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中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

最近の話題から 第20回

2017年07月29日 | ブログ
同士討ち

 新聞を見て面白いのは、紙面そのものより、週刊誌や雑誌広告の見出しのことがある。週刊誌など買って読むほどの価値がある場合は少ないのだが、世の中の側面を知らしめてくれるものではあろう。世の中は綺麗ごとだけでは成り立っていない。個人それぞれの人の心にも仏あり、鬼や蛇が住み煩悩だらけであれば、良いことも悪いことも誰かがやって見せるもののようだ。

 国会では閉会中審議として加計学園問題を延々とやっていたようだが、言った言わないはどこまで行っても平行線で、確たる証拠がなければ誰にも軍配は上げられない。この問題で、加計学園から安倍首相や関係大臣、補佐官などに金品が渡った事実があれば疑獄となるが、それはなく、もっぱら関係者の忖度の在り無しであるから、野党側の必死の印象操作で国会審議の時間を浪費している印象が強い。しかし、野党の戦略が功を奏して、安倍首相の支持率の急速な低下につながったとされる。

 安倍首相の支持率低下は、森友・加計問題は確かにきっかけとはなったであろうが、主因ではない。変な憲法改正案と中国への一帯一路協力発言が大きいと思っている。安倍支持の岩盤勢力を崩壊させた。しかし、そのことを誰も言わない。

 森友学園問題は、財務省が関わっていることで、本来安倍首相には直接の責はないのだが、夫人の関与が取りざたされた。黒幕は財務大臣の麻生副総理との説が流れたことがあった。ポスト安倍の有力候補の一人であるからであろう。そして今回の加計問題は、ある雑誌広告の見出しによれば、石破さんが主犯だそうな。その雑誌は、保守派論客からの主義主張の発信の場であった筈だが、同士であるべき保守政治家の重鎮石破氏へ批判を向ける醜い筋立てをした。安倍親衛隊の狼狽ぶりが際立つ。

 保守派の論客と言えば櫻井よしこ氏の名前が浮かぶが、その雑誌の今月号の広告見出しに見る限りその名がない。

 櫻井よしこ氏は、以前その雑誌に安倍首相の四方八方に媚びた変な憲法改正案に複雑な想いを隠せないまま擁護する発言をしていた。同じ誌に、元産経新聞の記者でジャーナリストの山際澄夫氏は、明らかな疑問を呈し、ある軍事評論家の方は明確にそれでは「改悪だ!」としていた。櫻井氏の擁護論は、従来の彼女の主張からすれば非常に無理のあるものに思えた。自身の発言のほとぼりを覚ましている時期かと思う。

 山際氏の影響があるのかどうか、最近の産経新聞の世論調査「首相に相応しい人」で石破氏が安倍首相を抜いて一位になっていた。安倍親衛隊としては、これは大変な事態と石破潰しにかかったのではないか。同じ保守派内で何という惨めな同士討ちをやるものかと情けない。

 党内媚中派・親中派は、経済優先で、この国を任せられるには安倍首相しかなく、あくまで支えるとしているが、これは中国の一帯一路に協力するという安倍首相の言質が取れたことがある。国の交戦権は認めないという憲法も温存するとしたことも、中国にさえ配慮して、ここらあたりは公明党も加担している。

 先にも書いたが、自由民主党の党是は憲法改正であり、それは9条2項の改正であり、前文の書き換えではなかったか。党是すなわち企業ならば「企業理念」にあたる。経営者が理念を無視した時、放棄した時、いかな大企業も崩壊することは、幾多の事例が証明している。

 「加計問題は石破が悪い!?」などという見出しが右寄りの雑誌に出てくること自体、本来無理な野党の言いがかりを保守系の論者が認めたようなものである。彼らは石破氏を自由民主党から放逐してまで安倍政権を継続したいのか。しかしそれは、この国を再び民主党政権時代のような国家の理念を捨て、国家を存亡の危機に陥れさせかねない暴挙ではないか。


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最近の話題から 第19回

2017年07月26日 | ブログ
慰安婦問題日韓合意

 2015年(平成27年)12月28日、日韓外相会談後に行われた共同記者発表で、両外相は、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認すると表明。岸田外相は「当時の軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」と強調した。そして、韓国政府が元慰安婦支援のため設立する財団に日本政府が10億円拠出し、両国が協力していくことを確認し、今後日韓両政府は国連など国際社会の場で、慰安婦問題を巡って非難し合うのを控えることも申し合わせたという。この合意は、日韓で公式な文書を交わすことは行わず、日韓の両外務大臣が共同記者会見を開いて発表するという形式で行った。

