不祥事
国内で東芝の粉飾決算が大きなニュースとなったと思えば、今度はドイツの名門フォルクスワーゲン(VW)社の排気ガスデータ改ざんが大問題となっている。中国天津の倉庫の火災大爆発事故だって、倉庫会社の不正があってのこと。あれだけCSR(企業の社会的責任)だ法令順守だと日常的に叫ばれていながら後を絶たない企業の不祥事。
東芝は福島原発事故によって打撃を受けた原子力事業の損失隠しという噂があり、VWではクリーンエンジンと銘打ったディーゼルエンジンの能力不足を隠して売ろうとしたこと。すなわち誇り高き名門の技術力の欠如を認めたくもなかったために起こったものか。天津の倉庫会社は、行政担当者との癒着で法律を歪めて運用していたようだ。三者三様に不祥事にもそれぞれのお国の事情や文化を反映しているところがあってもの哀しい。
中小企業においては、規模が小さいだけに1社の不祥事がこのような世界的な大ニュースには成り難いけれど、建築事務所の強度設計の改ざんや食品への農薬混入、ユッケによる食中毒など、一般の人々の安全や健康に直接影響を与える事例では、過去に数々の不祥事が世間を驚かせ憤らせてきた。
それぞれの業界で、管理監督するための法律や監査機関がある筈であるが、企業の全てを隅から隅まで把握できるわけではない。また、監査する側と監査される側の力関係もあったりする。
ISO9000がわが国に入って来た1990年代前半頃の審査員は厳しかった。審査される側の社員の目の前で、審査員が課長や係長をこっぴどく遣り込めるなど当たり前だった。ところが、ISO9000の取得企業も一巡し、審査会社があふれるようになると、厳しい指摘は行わなくなる。ISO9000の意義が消滅してゆく。
公認会計士など上場企業への会計監査が仕事などだから、この度の東芝のような粉飾決算が見つかれば、直ちに適切な処置を執って是正させなければならない筈である。ただ、あまりに厳しく監査を行うと、次には監査法人を変えられる恐れもあり、ISO9000同様監査側が目こぼしするケースも出てきているらしい。そのほころびが大きくなって、繕えなくなって発覚するから影響が多岐に及ぶ。以前、カネボウの粉飾を知りながら摘発しなかった監査法人は消滅した。不祥事を監督すべき企業が不祥事を起こした。
このように企業の不祥事は企業の存立基盤を根底から揺るがし、倒産につながることさえある。目先の利益を得たい為、確信犯的不祥事が続くのだけれど、「天知る地知るわれ知る」、「天網恢恢疎にして漏らさず」で不正は遠からず暴露されるものだ。経営者は自身の潔白は勿論、幹部はじめ従業員が不正に手を染めにくい社内制度を構築すると共に、機会ある毎に社内に注意喚起する必要がある。
国内で東芝の粉飾決算が大きなニュースとなったと思えば、今度はドイツの名門フォルクスワーゲン(VW)社の排気ガスデータ改ざんが大問題となっている。中国天津の倉庫の火災大爆発事故だって、倉庫会社の不正があってのこと。あれだけCSR(企業の社会的責任)だ法令順守だと日常的に叫ばれていながら後を絶たない企業の不祥事。
東芝は福島原発事故によって打撃を受けた原子力事業の損失隠しという噂があり、VWではクリーンエンジンと銘打ったディーゼルエンジンの能力不足を隠して売ろうとしたこと。すなわち誇り高き名門の技術力の欠如を認めたくもなかったために起こったものか。天津の倉庫会社は、行政担当者との癒着で法律を歪めて運用していたようだ。三者三様に不祥事にもそれぞれのお国の事情や文化を反映しているところがあってもの哀しい。
中小企業においては、規模が小さいだけに1社の不祥事がこのような世界的な大ニュースには成り難いけれど、建築事務所の強度設計の改ざんや食品への農薬混入、ユッケによる食中毒など、一般の人々の安全や健康に直接影響を与える事例では、過去に数々の不祥事が世間を驚かせ憤らせてきた。
それぞれの業界で、管理監督するための法律や監査機関がある筈であるが、企業の全てを隅から隅まで把握できるわけではない。また、監査する側と監査される側の力関係もあったりする。
ISO9000がわが国に入って来た1990年代前半頃の審査員は厳しかった。審査される側の社員の目の前で、審査員が課長や係長をこっぴどく遣り込めるなど当たり前だった。ところが、ISO9000の取得企業も一巡し、審査会社があふれるようになると、厳しい指摘は行わなくなる。ISO9000の意義が消滅してゆく。
公認会計士など上場企業への会計監査が仕事などだから、この度の東芝のような粉飾決算が見つかれば、直ちに適切な処置を執って是正させなければならない筈である。ただ、あまりに厳しく監査を行うと、次には監査法人を変えられる恐れもあり、ISO9000同様監査側が目こぼしするケースも出てきているらしい。そのほころびが大きくなって、繕えなくなって発覚するから影響が多岐に及ぶ。以前、カネボウの粉飾を知りながら摘発しなかった監査法人は消滅した。不祥事を監督すべき企業が不祥事を起こした。
このように企業の不祥事は企業の存立基盤を根底から揺るがし、倒産につながることさえある。目先の利益を得たい為、確信犯的不祥事が続くのだけれど、「天知る地知るわれ知る」、「天網恢恢疎にして漏らさず」で不正は遠からず暴露されるものだ。経営者は自身の潔白は勿論、幹部はじめ従業員が不正に手を染めにくい社内制度を構築すると共に、機会ある毎に社内に注意喚起する必要がある。