プノンペンの風景 16 街角のバイクタクシー   

プノンペンの風景 16 街角のバイクタクシー   金森正臣(2006.7.12.)

写真:街角にたむろするバイクタクシーの運転手たち。カンボジアでは、バイクタクシーが庶民の足で、モトトップと呼ばれている。運転手たちは、四方が見通せる辻に待機していて、門から出てきた人を見つけると、素早く手を上げて合図をする。相手が応じると、エンジンをかけて走り出し、客の脇まで来て交渉に入る。

 カンボジアでは、庶民の移動手段はモトが主である。物を運ぶのも、モトである。朝の市場には、モトに荷物を満載してその上におばさんたちが乗って出勤する。おばさん達はモトの運転手に肩車をされている様に見えることある。

 モトの定員は乗り放題で、一家の場合ご主人が運転手で奥さんの他に子ども3人の5人が乗っていることもある。モトに関しては運転免許も無く、誰でも持っていれば載れる。小学生位が運転していることもあり、当然交通ルールは理解されていないようだ。逆走あり、信号無視あり、何でもあり。当然交通事故もあり。チョットぶつかったぐらいでは、「ごめん」で走り去ってしまう。

 モトは、料金体系が無いから、交渉次第。土地の人にはだいたいの感があるらしく、あまり吹っかけは無いようだし、簡単に交渉が成立する。時によると乗り手が拒否をして、運転手が付いて歩いていることもあるが、この様なときにはモト側が折れて交渉が成立することが多い。
 外国人だと見ると吹っかけるのが多いが、拒否するとだいたいの、折り合いが付く。私は、あまり値切り過ぎないように、地元の人よりはやや高めに支払うことにしている。特に市場などに待っているモトには、あまり吹っかけられたことが無く、少しチップを出すと喜んでくれる。2kmぐらい走っても、0.5ドル程度である。

 いつも不思議に思うのが、写真のようにたくさんのモトが待っていても、あまり争いを見ない点である。日本のタクシーの様に、順番が決まっているわけでもない。お客に気が付いた順番なのか、それとも何かのルールがあるのか。かなり同じ場所に常連が居ついている様だが、新しい顔が参入していることもある。それでもあまり揉め事を見ないのは、彼らは穏やかな人たちであり、穏やかな文化であることを示しているように思われる。
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