 当初国内では、比較的好意的に受け止められたこの合意に、最近は不信感が高まっているとの世論調査結果があった。

 元々この合意には、大きな問題と矛盾があった。まず、わが国が慰安婦問題に当時の軍の関与を認めていること。勿論高給優遇の上採用したというのだが、関与であることに違いはない。しかし、関与と聞けば「強制連行」も連想させるところから、韓国国民を納得させ、国内的には強制連行を認めているわけではないと釈明できると踏んだ。

 岸田外務大臣は、この合意によって韓国の日本大使館前の慰安婦像は撤去されると公言していたが、韓国側は「可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する」と述べたに留めており、事実慰安婦像の撤去は全く進んでいない。結局、「不可逆的」にも「最終的」どころか一歩も前進さえしていない。韓国の思うつぼであった。すなわちこの合意は日本政府の明らかな外交上の失敗であり、外務大臣の失政、責任は重い。

 この合意に至る経緯については、米国からの圧力もあったものと思うが、このような大臣の失政について、国会でもマスコミからも何の責任追及もないことも問題である。言葉尻を捉えた失言では大臣の首が飛ぶのにである。安倍首相にも大きな責任がある。お金のことは責任の一部だ。1965年に両国で締結された「日韓基本条約」に例外を勝手に認めた罪が重い。

 この合意が成された時、私など、またまた韓国にお金を取られただけに終わるだろうと、思ったものだがその通りになった。「盗人に追い銭」とはこのことだ。素人でも分かることが、なぜ総理大臣や外務大臣に分からないのかがわからない。政治家は兎角、国内外に現金をばら撒いていい顔をする。必要なことにお金を使うことは当然である。問題は間違った時にはきちんと責任をとる必要がある。現在の首相であろうが外務大臣であろうが、先に締結済みの条約を勝手に反故にはできない筈だ。韓国が何を言おうが新たに補償を行う必要などなかったのだ。

 不思議なのは、大臣の悪気のない失言には頭から湯気を立てるほどに怒り狂う野党連中が、このような問題では一向に政府の不作為を責めないことだ。どうも共産、民進、自由党などは中韓びいきで、朝日新聞に代表されるようなマスコミもそうだけれど、元々この国を彼らに売り渡してもいいと思っている連中らしい。中韓に有利になるなら政府に落ち度があっても構わない。すなわち現在の多くの野党連中は、この国には不要というより、明らかに害を成す人々であることの証左ではないか。

 岸田外務大臣など、ポスト安倍に意欲満々とみる。安倍さんのタカ派的イメージ(現在は鳩?)から、政権のイメージチェンジにもなり、周囲の印象からも受け入れやすいと踏んでいるのだろうけれど、韓国相手にこの体たらくで総理になって貰っては国民が困る。まずは、しっかりとこの件の落とし前をつけてからにして欲しいものだ。



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最近の話題から 第18回

2017年07月22日 | ブログ
人権問題

 『中国の民主化運動の象徴的存在で、服役中にノーベル平和賞を受賞した人権活動家の劉暁波(リウシヤオポー)氏が7月13日、入院先の遼寧省・瀋陽の病院で死去した。61歳だった。入院先の遼寧省瀋陽市中国医科大学付属第一病院と遼寧省監獄管理局によると、劉氏は今年5月末、服役していた刑務所で腹部に異常が見つかり、精密検査の結果、肝臓がんと判明。6月に同病院に入院した。がんは末期で手術できず、病状は悪化。13日午後5時35分に死去した。劉氏はドイツかアメリカでの治療を望んでいたが、中国当局が認めず、希望はかなわなかった。』by HUFFPOST

 中国政府(習近平政権)は劉氏の死去から「初7日」となった19日、劉氏の友人らの外出を禁じるなど、政権に対する抗議運動の拡大を恐れ、封じ込めを進めた。中国外務省の報道官は劉暁波氏の追悼の動きについて「声が上がっている国は国連加盟の193か国の10分の1にも達していない」と強調したという。経済大国の前に人権問題はヨーロッパ各国さえ封印しているようだ。

 この時期、能天気の日本の国会では、閉会中に総理を呼び出して加計問題審議の予定だと。この問題、共産党と民進党が釈迦力になって取り組んでいるけれど、その結果民進党の支持率は下がるばかり。確かにこの問題では、国民の総理側への不信感はあるものの、じゃあ民進党が正義だとは誰も思っていない。民進党は獣医師増加については加計学園などと共闘していた過去があることなど皆知っているのだ。

