中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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時事散歩Ⅷ その20

2019年08月28日 | ブログ
埼玉知事選から見えるもの

 埼玉県人でもないけれど、与野党対立知事選挙ということで結果は気になった。自民党が擁立したのはスポーツコメンテーターの元ヤクルトのプロ野球選手。TBSの「ひるおび」で拝見したことがあったがプロ現役時代のことは記憶に薄い。テレビでのコメントは印象の悪いものではなかったが、急に知事にと言われても翔んで埼玉県人の多くも首をかしげたのかもしれない。一方野党候補は、元官僚で前参議院議員、前知事の路線継承という。どちらが保守で、どちらが革新かわからないけれど、それにしても投票率が前回より5ポイント以上がっても32%程度とは淋しい限り。

 今回の与党候補は、県連が推したのかどうか知らないけれど、東京都知事選など結構都連と本部自民党の意見が異なり、結果自民候補は落選が多かった印象がある。候補者は自民党公認となれば選挙費用も出るし、当選確率も上がると喜ぶのだろうが、東京や埼玉では強い自民党支持層はそれほど厚くないのでないか。

 元々自民党は地民党で、農家のように地べたを資産とする人々、そして事業者、大企業まで。要は資本家の党なのだ。継ぐべき地べたもなく地方から上京し、安アパートでバイト暮らしの人々に豊かさの恩恵は伝わり難い。無党派層の多い都会の選挙では自民党公認は当選保証にはならない。

 地民党と言えば、小野党を渡り歩く元自民党の幹事長さんなどは筋金入りで、どこの党に居ろうがその選挙手法は変わらない。民主党での政権交代時には、子供手当、高速道路無料化に加えて農家への戸別補償を謳い、自民党の新たな農政に付け込んだ。結果、昔自民党の票田だった地方票を民主党支持に変えた。後は知らない責任は取らない。国民民主党に潜り込んでも参院選で同じような公約を並べていたことでも分かる。

 来年は東京都知事選がある。自民党二階幹事長は現職を推すようなコメントを出していたけれど、彼女は当時の石原(伸晃)都連会長が党内から候補者を募った際には手を挙げず、都連が候補を擁立してから自民党を蹴飛ばして立候補した。それが却って功を奏した。その前の舛添さんの時には、元々自民党を離党していたのに自民党が推した。党内には当然に筋が通らないと不満があったが推薦候補の勝つことを優先した。結果任期中に地金を晒して辞職に追いやられた。

 仁義に反するようなことはやるべきではない。二階幹事長は「当選できる候補者が居ないではないか」と言っていたが、人を育てず行き当たりばったりの候補者選びは政権政党の本来の姿から遠い。私など岡目八目で言えば、ここは前都連会長の石原伸晃さんが立つべきと思う。総裁になれないなら、一議員や閑職大臣で終わるより首都の知事で力を発揮する方がいい。お父さん(慎太郎氏)の跡を継ぎ都知事になれば、喜ぶ都民も多いだろう。

 自民党は国政選挙6連勝で本当に勝っているつもりかもしれないけれど、1強などと安定政権のつもりだろうが、人を育てない組織は続かない。組織はトップの器に従うものだ。



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時事散歩Ⅷ その19

2019年08月25日 | ブログ
総理在籍日数

 この8月24日で、安倍首相の通算の在籍日数(2798日)が、その大叔父(祖父の弟)に当たる佐藤栄作元総理とで並んだという。日本の憲政史上でいえば歴代2位、戦後最長となったということ。そして今年11月19日には歴代1位の桂太郎(在籍2886日)と並ぶという。在職年数で比べて評価することは簡単だが、その中身、業績で論じることは時代背景も大いに異なり一般的には難しい。

