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●科学技術ニュース●東京大学など、GKP量子ビットを世界で初めて生成し大規模誤り耐性型高速光量子コンピューター実現へ道

2024-02-08 09:33:21 |    物理
 東京大学 大学院工学系研究科の紺野 峻矢 大学院生(研究当時)およびアサバナント ワリット 助教、古澤 明 教授らの研究チーム、情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、チェコ共和国のPalacký UniversityのPetr Marek 准教授およびRadim Filip 教授、ドイツ連邦共和国のUniversity of MainzのPeter van Loock 教授は、伝搬する光の論理量子ビットであるGottesman-Kitaev-Preskill量子ビット(GKP量子ビット)を世界で初めて生成した。

 誤り耐性型量子コンピューターを実現するため、通常は非常に多数の量子ビットを用いて、それらを1つの論理量子ビットとして構成する(区別のため、通常の量子ビットを物理量子ビットと呼ぶ)。

 この方法では用いる物理量子ビットの数が膨大であることが、実用的な量子コンピューターへの最大の障壁となっていいる。

 一方、GKP量子ビットは、1つの光パルスの中で1つの物理量子ビットを用い1つの論理量子ビットの生成を実現できる。

 これまでGKP量子ビットは有力視されてきましたが、光では実現に至っていなかった。

 同研究では、東京大学とNICTが共同開発した超伝導性を用いた光子検出器を用いて、光におけるGKP量子ビットの生成を世界で初めて実現した。

 このGKP量子ビットは同研究グループで実現された大規模光量子プロセッサーと相性がよく、大規模な誤り耐性型光量子コンピューターの誤り耐性につながると期待される。<科学技術振興機構(JST)>
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