中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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2024日本の課題・世界の問題 第19回

2024年02月25日 | ブログ
美名の裏側

 近年「働き方改革」という耳障りの良い言葉が流布され、企業の社員という働き方を、個人事業者と呼称を変えて、企業の担ってきた社員に対する身分保障を、好きな時に切り捨てることのできる制度へと移行させた。

 その前に「派遣」という言葉が拡散した。本来企業が社員として採用すべきところを、派遣会社という業者から従業員を調達するようになった。この件に関しては、ネットに永井俊哉氏が以下のような小論文を載せておられるので、引用させていただく。2021年11月のことだ。

 『「日本経済はなぜ没落したのか」の視聴者から「派遣労働法を取り入れたのは、小泉、竹中世代?」という質問が来たので、お答えいたします。多くの人は、規制緩和によって派遣労働を推進したのは、小泉と竹中と思っていますが、労働者派遣法が成立したのは、1985年の中曽根内閣の時です(施行は翌年)。つまり、この規制緩和は、1980年代の土光臨調と中曽根行革にまで遡るということです。但し、当時派遣が解禁されたのは、専門知識を必要とする13業務に限定されました。

 中曽根行革に続く行革は、橋本行革です。1996年、橋本内閣の時代に、対象業務が26業務に拡大されました。しかし、最大の規制緩和は、1999年の小渕内閣によってなされた改正で、この時に、派遣労働の対象が原則自由となり、禁止業務だけが定められるネガティブ・リストの形を取るようになりました。2003年に小泉内閣のもとで製造業務への労働者派遣が解禁されたとはいえ、なぜ非難されるのはもっぱら小泉内閣で、より抜本的な規制緩和に踏み切った小渕内閣ではないのでしょうか。おそらく、小渕内閣が公共事業を増やしたのに対して、小泉内閣は減らしたので、小さな政府を嫌う勢力は、小泉内閣だけを攻撃したいからでしょう。

 派遣労働に関するもう一つのよくある誤解は、パソナ会長(2022年7月退任)の竹中平蔵が、自社の利益のために派遣労働を推進したというレント・シーキング説です。竹中が大臣あるいは参議院議員の任にあったのは、2001年4月から2006年9月までで、パソナの特別顧問に就任したのは2007年2月、会長に就任したのは2009年8月です。そもそも、竹中は派遣労働を直接所管する厚生労働大臣には就任していないのですから、竹中が中心となって派遣労働を推進したというのはおかしな話です。もちろん、竹中は、政治家を辞めた後にも様々な政策を提案していますが、直接政治権力を持っているのではない以上、責任は、提案を受け入れる政治家にあって、民間人の竹中にはありません。』

 論理的に派遣法改正を辿れば、上記の通りなのでしょうが、われわれ一般国民は法の規制は受けるのですが、法律が出来ましたと言って、すぐに認識し対応する能力は持っていません。というよりその法律が定着して多くの人々が現実にその影響を受けるようになるまでに時間を要するのが普通です。従ってここ失われた30年の源流を辿れば、日中友好と小泉・竹中両氏による、派遣法改正の流れの継続があるのだ。少なくとも悪い流れを止めるどころか、推進派としての責任は大きい。総理夫人の民間人論理と同様、誰であろうがやって来たことに責任はある。




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2024日本の課題・世界の問題 第18回

2024年02月22日 | ブログ
北海道が危ない

 ロシアのウクライナ侵攻は、西側諸国の支援疲れが鮮明になってきて、ウクライナの青年さえ戦役回避で国外脱出が増えているそうだ。西側の親分である米国の腰が据わっていないから、そうなる。

 何処の国も自国大切で、只で支援して何の見返りもなければいずれ自国も疲弊して弱小国に列せられる。一つには、ロシアがウクライナに侵攻しているような時期に、何でオリンピックを開催するのか。日本だって、ただでさえ工期の遅れている万博などでお金を使うのか。五輪も万博の費用もウクライナ戦費にまわせばどうかとさえ思う。

 一部の政治家なり実業家には、五輪や万博には懐を潤す絶好の機会ではあろうが、コロナ禍の東京オリンピックだって、「やって良かった」という「よいしょ派」も結構居たけれど、選手にすれば4年に一度の栄光のチャンスであろうが、元々スポーツの真髄とはそんなチャチナものではなかろうと思う。

 今は本来、ロシアのような強盗団に世界で立ち向かわねばならない時であろう。わが国は中共の台湾進攻を阻止するためにも、ウクライナ支援を継続する覚悟ではあるが、そもそもロシアの今回のウクライナ侵攻の代替は、北海道だったという当初からの報道まである。

 ウクライナは中共にとって一帯一路の対象国ではあり、ロシアの破壊で被害意識があろう。しかし、ウクライナの戦後復興は日本に被せて、皮算用はできている。一方中露の利害が一致するのは、まさに北海道である。中露艦隊はすでに宗谷海峡から津軽海峡まで何週もしているし、中共は北海道の原野に投資して、工作員をすでに相当数配置しているのであろう。北海道の奥地の小学校では中国語の校歌が流れていると聞くくらいである。

