kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

新興市場も一部市場も短期筋主導

2013-12-14 07:51:42 | 日記
13日マザーズ市場に上場した日本アクアは公開価格を25%上回る2061円で
初値を付けました。これで44社連続初値が公開価格を上回りました。12月は
まだまだ新規公開が続きます。果たしてどこまでこの記録を伸ばせるかです。
もっとも初値が公開価格の2倍や3倍なんて企業が続出する状態が果たして
正常でしょうか。

初値が異常に高くスタートする背景は公開価格が低すぎるのかそれとも行き
過ぎた人気先行のIPOバブルのどちらかでしょう。正直日本アクア程度が妥当
なところでしょうか。公開株を手に入れた投資家が短期間に投資額の2倍や3倍
の利益を得ると言う「濡れ手に粟」の状況が永く続くのが少し異常すぎるように
感じます。アベノミクスから始まったIPOバブルはいずれ下火になると思えて
仕方ありません。

IPOの活況で新規資金が膨らんだ新興市場は春先のバイオ株ブームも今月の
ゲーム株ブームも短期間で多くの利益を狙う投機資金が支えています。きっと
新興市場銘柄を手がけ上手に立ち回った投資家の資金量がかなり膨張してい
るのでしょう。

ミクシィやエイチーム(現在は1部市場に昇格)の連日に渡るストップ高は尋常
じゃないエネルギーを感じます。その資金の一部はグリーやDeNAにも及び両
銘柄の急騰を演出しました。もっともグリーは今週前半最大400円上昇し300円
下落しました。同じくDeNAも450円上昇して400円下げましたから逃げ足の早い
資金に儲けた投資家もいれば大きな含み損を抱えた投資家も出てきたでしょう。
値動きの激しさに翻弄された投資家も多いでしょう。

株式市場にとって新規公開企業の増加は市場の活性化やベンチャー企業の成
長を支える歓迎すべきことです。しかし残念ながら投機の対象としてIPO銘柄が
集中的に物色されて乱高下することは会社にとっても一般投資家に良いことで
はありません。投資と投機の境界線をどう引くかは難しい問題ですが、値動きを
観る限り新興市場の多くの銘柄が現在投機資金に翻弄されています。一部市場
が先物主導相場でで特定の銘柄以外はキャピタルゲインを得ることが難しくなっ
ています。投資家の心理として値幅を取れる新興市場は魅力的な存在に写る
ことは理解できます。

一部市場は先物主導で歪な価格形成になっています。個々の企業の収益率や
財務体質などよりも指数に大きく連動する銘柄か否かのほうが重要視されてい
ることは否めません。特定の銘柄は業績内容に照らしてややかけ離れた価格で
売買されています。現物取引あっての先物市場だと思うのですが現状では先物
に引きずられて現物市場が動いている状態です。

13日の東京市場も円安が進むと先物主導で急上昇しました。しかし円安が反転
すると急速に日経平均も上げ幅を縮めて終わりました。個別銘柄投資では実需
が確実に流入していると言われている三菱電機やカシオなどの一部の銘柄は順
調に高値を更新していますが、多くの銘柄はこの一ヶ月株価はほとんど上昇して
いません。むしろトヨタなどは1ヶ月前よりも下げています。

先物主導の相場が続く限り多くの銘柄は物色の蚊帳の外です。先物は短期取引
です。今後先物主導で溜まった現物の裁定買い残は相場が弱くなれば解消売り
で下落を大きくします。うまく実需の買いにバトンタッチ出来ればいいのですが
スムーズに行かなかった場合外部環境の急変での調整を今から頭に入れておく
必要がありそうです。

新興市場の活況も先物主導の一部市場の上昇も逃げ足の速い短期資金が主体
なら中長期での株高基調は変わらないとしても短期的には警戒が必要かもしれま
せん。13日に5月の安値を更新した円相場ですがその後は一転103円代前半まで
押し戻されました。日経平均先物との関連性の強い円相場の動向からは目が離
せません。

明日の更新はお休みします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする