中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

テレビ散歩第10回

2016年07月28日 | ブログ
7月からの新番組

 7月からの新番組は軒並み視聴率が低いそうな。いずれの番組も初回15%にさえ届かなかったようだ。出演者の顔ぶれや、予告編、新聞テレビ欄の紹介などをから、就活にいう謂わば書類選考で初回観る番組を選択し、一次面接ごとく数件観る。中で続けて観たいものだけ二次面接以降に進むという手順で、一週間で3~4の番組を継続して毎週観ることになる。

 今回、まだ2回目から3回目あたりだけれど、「好きな人がいること」、「はじめまして愛しています」、「営業部長吉良奈津子」そして「HOPE~期待ゼロの新入社員」が残った。

 「営業部長吉良奈津子」はまさに企業における女性活用の問題点をえぐる社会派番組のようだけれど、男性にだってあることで、企業の社員いじめのひとつのパターンではないか。それなりの大企業に勤めれば、定年までにはいろんな職場を異動し、転勤あり、出向そして転属なども珍しくもない昨今。そして新しい職場の人たちが、同じ会社の人間だからと親切にしてくれるとは限らない。

 「HOPE~期待ゼロの新入社員」では、一流と思える大きな商社に紛れ込んだ、囲碁棋士を目指して挫折した青年が主人公だけれど、初っ端に電話を取ったら外人からで、あわてて同僚の女子社員に替わって貰うところなんぞ、外資系企業に出向経験のある身には、他人事とは思えなかった。

 もっとも一流商社であれば、今時、いくら有力なコネがあったとしても、英語もできない高卒者をエリート達と採用試験で同列に競わせることなどなかろうけれど、そこがドラマの面白いところ。もっとも主人公はプロの棋士を目指していたくらいだから、記憶力とか秀でた資質を持ち合わせているという設定のようで、どのような展開になるのか楽しみにしている。

 「はじめまして愛しています」は、児童虐待を扱ったドラマであり、主人公夫妻の関係性と夫妻それぞれの家庭環境も問題ありで、観るのは少々しんどい。虐待されていた子供がどのように家庭生活に適応し、その資質を開花させてゆく展開になるのか。というより、問題児を通じて主人公夫妻の疎遠だった親兄弟との親交が復活するドラマのような気配もする。まさに“情けは他人のためならず”と言いたいドラマなのか。

 「好きな人がいること」の主役である桐谷美鈴さんは、以前NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で荒木村重の美人若妻役を演じたごとく、世界の美女100選で日本人ではトップの上位にランクされている美人女優とのこと。今回のコミカルな役も結構嵌っている。湘南の海辺のレストランという舞台もいいのではなかろうか。「世界で一番難しい恋」もそうだったけれど、ラブコメディーは深刻にならなくて観る側の楽なところがいい。老若男女を問わず矩(のり)をわきまえる必要はあるのだけれど、「好きな人がいること」は素敵なことだ。


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テレビ散歩第9回

2016年07月25日 | ブログ
テレビの顔

 たて続けに、テレビ創設時代からその絶頂期に掛けて、テレビの顔であった放送作家が亡くなった。永六輔さん、そして大橋巨泉さん。永さんは1933年4月の生まれで、享年83歳。巨泉さんは1934年3月の生まれだから享年82歳。ほぼ1年永さんが先輩だが、学年でいえばお二人は同期の桜となる。

 なぜかこの年代には芸能界で活躍された方が多い*2)。調べれば、どの年代にも同様に居るのかもしれないけれど、永さん巨泉さん世代は、まさに昭和を象徴するスターを輩出している。そして早世された方が多い。代表格は石原裕次郎さん、美空ひばりさん。裕次郎さんは1934年12月の生まれで、ひばりさんは1937年5月の生まれだから、両名より後輩であるが、お二人共52歳で亡くなりすでに30年近くなる。

 小学校高学年くらいの食べ盛りの時期に終戦を迎え、食糧難でひもじい思いをした世代は血管が脆く、早世するような話もあった。日本人の男性の平均年齢を超えた永さん巨泉さんは、中では長寿とも言える。