 佐藤総理の時代(1964年11月~1972年7月)は、私など団塊世代の先頭集団が高校から大学そして社会へと巣立った時代。日韓基本条約(1965年6月)、ベトナム戦争の激化(1967年1月~)、美濃部都政(1967年~1979年)、小笠原返還(1968年6月)、東大安田講堂事件(1969年1月)、よど号事件(1970年3月)、深刻な公害問題、三島由紀夫割腹(1970年11月)、連合赤軍「浅間山荘事件」(1972年2月)、沖縄返還(1972年5月)。印象深い事件や社会現象が多かった。最近は放火にあおりに特殊詐欺。官僚の公文書や統計改竄、政権への忖度と個人の欲望による薄っぺらな事件ばかり。

 佐藤政権は、先の東京オリンピックを花道に引退した「所得倍増」の池田総理の後継とはいえ、学園紛争あり、日本赤軍あり、まだまだ戦後を引きずっていた時代であった。

 当時の政財界のリーダーには旧帝国大学出身者(英才)が多く、右も左も骨太の人々がいたような印象がある。佐藤総理の引退会見が新聞記者を閉め出して一人テレビカメラに向かって話された姿も印象深いが、それだけ新聞各社、評論界は権力者に辛辣であったのだ。

 藤原弘達氏(東京帝大卒)の「創価学会を斬る」(1969年)の出版に際して、時の自民党幹事長であった田中角栄氏から差止め勧告を受けたそうだ。私は地方の氏の講演会(昭和56年8月)でご本人からその時の話を聞いた。『「将来の総理とも目されるあなた(田中氏は当時自民党幹事長)が自由な言論を妨害するとは何事か」と説諭したところ、角栄氏は脂汗を流して恐縮していた。みなさんに見せたかった』のように豪快に話されていた記憶があるが、現在のテレビに出てくる御用評論家とは骨の太さが違っていたように感じる。

 企業などでも、長年勤めたトップほど、その後継者選びが最後の企業への貢献として重要視される。多くは院政を敷くため格下の人物を後継にしたがる。後継者を育てて居ないのが最悪である。

 佐藤総理は同じ東大卒の福田赳夫氏を推していたのではないかと思っていたが、政権が長期になったことで、国民に飽きられた面もあって、当時の今太閤と謳われた田中角栄氏が政権を取った。総裁選挙では相当の札束が舞ったという時代でもあった。

 結局、三角大福中(三木、田中、大平、福田、中曽根)順番は違っても皆総理に就いた。現在安倍首相の後継には、岸田氏が安倍院政に適任と見られているようだが、令和おじさん(菅官房長官)が力を付けて対抗馬という声もある。魑魅魍魎の世界は「一寸先は闇」で、本人たちの心も日々揺れているだろうし、予測など意味はない。

 いずれにしても佐藤政権当時の政治家の迫力は現在の政治家には感じない。




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時事散歩Ⅷ その18

2019年08月22日 | ブログ
あおり運転と高齢者運転

 ドライブレコーダーが普及し、高速道路で他車をあおったり、停めて暴行など加えれば、すぐに捕まることは解かりそうなものだが、やってしまうのは国家権力としての警察や司法をなめてかかっているとしか思えない。

 何をしても大した罪にならないなら、自分の本性に従ってやりたいように生きるが勝となってしまう。「過ぎたるは及ばざる如し」とはよく言ったもので、人権も守り方を間違うと被害者の人権だけが損なわれることになる。

 長く隣国になめられ続けたこの国のように、舐められる側にも問題はある。個人の関係でもそうだが、間違っていることをしたり言ったりされれば、都度毅然とした対応をしないと甘く見るのが人間の性で、社会生活でも職場でも家庭でも同様である。最近は怒るといじめ・虐待・パラハラと混同され、立場が悪くなる恐れがあって、なかなか文句も言い難い雰囲気があったりするけれど、いい人ぶりは止めた方がいい。逆に、顧客の立場を悪用したクレーマーなどというのがあるようだが、客だからとつけ上がらせることはない。

