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中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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テレビ散歩Ⅲ 第8回

2020年07月30日 | ブログ
連ドラ

 先月、6月に始まった蓮ドラで毎週観ているのは、「ハケンの品格」(日テレ)、「BG~身辺警護人~」(テレ朝)、MITU404(TBS)、未満警察ミッドナイトランナー(日テレ)の4つ。

 先日読売新聞のテレビ紹介欄に、最近のドラマは「バディー(相棒)」ものが多いという評論家氏のコメントが載っていたが、先の4作品のうち3つは完全にバディーもの。「ハケンの品格」だって、小泉孝太郎さんと大泉洋さんという役者バディーの作品という気がしないでもない。

 星野原さんと綾野剛さんのMITU404(機動捜査隊)コンビは、私がご両名をテレビで初認識したのが、綾野さんの「空飛ぶ広報室」(2013年TBS日曜劇場)であり、星野さん「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年TBS火曜ドラマ)であった。いずれも相手役は新垣結衣さんで、彼女は年齢では6~7歳二人より彼らより若いが、芸能界入りは新垣さんが先輩のようで、彼女が二人を育てたような気さえする。

 「BG」で木村拓哉さんと共演する斎藤工さんも星野さんや綾野さんと同世代である。剣客商売の秋山大治郎役も嵌っていたし、映画で日露戦争後に捕虜として愛媛松山で過ごしたロシア人たちの物語「ソローキンの見た桜」(2019年)にも出ていたので注目していたけれど、近くの映画館では上映されず、観損じている。同世代の多くの俳優陣の中でも一際素晴らしい存在だと思う。

 「BG」の木村拓哉さんは1972年生で、1981,2年生の斎藤工、星野原、綾野剛さんらの1世代先輩であり、やはり別格。SMAPの中でも秀でた存在と見ていた。「BG」は激しいアクションの見せ場もあるが、骨格は人情物語。世の中で成功していても居なくても、同様に哀しい存在である人々に、限りなく寄り添う「グッド用心棒」の物語。

 「ハケン」と「未満警察」は喜劇のようで、またアクションドラマのようで、いずれも社会派ドラマ。1999年と2004年の労働者派遣法改正による、派遣労働の範囲拡大で、非正規社員が急速に増えたと、2004年当時の首相小泉氏が今も批判される。しかし、小泉総理の一番の失敗は、郵政民営化でも不良債権処理の仕方でも派遣法改正でもなく、後継総理の人材を枯渇させていたことではないか。

 大手銀行が不良債権に苦しむ中、その経済情勢の中で行った緊急施策は、経済が立ち直ればやり方を元に戻さねばならない。後継総理がそれを怠り、大企業がこれは好都合と、儲かるようになってもその施策を続けたことこそが問題である。

 「未満警察」で描かれたように、社会問題の顕在化(貧困女史への人身売買)に対しても警察幹部は目をつぶり、自分たちの組織を守り、自分の地位に固執するだけ。それは残念ながらフィクションではなかろう。現代の政治家のほとんども同様である。

 過去は取り返せないが、本来領土問題は存在しない尖閣の「解決は次世代に委ねよう」という中国の言い分を残したままの日中友好条約は、当時の田中角栄総理と大平外務大臣の大失敗。これを引き継いだ、それに連なる現在の親中議員と親中財界人の罪は重い。



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テレビ散歩Ⅲ 第7回

2020年07月19日 | ブログ
報道

 テレビの報道番組が、核心を捉えなくなって久しい。モリカケ問題から桜を見る会の不祥事、公文書の改竄や廃棄、検事の定年延長や前法務大臣の選挙違反問題、それを誘発した自民党から特定候補に対する異常な額の資金援助。すべて現政権の悪事が積み上ったものであり、これにコロナ関連の不手際、アベノマスクや経産省関連の企業支援のあり方にも疑惑が上がる。本来とっくの昔に現政権は崩壊していておかしくないが、ほとんど求心力を失った現在でもなお、ぎりぎりのところで踏みこたえているのは、テレビ報道の政権への忖度や批判の自粛であり、それは政権からの睨みにビビッていたここ数年の習慣の残渣である。