 それにしても、巨泉さんが亡くなったとのテレビ報道で、彼の生前の平和への想いを綿々と伝えていた局があったが、故人の政治利用ではなかったか。あの世の巨泉さんにとっては、すでに処世は必要なく、民進党も安倍政権も関係ない筈である。ご本人は苦笑しているのではなかろうか。

 11PMの司会やクイズダービーの巨泉さんは楽しく拝見させて貰ったけれど、その思想、イデオロギーについては伺い知るところではなかった。芸能人の革新政党と呼ばれる政党への支持は、中には確かに信念に基づく言動もあるかも知れないが、ほとんどはひとつの処世術のように映っている。

 戦前のわが国には、地主と呼ばれるような資産家があり、貴族と呼ばれる身分があった。そして、その地位は、ロシアや中国、キューバのような労働者階級による革命が起これば、消滅するばかりか命さえ危うい。

 戦後のわが国は、連合国の敗戦処理によって、財閥解体、農地解放、四民平等が成され、資産などなくても手八丁口八丁で巨万の富を手に入れることのできるテレビ時代が到来した。そして戦前を知る彼ら新興成功者にとって、恐いのは当世の政権ではなく、民衆の嫉妬である。なぜあいつらは豪邸に住み、海外にまで別荘を持てるのか。そのパワーを逸らすためには、反権力と名のつく革新政党支持が手っ取り早い。実体のない空虚な平和主義とその象徴としての平和憲法を守ることを声高に叫ぶことである。

 他国がこの国を侵略するなら、彼らは海外逃避が可能なのである。だから自衛隊も国防軍も必要がないのだ。それまではひたすら民衆の味方を演じていればいいのだ。

 巨泉さんや永さんのテレビ・ラジオ等を通じて民衆に与えた癒しの価値は高い。大いに評価して余りある。しかし、その政治的発言や平和論は、彼らの専門領域でもなく、ただ空虚でしかない。だから彼らが死してまで、その虚の部分を強調して利用するテレビ局のさもしさを腹立たしく感じるのである。




*2)ハナ肇さん1930年生、1993年没(享年63歳)、いかりや長介さん1931年生、2004年没(享年72歳)。勝新太郎さん1931年生、1997年没(享年65歳)。谷啓さん1932年生、2010年没(享年78歳)。青島幸男さん1932年生、2006年没(享年74歳)。藤田まことさん1933年生、2010年没(享年76歳)。池内淳子さん1933年生、2010年没(享年76歳)など。



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テレビ散歩第8回

2016年07月22日 | ブログ
大相撲中継

 丁度名古屋場所の最中で、稀勢の里の横綱昇進が懸かる場所ということもあって、会場の愛知県体育館は連日満員御礼が出ているが、NHKテレビの大相撲中継も1週間の視聴率ランキング20に毎日がほとんど入っている状況だ。

 11日目を終えて9勝2敗が4人の優勝争いは稀に見る低レベルの混戦であるが、稀勢の里が希望を繋いでいるのが救いである。残り4日間の星争いは熾烈である。

 テレビの出始めのころ、街頭テレビのプロレス中継に鈴なりの人だかりであったことはよく知られるが、当時の大相撲中継なども近くの理髪店の窓越しに見物客が群れを成していたものだった。

 一時期は民放も大相撲中継をやっていたし、中継を止めた後も、深夜にやっていた大相撲ダイジェストは結構人気があった。仕切りを省略する編集だから、見る側には楽でいい。しかし、ダイジェストどころか、最近は民放の夜のニュース番組で、プロ野球の模様や結果は流れるが、大相撲は流さないところも多いようである。

 大相撲のテレビ中継では、解説者の発言も魅力のひとつで、元横綱の北の富士さんなど相当人気が高いらしい。向上面にも元関取の現役親方が座って、時々アナンサーの問いかけに応えるが、正面解説が北の富士さんで、向上面が舞の海さんだったりすると、その掛け合いがまた面白い。掛け合いと言うより意見の相違が出るのだけれど、意見の違いをそのまま発言するのが、北の富士さんの魅力で、横綱まで上り詰めた人の強みでもあろう。

 時々は相撲愛好家の著名人をゲストに招くことがある。生の大相撲の迫力にゲストは大満足の感想は当然なのだけれど、元中日の山本昌投手は、観客の声援が秩序正しく行われることに感心されていた。流石に目の付けどころが良いと聞いていたこちらが感心した。相撲は神事だというけれど、プロ野球やプロレスやボクシングなど外国から入って来た興行用のスポーツと日本の大相撲の違いなのだろう。