 いずれも周囲の公平なジャッジが必要で、そのために司法では一般の人が裁判官になる裁判員制度なるものを導入したが、結局過去の判例に比べ罪が重すぎるなどと後で修正を加えたりする。そんなことなら消費税をどんどん上げねばならない財政状況の中で、余計な金を掛けて素人に裁判をやらせるような無駄は止めた方がいい。

 直近の高速道路に車を停めての暴行事件は、被害車のドライブレコーダーがしっかりとその一部始終を捉えており、これを見た一般の人々の多くも被害者同様の恐怖を感じたのではないか。家族ドライブでまたは恋人との楽しいはずのドライブが一挙に暗転する様を想像してしまったのではないか。こんな仕業を国家の司法がきちんと落とし前をつけなければ、車に乗る時は個人で拳銃くらい準備しておかねばと思うかもしれない。自助・共助・公助の順でゆけばそうなってしまう。

 運転免許は、一定の運転技量と視力があればほとんどの場合付与されて、免許の更新は視力検査のみである。最近70歳以上に高齢者講習が義務付けされたが、あくまで講習だから認知症が疑われたり、事故を繰り返していたりしない以外、免許が更新されなくなることはないようだ。

 あとは本人の自覚で返納するかどうかだが、田舎では鉄道も路線バスも頻度が少ないから、場所によっては交通機関などないから車の免許の必要性は高い。田舎では仮に高齢者の車が暴走しても被害の程度は軽いことが見込まれ、中々返納は難しい。

 以前から、普通免許にランクを設け、高速道路や何車線もあるような都会の幹線道路は走行できない免許(シニア免許)があってもいいように思っている。勝手知ったる田舎の道を走るだけなら普通に眼が見えてハンドル操作ができるなら年齢に関係なく運転を続けて危険は少ない。



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時事散歩Ⅷ その17

2019年08月19日 | ブログ
安定の中の混迷

 長期政権で失業率は低く、この国の現状は安定しているように見える。大企業は内部留保を積み上げ、欧米に倣い経営者層の報酬を拡大してきた。人手不足という割に従業員の給料は上がらず、厚生年金や介護保険料、健康保険料の乗率は上がるばかりだから可処分所得はなお増えない。消費税も遂に10%まで上がる。庶民に好景気の実感はない。要は静かに密かに格差が増大してきているのだ。

 大騒ぎして政治改革と小選挙区制にして20年が過ぎ、幼稚な政党が天下を取ったお陰で、その後半端な政権でも選挙に勝ち続けて鼻高々。財界は儲けのためなら悪魔とでも手を組むグローバル化信奉。トランプ米国大統領の荒療治で、苦境に立たされた中国共産党は、手のひら返しでわが国に秋波を送る。この機に乗じてこの国の政権は習近平を国賓で招くと言う。これに政治家も政治評論家も誰も異議を挟まない。

 先の参院選で「れいわ新選組」が多くの票を取ったことで、次の衆院選の目玉政党に躍進した感があるが、徹底的に体が不自由で、まともに政治活動ができそうもない議員を立てて、「重度障碍者も国会に」と良い事のように言うけれど、間違った卑怯なやり方だと思う。そんな政党が衆院選で躍進するならこの国は本当に亡ぶ。

 自民党の野党時代には総裁まで務めた谷垣禎一さんなど、自転車事故で大けがをされたことで車いす生活となり、周囲の復帰への期待はありながら後継に託すと政界を引退された。車いす程度であれば議員活動に問題ないと思うけれど、自身の価値観で十分な活動ができないと思えば、実績のある政治家でさえ身を引くのが国会である。

 この国で国政選挙をしても何も変わらないから、投票率は遂に50%を切っている。深刻な民主政治の危機だと思うけれど、政治家や評論家から抜本的な改革案は出てこない。現状容認である。既得権者側の人間は兎に角変革は嫌なのだ。米国でさえトランプ大統領のような異端児は当初徹底的に叩かれた。低賃金で雇える移民や中国との貿易で儲けていた連中からの移民の人権と自由貿易を盾にした反発である。しかし、米国ではすでに党派を超えて中国叩きには賛同が多くなった。分かっていないのは日本の財界であり、政界である。

