上ノ国町のシンボルといわれている「夷王山(標高159m)」...、山頂からは上ノ国市街地はもとより江差から乙部、熊石へ向かう美しい海岸線や天気の良い日には日本海に浮かぶ奥尻と松前大島も眺望できる。
この山頂に竹田信広候を祀る「夷王山神社」があり、今日から例大祭・夷王山まつりが行われる。宵宮祭の今日、地元で剣道、空手、柔道などの武道を習う子供たちが麓の上ノ国八幡宮から赤々と燃えるたいまつを掲げ夕闇迫る山道を夷王山神社目指して登る...。
たいまつ行列は夕焼けに染まる日本海を眺め、急勾配の山道を息を切らしながら辿り着いた子供たちは社殿に参拝、武道の上達を祈願していた。
夷王山神社では、かがり火の灯された神前で松前神楽が奉納されたが、仄かな明かりの中で舞う神楽は幻想的で神々しさが感じられ、獅子舞には参拝していた住民が、獅子に頭を出し無病息災を祈願する。
初めての祭りで、たいまつ行列はいつ、何処で行われるかも知らずに出向いたが、夷王山で祭りの準備をしていた商工会の役員の方から、出発地やコース、果ては写真の撮れるポイントまで親切に教えていただいた。明日は、歌謡ステージやばんば大会、少年剣道大会などが行われる。「明日もどうぞ...。」と誘われたのだが...。
ところで、祭りの始まる前に「道の駅・もんじゅ」に立ち寄ったが、道の駅の裏の崖一面がエゾカンゾウの花で黄色に染まっている。あちこちでエゾカンゾウを見てきたが、こんなに鮮やかに咲き誇っているところも珍しく、崖の上や階段を215段下りた崖の下から、この光景をカメラに収めてきた...。
崖下に降りると崖に飛び出している岩の上で小鳥がけたたましく鳴き、近寄っても逃げようとしない。恐らく彼の縄張り近づいたので威嚇しているのだろう...。小鳥は「イソヒヨドリ」で、ヒヨドリに似ていることからこの名が付いているそうだが、分類上はヒヨドリ科ではなくツグミ科で全く別の鳥とのこと。イソヒヨドリは、磯や港など海岸周辺が生息地域とのことだが、花の中や岩を飛び回り、大きな声で泣き叫ぶ、その元気さには驚かされた...。