 両国の国技館には一度しか行ったことはなく、スポーツ観戦といえば、皇居北の丸日本武道館で行われる柔道日本選手権くらいだけれど、こちらも近年行っていない。生とテレビの違いは、技の決まった瞬間をスロービデオでもう一度がテレビの生中継の最大の利点で、最近は会場にも大型モニターがあって、映し出すことをやっているかもしれないが、お茶の間観戦は楽で、解説付きで、貴族でも大名でもありはしないけれど、結構な身分と思うこの頃である。




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テレビ散歩第7回

2016年07月19日 | ブログ
世界!ニッポン行きたい人応援団

 こちらも「YOUは何しに日本へ?」と同じテレビ東京の番組。日本の文化などに強く惹かれ、日本人でもやり手の少ない芸事などに嵌っていながら、本場日本に来たこと事の無い海外の人を日本にご招待する。

 この番組の最初に見たのは、都内の地下鉄、東京メトロに嵌ったハンガリーの青年の話。ネットか何かで東京メトロの車内アナウンス嬢の声に魅了され、東京メトロのことを詳しく調べ上げ知ることになる。初めて日本に来たにも関わらず、東京の地下鉄の駅の構内を、スタッフに構うことなくすいすいと歩くのには驚いた。ここでは、銀座線が日本で一番古い地下鉄とのことを教えられた。

 競技カルタや相撲女子、そろばんおじさん、合気道の青年、タイ焼き女子に古民家女子、三味線や和太鼓好きもおられた。感心するのは、その道に日本人以上に堪能なこと。三味線の弦がどのようにできているのかなど、全く知らなかったことを教わることになる。タイ焼きにしても、一匹ずつ焼くのが「天然もの」で、まとめて焼ける焼器を使ったものは「養殖もの」ということなど、この番組で初めて知った。

 競技カルタの聖地は滋賀県にあり、合気道の聖地は茨城県にあった。そろばんの産地は島根県。そこでは子供たちのそろばん塾も他地区よりも盛んなようで、小学生が兆の位までの計算を最後の1円まで間違うことなく計算できる姿が映っていたが、このような番組でその技を知るのである。

 同じテレビ東京の「和風総本家」の特番で放送される「はじめての日本」もそうだけれど、一般の日本人の多くも知らないだろうという地方の伝統文化に、外国人を通じて驚かされることになる。

 それらをまた、一部の日本人はたとえ儲けは多くはなくとも、脈々と受け継ぎ職人技として残していることにも感動する。

 村上龍さんのカンブリア宮殿でも最近やっていたけれど、日本の地方では、地元の人には全く普通のことや日常の食文化が、実は都会の人や海外からの観光客には新鮮で素晴らしいものに映る。この国には宝が一杯詰まっているのだ。ブラタモリの「会津磐梯山は宝の山」だけでなく、全国いたるところに宝が眠っているようだ。

 『「ないものねだりの20世紀は終り、地域にすでに存在、または潜在する「宝」=「地域の資源、遺産、経験、記憶など」に光を当て、「あるもの探し」によって地域を見つめ直す時代。」』―「半農半Xという生き方」-塩見直紀著2006年(株)ソニーマガジンズ刊

 地方創生の先覚者は10年前に自書でそう訴えている。我々自身がそれらの価値をもう一度見直す必要があることを、この番組は伝えている。


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テレビ散歩第6回

2016年07月16日 | ブログ
選挙速報

 国会議員選挙が行われた夜には、各局特番を組んで選挙の開票速報を流すのが恒例である。しかしこの頃は、開票が始まった時点で大勢が決した報道がされるので、スリリングな展開は一部に留まる。各局独自の事前調査、投票所での出口調査などで、当選者はほぼ確定していることが多いようだ。この参議院選挙でも、選挙速報が始まった時点で自公与党の大勝が報じられていた。開票0の時点で当選確実を出していいのだろうかとも思うけれど、2,3のミスはあってもほとんど結果に間違いはない。