 蓮舫民進党代表の二重国籍問題では、ようやく蓮舫氏が台湾籍を離脱し、日本国籍の選択を宣言したことを証明する台湾当局の証書や日本の戸籍謄本などを公表したそうだ。この問題を『民進党の有田議員は14日、言論ニュースサイト「リテラ」に緊急寄稿。・・・「蓮舫代表に個人情報の開示を求めるのは、出自による差別を禁止している憲法第14条や人種差別撤廃条約の趣旨に反する差別そのものである」と指摘。さらに昭和50年に起きた「地名総鑑事件」を引き合いに、「(この)教訓から、企業が採用選考のとき、応募者に戸籍の提出や本籍地の確認を求めることが禁止されるようになった。蓮舫代表に戸籍の開示を求めることは、こうした人権擁護の歴史に真っ向から反するものだ」として、蓮舫氏に戸籍の開示を求めることと、差別を同質のものと指摘した。』そうな。

 これに橋下元大阪府知事が噛みついた。自分(橋下)の出自問題が週刊朝日に掲載された平成24年10月、有田氏が「これは面白い」とツイートし、橋下氏が猛反撃した際、「よく分からん言い訳」をしたと指摘。一方で蓮舫氏の戸籍開示について、人権を盾に開示を許すな、と主張したことを「典型的なダブルスタンダード」であるとし、「有田芳生の人権派面は偽物だ!」。

 まあ、橋下さんが怒らなくとも、所詮民進党の連中は皆さんその程度のものだと思う。蓮舫氏を代表にするしかなかった時点で終わっていた党なのである。

 人権問題といえば、20日の新聞に、『イスラム教の教義に厳格なサウジアラビアで、若い女性がミニスカートで歩く映像がインターネット上に投稿され、警察当局が18日この女性を逮捕した。』という囲み記事があった。他国の宗教問題に口を挿むことはご法度であるが、日本に生まれて本当に良かったと思う。人権問題に誰でも声をあげることができて、宗教上の縛りが全く無いありがたみをつくづく思う。



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最近の話題から 第17回

2017年07月19日 | ブログ
酷暑

 南で、北で連日の豪雨のニュースを聞きながら、空梅雨気味の南関東では連日真夏の太陽に晒されている。もっとも昨日は、一部都内や神奈川ではスコールがあったようだが。今年は、北海道で列島一番の暑さを記録した日があったりで、全国どこでもこの時期、暑いことに違いはない。

 企業での定年前の数年間は、物流関係の仕事をしていた関係上、充填場となる工場倉庫の暑さ対策で、6月ごろには熱中症に関する自前セミナーを開いたり、計画的に予算化してスポットクーラーを買い揃えたりしたことを思い出す。今も連日猛暑と戦いながら働いている方々を目にすると大変だなと心配にもなる。

 転勤で千葉県内房に来た30数年前は、山口県の瀬戸内海沿いの町よりは、夕方にも風があるだけ涼しく過ごしやすいと思ったものだけれど、20年くらい前からではないか、この地も猛暑ではなく酷暑と言われるようになった。練馬や埼玉、群馬よりは千葉はマシ(やや涼し)とは思うけれど、市内の観測地点が全国有数の最高気温にラインナップされるのも珍しくなくなっていたのだ。

 市街地における暑さへの人工的な加担は、オフィスの冷房機からの放熱、舗装道路の照り返し、さらに車のエンジン熱と排気ガスが三大要因と思うのだけれど、クーラーの省エネ技術、車の低燃費化によって、微妙ではあるが改善があるように感じる。今年は何となくそれほどの酷暑とは思わない。慣れもある。勿論暑さの本番はこれからではある。

 世界的にみれば僅かこの半世紀で20億人以上人口が増え、開発途上国を加えエネルギー消費量、温暖化効果ガスの放出は格段に増えており、少々の省エネ対策では、この温暖化傾向を食い止めることなどできはしない。

 3年後のこの季節、東京でオリンピックがある。いろいろ暑さ対策は考えているだろうから、部外者がとやかく言うこともないのだろうけれど、選手、役員、応援者そして警備関係者のみなさんの期間中の無事を今から祈るばかりだ。

 先の東京オリンピックは、「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます。」開会式の実況中継でNHKアナンサーが残した名セリフが印象深い。53年前の10月10日であった。