 北朝鮮問題は大々的に取り上げるが、中国からのミサイル攻撃の恐れや南シナ海や台湾危機の現実などは、けっして報道しない。あれだけ尖閣領海周辺に中国軍用艦が押し寄せており、日本の漁船を追い掛け回したりしても、テレビで報じられることはほとんどない。テレビ朝日が少し取り上げていたくらいだ。民放テレビは企業からのCM収入で成り立っており、大手企業がサプライチェーンや製品の中国生産に依存するところがあるもので、中国に媚びているのだ。

 NHKは国民から受信料を巻き上げていながら、反日であり、かつ中国への批判は大いに自粛しているように見える。中国政府を怒らせると、中国での取材が出来難くなることを恐れている。NHK出身の政治家、評論家なども一見まともそうで、信じるに値しないのが多い。

 報道の主要テーマはコロナから大水害に移っても、被災地の避難所ではコロナ対策が話題に。自民党の選挙対策のようなGo Toキャンペーン。うまくゆけば9月にも政権は総選挙の予定だったのかも知れない。安倍首相はどこまで延命を仕掛けるつもりか知らないけれど、拉致も北方領土も遠のき、憲法改正もオリンピックさえ実現しそうにない。とうの昔に神は安倍首相を見切っており、本来国も都も人心一新して事に当たらねば神の加護は得られはしないのだけれど、政財界を筆頭に保身第一で、未来の国家像を持たない。

 最近の報道で唯一明るいニュースは、藤井聡太「棋聖」の誕生である。東海地方に初めて将棋のタイトルが来たという話は初めて知った。藤井棋聖の師匠杉本八段がテレビで語っていたのだが、自分の師匠であった47歳で急逝した板谷進九段は、生前、ぜひタイトルを東海地方に持ってきて、地元の将棋振興のためにも将棋会館(東京と大阪に在る)を名古屋にも建てることが夢だったという。藤井棋聖はタイトル戦で「進」と揮ごうされた扇子を使っていたそうだが、合点がいく。その扇子は、RAKUTENで税込2,640円(送料500円)すでに売り切れ。メルカリでは12,800円で出ていた。

 さらにタイトル戦で使用していた夏用絹マスクにも注目が集まり、開発メーカーには注文や問い合わせ殺到している(7/18:YOHOOニュース)という。

 藤井棋聖には進行中の王位戦もあり、王将戦や竜王戦での挑戦者の可能性もある。ジャニーズ並みの黄色い声援が飛ぶと言う藤井フィーバーは続く。



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テレビ散歩Ⅲ 第6回

2020年07月16日 | ブログ
テレ東

 就活生が選ぶ「人気企業ランキング」(ワークス・ジャパン)で、テレ東(テレビ東京)が競合の在京キー局を抑え、テレビ局の中で最上位にランキングされたということで、今月号(2020年8月号)の文藝春秋にテレ東を代表するプロデューサー4人の座談会記事「テレビ東京だけがなぜ面白いのか」が登場した。

 就活生から支持を得た理由として、「就活生って、働いた自分がどうなるのだろうっていうのが最大の関心事だと思うんですけど、Sさんみたいに楽しそうなオジサンが社員としているとそれを目指したくなる」

 なぜ面白いのかの理由として、「フレンチに飽きたから高架下のB級グルメが食べたい、みたいな感じで大物俳優さんなんかも面白がって出てくれるようになった。他局ではできない低予算ドラマがテレ東の追い風になった気はします」

 「『モテキ』や『孤独のグルメ』等のドラマも他局がみんな断って、最後の砦のテレ東で企画が通ったそうですね」「社員も似たようなもんだから。他局全部落ちて、ここにいるんだもん」

 「よくこんな企画通ったねえ、やっぱりテレ東は自由だなって言われること多いんですよ。企画が通りやすいイメージがあるのかもしれないですけど、基準が独特なだけで決して簡単に通るわけじゃない。むしろ自由に見える企画って、三年くらいかけて、ものすごくネゴしたり、通るべくして通ってたりするんですよ」