 民放ではどうしてもCMが入るので、その分趣向をこらした報道がされているようだけれど、今回もほとんど民放の開票速報は見ていない。当選確実が出た候補者の事務所からの中継、党本部の様子などが定番だけれど、もう少し斬り込んだ報道があってもいいようにも思った。

 例えば、比例区で各政党の上位当選者など、一般的にはほとんど知られていない人物であることが多い。ここらあたりの解説がもっとあっていい。今回自民党比例区でのトップの方は初当選。一般に全く知られていない人物がトップ当選できるのか。どうせどこかの圧力団体と化した組織の代表者であろうが、国会議員となって何をするか、国民の税金をわが組織へと奔走するに決まっており、ある意味タレント候補より性質が悪いようにさえ思う。民進党はどうせ労働団体の関係者。それも労働貴族の代表であり、けっして派遣やパート・アルバイトの代表ではあり得ない。どっちもどっちの「お主も悪よのう」でなければいいが。

 すでに当選が決まってから云々しても仕様がないけれど、氏と育ちと支援団体を明確にすることで、せめて次回の選挙からでも国民全体のことを考える人物を有権者が選べるシステムにテレビは尽力すべきだろう。とは言って、現状でもいろんな人が身銭を切って国家のためと立候補しても、所詮大きな組織の支援がなければ当選はおぼつかない。もっともその人物が本物かどうかなど国家レベルの選挙では選挙民には届きはしない。

 安倍内閣が進めた「安保法制」を暴走だ、独裁だ、憲法違反だとののしって、また改憲勢力を2/3にさせないためと野党共闘を一人区で実現させ、一定の成果が上がったようだけれど、共産党は従来全選挙区に候補者を立て、一定の得票を得ていたわけだから、効果があって当然だけれど、どちらが独裁政治を志向していることやら。反安倍政治で野党共闘し当選した無所属議員の今後の所属政党をどうするかで一部すでに揉めているらしい。

 現在の国際情勢を日頃からテレビが正確に伝えていないから、現行憲法を読んだこともないと思われる連中が護憲を叫び、自衛隊の予算を「人殺し予算だ」などという国会議員が生まれるのである。

 何が言いたいのか。選挙速報は政党別の当選者「数」だけを問題にするけれど、「質」はどうなっているのかの考察がない。「数」×「質」が本当はその政党の実力である。単なる「数」だけの民主主義は、国家を危うくする。
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テレビ散歩第5回

2016年07月13日 | ブログ
YOUは何しに日本へ?

 『空港などに居合わせた外国人(永住・帰化した人物なども含む)に「YOUは何しに日本へ?(Why did you come to Japan?)」と問いかけその返答の様子や、気になる返答をした人に密着取材を依頼し来日した目的を果たす様子を放送する。』byウキペディア

 2013年1月からレギラー番組になっているというけれど、見始めたのは最近と思うのだけれど、結構長く続けて見ているような気もする。好きな番組のひとつで、最近は見逃し防止のためもあり、事前に録画予約している。

 司会のバナナマン(日村勇紀さん、設楽統さん)またナレーターのボビー・オロゴンさんの声も適役で好感が持てる良い番組である。

 最近はわが国への外国人旅行客が急激に増加している。ひとつは西洋から見ての極東と呼ばれる地域(東アジア)の国家が豊かになり、国民に他国へ観光に出かける余裕ができたこと。まずは近くの日本へとなる。東京オリンピック招致を通じた「日本」の認知度アップ。その前にアニメやコンピュータゲームが、世界の若者の心を捉えていたこと。健康志向の食文化に和食がぴったりで、加えて最近はラーメンなども大いに人気を集めていること。本場の寿司やラーメンを食べてみたいというYOUも当然に多くなる。歴史ある文化遺産も魅力で、京都は世界一の観光都市となっているらしい。

 それにしても、遠く海外からはるばる、日本の若手男性映画俳優や宝塚の大ファンという若い娘さんが現れたり、東海道を浮世絵に魅せられて歩くご婦人が居たりと、その情熱にまず驚かされる。

 先日の放送では、ノルウェーからの男性4人組が「ニセコ!」と連呼しながら、関空から北海道までレンタカーで旅し、途中には雪の河川や沼に裸で飛び込む姿は、まさに肉食狩猟民族の面目躍如で、大和民族の精神論では太刀打ちできない体力を披露していた。「ニセコ」に到着後に見せた彼らのスキーの腕前も相当なもの。まさに世界は広い。