 小池ファーストで、都議会議員の総入れ替えには成功したけれど、ひよっこ議員ばかりで本当に大丈夫だろうか。最終的に結果責任は選挙で選んだ都民に降りかかる。猪瀬知事の東京オリンピック招致成功までは、政府も自民党政権に復帰しており、「お・も・て・な・し」が流行語となるなど、2020年東京オリンピックの成功に疑いはなかった。

 しかし、猪瀬知事の失脚に自由民主党が間違えた。今回の都議会選挙の大敗の遠因でもある。苦しい時期の自民党を見捨てて新党を立ち上げて離党した人物を候補に上げた。防衛大臣の失言も女性議員のパラハラも、辿ればその場しのぎの政府自民党の上層部の定まらなくなった理念の揺らぎにあると言える。老舗の大企業だって理念を忘れた経営者によって崩壊する。

 少々の夏の暑さそのものは乗り切ることができる。しかし、国民一人一人の忍耐では、外交で国益を損なわぬことも、オリンピックへの諸施策を立案・実施することもできない。指導者層、すなわち政府、そして東京の政治家諸兄、官僚諸君がこの難局、酷暑を乗り切って貰わねばならない。


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最近の話題から 第16回

2017年07月16日 | ブログ
一強の罠

 国会やマスコミは依然として加計問題で騒がしい。加えるとするなら、豪雨あり北朝鮮のミサイルの話程度。マスコミが国会の姿を論じるのではなく、最近の国会はマスコミの興味を議論する場に堕している。もっとこの国の根幹を揺るがす問題がごろごろしているではないのか。与野党を問わず国会議員の品質低下は底なしである。

 中国は南シナ海だけでは飽き足らず、中東の方にも軍事基地を作っているらしい。その中国の膨張主義の「一帯一路」構想に安倍首相は協力すると習近平にも直に言った。加計の問題などどうでもいいけれど、こちらの方が、この国の存続を揺るがせかねない大問題なのだけれど、テレビでもあまり報道されないし、国会で野党が安倍首相の協力の趣旨について説明を求めているようでもない。

 この路線を進めると、中国の主導するAIIBへの参加も現実味を帯びる。一説には北朝鮮のリスクに備えるために中国のご機嫌を取る作戦のような論評もあるが、北朝鮮が戦争をしている(現在は停戦状態)のは韓国であり、在韓米軍である。わが国が北朝鮮の矢面に立って中国に北朝鮮への制裁協力などを行う必要など全くない。仮にわが国がAIIBまでに参加協力したとしても、中国がわが国の言うことなど一切聞くことはないであろう。尖閣を核心的利益であると嘯き、当面の第2列島線までの太平洋への進出構想は止むことなどない。

 中国を抑えることができるのは米国でしかなく、その米国も自国内企業の圧力から普通の大統領では大市場の中国に対して、強い態度には出れはしない。ハリウッドの映画作りでさえ中国には「ヨイショ」する。

 トランプ大統領を知るわけではないが、少なくとも対中国にはオバマよりは数段格上で、わが国としてはトランプの米国に頼るしかない。「一帯一路」もAIIBもわが国には関係なく、協力するなどその軍事力増強を支援するようなものだから、もっての他なのだが、安倍首相は、次の総裁選を睨んでか、親中・媚中連中に、そして背後の経済団体に阿る。森友、加計問題で責められたことで、党に借りを作り、八方妥協が必要ともなったのであろうが、そこまでして長期政権を維持する意味があるとは思えない。中韓に媚びる首相などこの国には要らない。

 石破さんには期待していた。安倍さんの加憲なる奇妙な憲法改正案に自民党内でも唯一石破さんが異論の声を上げている。変な憲法改正ならやらない方がましで、「戦力は保持しないが自衛隊は置く」みたいな憲法上災害救助隊扱いに自衛隊をするなら、憲法改正を党是とした自由民主党はそこで終わる。

 このような状況下、石破さんはまた、自民党を見限る行動に出るかもしれない。それが、小池ファーストに便乗した形なら、彼の政権の芽は永久に消えると危惧する。安倍VS石破の総裁選挙で、小池氏が石破さんに付いたのは、そこに権力が移行しそうだったからに過ぎないとは世間の小池氏評からの推測である。

 とは言って、国政に自民党に代わる受け皿がない。民進党など崩壊して当然の政党だったから元々受け皿にはならない。現在のこの国の危機は、政府自民党議員でさえ、国家より自分の議席を優先する輩が増えているように見えること。この際、自民党も解体して政権再編するしか道は無いのかも知れない。

