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プロジェクトZ第15回

2008年05月16日 | Weblog
寮友会のその後

  寮友会は、寮生活を寮生自身がより良くしていくための自治会であり、会長はその纏め役である。寮生の希望を集約して会社に伝える役割もあった。会長を補佐するために5~6名の委員も選出される。青年が会長になって第1回目の委員会では、寮友会解散論まで出た。生活の向上やマイカーの普及は、連帯感を削ぎ個人主 義に傾くそんな時節であった。

  青年は、毎度寮の食堂の掲示板に自筆の意見書を掲示した。自分たちが何のため にこのような活動をしているのか。やはり同じ釜の飯を食う仲間として、今を共有 する必要があるのではないか。青年の熱意は徐々に寮生の多くに浸透していった。 寮委員からの口コミもあった。人事課長との話し合いの席で、会長は身を賭して主 張すべきを主張したと。特に青年が会長になった年に入寮していた最も若い層は鋭 敏に反応した。諸々の寮友会の行事に率先して参加してくれた。大先輩からも、よ くやっているというお褒めの言葉を直接いただいたこともある。寮友会は往年の活 気を取り戻した。

  青年は1期1年で会長を辞したが、その1年後寮友会始まって以来と思われる会 長選挙が行われた。青年が苦しみながら搾り出すようにして訴えたことも、現れた 結果だけ見れば周囲には楽しくにさえ映ったようだ。何はともあれ、後に続く者が 続々と出てくることは、期せずしてではあるがその先導者となって、これに優る喜びもなかった。

  青年は喜びを得たけれど、その成果は青年の為したものだったのだろうか。青年に対して、「君しかいない」と断言した根拠は聞いてこそいないけれど、そう言えた先輩会長の感性が為した成果ではなかったか。その感性に感服する。
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