 野党との政権交代はなくとも、自民党内で三角大福中や安竹宮のように競い合う人材数多あれば、切磋琢磨も修正も可能だが、1強などと安定に見えて、実は混迷しているのだ。「N国」だ「れいわ」だという素人が跋扈し始める。

 「れいわ新選組」など全く関心がなく、選挙の際に公約もよく見ていなかったけど、批判するならその根拠は必要である。「消費税を0」は兎も角、「奨学金はチャラ」とあるけれど、返済することが前提でしかも無利子で借りたものを返さなくてよいとするなど、どこかの国の条約不履行に似て、その一事でもっても信用できない。



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時事散歩Ⅷ その16

2019年08月16日 | ブログ
あいちトリエンナーレの問題

 「トリエンナーレ」とはイタリア語で「3年に一度」という意味という。3年に一度開催される国際美術展覧会なので、このように命名されたようだ。

 ここに従軍慰安婦像が持ち込まれたので、物議を咬ました。どうも世間には芸術という鎧を付ければ何でもまかり通ると思っている人たちが居るようだ。出てくるのは「表現の自由」。そのような連中は「自由」の意味さえ分かっていない。

 元々この国の左翼系の人々は、非常に狭量で、自分たちの自由はものすごく主張するが、他人の自由は認めない。思想的に共産党国家を見ればよく分かる。聞いた話で恐縮ではあるが、百田尚樹さんや櫻井よしこさんの講演は左翼系の人々の横やりで開催場所が確保できず開催できないことがあったらしい。一方、左翼系の人達の講演会はボイコットされることはまずないそうだ。

 現在は安倍一強で、マスコミも権力に追随するようになっているので、少々事情は異なっているかも知れない。

 それにしても、8月11日のYAHOOニュースの有本香氏によれば、今回の「あいちトリエンナーレ」の実行委員会の委員に怪しいのが多いという。反天皇活動家や反日番組で問題になったNHKの元プロデューサーがいると言うのだ。展示を見て、まるで「反日左翼のプロパガンダ展」だったと感想を述べた人もいたようだ。

 行っても見てもいないので、報道を聞いての感想にすぎないけれど、いずれにしても韓国で製作された「従軍慰安婦の少女像」が芸術だとする趣旨が見えない。「火をつける」と脅して捕まった方が居られたが、そちらの方の気持ちはよく分かる。

 この事件で面白いと言えば不謹慎だが、この企画の開催に異議を唱えたのが、元民主党の河村名古屋市長で、これに憲法21条「検閲の禁止」を盾に反発したのが、元自民党の大村愛知県知事であったこと。憲法を持ち出すところは立憲民主党に鞍替えしたものか。

 否、単に上に倣で、大村知事は安倍首相のリベラルの意見に沿うことが長期政権への道と学習しているようでおかしかった。

 政治家には信念こそ必須のもので、その信念が国民の信を得られなければ「信なくば立たず」で引退すればいい。その都度リベラル派、保守派はどう考えるか、どちらが票につながるかなどを判断基準にするなど、成功してもひと時の栄華でしかない。

 多くの人が自由に出入りできる場所に税金で展示する催しものに、何でも出して良しとするのは「自由」の拡大解釈で、それに異を唱えるのは政治家の責任であり、憲法の「検閲の禁止」に当たらないのではないか。

 日本人に生まれ、日本に育てられ守られている人間が、韓国や中国のわが国への「プロパガンダ」を持ち込もうとする仕業は、単に世間の常道を踏み外しているとしか見えはしない。