 安倍一強との与党内褒め殺しで、面従腹背連中が憲法改正にしても対中国政策にしても、安倍首相を操ったようにさえ見える。安倍首相本人が自分の主義主張は何だったのかも分からなくなっているのではないか。まさに「一強」に罠があったのである。



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最近の話題から 第15回

2017年07月13日 | ブログ
豪雨

 毎年のようにこの時期、豪雨被害が続出する。観測史上最高量の降雨があれば、日常生活に甚大な障害が出るのは当たり前だけれど、今回の北九州の豪雨は、ただでさえ降水量の多い7月1か月間の当地の雨量を超える雨が24時間に降ったという。どれだけの雨か想像を絶する。

 悲劇は突然にやってくる。恐らく静かな山間の里村の暮らしを先祖代々続けていた人々が、濁流に飲まれ命を奪われる。若い妊婦さんが乳飲み子をつれて里帰りの実家でその母親と共に天に召された。43歳、働き盛りのお父さんが地元の消防団の務めで巡回中、土砂崩れで亡くなった。

 多くの集落が陸の孤島となり、別れ別れになった家族が心配な幾夜を過ごす。自衛隊のヘリコブターで移送され、泣きながら抱き合う家族。テレビは明も暗もリアルに映し出して全国民に伝える。救助に向かう自衛官や消防など救護隊は勿論、報道関係者さえ命がけの部分もあろう。テレビは見ても何もできはしない。東北の大地震と大津波から6年が過ぎた。昨年は熊本でも大地震があった。いつもただ呆然とするしかない。

 日本列島は、暖流に挟まれ、立ち上る水蒸気の多さから夏は高温多湿、水害が繰り返される。冬の日本海側は豪雪となる。これに昨今の温暖化による海水温の上昇が拍車を掛ける。しかし、雨や雪のお陰で豊かな緑が絶えず、水田が秋に豊かな実りをもたらせてくれた。鉄器が使われるようになった時代にも、禿山にはならなかった。

 治水は江戸時代には諸藩の大きな課題であり、優れた殿様の居た藩には、彼らの工夫の跡が今も残る。戦後間もない頃は東京でも高潮と洪水で大きな被害があり、地下の巨大な水溜め施設建造は有名となっている。さらに面積の70%が0m以下という江戸川区などでは荒川のスーパー堤防構想がある。しかし、住民の一時立ち退きを必要とするスーパー堤防計画は進んでいないように診る。

 戦後の高度成長期には、電気需要に応えるためもあり、全国でダム建設が進み、大河には立派な堤防も整備されていった。しかし、当面の安全確保と火力発電の普及もあり、「脱ダム宣言」とか「コンクリートから人へ」などのキャッチフレーズを声高に叫ぶ政治家が現れ、それに呼応する勢力が台頭し、治水意識は後退したように感じる。江戸川区のスーパー堤防計画も、政権交代で一時凍結となっていたようだ。

 今回のような災害を防止するために、どれだけの予算を必要とするか。到底コンクリート推進派にしても成せるものではない。しかし、少しずつでも予算を付けて、改善してゆく活動は継続する必要がある。

 最近の政治家は、税金の基本が分かっていない。確かに税金には所得の再配分の要素もなくはないが、本来個人ではできないことを、皆でお金を出し合ってやりましょうという町内会的発想が基本だ。ただ一律では酷なので、所得に応じ、家族構成等にも配慮して大幅な減額や免除を行う。今の政治家は、その上に貧しい人には追い銭をしろと迫る。自助の部分に必要以上に踏み込む。そして公助の部分が手薄になって犠牲者が出る。

 子供保険とか高等教育までの無料化が現状で本当にこの国の税収の実力からいって必要でかつ可能なのか。ほとんど考えてなどいない。自分たちが選挙で生き残るための方便に過ぎない。消費税や介護保険制度など、所得の高くない人からも毟り取り、社会保障の充実だと嘯く。しかし、社会の歪は結局弱者にツケがまわる仕組みだ。

 安倍政権だけでなく、野党も含め勿論都民ファースト、高級官僚、地方の官僚も含め、総退陣、総入れ替えが必要な時期に来ているのである。豪雨災害は訴えているように思う。


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最近の話題から 第14回

2017年07月10日 | ブログ
火蟻(ヒアリ)

 猛毒針を持った南米大陸原産の蟻が、日本の港でも相次いで見つかっている。これだけグローバルに物資が動く世の中で、今頃になっての日本上陸は遅くもあるようで、ここに来て急に神戸、大阪、名古屋そして東京の港と連続して発見されるのには人為的なものさえ感じてしまう。何はともあれ、まさに水際で撲滅しなければならない外来生物の一つである。