 イノベーションは新結合であり、固定観念に囚われた官僚的社会では起こり難い。その点、日本人とは生まれも育ちも全く異なる外国人の発想は、まさに新結合を誘発する可能性を秘めている。昔からこの国の成功者の多くは、若い時に海外に雄飛した経験を持つ者が多い。異文化の中で、知らず知らずの間に体内に取り込んだこの国にはない「発想」が、この国の緻密な深化した「知」と融合した時、その生き方に新しい行動を起こすきっかけが生まれていたのだと思う。

 すべての日本人が、海外での生活体験をすることはできないけれど、テレビに登場する異国のYOU達の異なる視点や発想をいい形でこの国に取り込むことが出来れば、まだまだこの国にも発展のしろが残されている。

 この番組は単なるバラエティやお笑い番組ではないようだ。



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テレビ散歩第4回

2016年07月10日 | ブログ
世界一難しい恋

 世界一というほど難しくもなかったと思うけれど、このドラマは面白かった。コメディの面目躍如である。夜10時からのドラマにしては視聴率も高かったようで、NHKの朝ドラでブレイクした波留さんは民放ドラマでも適役を得て飛翔した。

 昔、堀北真希さんがNHK朝ドラの「梅ちゃん先生」の主役を務めていた折、共演の高橋克実さんが彼女の演技を評して、非常に自然で見習いたいというように言っていたけれど、今回の波留さんも自然体の演技が好印象だった。

 それにしても、歌謡界のアイドルグループの面々は凄い。木村さんをはじめとするSMAPのメンバーなど相当昔から映画やテレビドラマでも大活躍だけれど、「世界一難しい恋」の主役を演じた大野智さんもアイドルグループ「嵐」のリーダーとのこと。櫻井翔さんの「なぞ解きはディナーの後で」の北川景子さんとのコンビは絶妙で、毎回楽しく見せて貰っていたし、二宮和也さんは最近映画で日本アカデミー賞を取り、テレビの「坊っちゃん」の主役も務めていたので、知っていたが、大野さんはほとんどその存在を知らなかった。毎回紅白は最初から最後まで観ており、「嵐」はその白組司会をやっていたにも関わらずである。

 演技に素人ゆえなのか、恋に奥手の役柄を忠実に演じているものか分からない演技が自然で良かったのか。いずれにしても、やり手の若社長と恋が苦手の男性の心象をよく使い分け表現していたように思う。

 今話題の、小池氏ではない小池栄子さんの母親的な秘書ぶりも見事だった。お抱え運転手役の杉本哲太さんも頑張っていた。ライバル社長役の北村一輝さんもしかり。脇役陣が嵌っていると主役が輝く。脚本、配役ともに良いドラマだった。横浜が舞台であるのも内容にマッチして新鮮だった。

 会社ではかなりのワンマン社長を周囲の社員が畏怖しながらも尊敬し、支える姿もほほえましく描かれ、社内での社員間の変な嫉妬や足の引っ張り合いのような要素がほとんどない脚本・演出も、見る側に安心感を与え、高視聴率につながったものであろう。

 またドラマの終盤で、同棲を始めた二人が言いたいことを言えず何となくぎくしゃくしている時に、波留さん演じる柴山美咲が、零冶に言いたいことを言わせ、その流儀に合わせるところは、若いカップルにも良い示唆になったのではないか。

 コメディはいい!
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テレビ散歩第3回

2016年07月07日 | ブログ
視聴率

 視聴率が取れない嘆き節がよく聞かれるけれど、単にテレビと言って、今どのくらいチャンネルがあるのか数知れない。これにインターネット動画などもある。余暇の過ごし方の代替品は、昔ながらの読書に始まり、海外旅行まで幅広くなっている。そんな現代、テレビ番組の視聴率は10%もあれば十分と思われるけれど、これも相対的なもので、20%を超える番組があれば、相対的に低いと言うことになり、出演の俳優さんや脚本、演出、プロジューサーなど、評価を下げる結果になる場合もあろう。

