“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「探究する精神」(大栗博司著/幻冬舎)

2021-04-05 09:34:01 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:探究する精神~職業としての基礎科学~

著者:大栗博司

発行:幻冬舎(幻冬舎新書)

 自然界の真理の発見を目的とする基礎科学は、応用科学と比べて「役に立たない研究」と言われる。しかし歴史上、人類に大きな恩恵をもたらした発見の多くが、一見すると役に立たない研究から生まれている。そしてそのような真に価値ある研究の原動力となるのが、自分が面白いと思うことを真剣に考え抜く「探究心」だ――世界で活躍する物理学者が、少年時代の本との出会いから武者修行の日々、若手研究者の育成にも尽力する現在までの半生を振り返る。これから学問を志す人、生涯学び続けたいすべての人に贈る一冊。

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●科学技術ニュース●JAXAとNTTデータ、3次元地図の高精度化に関する共同研究を開始

2021-04-05 09:33:30 |    情報工学

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNTTデータは、人工衛星に搭載したレーザ高度計を活用した3次元地図の高精度化に関する共同研究を2021年1月から2022年3月にかけて実施する。

 同共同研究では、JAXAのレーザ高度計に関する技術とNTTデータの3次元地図に関する技術を掛け合わせて、樹木や植生に覆われた森林域における3次元地図作成の技術課題の解決を図るとともに、防災をはじめとする多様な分野で活用される3次元地図の高精度化に取り組む。

 JAXAは、これまでレーザ高度計を利用した地球観測に関する研究開発を進めてきた。今回の共同研究では、レーザ高度計が取得したデータを用いて、地盤面の高さを正確に測定する技術を研究し、3次元地図高精度化への寄与を目指す。また、この成果を、軌道上実証を含む今後のレーザ高度計による地球観測技術の研究に反映する。

 NTTデータは、これまで全世界デジタル3D地図サービス「AW3D」を世界130カ国以上を対象として展開してきた。今回の共同研究では、衛星画像から作成した樹高等を含む地表面の高さモデルおよびレーザ高度計により測定した高さデータを用いて、地盤面の高さモデルを正確に作成する技術を研究する。同研究の成果を用いて、デジタル3D地図サービスにおいて世界のハザードマップ等の高精度化を実現することを目指す。(宇宙航空研究開発機構<JAXA>)

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●科学技術ニュース●NICTと東京大学、自動並列化深層学習ミドルウェア「ランク」をオープンソースで公開

2021-04-05 09:32:48 |    情報工学

 情報通信研究機構(NICT)と東京大学は、自動並列化深層学習ミドルウェアRaNNC(ランク:Rapid Neural Net Connector)を開発し、2021年3月31日に公開を開始した。

 近年、大規模化が進んだ深層学習におけるニューラルネットワークの学習では、複雑なネットワークの定義を書き換え、GPUのメモリに収まるように人手で分割する必要があった。

 今回公開するRaNNCは、ニューラルネットワークを自動的に分割することにより、複数のGPUを用いた並列学習を容易に実現する。

 大規模ニューラルネットワークの定義を書き換えずに分割を自動化できるソフトウェアは、世界にも例がない。RaNNCのソースコードはGitHubに公開される(URL: https://github.com/nict-wisdom/rannc)。ライセンスはMITライセンスであり、ダウンロードにより、商用目的を含め、無償でご利用できる。

 今回公開するRaNNCは、大規模ニューラルネットワークの学習を容易にするためのミドルウェアで、NICTデータ駆動知能システム研究センターと東京大学情報基盤センターとの共同研究によって開発された。

 RaNNCは、代表的な深層学習ソフトウェアであるPyTorchのために記述された既存のニューラルネットワークの定義を与えられると、実行速度を最適化しつつ、各々のGPUのメモリに収まるように、自動的にニューラルネットワークを分割した上で、データ並列・モデル並列のハイブリッドによって、複数のGPUを使い並列に学習を行う。

 開発者がニューラルネットワークの定義を書き換えて分割できるようにする必要がないため、大規模ニューラルネットワークの学習が飛躍的に容易になる。

 NICTの計算機環境における比較実験では、RaNNCはMegatron-LMより約5倍の規模のニューラルネットワークの学習が可能な一方、同一の規模のニューラルネットワークでは、ほぼ同等の学習速度を実現している。(情報通信研究機構<NICT>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「文章の問題地図」(上阪 徹著/技術評論社)

2021-04-05 09:32:05 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:文章の問題地図~「で、どこから変える?」伝わらない、時間ばかりかかる書き方~

著者:上阪 徹 

発行:技術評論社(問題地図シリーズ)

 「スラスラ書けない,時間がかかってしょうがない」「何を書いていいかわからない」「支離滅裂だと叱られる」「長い文章が恐怖でしかない」「書き直しを何度も命じられて,いつまでも終わらない」「読みづらいといわれる」「うまく伝わらない,おもしろがってもらえない」「Slackのやりとりで嫌われた」。つらい,苦手な書くことにまつわるアレコレ,どうやって変えていけばいいか?3000人を超える人たちに取材をして記事を書き、40冊以上の著書を出し、80冊以上のブックライティングに携わり、10年間毎月1冊ずつ本を作ってきた著者が、「書くことが好きじゃなくてもうまくいく」文章との向き合い方を教える。

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