焼きバナナ売り

焼きバナナ売り                 2008.6. 11. 金森正臣

 カンボジア人はいつも何かを食べていると書いたが、これもその一つ。バナナを焼いて売っている。カンボジアのバナナはかなり品種が多い。その中で比較的安く、完熟を食べるバナナの一品種を、焼く。南米やアフリカで多用されている大型の調理用バナナではない。焼く場合には、やや若いバナナの皮をむいてから、半日天日干しする。写真の売り手のおばさんの右後ろに見えるのが、干したバナナ。それを焼きながら、数回塩水をかけて焼く。そうすると、やや甘味も出て、美味くなる。食後などにも、デザート代わりに食べている人がいる。串に数本の太短いバナナがさしてあり、一串500リエル(約13円)ほど。これだけで私は、一食になってしまう。

 このバナナはいろいろに使われており、茹でバナナ(消化が良く、朝に食べるものだと言う。二日酔いには良いと朝進められたことがある。デザートの中に煮込む(タピオカが入っていることが多い)、フライ(押しつぶして衣を付けて揚げる、ポテトチップス風に薄くして乾燥するなど。月4回ほどあるお寺に参詣する日には、門前にバナナと花の市が立ち、バナナは、1房1000-2000リエルで参詣者が買って、お寺に寄進する。お寺は一週間にほぼ一度の割合で、多量のバナナが寄進され、食いきれないし、どうするのだろうと余分な心配をしていた。最近になって、この寄進のバナナは、小さなキヨスクが買い取って、町で売っていることが分かった。この流通経路で、お寺も現金化しているのだ。焼きバナナに出来るくらい若い物も寄進されるので、きっと焼きバナナ売りにも流れているのだろう。
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