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新、時事散歩 第22回

2024年06月04日 | ブログ
ユーチューブ

 『YouTubeは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンブルーノに本社を置くオンライン動画共有プラットフォーム。アクティブユーザー数は、2022年1月時点で25億6,200万人であり、ソーシャルメディアとしては世界第2位。』ウィキペディア

 最近よく目につくのが、観光大国となってきた日本を、さらに神格化させるような内容の動画である。例えば、古都奈良の野生鹿が日本人の生活圏に完全に馴染んだ在り様。開業60年となるが、人身事故“0”の新幹線のその安全性と快適性。神格化とまでは言えないが、公共交通機関の乗客のお互いに配慮したマナーの徹底ぶり。都市の道路にゴミ箱などないのに、道路にゴミが落ちていない清潔な街。要は、現代日本をある種ユートピアのように描き、そのことに驚く訪日外国人観光客の姿をレポートする動画が多い。

 不思議なのは、政治は与党があれだけボロカスに言われながら、市民生活は一部に貧しさもあろうが概ね安定していること。確かに「政治は三流、経済は一流」と言われた時代もあったけれど、現在、政治は三流のまま、経済は二流からさらに三流に低下しそうである。それでも世界の国々と比べて、治安は良い。夜間でも人々は街に出掛け、食事や観劇を楽しむことができることをユーチューバーは伝える。「国民が一流の国は必ず繁栄する」という本もあったらしいが、どうだろうか。

 高級なお寿司は、彼ら初めての訪日客の想像を優に超え、その味に感動さえ覚えるらしい。日本人の一部ユーチューバーは、目を付けた外国人観光客に高級すし店で、お寿司をごちそうし、代わりに動画撮影をしているようだ。高価なお寿司をごちそうになれば、ユーチューバーの期待に副うコメント位、彼等だって心得ている。

 以前、テレビ東京の番組で「和風総本家」というのがあった。「初めての日本」「世界で見つけたMade in Japan」「日本という名の惑星」などなど。最近のユーチューブの日本礼賛もののルーツに思える。現代のわが国のユーチューバー達も、過去に観たテレビ番組をヒントに、日本人が好む内容を、自身が制作した動画にその想いを込めているのだろう。

 日本や日本人の優れた面を強調した動画を観て、われわれは、満足してうぬぼれてしまう恐れもあるが、自身の行動を振り返って、日本人の一人として、動画のような日本人でありたいと自省するきっかけとはなる。

 多くの日本人は、外国から観光客を受け入れるほど、自身で度々海外旅行できる人は限られているから、外国の人々の生活習慣と、日本のそれを比較検証することは難しいが、たとえ、偏りや偏見が一部にあったとしても、インターネットのユーチューバーの活躍は、好ましい面が多いように思うがどうだろうか。

 テレビは、ユーチューバーに先んじて、日本の魅力ある地方都市を取り上げ始めた。東京一極集中の解消に、やはりテレビの威力は未だ侮れない。




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