 今年の4月から6月のドラマで、月曜9時のゴールデンタイムに放送された福山雅治さんの「ラブソング」は平均視聴率が10%に達しなかったとかで、フジテレビなど関係者は見込みが外れがっかりしたような話もあるけれど、藤原さくらさんのこのドラマの主題歌である「好きよ好きよ好きよ」は、ネット視聴で200万回を超えるアクセスがある。ネットでの評判がテレビ視聴率に連動しないという話も聞くけれど、時代である。

 このドラマは、筋書きが分かり難くかったし、ミスキャストが見られたことで、折角の福山さんや藤原さんの良さが消されたところがあったように思う。宇崎さん(マスター役)や木下さん(さくらの勤める工場のボス)は脇でいい味を出していたのに残念。脚本とそれに伴うキャスティングは重要である。

 その前の1月期の同じ月9フジのドラマだった「いつかこの恋を思いだしてきっと泣いてしまう」も視聴率は10%前後と低迷したが、コンフィデンスアワード・ドラマ賞*1)では作品賞などを受賞している。このドラマは毎回楽しみに観た。実態は知らないが、介護施設従業員の過酷な現場の状況なども織り込まれており、恋だけでなく社会性もある良いドラマだった。八千草薫さんが演じた若者に自宅を開放する一人住まいの老婦人が、このドラマを内容の暗さから救っていた。

 要するに、現代においては視聴率でドラマの評価は定まらないということ。録画しておいて後でゆっくりという方も多いことで、それはそれで、CM提供会社にとってはやはり視聴率ではないのだろうけれど。

 タモリさんの「ブラタモリ」(NHK)が好調である。鶴瓶師匠の「家族に乾杯」と共に視聴率週刊ランキング(読売新聞)に毎回名を連ねている。そこでは「ブラタモリ」が優勢のようだけれど、長寿(1995年8月~)の意味からは「家族に乾杯」(NHK)が偉大である。芸達者の両雄の火花なき競い合いも、内容の充実にまたいいのではなかろうか。いずれも非常に良質な番組である。



*1) オリコンのグループ会社で、出版事業を手がけるオリコン・エンタテインメントが発行する週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が主催する日本のテレビドラマに関する賞。2015年7月スタートのドラマ対象として開始され、シーズン毎に審査が行われるため、年4回開催される。(Byウィキペディア)
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テレビ散歩第2回

2016年07月04日 | ブログ
ワイドショー

 今年の5月から6月前半のテレビのワイドショーは、舛添前東京都知事の問題で明け暮れた。辞任となってから、彼の東京都知事としての功罪のうち、今回罪の部分のみ語られたけれど、功の部分もある筈で、マスコミは両方報道して、辞めさせるべきかの判断材料を平等に都民に与えるべきであった。また、このようにマスコミが盛り上げることで、物事を一方的に断じるやり方は風潮として怖い。というような意見も一部評論家や著名人のコメントとして出ていたようだ。

 しかし、結論として、今回のマスコミの舛添氏への追及、そして辞任まで追い込んだことは成功であり、正しいことであったと思う。何が正しいかは神のみぞ知ることで、あなたの意見などどうでもいいとも言われそうだけれど、やっぱり政治家は選挙民からの信任があってこそ、その職にあるべきで、多少の功があったとしても、致命的な罪を償うことは出来ない。

 どうしてテレビに出てくるのか訳のわからない女性評論家が、「私たちは功の部分も評価して、能力のある人をうまく使うことが必要だ」などと嘯いていたけれど、ほとんど見当違いの論理だ。公のお金と個人のお金を判別できない人間がトップに居るなど、都民は耐えられないと考えるのが真っ当だ。まさに「信なくば立たず」( 「無信不立」)である。

 今回はマスコミというか週刊誌とテレビのパワーが都政を刷新するきっかけをつくり、マスコミの功罪の「功」を示したが、元はと言えば、テレビが前東京都知事を作り出したとも言え、マッチポンプであることに変わりはしない。もっともマスコミに登場してくる学者などの正体は、権力を与えて見なければ分からないところもあり、その過ち、上がった火の手を比較的早めに消し止めたとみるべきかも知れない。