 物流業務に関わり、コンテナーにプラスチックペレットの入ったフレコン(フレキシブルコンテナー)を積んで、中国、台湾等へ輸出もしていたが、コンテナー積み込みは、フォークリフトを使うため、パレットが必要となる。使用していたパレットは木製で、木には内部に昆虫の卵などが生存している恐れがあるため、燻蒸品を使うことが義務付けられた。当時、20年近く前の話だけれど、安価なプラスチックパレットが出回るようになり幸いした。燻蒸の必要のないプラスチックパレットを導入したのだ。受け入れ側も、プラスチックは再活用に適していることから歓迎された。

 また、東南アジアで作られたフレコンの輸入では、梱包に木枠が使われていたが、これも危険であるため禁止した。蚊などは、古タイヤの取引で、タイヤに出来た水溜りにボウフラが涌き、他国までも侵入するとの話も聞いたことがある。昆虫の生命力、繁殖力は凄い。

 多くの外来生物はペットとして流入し、手に負えなくなった飼い主が、池等に放流して問題となっている。ここでも温暖化の影響で、本来の熱帯生物が日本でも生き延びることができている。

 流れ着いたヤシの実ではないが、南方からの流木に潜んでいた昆虫が日本で繁殖する可能性もなくはなかろう。外来種は国内の生態系を乱す。今回の火アリのような場合、繁殖力も普通の蟻の数百倍というから根絶は大変である。見つけた場合はけっして触らず当局へ連絡するようにとのことだが、まずは踏み潰して殺してからにしないと、どこに行ったか分からなくなるのではなかろうか。勿論当局への連絡は必須で、周辺の徹底調査、殺虫剤の散布が必要となる。

 しかしこの国に入って来て悪さをするのは、動植物だけではない。観光大国化は経済効果が高く、異文化交流も促進されることでいいことであるが、犯罪、人を介した伝染病などの危険も増大させる。また、ネットを介しても全世界の人々とお友達になれることは良いが、やりとりされる情報の信ぴょう性も問題である。

 スパイ、テロリスト、詐欺師や窃盗団の入国、不法ドラッグや銃器の持ち込み、密貿易。中にはわが国の健康保険制度を悪用して、高額医療を安価に受ける輩がおり、地方の廉価な不動産を意図の明確のないまま買い漁るなども聞かれる。さらに、農業などの実習・訓練、留学生、起業など海外の人に開放することも危険を伴っている。公安当局の十分な監視と共に、国民一人一人もおもてなしの心と共に、「人を見れば泥棒と思え」の先人の教えも忘れてはならないだろう。
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最近の話題から 第13回

2017年07月07日 | ブログ
自民党崩壊

 まあ、都議会自民党の話ではある。もっとも首都東京の都議会選挙は、過去の実績からもその存在の大きさからも、国政に大きな影響があることは言うまでもない。今回の選挙は3年後の日本の威信をかけた東京オリンピック・パラリンピックの成否を掛けたものでもあったが、都民がどこまで責任ある投票行動をしたかも疑わしくはある。

 ここで、都議会自民党が崩壊し、議会運営のノウハウの半分くらいが消滅すると、見かけだけの都民ファーストの会では大丈夫かと、都民ではないが心配になる。オリンピックに関しては、当然国家事業でもあるので、政府自民党も粉骨砕身尽力しなくてはならないのは当然であるが、今回の都民の離反状況からすれば、面従腹背とまではゆかなくとも、骨身を削るほどの協力はし難いのではないか。

 今回の選挙での自民党の予想をはるかに超える大敗は、このところの政府自民党のゆるみにあることは確かで、マスコミも伝えるところだが、本質的な問題があった。安倍首相の長期政権維持のため、八方妥協した「加憲」そのものの変な憲法改正案を出したこと。森友、加計問題で党内の媚中、親中派に借りを作り、中国の「一帯一路」構想に協力するとの発言をしたこと。これらによって、元々の安倍シンパの勢力を大きく離反させてしまったのだ。

 選挙戦最終日の秋葉原での安倍首相の街頭演説で、あれほどの安倍退陣コールが上がったのも、保守系の政権支持基盤の綻びにある。街頭での反政権コールを行った人々はごく一部の勢力であり、お隣の国の大統領退陣コールに似ているところから、日本人の集団ではないようにも見える。この国を代表する勢力などではけっしてないが、マスコミはいかにも国民の声のように報道する。このような集団の跋扈を許すのも、安倍政権が勢力基盤の支持を失ったからではないか。

