クメール正月

クメール正月  2013.4.11. 金森正臣

 カンボジアの新年を祝う時期は、クメール正月と呼ばれる、今年は4月14日から16日である。毎年少しずれる。地方の方々は4月に入ると浮き足立ち、第1週の終わる6日ころには郷里に帰って行く。教員養成校も、すでに先週から休みで、学内に学生の姿は見られない。今日は、11日であるが、プノンペンの交通量は明らかに少なくなっている。最近交通渋滞の多いプノンペンでも、今朝などの通勤は楽である。でもここ数年は、外資系の進出が多く、働く形態が変わって来て、12日まで働く会社も多くなってきているから、以前のように2週間も交通量が少なくなることは無い。

 クメール正月は、始まる前に各所でお祝いをしている風景を見かける。また飾り付けも、わりと近代的な企業でも風習に習って行っている。事務所のあるビル会社も、入居者にプレゼントを配って、新年を祝う準備をする(写真1:ビルディングの会社から事務所に花束のプレゼント)。いろいろな場所も正月を祝う飾りが、施される。写真2は、街角の駐在所に飾られた、正月を祝う飾り。銀行に入り口につるされた、中華系の人々が好む星形の飾りなど。

 飾りとは別に、正月前には、新年を祝う民族舞踏の奉納もある。新年前に行うから、日本の「なまはげ」の様なものであろうか。事務所のビルでも、早朝にこの演舞団が到着。ビルの前で、踊りを披露してビル内に入った(写真3)。最後は招待者と一緒に写真に納まり、解散となる(写真4)。

 もう一つカンボジアの正月に欠かせないのは、子豚の丸焼き(写真5)。正月前になると、市場周辺に、子豚の丸焼きが吊るされる様になる。中国系の影響のように思われるが、本国にこの様な風習があるのであろうか。毎年この正月の時期には、ゴールデンシャワーの花が咲く。今年もきれいに咲き出したが(写真6)、何だか例年よりも房が短い様な気がする。昨年の雨量が少なかったのか、はたまた乾季に水分を使い過ぎたのか。マメ科の花で、乾季の最後に花をつけ、雨季までに実をばら撒かなくてはならない。樹木に残っている水分を振り絞って、花を咲かせる姿は、熱帯の厳しさを感じる。
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