連ドラ
先月、6月に始まった蓮ドラで毎週観ているのは、「ハケンの品格」(日テレ)、「BG~身辺警護人~」(テレ朝)、MITU404(TBS)、未満警察ミッドナイトランナー(日テレ)の4つ。
先日読売新聞のテレビ紹介欄に、最近のドラマは「バディー(相棒)」ものが多いという評論家氏のコメントが載っていたが、先の4作品のうち3つは完全にバディーもの。「ハケンの品格」だって、小泉孝太郎さんと大泉洋さんという役者バディーの作品という気がしないでもない。
星野原さんと綾野剛さんのMITU404(機動捜査隊)コンビは、私がご両名をテレビで初認識したのが、綾野さんの「空飛ぶ広報室」(2013年TBS日曜劇場)であり、星野さん「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年TBS火曜ドラマ)であった。いずれも相手役は新垣結衣さんで、彼女は年齢では6~7歳二人より彼らより若いが、芸能界入りは新垣さんが先輩のようで、彼女が二人を育てたような気さえする。
「BG」で木村拓哉さんと共演する斎藤工さんも星野さんや綾野さんと同世代である。剣客商売の秋山大治郎役も嵌っていたし、映画で日露戦争後に捕虜として愛媛松山で過ごしたロシア人たちの物語「ソローキンの見た桜」(2019年)にも出ていたので注目していたけれど、近くの映画館では上映されず、観損じている。同世代の多くの俳優陣の中でも一際素晴らしい存在だと思う。
「BG」の木村拓哉さんは1972年生で、1981,2年生の斎藤工、星野原、綾野剛さんらの1世代先輩であり、やはり別格。SMAPの中でも秀でた存在と見ていた。「BG」は激しいアクションの見せ場もあるが、骨格は人情物語。世の中で成功していても居なくても、同様に哀しい存在である人々に、限りなく寄り添う「グッド用心棒」の物語。
「ハケン」と「未満警察」は喜劇のようで、またアクションドラマのようで、いずれも社会派ドラマ。1999年と2004年の労働者派遣法改正による、派遣労働の範囲拡大で、非正規社員が急速に増えたと、2004年当時の首相小泉氏が今も批判される。しかし、小泉総理の一番の失敗は、郵政民営化でも不良債権処理の仕方でも派遣法改正でもなく、後継総理の人材を枯渇させていたことではないか。
大手銀行が不良債権に苦しむ中、その経済情勢の中で行った緊急施策は、経済が立ち直ればやり方を元に戻さねばならない。後継総理がそれを怠り、大企業がこれは好都合と、儲かるようになってもその施策を続けたことこそが問題である。
「未満警察」で描かれたように、社会問題の顕在化(貧困女史への人身売買)に対しても警察幹部は目をつぶり、自分たちの組織を守り、自分の地位に固執するだけ。それは残念ながらフィクションではなかろう。現代の政治家のほとんども同様である。
過去は取り返せないが、本来領土問題は存在しない尖閣の「解決は次世代に委ねよう」という中国の言い分を残したままの日中友好条約は、当時の田中角栄総理と大平外務大臣の大失敗。これを引き継いだ、それに連なる現在の親中議員と親中財界人の罪は重い。