 この国の危険な兆候は、自由民主党議員さえ、自分たちの保身のため、国家的見地で政治を行っているか疑わしいこと。「自由民主党憲法改正草案」(平成24年4月)とは全く異なる加憲案が総裁の口から出てきていながら党内から異論は少ない現実。憲法協議の会には出席者が随分少ないらしい。憲法改正は票にならないと踏んでいる。

 北朝鮮には、事あるたびに声高に批判して一応ファイティングポーズは取るけれど、竹島を不法に占拠し、慰安婦問題日韓合意は金を取っただけで全く進展させず、今度は強制労働の像を建てると言い、向こうの要人がわが国に来ると、日本は景気が良いのだから韓国の若者を受け入れて就職させろというような、やりたい放題言いたい放題の韓国には一向に制裁を科さないこと。一時的な大使召喚など韓国は痛くも痒くもない。

 受け皿のない現状で、政府自民党までが崩壊・分裂すればどうなるか。自衛隊蜂起のような勢力が台頭する恐れがないとは言えない。そのようなことにならないように、裏つながりで中韓に阿る議員を整理し、日本人としての矜持、伝統を大切にし、自国は自分たちで守る、隣国にもきちんと物の言える、そして米国と対等な同盟、真の独立国家を目指す真っ当な政党に自民党を作り変えていくことしか道はない。都議会選挙で見せたご都合主義の公明党からの脱皮も必要ではないか。「敵は味方のフリをする」。
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 最近の話題から 第12回

2017年07月04日 | ブログ
女性活躍社会の現実(都議選前夜)

 安倍政権に女難が続いている。国会議員や大臣の女性に占める割合は未だ世界水準ではないようだ。しかし、そのトラブルは高率を記録している。第二次安倍内閣では始まりから躓いていた。小渕経済産業相、松島法務大臣が引き続いて辞任に追い込まれた。東京都知事選挙では自民党推薦候補が、党の公の場では手を挙げなかった同党の女性候補に敗れた。最近でも週刊誌やテレビのワイドショーの餌食にされている女性議員や大臣が続く。森友学園問題では総理夫人がターゲットにされた。

 安倍さんは女性をよく分かっていらっしゃらない。もっとも女性だ男性だと分けて視ること自体が駄目なようで、かつ誰にも女性など分かりはしない。安倍さん個人の問題ではないことも確か。男だっていろいろ。トラブルの多さは女性に限ったことではない。しかし、政党から国会議員候補を立てる時、大臣に登用する時、女性だからということで、半端な人間を登用していないか。昨今は学歴と経歴は人間性の目安に成り難い。

 今話題の将棋界では、プロ棋士に成るためには通常奨励会を卒業する必要がある。同じ条件で女性も奨励会に入れるが、卒業できた人は誰ひとり居ない。これが男女平等と言うものだ。一方、囲碁の世界ではプロの初段への試験(一定の棋力が認められる23歳未満の者に受験資格がある)があり、これに合格するとプロに成れるが、この場合女性枠と言うのがあるそうだ。少し女性の方が入段し易い。プロに成れば男女を問わず同じ棋戦に参加できるが、女性で大きなタイトル戦で予選を勝ち抜きリーグ戦入りを果たした棋士は聞かない。女性には男性棋士が参加できない女性棋戦があり、ここでは当然女性のタイトルホルダーが出る。世界戦の第一回、二回を連覇した実績を持つ武宮九段など、凄いフェミニストと見受けるが「女性のプロ棋士ほど良い職業は無い」と皮肉っていた。

 何が言いたいのか。職業には性別による適不適があるということ。何でも混ぜこぜで数字合わせの見せかけだけの女性登用を一国の総理が先頭になって行うから結局自分に跳ね返って立場を損ねる元となる。

 国会議員に成るためには、多少の女性枠は必要だろうけれど、男女平等にプロ将棋の世界と同様に、厳しい修行の過程を経らせるべきだ。所属派閥の領袖などは、トラブル女性議員を庇うような発言もされているようだけれど、最低限の人間としての躾くらいは派閥でもやって欲しいものだ。多様な意見や考え方を政治に反映することと、政治を行うことは違うのである。女性だから、学歴が高いから、元官僚だから、美人だからと候補に祭り上げるのは止めましょう。

