牛車の車輪  カンボジアの技術 2

牛車の車輪  カンボジアの技術 2          2007.10.30. 金森正臣

 家に近くに最近開店した朝食専門のクメールレストラン。若い女性が4人ほどで切りまわしており、人気がある。メニューは、ご飯に焼いた豚肉を乗せたバイ・サッチュル(バイはご飯、サッチュルはブタ。肉は薄切りにして甘辛く味付けしてから焼いてある)だけ。キュウリとニンジンの漬物とスープが付く。2000リエルだから、0.5ドル。約60円。

 写真は、そこのインテリアとして飾られている、古い牛車の車輪。良く見ると車輪の外側は、かなり使い込まれている。ピンク?に塗られている左側の上から1本目と2本目の間、2本目と3本目の間の間隔が違う。2-3本目が広い。ピンクから右回りに、黒の1本目の間隔は狭い。車輪を支えているスポークの角度が異なっている。他にも幾つか角度が違っている所がある。もしかすると正確に測ると、全て違っているかもしれない。日本では見かけたことのない技。

 子ども時代には、まだ大八車も牛車も現役であった。しかしこの様に、スポークの角度が異なっているのを見たことが無い。考えてみると、牛がゴトゴトとゆっくり引いて歩くのであったら、これだけ強度があれば、十分であろう。写真の車輪は、以前に素焼きのつぼ売りが街を歩いている写真を報告したことがあるが、多分それと同じ牛車に使われていた物。

 日本人は几帳面で、昔からこのような車輪は作らなかったものと思われる。高速で遠心力がかかったり、荷重で動くたびに車輪が歪んだりしなければ、問題は起こらないであろう。見事に生活状況に適応した技術に感心。使えれば問題なし、の熱帯の発想になんとなく慣れてきた。

 算盤の作りをカンボジアの技術1とすると、これは2。
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