 「僕は企画を立てる時、あんまり計算とかはしないですね」「マーケティングとかロジックとかじゃないですもんね」「やっぱりそこから外れたものじゃないと当たらないっていう感覚はありますね。「なにこれ?」って思ってもらえるものじゃないとダメ」

 「僕は、「これ面白いのになんでこういう番組ないんだろう」「俺、この人すげえ好きなのに、なんでテビに出てないんだろう」っていうのが企画のきっかけなんです」「究極的に言うと、僕は自分を作り手だと思ってなくて、ファンなんです。・・・ファン目線で番組作ってます」

 今年2月放送された、テレ東開局55周年特別企画スペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男」では、鶴瓶師匠が主役の吉田総理を、側近白洲次郎を生田斗真、吉田の娘・和子(麻生副総理の母)に新木優子など、豪華キャストで55周年を祝った。

 「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」や「YOUは何しに日本へ」「世界!ニッポン行きたい人応援団」など、確かに奇抜で面白い番組は多い。

 テレ東の売上高の推移を見てみると、最近では16年度890億円をピークに、17年度808億円、18年度805億円、19年度743億円とけっして順風満帆とまではいっていない。20年度4,5月では月額でコロナもあってか例年より10億円程度ずつ減少しているようだ。

 因みに他局の売上高はどうか。TBS2,104億円、テレビ朝日2,264億円、日テレ3,073億円(以上2019年度)、フジ2,607億円(2018年度)、NHK(単独)6,879億円(2016年度)、NHKは別格として、いずれもテレ東は他局の2分の1に満たぬ規模なのである。



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テレビ散歩Ⅲ 第5回

2020年07月13日 | ブログ
うたコン

 NHK歌謡コンサートの時代から毎週ほとんど観ている。「うたコン」になって司会が谷原章介さんになったが、この方の明るさ、爽やかさが番組を盛り上げている。コロナ禍にあっても「わたくしたちには歌がある!」のキャッチフレーズで演歌からJ-POP、洋楽、ミュージカル音楽まで多彩な音楽を実力派歌手が登場して歌う。歌手が異色の組み合わせでデュエットしたりで、同じ歌謡曲もいろいろな表現で楽しませてくれる。

 司会者をサポートするアナウンサーは最初の担当女子アナが産休で、現在赤木野々子アナである。出しゃばらないのがいい。雰囲気的に既婚者かと思っていたが独身らしい。当然にこれまでは名前も顔も知らないアナウンサーだったので、この稿を書くために調べたのだけれど、慶應大学出の29歳。ついでながらネットでは6月16日放送の同番組で、「放送事故級の出来事」として、「タオル回しで彼女の大きなバストが揺れていた」と大袈裟に書いて面白がっている記事があった。その日の番組も観ていたけれど、私にはまったく気づいていない。

 「美人は得か損か」などという命題があったりするが、セクハラを受けやすいことは美人の損の部分。女子アナは局アナであればサラリーマンであるが、最近はもっともタレントに近いサラリーマンのようである。視聴者から胸の大きさを云々されるくらいのセクハラは、許容範囲であろう。

 女子アナのタレント化は、フジテレビのアナウンサーで、一昨年52歳の若さで亡くなった有賀さつきさんなどが草分け的存在のような気がする。貴乃花親方の夫人だった河野景子さん、八木亜希子さんを加え、当時「花の三人娘」と呼ばれたという。もう30年以上も昔の話ではある。中国などに毒されない日本の良き時代に、その青春時代を駆け抜けた人達である。

 うたコンだけでもないが、昔の歌謡曲等の名曲を現代の実力派歌手が歌うことが多くなっている。日本では歌謡曲は70年代、80年代に名曲が集中する。一流の作詞家がおり、一流の作曲家、編曲者が居て、歌手が居た。

 桑名正博さんのヒット曲に「セクシャルバイオレットNo.1」がある。少し前になるが、この歌をMayJ.さんが「うたコン」で歌った。初めて歌詞の内容がよく理解できた。実に上手い。コロナが明けて、彼女のコンサートのチケットが取れれば、行きたいものと思っているこの頃である。



