“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「物理学者と読む西洋社会思想と科学の歴史」(林 哲介著/京都大学学術出版会)

2024-07-26 09:44:34 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:物理学者と読む西洋社会思想と科学の歴史

著者:林 哲介

発行:京都大学学術出版会

 市民社会の扉を開けたロックは、最先端の医学を学び、親友ボイルの実験室で研究に励み、ニュートンと手紙を書き合った。科学と社会思想は絡み合って歴史となる。これからの科学技術の真の目的を考えるために、人間が近代以降に築き上げてきた価値観のありようを歴史的背景とともに学ぶ。物理学者による長年のリベラルアーツ講義録。【筆者】林 哲介 1942年生まれ。1966年京都大学理学部物理学科卒業。1992年より京都大学教養部教授、同総合人間学部及び大学院人間・環境学研究科教授、同高等教育研究開発推進センター教授。この間、総合人間学部長、高等教育研究開発推進センター長、京都大学副学長等を務めた。2006年より星城大学学長、京都工芸繊維大学副学長、京都三大学教養教育研究・推進機構特任教授を経て、現在、京都大学名誉教授。専門:物性物理学、大学教育論。京都大学理学博士。光物性研究と基礎物理学教育の傍ら、リベラルアーツ教育の充実・改善に努めてきた。主要著書:『科学のセンスをつかむ物理学の基礎――エネルギーの理解を軸に』(京都大学学術出版会、2006)、『教養教育の思想性』(ナカニシヤ出版、2013)、『教養教育の再生』(同、2017)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ドメイン駆動設計をはじめよう」(Vlad Khononov著/オライリー・ジャパン)

2024-07-26 09:43:54 |    情報工学



<新刊情報>



書名:ドメイン駆動設計をはじめよう~ソフトウェアの実装と事業戦略を結びつける実践技法~

著者:Vlad Khononov

訳者:増田 亨、綿引琢磨

発行:オライリー・ジャパン

発売:オーム社

 ドメイン駆動設計を実践するために最初に手にするべき1冊!ソフトウェアの構築において、 開発者は変化する技術トレンドを追うだけでなく、背後にある事業活動(ビジネスドメイン)を理解する必要がある。ドメイン駆動設計は、ビジネスドメインの知識に焦点をあてた設計手法。同書は、基礎知識としてドメイン駆動設計の概念や用語の教科書的な説明からはじまり、事業活動を分析し、ビジネス戦略を理解し、ソフトウェア設計をビジネスニーズに合わせるための一連の核となるパターン、原則、実践方法を説明。
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●科学技術ニュース●筑波大学など、入れ子状にした物質への光照射で生じる新しいエネルギー現象を観測

2024-07-26 09:41:58 |    電気・電子工学
 筑波大学、岡山大学、広島工業大学、レンヌ大学、東京工業大学、東海国立大学機構 名古屋大学、東北大学の研究グループは、カーボンナノチューブ(CNT)を窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)で包み、入れ子にした筒状の構造体を合成し、そこに光を照射した時に生じる電子と原子の運動を観測した。

 電子の運動については、光の照射によって生じる瞬間的な分子構造や電子構造の変化を10兆分の1秒の精度で捉えられる広帯域の超高速過渡透過率測定で観測した。

 また原子の運動については、1兆分の1秒の精度で観測可能な超高速時間分解電子線回折法を用いて観測した。

 その結果、異種の低次元材料を重ね合わせると、電子の抜け道(チャネル)が発現することを発見した。

 さらに、CNTに光を当てることで生じた電子が、このチャネルを通してBNNT中に移動することが分かった。

 この励起された電子のエネルギーは、BNNTの中で熱エネルギーへと速やかに変わるため、熱エネルギーを極めて速く輸送することが可能となる。

 同研究により、2つの異なる物質の界面で生じる新しい物理現象が明らかになった。

 この現象は、熱エネルギーの超高速輸送に加え、超高速の光デバイス開発や、光照射で生じた電子や正孔の超高速操作などさまざまな新技術に応用できる可能性がある。

 近年、厚さが1原子分しかない層状や筒状の材料(低次元材料)を重ねると、新しい性質が発現することが報告されている。

 こうした構造体の静的な性質、例えば電気伝導特性などは数多く調べられていた。

 しかし、光を照射することで生じる層間の電子移動や、その後に続く原子の運動など動的な性質については、これまでほとんど調べられていなかった。<科学技術振興機構(JST)>
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●科学技術ニュース●ソフトバンクとNEC、企業や自治体のDX推進に向けて生体認証領域を中心とした戦略的提携に合意

2024-07-26 09:41:22 |    情報工学
 ソフトバンクとNECは、企業や自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を目指して、生体認証領域を中心とした戦略的提携に合意した。

 両社は本提携を通して、NECが提供する「Bio-IDiom Services(バイオイディオムサービシーズ)」などの生体認証ソリューションと、ソフトバンクが提供する5G(第5世代移動通信システム)をはじめとする通信ネットワークやセキュリティーサービスなどの各種ソリューションを組み合わせて、さまざまな業種のユーザーに合わせたサービスの提案および販売を相互に行い、企業や自治体のDXを推進していく。

 ソフトバンクは、スマートビルディング領域をはじめ、企業のDX支援における豊富な実績と強固な法人顧客基盤を持っている。一方、NECは、世界トップクラスの高精度な生体認証技術を生かしたソリューションを、世界約70の国・地域の幅広い業種に提供している。

 スマートビルなどの入退館やセキュリティーエリアにおいて、生体認証は高いニーズがあることを背景に、両社の強みを組み合わせて顧客基盤の拡大を図っていく。2024年秋以降、ソフトバンクは、NECの生体認証ソリューションを国内の企業や自治体などのユーザーへ積極的に提案して販売する。

 また、NECが、ユーザーを未来へ導く価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」の下で推進する「共創パートナープログラム/Digital ID」にソフトバンクが参画し、NECやその他の参画パートナー企業と各種ソリューションの連携を検討していく。

 主な連携内容として、ソフトバンクとNECは、NECの「Bio-IDiom Services」やマルチモーダル生体認証などの生体認証ソリューションと、ソフトバンクの通信ネットワークや各種ソリューションを組み合わせて、それぞれのユーザーへ積極的に提案して販売する。

 また、業種やユースケースに合わせて生体認証のソリューションを提案することで、企業や自治体のニーズに応えるとともに課題解決を支援するなど、生体認証を起点としたDXの市場を拡大するための共創を推進していく。<ソフトバンク>
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