 参院選の最中に都知事選がスタートすることで、都知事候補の品定めにまたワイドショーは大きな活躍の場を与えられた。当初、民進党は当選できる候補者として著名な女性議員を推す声を挙げた。民進党議員の世間知らずが露見したような現象と思っていたが、ワイドショーはこれを受けて、早速、民主党政権時代の事業仕訳で活躍した当議員のスパコン開発の演算速度について、「世界一でないといけないのですか、2位では駄目なのでしょうか」の映像を繰り返した。「世界一の東京を目指します」と言っていた舛添氏へのアンチテーゼとして面白いかもしれないが、リオ、東京の両オリンピックを控え、金メダルを目指している選手たちに水を差すようで、これを都知事選のさなか再々使われたらアウトとご本人も、議員の職を失くすだけと了解したようで、こちらもワイドショーの勝利に終わった。

 それにしても著名人の薬物使用の話がワイドショーで途切れないことに、この国の見えざる陰りの一端を視る気がする。海から空から相当の麻薬がこの国にも持ち込まれているようで、消費者があればこそ持ち込まれるわけで、あぶく銭の漂う所こそ、高価な薬物も需要があるものだろう。ニュースキャスターなどが、物知り顔で、格差が広がっているなどと言うけれど、テレビ出演は時給にしてどの程度になるものか示したことはない。派遣だ、アルバイトだの人々は地方ではまだ700円程度(最低賃金)で働いている。

 ワイドショーは現在、参院選、都知事選、そして英国のEU離脱、新たにバングラデシュでのテロも加わり、手一杯であろうが、東シナ海で起こっている中国軍の行動をもっともっと放映すべきだ。中国漁船が海上保安庁の艦船に体当たりした映像など、保安庁艦艇の乗組員が違法ながらユーチューブに流して初めてその実態を国民は知ることになる。

 安保法制反対、平和憲法維持とほとんど信仰のように唱えている連中の目を覚ます必要があるのではないのか。決死のスクランブル発進の戦闘機や海上保安庁の艦船に乗船して取材するジャーナリストやプロの報道カメラマンはこの国には居ないのだろうか。


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テレビ散歩第1回

2016年07月01日 | ブログ
トットテレビ

 映画やテレビドラマには嵌り役というのがある。渥美清さんのフーテンの寅、西田敏行さんの釣りバカ。ここではスーさんこと三国連太郎さんも外せない。相棒杉下警部の水谷豊さん、だいぶ前になるけれど必殺シリーズの藤田まことさん。もっと古いと座頭市の勝新太郎さんなどなど。ただ、これらは全く架空の人物で、脚本、監督さんや俳優さんで勝手に作り込める。その点例えば、これも嵌り役の典型なのだけれど、裸の大将こと山下清さんを演じられた芦屋雁之助さんなど、当時は山下画伯ご本人を知っておられる視聴者も多く居ただろうから、どうしても実在人物のイメージが優先される難しさが加わったのではないか。

 この4月末から6月までの土曜日に放送されたNHKの「トットテレビ」は実在も実在、現役マルチタレントの黒柳徹子氏の物語で、本人さえ共演していた。この番組で若かりし日の黒柳徹子を演じたのが満島ひかりさん。この人の演技には脱帽した。私が女優さんの演技力を称えたところで、何の価値にもならないけれど、本当に徹子氏の声、表情、チョットした仕種まで非常によく研究されて表現されているのには感心した。今後黒柳徹子を演じて満島ひかりの右に出る女優さんは出ないのではないか。

 トットテレビでは、初期のNHKドラマの「若い季節」やバラエティーの「夢であいましょう」などの再現シーンがあったけれど、われわれ団塊世代より年輩の世代には懐かしい思い出の番組であろう。渥美清さんを演じた中村獅童さんなども流石であったし、向田邦子さんを演じたミムラさんも雰囲気があった。それにしても黒柳さんと向田さんや渥美さんとの交流が非常に深かったことなど、全く知らなかった。類は友を呼ぶとは言うけれど、秀でた人同士惹かれあうのも当然と言えばそうであろう。

 「夢であいましょう」で、坂本九さんが初めて「上を向いて歩こう」を歌った時のことは今でもはっきりと覚えている。絶対大ヒットすると思わせた1曲であった。

 渥美さんはその後「男はつらいよ」で大ブレークし、国民的スターとなった。中村八大、永六輔コンビは「こんにちは赤ちゃん」など、大ヒットを連発した。わが国は高度経済成長の坂の上の雲を目指して駆け昇っていった。



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