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時事散歩Ⅷ その15

2019年08月13日 | ブログ
熱中症

 梅雨が長かった今年、梅雨明け途端の猛暑には付いて行けない人多数。連日熱中症で緊急搬送、そして死者何人の報道を聞く。

 昨年の7月29日から8月4日の一週間の熱中症での緊急搬送数は12,477人。対して今年は18,347人(1週間値歴代2位、加えて57人が死亡)。昨年の47%増しだ。これを4月30日から8月4日の期間で比べてみると、昨年70,549人で今年は36,425人。昨年は早くの梅雨明けで多くの患者を発生させていた。今年梅雨明けが遅かったお陰で、これまで熱中症の発生が抑えられ、その分ここに来ての猛暑に体の準備が間に合っていない。

 今年の7月29日から8月4日の一週間の緊急搬送都道府県別では、東京1,857人、愛知1,342人、埼玉1,307人、大阪1,210人と人口密集地に多いことは当然ではある。(数字は消防庁)

 死亡者数についても調べてみたが、1999年から2017年のデータ(厚労省調べ)で、2010年には1,731人も亡くなっておりダントツ。その後2013年が1,077人で千人越え。労働災害で亡くなる方が毎年1000人程度(2018年:909人)は居り、熱中症による死者は労災による死亡者数に匹敵するものだ(熱中症が労災認定される場合もある)。

 全国で死者の最も多かった2010年のある地方都市の猛暑日が19日、真夏日が66日でいずれも昨年2018年に次ぐ歴代2位だったという。2018年は全国的に熱中症で緊急搬送される人の数も急増し、東京23区内だけで164人の方が亡くなっている。当然ながら熱中症の発生は気温に大きく左右される。温暖化の進行は止まりそうもない。官民一体のさらなる対策が急務である。

 昔、「不快指数」という言葉が良く使われた時期があった。熱中症がここまでクローズアップされていない頃だ。気温と湿度から算出され、この指数が75を超えると1割の人が不快と感じ、80を超えると全員が不快となるらしい。

 熱中症の発生も気温だけでなく湿度も大きく左右すると思われ、エアコンの室内除湿効果は大きい。報道によれば都内の家庭内での死亡事例ではその多くがエアコンを使用していなかったという。ここに来て小中学校などエアコン設置率が低いことが問題となり、この夏には夏休み開始を早めたなども聞いた。

 都心の気温は35℃、埼玉県熊谷市39℃などと連日報道されるけれど、その気温の観測所は周辺の影響を受けにくい百葉箱の中。気温だけを聞くと都内の方が涼しげだが、ビルや隣家のエアコンの排気、車の排気ガス、舗装道路の照り返しなど考慮すると、エアコンの無いまたは使用しない都内の民家の環境は、地方都市の気温40℃にも匹敵する危険度ではなかろうか。

 思えばもう20年近く前になるが、勤務した事業所の物流担当となり、充填倉庫や物流倉庫での作業による熱中症予防に取り組んだ。毎年6月ごろには従業員を集め職場での講習会を開き、順次スポットクーラーを買い増したりした思い出がある。そのプラントは最近すべて停止し、新プラント建設のため、今は更地になっていると聞いた。


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時事散歩Ⅷ その14

2019年08月10日 | ブログ
元凶を見失うな

 8月2日、今年2月、アメリカ政府がロシアとの間の「INF条約」(Intermediate-range Nuclear Forces Treaty:中距離核戦力全廃条約:1987年調印、88年発効)の破棄を通告し、INF条約はこの日に失効した。

 トランプ政権は、ロシア側の条約不履行とこの条約の制約を受けていない中国の核ミサイル開発が、すでに米国を脅かすレベルとなっていることで、米国だけがこの条約の履行を続ければ、中国の脅威に対抗できなくなると考えたものだ。

 ところが日本のテレビ報道では、広島・長崎の原爆忌を前に、トランプ大統領がINF条約を破棄したことで、再び世界に核軍拡が始まったと報道する。米・英・仏・独・ロ・中6か国によるイラン核合意にしてもトランプ大統領の気まぐれで、これまでの協調体制が崩れたような世界的に報道のされかたをする。

