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●科学技術ニュース●「植物RIイメージングコンソーシアム」、放射性同位体(RI)イメージング技術の開発と生産方法の実証をスタート

2024-06-18 09:42:25 |    生物・医学
 近年福島をはじめ多様な農作物が生産されている地域において、農作物の生産性向上や持続可能な生産が長年の課題となっている。これらを克服するイノベーションの創出を目指し、量子科学技術研究開発機構(QST)を代表とする10機関による「植物RIイメージングコンソーシアム」が組織され、福島国際研究教育機構(F-REI)の委託事業「農作物の生産性向上や持続可能な作物生産に資するRIイメージング技術の開発及び導き出される生産方法の実証」への取り組みを開始することになった。
 
 F-REIの5つの研究分野のうち「放射線科学・創薬医療、放射線の産業利用」では、ウエルビーイングへの貢献を目指して、放射線利用に関する基礎研究に加えて、医療のみならず農業、工業分野での産業利用を見据えた技術開発を推進していいる。

 その一環として、同コンソーシアムでは、医療診断にも使われる放射性同位体(RI)を用いた計測技術を、農業に応用するための技術として確立していく。

 具体的には、RIイメージング技術によって植物内部の栄養素の動きを高精度に可視化するシステムを構築して、栄養素の輸送メカニズムを解明する。

 同研究の成果を農作物の育成方法の改善や高い付加価値を持つ農作物等の開発につなげ、さらに農業の生産性向上や持続可能な作物生産という課題の解決につなげるなど、我が国の将来のRIイメージング研究拠点を目指した基盤づくりを進めていく。
 
 今後の植物RIイメージング研究計画をより具体的に策定するためのキックオフミーティングを5月13日に開催し、同研究を本格的に開始した。<量子科学技術研究開発機構(QST)>

【事業概要】

事業名:令和5年度「農作物の生産性向上や持続可能な作物生産に資するRIイメージング技術の開発及び導き出される生産方法の実証」

課題名:植物RIイメージング研究拠点の形成と応用研究の展開

実施体制:植物RIイメージングコンソーシアム

 (量子科学技術研究開発機構(代表機関)、東京大学大学院農学生命科学研究科、筑波大学、東北大学先端量子ビーム科学研究センター、東海国立大学機構名古屋大学高等研究院及び名古屋大学アイソトープ総合センター、北海道大学、東京農業大学、近畿大学、高知大学IoP共創センター、株式会社プランテックス)

代表研究者:河地有木 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 高崎量子技術基盤研究所 量子バイオ基盤研究部 RIイメージングプロジェクトリーダー

事業予定期間:令和5年度〜令和11年度 (ただし、実施期間中の各種評価等により変更があり得る)
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