再雇用制度
われわれ団塊世代先頭集団が定年を迎えた2007年に前後して、多くの企業で再雇用制度がスタートした。いわずと知れた年金満額支給年齢が段階的に押し上げられたからである。定年延長であれば、企業の給与負担が増え、退職金も増額せねばならなくなる。一旦60歳で定年退職とするが、本人が就業を希望し、会社側も了解すれば、再雇用を保証するというものである。正確な数字は知らないが、当時で7割程度の者は再雇用されたのではないか。希望したのに拒否されたというケースは聞かない。
最近のサラリーマンへの何歳まで働きたいかとのアンケート結果では、65歳以上と答えた者が半数を超えている。われわれが定年退職する頃は、再雇用と言ってまだ2~3年という契約だったと思うし、64歳で年金は満額支給されたので、65歳まで会社に残った者は少なかったと思われる。もっとも再雇用期間満了で完全リタイアではなく、何らか仕事を見つけて働いている者も多かろうと思う。
事実いろんな所で、働く高齢者を多く見かける。スーパーの買い物かごやカートの整頓などから路上の車の誘導、各所の清掃作業などである。100%の確率で人は死ぬけれど、それがいつかは不明である。企業年金などを加え、十分な年金が貰える人は生活に切実感は少なかろうが、やはり貯金を取り崩すような生活は先に不安がある。働くことは、そのような生活のためもある。一方家でブラブラしているよりは、少しでも外に出て社会との繋がりを持っていたい、役に立ちたいという人も多かろうと思う。
もともと再雇用制度は企業が求めたものではなかったように感じる。確かに2007年問題などと呼ばれ、一挙に退職金で会社からキャッシュが出て行くという財務面、さらに技術伝承に不安があるなど課題はあった。退職金の面では、事前に大幅な減額案を従業員に飲ませた。退職時の本給に勤続年数に応じた定数を乗じた額を退職金とする制度は、税金で賄う地方公務員などは踏襲しているようだが、民間企業は人事部の成果のために、それまでの約束は反故にされた格好となった。
技術伝承については、再雇用の賃金は低く抑えられることで、再雇用制度は企業にとって渡りに舟となった。当時は60歳から厚生年金部分の月額上限12万円程度は支給されたので、「この額と合わせればこの給与で、十分ゆとりある生活ができます」というような説明会での話もあった。無理に残っていただくことはないような説明者(人事担当者)の口ぶりが気になったものだ。
人それぞれ、職場の中でのポジショニングの取り方が異なり、周囲がどう感じているかなど意に関せずの神経の持ち主や、絶対的な技能を持って君臨できる人にとっては、もともと身分保障の曖昧な再雇用制度でもいいかもしれないが、通常の人には落ち着かない仕事場になったのではなかろうか。割り切って給料分の仕事をしますでは企業の発展に繋がらない。会社側もそれでいいです的スタンスでは輪をかけて駄目だ。全体としての労働生産性を低下させてしまう。
60歳できっぱりと会社と縁を切った者には、実態は分からないのだけれど、早く人事制度を再構築して再雇用制度は、65歳定年制に移行すべきと思う。
われわれ団塊世代先頭集団が定年を迎えた2007年に前後して、多くの企業で再雇用制度がスタートした。いわずと知れた年金満額支給年齢が段階的に押し上げられたからである。定年延長であれば、企業の給与負担が増え、退職金も増額せねばならなくなる。一旦60歳で定年退職とするが、本人が就業を希望し、会社側も了解すれば、再雇用を保証するというものである。正確な数字は知らないが、当時で7割程度の者は再雇用されたのではないか。希望したのに拒否されたというケースは聞かない。
最近のサラリーマンへの何歳まで働きたいかとのアンケート結果では、65歳以上と答えた者が半数を超えている。われわれが定年退職する頃は、再雇用と言ってまだ2~3年という契約だったと思うし、64歳で年金は満額支給されたので、65歳まで会社に残った者は少なかったと思われる。もっとも再雇用期間満了で完全リタイアではなく、何らか仕事を見つけて働いている者も多かろうと思う。
事実いろんな所で、働く高齢者を多く見かける。スーパーの買い物かごやカートの整頓などから路上の車の誘導、各所の清掃作業などである。100%の確率で人は死ぬけれど、それがいつかは不明である。企業年金などを加え、十分な年金が貰える人は生活に切実感は少なかろうが、やはり貯金を取り崩すような生活は先に不安がある。働くことは、そのような生活のためもある。一方家でブラブラしているよりは、少しでも外に出て社会との繋がりを持っていたい、役に立ちたいという人も多かろうと思う。
もともと再雇用制度は企業が求めたものではなかったように感じる。確かに2007年問題などと呼ばれ、一挙に退職金で会社からキャッシュが出て行くという財務面、さらに技術伝承に不安があるなど課題はあった。退職金の面では、事前に大幅な減額案を従業員に飲ませた。退職時の本給に勤続年数に応じた定数を乗じた額を退職金とする制度は、税金で賄う地方公務員などは踏襲しているようだが、民間企業は人事部の成果のために、それまでの約束は反故にされた格好となった。
技術伝承については、再雇用の賃金は低く抑えられることで、再雇用制度は企業にとって渡りに舟となった。当時は60歳から厚生年金部分の月額上限12万円程度は支給されたので、「この額と合わせればこの給与で、十分ゆとりある生活ができます」というような説明会での話もあった。無理に残っていただくことはないような説明者(人事担当者)の口ぶりが気になったものだ。
人それぞれ、職場の中でのポジショニングの取り方が異なり、周囲がどう感じているかなど意に関せずの神経の持ち主や、絶対的な技能を持って君臨できる人にとっては、もともと身分保障の曖昧な再雇用制度でもいいかもしれないが、通常の人には落ち着かない仕事場になったのではなかろうか。割り切って給料分の仕事をしますでは企業の発展に繋がらない。会社側もそれでいいです的スタンスでは輪をかけて駄目だ。全体としての労働生産性を低下させてしまう。
60歳できっぱりと会社と縁を切った者には、実態は分からないのだけれど、早く人事制度を再構築して再雇用制度は、65歳定年制に移行すべきと思う。