 日韓の現状についてもそうだけれど、それぞれの立ち位置によって見方は180度異なるけれど、日本国内でも、政府の韓国への対応を批判する勢力がある。「紳士的に」とかもっともらしい言葉で韓国への妥協を促す。それは戦後これまで何度も何度も何度も繰り返され、韓国に日本はいずれ折れると高をくくられ、朝鮮併合と従軍慰安婦と徴用工カードを繰り返しちらつかせて交渉を韓国有利に導いてきた。それらはすべて1965年の日韓基本条約違反である。それならと韓国は日韓基本条約破棄を検討しているという。

 トランプ大統領の中国製品への関税処置にしても、世界の自由貿易に水を差す「反グローバリズム」であり、日本政府は米国の暴走を止めなくてはならない。的な発言が財界の有力者から出る(前稿)。たまたま経営者として成功したから人間的にも立派と信じている人が居たら残念!実は自分の儲け第一、この国などどうなっても構わない方が多いようだ。

 世に「天才」と言われる人たちが各分野に居る。しかし、それはその分野の天才であり、その他の部分は欠点だらけの人間かも知れない。日本では芸人でも作家でも少し名前が出ると、テレビの報道番組などのコメンテーターとして引っ張りだすが、結構的外れの発言が多いものだ。政治の話のキャスターを芸能人にやらせ、コメンテーターにも芸能人を並べることに以前から批判はある。もっとも最近の各種評論家にも真っ当な方は少ない。

 本題に戻る。IMF条約からの米国の離脱は、中国の軍拡、膨張政策が目に見える形で世界を覆って来たからである。池上彰さんなども世界の時事ニュース解説を得意としているようだが、視点に偏りが見られることが残念だ。NHK時代の習性で表立った中国批判を抑えたい意向が随所に感じられる。中国を批判するとNHKは中国での取材が困難になるのであろう。そんな国は根本が間違っていることをなぜ報道しないのか。

 池上さんは米国のIMF条約破棄について、トランプ大統領の仕業を報じて最後に中国の軍拡を少し説明する。「嘘は言っていないでしょ」と言いたいらしい。


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時事散歩Ⅷ その13

2019年08月07日 | ブログ
没落の国

 韓国はわが国に対して「歴史認識」という言葉をよく使うが、それはわが国が韓国を併合(1910年)したことを指しており、併合された側の当時の自分の国の至らざるを顧みず、現在に至るもわが国を盗人のように大統領までが言う。本当に情けない国である。

 日本は朝鮮半島を併合しても得る物はほとんどなかった。北のロシアの南下政策を食い止めるために止む無く行ったとする部分が大きかったと思う。勿論当時の日本人にも帝国主義、拡張主義者は居て、大陸進出の足掛かりとしての半島との認識もあったかも知れない。

 しかし、現実問題、当時の日本にロシアと闘い追い返す(日露戦争の勝利:1905年)ほどの力がなく、列島に閉じこもっているしかなかったとすれば、半島はロシアの手に落ち、半島全体が今も現在の北朝鮮になっていただけと思われる。それが正しい歴史認識なのである。その方が韓国の人々にとって幸せと言うなら今からでもそうすればいい。

 しかも日本の朝鮮併合は、ヨーロッパ諸国がアフリカやアジア各国に取った植民地政策とは全く異なり、朝鮮半島から搾取するのではなく、逆にそのインフラ整備から帝国大学まで創ったのである。日本も貧しかった時代に、その日本人の血税を毎年投資し続けたのである。

 戦後、李承晩政権から韓国民に対する徹底した反日教育が始まり、彼らにとって日本は敵国になった。しかし、日本は韓国への莫大な戦後補償を行い、その後も機に応じて経済援助を行ってきた。戦後補償を韓国が得るべき当然の権利で、日本への感謝など全く必要ないと論ずる韓国人の似非学者も居るが、そのような精神構造では日本だけでなく、世界のどの国ともうまく付き合ってはいけないのではないか。日本叩きの果てに没落する姿が見える。