 大臣にするなら、その分野の基礎知識、国家公務員法程度は履修させねばいけないでしょう。つまらない失言問題で大臣の頸を切っているから、くだらないマスコミの騒ぎの大きさと本当の問題の大きさの区別もつかなくなっているのが、現政権の女難の現状である。
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最近の話題から 第11回

2017年07月01日 | ブログ
絶叫女性議員

 運転手を務める秘書に、そのミスを詰って「ハゲー!」などと罵って暴力まで振るったと報じられた自由民主党の女性議員が離党届を出した。秘書がその一部始終を録音していたのだ。日頃から秘書への罵声と共に暴力も常態化していたようだ。

 これを自由民主党の元官房長官が、女性ということで気の毒だ「男性議員には同様の輩は大勢いる」などと庇うような発言をしたが、後に発言を撤回していた。確かに、時にはどなりつけたい部下などあることで、何でもパラハラというのは大いなる間違いではある。しかし、公表されたボイスレコーダーの内容ほどにひどい議員が他にも大勢居るのなら、それこそ各政党で証人喚問して、それらパラハラ議員名を公表すべきではないか。あそこまでの「パラハラは犯罪です」。

 余波として、「あれ女性ですよ、女性」と発言した麻生副総理にも批判は飛び火した。女性蔑視の発言だという。しかし、この発言が女性蔑視に当たりマスコミで問題視しなくてはならぬほどのものか。ある男性キャスターの方もテレビで疑問を呈していたが、その通りと思う。女性のコメンテーターなどは一般的にこの麻生発言に批判的だが、そのような女性は日頃豊田議員に近い言動をされる女性たちではなかろうかと思ってしまう。

 このところの大臣の失言騒動もそうだけれど、言葉尻を捉えた訳の分からぬ批判が多すぎる。「東北だから良かった」も実はそう。震災の損害額の多さが、首都圏なら何倍にも膨れ上がっただろうというのが発言の趣旨。東北地方や被災地の住民を低く見たものではなかったと思うが、マスコミはここがチャンスと食らいつく。人々は「東北で良かった」を「東北に生まれて良かった」「東北を訪れて良かった」などと善用していたが、マスコミのクレームに冷静にしっかりと反論しない大臣が情けない。

 確かに復興大臣を務めるような人なのだから、発言には一言一句気を付けなければならないのだろうが、問題はそのような枝葉末節のことに噛みついて、本当に国民が挙って問題視しなければならない問題がお座なりにされること。マスコミがそこから意識的と思えるほどに目を逸らし報道を控えていること。一杯あるのではないか。

 ホント、マスコミや野党などぎゃあぎゃあ言っている連中の知的レベルは相当に低いように感じてしまう。加計問題などでも、議員としての能力など感じられない野党議員がしたり顔で、総理大臣を攻撃する。それが国会というものであって、必要でもあろうが、中国や韓国には真っ当にモノの言えない内弁慶の連中が何をいばっているのかと言いたい。もっともモノが言えないのは野党議員に限らないが。

 売れっ子の芸能人などにもマネージャーへ暴力を振うような事件があるようだが、ファンには低姿勢の反動が、身近な立場の弱い人に向けて暴発するのであろう。人間という奇態な生き物は、多少脳が他の生物より発達しているだけにやっかいなものだ。学歴や経歴で賢いと思っている官僚や政治家。多少人気があると増長する芸能人。所詮自分が、どれほど奇態生物(社会を構成しての個人であり、一人では生きてゆけない癖に思い上がりが甚だしい)であるかを知るべきであろう。

 われわれの子供の頃には、まだ暴力がまかり通っていたから、侮辱されると腕力を振うことも当然であったから、男性同士の場合、軽率にモノを言わなかったものだ。サラ金(消費者金融:無担保無保証人金融:武富士)を創業した武井氏など、創業以前は個人で他人に金を貸して稼いでいたが、貸す相手は女性や普通の男性で、取り立ての際に揉めても腕力で負けないことを条件にしたというほどだ。そのうち世間から暴力は徹底的に排除され、我慢が普通になった。それをいいことに相手かまわず初対面でも大きな顔をして言いたいことを言う軽率者が男性にもいるが、強い立場を得た女性はさらに醜悪である。

 先日も、老婆が同じアパートに住む男性に日頃から始終悪態を付き続け、遂に切れた男性に平手打ちを食らわされ死んでしまったという事件があった。老婆は、反抗しない男性にいい気になっていたのであろう。男性に対して優位に立った。自分の方が強いと錯覚したのだ。

 一見やさしそうな社会は、却って各種モンスターを増殖させる。




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