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テレビ散歩Ⅲ 第4回

2020年07月10日 | ブログ
影を映すドラマ

 時代劇の悪徳商人や、彼らと結託して私腹を肥やす奉行や藩の要職にある人物など、明らかに現代の政治家と企業の癒着を描き、それを風刺しているのだけれど、現代人はもうすっかり感覚が麻痺して、自身がミニミニ悪徳商人化して、選挙による民主主義と言う建前の世界をうまく立ち回った気で居るようだ。

 「晴らせぬ恨み晴らします」。リンチ(私刑)はご法度のだけれど、せめてドラマくらいですっきりしたいのも人情で、必殺シリーズは単発であっても未だに継続している。

 江戸の町に頻々と起こる、老人からその老後資金を、息子を偽り巻き上げる「おれおれ詐欺」。一方、奉行は「やくざ一掃」の大号令で、博打場に踏み込んで一網打尽を繰り返す。現代にも行われている反社勢力撲滅運動。それ自体は確かに正義なのだろうけれど、昔から組織暴力団が取り締りを受けて衰退すると、街にチンピラが大手を振って闊歩を始める。現代ではチンピラと言わず「半グレ」と言う。

 江戸の町の「おれおれ詐欺」の頭目はやくざを取り締まった奉行で、半グレの仕事をやりやすくするために、目障りな組織暴力団に正義という法律の網を掛けたのだ。

 現代日本の反社取り締まりは、中国、韓国、ロシアなど日本国内に蔓延る外国人やくざの仕事をやりやすくするためではなかったかと思わせてしまう。「先に他国の犯罪集団を一掃しろよ」と言いたい。現代の日本の有力政治家に、反日を繰り返し、わが国を誹謗する連中に加担する輩が大きな力を持ってしまった。侍の心を捨て、上から下まで経済一辺倒の戦後日本の哀しい現実である。

 今回のコロナ騒動では、東京の「夜の街」が悪者になる。夜の街は東京だけではなく全国至る所にあり、確かに密の世界で、感染症の温床になりそうだ。

 そんな夜の街を支える女性のドキュメンタリーを以前観た。母娘の生活で貧しい上に、そのこともあって母娘仲が悪くなり、高校生の頃から、学歴は詐称していないけれど年齢を偽って、夜の街で働き始める。その歳まで生き残った女性は幸か不幸か。先日も3歳の娘を放置して死なせた事件があった。母親の新しい男との生活で虐待を受けて死んだ幼児はここ数年で幾人を数えるのだろう。

 テレビの新作ドラマに「未満警察ミッドナイトランナー」に若い女性の人身売買の話が出てくる。家出少女は食い扶持を得るため都会の風俗に身を寄せる。「私たち家族からも見捨てられた人間が、どこに売り飛ばされても誰も関知しない」のようなセリフが哀しい。そのような犯罪には国際的な組織が関与するであろう。日本人女性といえば、高く売れるのであろう。ドラマはフィクションが前提である。われわれが直接見ても聞いても居ない世界だ。

 現実に「貧困女子」が問題視され始めている。しかし、多くの国民は多数決の世界で生きている。自己責任と考える人も多いだろう。「女性の性の解放」がテレビで叫ばれ始めたのはいつの頃からか。学校で「性教育」なるものが始まったのはいつのことか。事態は悪くなる一方のように思えるけれど、政治家も単なる「夜の街」で批判の側に回るだけ。根本問題には無頓着。そこまでの知能は持ち合わせ居ないのだからしようがない現実。



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テレビ散歩Ⅲ 第3回

2020年07月07日 | ブログ
ケンミンショー

 結構昔からやっている番組のようだけれど、ここ半年くらいで数回観た程度。毎回観たいとまでは思わないけれど面白い番組である。有名なタレントさんたちが、それぞれの出身県の紹介に凌ぎを削る。

 同じ埼玉県でも、東京に隣接している地域とそうでない地方では、また感覚が異なる所などは面白い。浦安のディズニーランドや成田の国際空港にアクアライン、九十九里浜、太平洋と東京湾を擁する地の利、千葉県には自慮ネタが面白くなくなったのか、関東で弄られるのはもっぱら群馬と埼玉という海なし県となった。