 今回のホワイト国外しで、韓国の世論が沸騰し、これに断固戦うとする文大統領に支持が高まっていることで、逆に日本の政権を批判する昔からの左翼系評論家が居るようだが、喧嘩の仕方も知らぬ男は引っ込んでいろと言いたい。今後韓国がどのような行動に出ようとも、そもそも間違った行動を取り続けているのは韓国であり、一歩も引くことはない。勝手に没落すればいい。

 日本の現政権の問題は中国への対応である。「中国の属国となるロシアの未来」というセンセーショナルな記事が、2019.08.05号の日経ビジネス「世界鳥瞰」に出た。中国の経済力、人口14億の胃袋の大きさに魅了され、関係を深めることで、気が付いた時には抜き差しならぬ状態になっている。

 2019.07.29号の日経ビジネス「時事深層」には参院選後の安倍政権に求める政策として、キャノンの会長御手洗氏が、『第一に期待したいのは貿易の拡大に向けた取り組みだ。反グローバリゼーションによる経済の分断を修復するリーダーとしての役割を果していただきたい。・・・TPP11を土台として、中国などを含めた東アジア地域包括的経済連携へと歩を進めていく努力を期待している。・・・』

 財規のトップがこの程度の情けない世界観では、いずれ日本も中国に飲み込まれる懸念が強い。



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時事散歩Ⅷ その12

2019年08月04日 | ブログ
有志連合

 イランを敵視する米国が、ホルムズ海峡などの安全確保のため関係国が連携して活動しようと画策している「有志連合」構想は、うまくいっていないようだ。まずドイツやフランスが乗り気ではない。日本もイランとの長年の友好的な関係もあり、現状がそれほどにひっ迫した危険な状態でないことから見送りたい意向のようだ。

 『有志連合は、1990年代以降の冷戦終結後、国際連合の規定する国際連合平和維持活動の形を取らず、平和維持活動や軍事介入を行う、地域概念にとらわれない、意思と能力に基づく連携関係の称。「意思ある諸国の連携」と訳されることもある。』ウィキペディア

 思い出すのが、イラクのクウェート侵攻(1990年)に端を発する湾岸戦争(1991年)。この時は多国籍軍という名称で米国と英国が中心となってイラクを攻撃し、クウェートを奪還した。

 わが国は石油のほとんどを中東に依存しているなか、平和憲法を盾に自衛隊の派遣は行わず、邦貨価値で1兆円を超える支援金を出したが、戦争終結後もクウェートから感謝もされなかった外交下手を演じた。2003年のイラク戦争では、後方支援、復興支援の形で自衛隊を派遣したが、戦闘地域への自衛隊派遣の是非が国会でも大きな議論となった。

 米国がイランを敵視するのは核拡散の防止という大義があり、イスラエルとイランの不仲もあろう。イスラエルにとってイランの核武装は大きな脅威であり、米国が中東における最大の同盟国イスラエルに加担することも当然である。

 ただ、今回の米国の「有志連合」画策には、東アジアで現実化する公算の大きい紛争への対処の準備ではないかと診る。

 中国の台湾への侵攻である。習近平は明確に、台湾併合のため軍事力行使も厭わないと明言している。台湾国内でも総統選挙などを通じて論争がある。経済的な中国との関係を続けていくのか、独立志向を目指して中国と距離を取るのか。

 習近平中国は、他国が干渉し難い状況を作り出すため、台湾に隠密部隊を送り込み、内部から侵略を準備していると思われる。中国は米国や日本へもエージェントを相当数送り込んでいる。米国では逮捕者を出すが、わが国では彼らをビザまで緩和してもてなしている。彼らは学者、評論家から野党国会議員は勿論、政権中枢の有力者にも食い込んでいる節がある。日露戦争の前には日本もロシア内部からロシア革命を煽った。

