ヒューマンエラー
新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生した。強風に煽られ、30時間燃え続け150棟もの民家等が焼失した。火や煙に巻かれて亡くなった人が居なかったことがせめてもの救いだ。
原因は小さな中華料理店での鍋の空焚きだという。火を使っている時はその場所を離れてはならないことは鉄則であるが、ちょっとした用があったのであろう。何も起こらねば見過ごされたであろうヒューマンエラーが原因である。
このような事故を無くすため、この頃の家庭用のコンロでは空焚き防止装置があって、鍋底が異常に熱くなれば、火が消えるようになっているらしい。ポカヨケとかフールプルーフと呼ばれる対策が実施されているのだ。しかし、この店の業務用コンロにはそれがなかったのであろう。
これほどの大火災はこの20年間国内では起こっていなかった。昔はこの時期、火の用心の夜回りがあったものだが、薪や炭などの燃料からガスコンロや電気コンロが普及し置き換わった。風呂焚きにしても煙突から火の粉が飛んでいるなんていうことは見なくなった。民家も木造ではあっても外壁はモルタルで、防火性が向上している。寝たばこなどの習慣も相当時代遅れのことになった。ポイ捨ても減った。喫煙者そのものが絶滅危惧種である。
しかしここに来て、全国で火事のニュースが相次いでいる。喉元過ぎて、人々に油断が生じていたのかもしれない。火事は身近のちょっとした不注意が、大きな災害を呼ぶ代表例だ。
高速バスや旅客機も安全運行を人に依存せざるを得ない代物だが、航空機には副機長を置き、長距離バスには交代運転手を同乗させるようになった。路線バスなどで自動運転の試みが始まったようだが、これは安全性向上というより、過疎地などのバス運行の経済性重視の対策のようだ。目的は兎も角、車においては昨今の高齢者事故をみても人に依存していては事故は絶えない。ハード面の対策が必要なのである。
火事の対策としては、火を出さないことは当然だが、初期消火が重要で、スプリンクラーや消火器、警報器の設置などが義務付されるようになっているが、定番の雑居ビル火災などでは、法令が遵守されておらず、設置されてもメンテナンスが不十分だったりする。これらもルールを守らないというヒューマンエラーの範疇なのである。
人は学校だけが学びの場ではない。仕事に付けば、関連の安全対策など、十分に履修しなくては業務に付かせてはならない。こうすれば、こうなる。こうしなければこうなる。ということを組織が社会が、機会を捉えて個人に周知させる必要がある。
そのため、業務に応じて各種の資格制度がある。飲食店で調理して客に料理を提供できるのは、調理師に限る。ガソリンスタンドでガソリンや灯油を販売するためには、危険物取扱主任者の免状が必要だ、各種車両の運転も免許なしでは行えない。資格はこの国に一体何種類あるのか数えきらないけれど、これらの学習を通じて得られる安全への知識はヒューマンエラーを少なくする効果は大きい。
人は間違いを起こす。しかし、その結果を受けて、対策を考える時には、原因を単に人の所為にしてはならない。とは言って、やらねばならないことを放っておいた。またはしてはいけないことをやった為に起こってしまった事故・事件では当事者の責任が問われることは仕方がないことだ。罰則も行動を律するためのひとつの未然防止策ではある。
新潟県糸魚川市で大規模な火災が発生した。強風に煽られ、30時間燃え続け150棟もの民家等が焼失した。火や煙に巻かれて亡くなった人が居なかったことがせめてもの救いだ。
原因は小さな中華料理店での鍋の空焚きだという。火を使っている時はその場所を離れてはならないことは鉄則であるが、ちょっとした用があったのであろう。何も起こらねば見過ごされたであろうヒューマンエラーが原因である。
このような事故を無くすため、この頃の家庭用のコンロでは空焚き防止装置があって、鍋底が異常に熱くなれば、火が消えるようになっているらしい。ポカヨケとかフールプルーフと呼ばれる対策が実施されているのだ。しかし、この店の業務用コンロにはそれがなかったのであろう。
これほどの大火災はこの20年間国内では起こっていなかった。昔はこの時期、火の用心の夜回りがあったものだが、薪や炭などの燃料からガスコンロや電気コンロが普及し置き換わった。風呂焚きにしても煙突から火の粉が飛んでいるなんていうことは見なくなった。民家も木造ではあっても外壁はモルタルで、防火性が向上している。寝たばこなどの習慣も相当時代遅れのことになった。ポイ捨ても減った。喫煙者そのものが絶滅危惧種である。
しかしここに来て、全国で火事のニュースが相次いでいる。喉元過ぎて、人々に油断が生じていたのかもしれない。火事は身近のちょっとした不注意が、大きな災害を呼ぶ代表例だ。
高速バスや旅客機も安全運行を人に依存せざるを得ない代物だが、航空機には副機長を置き、長距離バスには交代運転手を同乗させるようになった。路線バスなどで自動運転の試みが始まったようだが、これは安全性向上というより、過疎地などのバス運行の経済性重視の対策のようだ。目的は兎も角、車においては昨今の高齢者事故をみても人に依存していては事故は絶えない。ハード面の対策が必要なのである。
火事の対策としては、火を出さないことは当然だが、初期消火が重要で、スプリンクラーや消火器、警報器の設置などが義務付されるようになっているが、定番の雑居ビル火災などでは、法令が遵守されておらず、設置されてもメンテナンスが不十分だったりする。これらもルールを守らないというヒューマンエラーの範疇なのである。
人は学校だけが学びの場ではない。仕事に付けば、関連の安全対策など、十分に履修しなくては業務に付かせてはならない。こうすれば、こうなる。こうしなければこうなる。ということを組織が社会が、機会を捉えて個人に周知させる必要がある。
そのため、業務に応じて各種の資格制度がある。飲食店で調理して客に料理を提供できるのは、調理師に限る。ガソリンスタンドでガソリンや灯油を販売するためには、危険物取扱主任者の免状が必要だ、各種車両の運転も免許なしでは行えない。資格はこの国に一体何種類あるのか数えきらないけれど、これらの学習を通じて得られる安全への知識はヒューマンエラーを少なくする効果は大きい。
人は間違いを起こす。しかし、その結果を受けて、対策を考える時には、原因を単に人の所為にしてはならない。とは言って、やらねばならないことを放っておいた。またはしてはいけないことをやった為に起こってしまった事故・事件では当事者の責任が問われることは仕方がないことだ。罰則も行動を律するためのひとつの未然防止策ではある。