 このような番組を観ていると、今後のわが国の行政の効率化のための道州制の提言が虚しくなってくる。江戸時代の藩が廃藩置県で、今の県ができたのだけれど、実は江戸時代には大小200を超える藩があって、幕末には260程度というから、今の46都道府県からみてもかなり細分化されていたことが分かる。

 例えば、愛媛県は伊予松山藩15万石が、「坂の上の雲」の初っ端に登場するが、加計学園獣医学部開設やタオルで有名な現在の今治市に今治藩があった。戦国武将として名高い藤堂髙虎が築城した城である(天守は再建)。また西条藩、大洲藩、宇和島藩など伊予には8藩あったという。因みに松山城は豊臣の武将加藤義明が築城している。

 中で宇和島藩は、伊達政宗の側室の子秀宗が初代宇和島藩主となっている(1614年)。すなわち仙台から下向して来たわけで、外様の小藩でありながら、幕末に長州から大村益次郎を招き、蒸気船を作ったことが、司馬遼太郎の「花神」にある。仙台の「七夕」と言う文化も伊予に持ち込んだのであろう、愛媛では七夕は盛んで、仙台と同じ旧暦で行う。

 江戸時代の260年間は、それぞれの藩で、それぞれに治水、開墾、産業と人材の育成が行われた。近年、いろんな組織で人材の多様性の重要性が言われる。米国などまさに人種のるつぼで、いろんな価値観、民族の知恵が取り込まれたことで発展してきた感があるが、わが国は明治維新以降、260を超えるそれぞれの国が融合したまさに多様性の文化・文明が花開いたように思う。

 ケンミンショーは、お国自慢が当然に出る。愛知県はトヨタと信長、秀吉、家康の3傑を生んだ。「それだけや」と他県の人から「聞き飽きてるわ」的にからかわれたりするけれど、現代は「トヨタ」だけでなく、イチローそして将棋の藤井聡太7段というとてつもない天才を生んでいる。



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テレビ散歩Ⅲ 第2回

2020年07月04日 | ブログ
ハケンの品格 

 これもコロナ影響のゴールデンタイム枠再放送ドラマ(日テレ)なのだけれど、「BG」や「グッドドクター」と比べてかなり旧く、出演者の小泉孝太郎さんや大泉洋さんがバリバリの若さである。2007年1月放送というから、当時診断士受験生の私は当然に見ていない。

 数学者である藤原正彦先生の「国家の品格」(株式会社新潮社:新潮新書)が出たのが2005年11月初版となっており、ベストセラーとなったようで、この「品格」という語呂にあやかったドラマ名のように感じる。

 工場で品質管理課に居た頃(1990年代前半)、やはり派遣就業者の世話になった記憶がある。製品規格の総見直しの時期などに、パソコンを使いこなせる人材に一時的に来てもらって、規格の全面改訂のスピードアップを図っていたのだ。

 このドラマのハケンのイメージとは少々異なりはあり、社員が派遣社員を見下してなどいなかった。その後、縁故採用中心であった本社の女子社員は、派遣会社から派遣して貰う派遣社員に代わっていったようで、そちらでは、ドラマのように派遣社員は、肩身の狭い思いをしながら今も勤めを果しているのかも知れない。

 「ハケンの品格」は6月に新作が13年ぶりに、同じ水曜日に復活した。こちらも好評のようである。

 しかし、大学を出る前の就活で、多くの企業に応募しながら採用されず、派遣会社の要員として働かざるを得ない方は無念であろう。ドラマは正社員と派遣社員の関係性をデフォルメし、物語として面白おかしくしているけれど、現実にはその奥底で、ドラマでは表現できない怨念を生むこともあるのではないか。

 元来人は、差別が好きで、米国などでは未だに黒人への人種差別が大きい。日本でもつい最近まで「民」への差別があった。

 「国家の品格」で藤原先生は、欧米先進国は産業革命以降「論理と合理性」を重視して発展してきたとし、確かに論理とか合理は非常に重要であるが、人間というのはそれだけではやっていけない。例えば市場原理主義は、行き着くところ企業を株主中心主義にし、社員を実力主義で序列化するなど、競争社会を徹底してゆくことになり、そこには殺爆とした荒野しか残らない。「論理」とか「合理性」には人の感情が入り込む隙間が少なく、「品格」が乏しくなるからであると述べている。