 台湾の人々の大多数が、中国への帰属を望めば、たとえ米国といえど他国である以上内政干渉はできない。

 しかし、台湾議会が中国からの独立を宣言し、そのことにじれた中国が台湾に向け挙兵した場合、米国はじめ英国、ドイツ、フランスなど欧米諸国、オーストラリア、ベトナム、フィリピンそしてわが国など近隣友好国が有志連合として台湾を守るために中国に対峙できるか。

 米国はその試金石として、イランに対峙するホルムズ海峡近海の安全確保名目の有志連合を募っているように見える。



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時事散歩Ⅷ その11

2019年08月01日 | ブログ
暴力国会議員

 そういえば、角界で暴力事件が問題になる中、挙句騒動の発端となった被害力士が自身の付け人に暴行して、即引退したよね。相撲界だけでなく、スポーツ界全体に指導者の暴力はじめパラハラが大きな社会問題になったよね。それってつい最近のことだよね。

 国会議員、しかも政権党所属で、総理大臣から応援演説して貰って国会に出ていた議員が、秘書に暴言を吐き、暴力を加え、それも常態化していたという。

 国会議員というのはかなりの額の歳費を税金から使い、また貰っているよね。庶民からは消費税でまで巻き上げて。28歳の時に安倍チルドレンで当選した、自民党の魔の3回生ということだが、そのような議員を輩出させた政権与党から一言の国民への謝罪も聞かないのはどうしてなのか。本人の責任は勿論だが、政権党から出馬しているからと票を投じた国民も多かろうに。

 次々と不祥事を起こしながら、嘘と詭弁で躱しもみ消し、それで長期政権だ、安定内閣だと自画自賛する破廉恥内閣。大臣にも不適格者が大勢いたが、国民の範とならねばならない国会議員が反社会的勢力並みの行動をしながら所属政党幹部に何ら責任を感じている風がないのは国会議員以前の人としての品格欠如としか言えはしない。

 あれだけ、相撲界やその他スポーツ界の事件では、暴力沙汰が連日マスコミを賑わしていたのに、国会議員が秘書への暴力事件で訴えられながら、それも参議院選挙が終わってからやっとテレビで報じられるようになり、その後の政治の話は、N国党やれいわ党の話に切り替えているテレビの報道番組。

 N国党では問題議員を仲間に入れたとか、みんなの党との統一会派だとか、当の暴力議員が自由民主党から追い出されたらと入党を誘っているとかで、党首は何を考えているのかとか。いやマスコミが騒ぐことで知名度を上げる戦術だとか。れいわ党は自民党発案の比例区特定枠を上手く使ったというけれど、元々特定枠などというのがおかしい。誰が候補者になろうが勝手だけれど、何党から出るにせよちゃんと自身の能力、責任で立候補しないと駄目だよね。障害者と言うと途端に誰も批判できなくなって、その意味では安倍一強と良い対かもしれないけれど、なぜ国会議員は代議士と言われるのか。諸般の事情で政治活動を出来ない人のために成り変わって政治を行う、公に尽くす人たちだからではないのか。

 暴力議員とは言って、まだ裁判で有罪になったわけでもない国会議員を非難し続けるのはどうかとの配慮もあるのかどうか。これほどレベルの低い議員を擁して与党だとか政権党だとかのさばって平気でいる連中の何と多い事か。

 今の時代、よっぽどのことがない限り暴力は否定されるのは常識であり、立場の強い者の弱い者への暴言や強制は「パラハラ」として糾弾される。秘書とのコミュニケーションもうまく取れず、暴力を振う議員など即刻罷免して当面公民権も没収すべきだ。そのような議員を公認していた政党もそれなりのペナルティを課す制度を設けるべきである。

 政党助成金や議員歳費はすべて国民の血税で賄われている。



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