“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「2040年の未来予測」(成毛 眞著/日経BP)

2021-04-23 09:32:48 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:2040年の未来予測

著者:成毛 眞 

発行:日経BP

 「今日」には、これから起こることの萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。20年後、あなたは何歳だろうか?ひとつ確実なことがある。それは、人間が必ず歳をとることだ。iPhoneが発売されたのは、たった13年前だった。現在、スマートフォンがない世界なんて考えられない。そして、これまでの10年より、これからの10年の方が世界は大きく、早く変わるだろう。テクノロジーだけでなく、ほかのことも、気づいたときには手遅れになっているのが人間の性である。地震や災害も、リスクをわかっていながらも被災するまで手を打つ人は少ないし、明らかに社会制度の破綻しつつある。人口は増えず、老人ばかりの国になるし、環境問題も悪くなる一方だ。これまでと同じように暮らしていたら、今の年齢によっては取り返しのつかない可能性もある。この本は、あらゆるデータから導き出されるありのままの未来を書いた。「今日」にはこれから起こることの萌芽がある。現在を見つめれば、未来の形をつかむことは誰にでもできる。同書は、ただ知識を得るためだけの本ではない。読んだ後、俯瞰的に未来を考えられる力がきっとついているだろう。

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●科学技術ニュース●三菱電機など6社、「衛星データサービス企画」を6月に設立 

2021-04-23 09:32:23 |    宇宙・地球

 三菱電機、パスコ、アジア航測、スカパーJSAT、日本工営、リモート・センシング技術センターの 6 社は、災害時の迅速な状況把握や平時の継続的な国土・インフラ監視などに共通的に幅広く適用可能な衛星データ1解析情報提供サービスの事業化を進めるため、「衛星データサービス企画株式会社」を 6 月に設立することで合意した。

 同企画会社は 2023 年度からの本格サービス提供開始を目指して事業検討を進め、平時の広域かつ継続的な国土・インフラ監視および近年甚大化する自然災害に迅速、確実に対応できる体制を構築し、安心・安全な社会形成を通じた SDGs の達成に貢献していく。

 今回設立する企画会社は、衛星開発から運用、データ解析、コンサルティングに至る一連の衛星データサービスのバリューチェーンを構成する企業の知見を結集し、政府・自治体をはじめとする幅広いユーザーの業務に資する衛星データ解析情報を提供することで、衛星データの利活用を促進する新たなビジネススキームの構築を進めていく。

 具体的には、日本全国の広範囲かつ継続的に取得した衛星データに対して、多様な利用分野に横断的に適用可能な解析処理を逐次実施し、その結果を共通データ基盤として整備することにより、低コスト化を実現する。

 衛星データを利用する事業者は、サービスに応じて共通データ基盤から必要なデータを必要な時に利用し、自身が保有する様々なデータや技術と組み合わせることにより、容易に付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。

 また、災害時においては、共通データ基盤に継続的に蓄積された情報を用いてより正確かつ広域の被災状況の分析を行い、衛星観測からデータ解析、被災情報の提供までをワンストップにて行うことを目指す。

 さらに、事業化に向けて、衛星データを用いたインフラ維持管理手法の実証等を通して、関係機関と連携した利用基準の策定を推進していく。(三菱電機)   

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●科学技術ニュース●NIMSなど、35年間の定説であった銅酸化物高温超伝導体の電子状態を覆す

2021-04-23 09:31:55 |    電気・電子工学

 物質・材料研究機構 (NIMS)は、北海道大学、高輝度光科学研究センター (JASRI)、東北大学と共同で、銅酸化物高温超伝導体の電子は二次元的な運動をしているという35年間の定説とは異なり、一次元的な運動が重ね合わさった状態であることを見出した。

 高温超伝導を引き起こす電子の運動状態を明らかにした今回の成果は、銅酸化物がなぜ高温で超伝導となるのかの解明につながると期待される。

 今回、同研究チームは、世界的にも大型放射光施設SPring-8でしか実施出来ない、高強度の高エネルギーX線を用いたコンプトン散乱という手法によって、銅酸化物高温超伝導体La2-xSrxCuO4におけるフェルミ面の詳細な観測を行った。

 その結果、35年間信じられてきた従来の二次元的なフェルミ面の形状ではなく、一次元的な電子の運動が重なり合った状態であることを実験的に示すことに初めて成功した。 

 La2-xSrxCuO4は、CuO2面が層状に積層した構造をしているが、観測データは、各CuO2面で電子がxまたはy方向への指向性を持って運動しており、層方向に沿ってxとyの方向が交互に変化していることを示している。

 今後、ARPESなどの他の手法と連携して一次元的な電子の運動の重ね合わせがどのようにして高温超伝導に結びつくのかを突き止め、高温超伝導材料を用いた次世代量子計算機向け量子マテリアルの開発の基盤研究を進める。

 さらに今回用いたコンプトン散乱という手法は、広範な物質群において電子状態の詳細な解析を可能にする。特に、水素液化の低コスト化を実現する鍵として期待されている磁気冷凍材料の電子状態を観察し、水素社会実現に向けて電子レベルでの知見を提供することを目指す。(物質・材料研究機構 <NIMS>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「経営のイロハをDX化する 『開発しないシステム』導入のポイント」(広川 敬祐編著/中央経済社)

2021-04-23 09:31:22 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:経営のイロハをDX化する 「開発しないシステム」導入のポイント~パッケージで、管理業務を早く・安く改善~

監修:大場 みち子、木村 俊一 

編著:広川 敬祐 

著者:板井 実、緒方 瑛利、髙橋 昌太郎、倉本 真司、東 義弘、秋元 隆、渡辺 康雄、植木 貴三、上條 英樹 

発行:中央経済社

 パッケージ(開発しないシステム)を利用して、会計・人事などを含めた経営管理業務改善の勘所を解説する。無駄なコストをかけない、迅速なシステム導入のポイントがわかる。

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