 ドラマの主人公である篠原涼子さん演じる大前春子さんは、徹底して自分のスキルを高めその幅を広げた結果、どんな社員よりも仕事の能力は高くなった。契約した時給以上の報酬を求めない代わり、組織に自身の生活に一歩も踏み込むことを許さない。

 「品格」の正体は何か。このドラマから何を学ぶか。観て楽しければ学ぶ必要などないと思う人もいるだろう。ただ、われわれは両親や恩師や先輩や上司からの説教よりも、子供の頃から親しんだ「日本昔話」や多くの小説、演劇・ドラマなどから人情の機微を学び、人間としてしなければならないこと、してはいけないことを自然のうちに学んで来たように思う。どのようなドラマが提供されるかは、この国の将来にとっても重要である。



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テレビ散歩Ⅲ 第1回

2020年07月01日 | ブログ
コロナ禍のテレビ

 いろいろな工夫や試みがされているようだけれど、新作テレビドラマ制作は難しい。NHKの大河ドラマもしばらくお預けとなり、過去の大河の名場面を、登場人物に扮した俳優さんなどに振り返って貰ったりしている。

 昭和30年代に一般家庭に普及し始めたテレビは、「月光仮面」や「ハリマオ」などわれわれ団塊世代にも懐かしいが、そこまで飛ばなくても21世紀に入ってからのドラマでも、素晴らしいものは多い。再放送で十分楽しめないわけではない。 

 通常平日の昼間の時間帯には、「相棒」など定番で、それなりに視聴率が取れるのだろう。しかし、今回のコロナでは、夜のテレビにとってのゴールデンタイムの通常連ドラが放映される時間帯に過去の連ドラが流されていた。

 普通再放送のドラマまでに時間を使いたくないのだけれど、ステイホームの延長で、今回は観た。木村拓哉さんの「BG~身辺警護人~」(テレ朝)と山崎賢人さんの「グッドドクター」(フジ)。いずれも一昨年の作で、まだ十分記憶に新しいものだったが、2度目に観ても感動した。「BG」は6月から新作も登場し、非常に好評を博しているらしい。

 この2つのドラマは、医療現場と要人等の警護の現場と、全く異なるシチュエーションであるが、主題は、医師は病気を治すだけでなく、患者やその家族の心まで癒す存在であり、ボディーカードは、単にクライアントの命を守るだけでなく、クライアントの心にも寄り添うものだという共通のコンセプトが素晴らしい。

 コロナ禍ではワイドショーは何処の局もコロナの話。朝のワイドショーは観ない。昼間のTBSの「ひるおび」、フジの「バイキング」、テレ朝の「ワイドスクランブル」などチャンネル変えながら断続的に観ることが多い。

 一番駄目なのが「ひるおび」。安倍政権から派遣されたとおぼしき、放送内容のお目付け役と見えるおじさんがいつも座っているから、国際弁護士という昔からのコメンテーターも奥歯に物が挟まった物言いに聞こえてしまう。登場する感染症の専門家氏も政権に阿って見えてしまう。明らかなコメンテーター構成の失敗。MCの人格さえ評価を落としかねない。

 その点「バイキング」はMCの気風は好ましく、感染症の専門家氏も歯切れよく信頼感があった。ただ、こちらはコロナの緊急事態宣言が解けると得意の芸能ニュースを前面に出してくる。芸能人が浮気するのはごくごく普通の出来事で、いちいち視聴者に解説する必要などない。「いやいやこの手の話の好きな視聴者が多いのですから」と言えばそれまで。ワイドショーに品格は問えない。

 テレビのワイドショーは北朝鮮の話はよくするけれど、北朝朝鮮にはわが国を侵略する意図も能力もない。もともと超高価なおもちゃであったミサイル迎撃システムにしても、付けるなら中共からのミサイル攻撃からの防衛システムを急ぐべきで、中共の尖閣周辺の暴挙を伝えるワイドショーはない。テレビ局も中共と媚中・親中政権に籠絡されているらしい。この国にジャーナリストは死滅したのであろう。



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