていくシャンデリアに気を取られていると、舞台は歌劇アイーダを模した「ハンニバル」のお芝居のリハーサル中。

それも、劇場主が大金持ちにオペラ座を譲るために案内していて、舞台の中の世界も雑然としている。
みんなの気持ちが散漫になって、落ち着かない。

そこに持ち上がるファントムの噂。
プリマドンナの降板とクリステイーヌの抜擢。
どんどん物語は進んでいきます。
観客は付いて行くのに必死。

この一連の流れが落ち着くのが、クリスティーヌの初舞台が無事終わるところ。
幼なじみのラウルが楽屋に来て、クリスティーヌを誘いますが、クリスティーヌは謎の声に導かれて地下室へ。

ここに流れる名曲「オペラ座の怪人」。
舞台装置の仕掛けにも驚きながら、主人公たちと一緒にオペラ座の地下の湖へと導かれていきます。

とにかく、曲がいい。
「Angel of Music」「Music of the Night 」「All I Ask of You 」「Masquerade/Why So Silent...? 」など。
全部いいです。
ロイド・ウェバーが当時の恋人サラ・ブライトマンにオマージュして作った作品と言われています。
ウェーバーは怪人と自分を重ねていたとか。

コンプレックスやその裏返しの傲慢さ、残忍さ、嫉妬、うらはらの純粋さなど、誰もが持っている弱さを怪人は見事に体現してくれます。
ウェーバーならずとも、心当たりは誰にもあるでしょう。

クリステイーヌは「顔の醜さではない、心の醜さ」と言いますが、でも、醜い顔には耐えられないよ。
それでも、怪人はクリスティーヌとラウルを許し、こつ然と姿を消します。
何処へー。
怪人の行く末を思うと、あはれが募ります。
愛されたかっただけなのに…。
これは、すべての恋する人たちに当てはまる思いではないでしょうか。

昨日、友達が「怪人は、ずっと地下にいる人だから、色白だし線も細いのよ」と教えてくれました。
そうすると、映画の怪人役のジャラルド・バトラーはイメージが違っていましたね。
容姿だけではなく、体力や生い立ち、その他の何もかもに自信がないから、怪人に成り果ててしまった男の悲劇だったのね。納得…。

今回、さらに感動して、ますますこのミュージカルが好きになりました。