 ロシアは大昔から不凍港への渇望があった。冬季の物流に国境線を南下したい願いがあった。中共にしても北極海周りのヨーロッパとの交易には利が多い。中継点として日本の北海道は垂涎の的である。

 中共は米露ほどの核兵器は持たないが、世界で実験済となった生物兵器が実用段階である。中露2大国は何をするかわからない。このところようやく中共への投資は減少に転じたが、日本人の財界人の鈍さは国を亡ぼすレベルである。中共と商売をして自企業を太らせたと自慢気味の社長さん。単なる馬鹿でしかないでしょうか。自企業の売上が倍になっても、国家の経済規模は長年全く伸びていない。中共や米国のGDPばかり大躍進しているよね。そんなことも分からずに、訪中団などと何しに出掛けているのでしょうか。

 彼らは台湾だけでなく、露と結託して、すでに北海道にまで手を掛けている。日本の馬鹿な無策の長期政権が、この国をここまで危うくさせているのです。元を糺せば、角栄氏そしてその子分だった小沢氏二階氏、教養として昔の中国は知っていたかもしれないが、共産党国家を本当に理解してなかったと思える中曽根氏。「自民党をぶっ潰す」の小泉さん。そこから今の東京都知事が生まれ、派遣社員が普通になった。後継の安倍氏が右翼は看板倒れで、悪政を助長させた。




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2024日本の課題・世界の問題 第17回

2024年02月19日 | ブログ
地獄の窯炊きの鬼さえ呆れている

 どこまでがどうなのか、遠い異国で起きていることを論じて怒っても、それぞれの国の政権事情、歴史・風土に根ざした人権問題など、独裁国家ではなおのことどうしようもないことではある。

 ロシアでまた(と書いて間違いはないのだろう)反プーチン派で、そのために投獄されていたアレクセイ・アナトリエヴィチ・ナワリヌイ氏が獄中(北極圏の刑務所)で16日突然死させられた。彼はロシアの弁護士で政治活動家、ロシア民族主義者。米国のイェール大学のワールドフェロー(ウィキペディア)。

 誰もがプーチンに殺されたと考えている。何といってもプーチンには反対派をこれまでにも何人も殺して来た実績があるようだ。逆に「俺に逆らう奴はこうなるよ」とやったとは言わないがそう思わせることで、反対派を封じ込める。ナワリヌイ氏追悼の民衆にまで、徹底した監視の取り締まりは続く。

 本人は悪いことをやっているつもりはなかろうと思う。極北の1,710万km2 の国土(わが国の46倍)に1億4千万人余りの人口を有する大国である。広大ではあるが寒い。昔から彼らの南下政策は隣接する国家に脅威を与え続けた。ただ、彼らはナポレオンやナチスに攻め込まれもした。両者とも極寒の地の利のロシアに敗れた。

 プーチンにすれば、この国の為政者が緩めば、NATOも米国も、中共さえも国境を越えて迫ってくるかも知れない。その潜在固定観念は強いものがあるようだ。

 そのプーチンも肉体的にはかなり弱っているようだとは、断片的であれ報道がある。プーチンは独裁者ではあろうが、その取り巻き連中も似た者同士というより、利権を握るに敏いことは言うまでもない。石油や天然ガスの利権は彼らの虎の子である。戦争で獲った北方領土など返す気持ちはさらさらなかった。その意味で彼らの中に政治家は居ない。

 プーチンが遠からず病に倒れたとしても、ロシアという国家が透明化されることなどなかろうと思う。個人的に握った利権を手放すほど、彼らは善人ではない。プーチンに取って代わる独裁者が、プーチンと同様のやり方で民衆を押さえつける。民衆もそのことに慣れている。自国の治世の在り方など考えても持て余すだけなのだ。きっと。ただ、民衆も「おかしい」とは思っている。春が来れば、小さな芽吹きが大きな花を咲かせる日も来るかもしれない。現状では、地獄の窯炊き当番の鬼たちも、プーチンの所業には呆れ果てているのだから。




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2024日本の課題・世界の問題 第16回

2024年02月16日 | ブログ
ハマス

 ハマスとは、パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織。イスラエルの破壊と、その後のイスラム国家の樹立を、目標に掲げている(ウィキペディア)。従ってガザ地区にトンネル網を築き、イスラエルへの砲撃を繰り返しているのだ。

 この戦争は、ロシアとウクライナの戦争とは全く異なり、イスラエルにすれば、ハマスの戦争は、人質や子供たちを楯に世論を味方に付ける卑怯極まりない戦争であり、許すわけにはいかないことは十分理解できる。

 アメリカは今年大統領選挙があるため、バイデンさんは、ガザ地区の子供たちの命が、イスラエル側のハマスへの攻撃で、これ以上失わせるわけにゆかない。欧米そして日本もその範疇だが、民主主義とはやっかいなもので、悪党どもの策略と知っても目の前の人命を軽視するわけにはゆかないのだ(1977年、日本でも福田赳夫総理の時、日本赤軍がパリ発東京行きの旅客機を乗っ取り、日本で捕らえられている赤軍9人の釈放を要求した。この時「人の命は地球より重い」という名言が生まれている)。イスラエル大統領にすれば、ここで怯んでその巣窟を壊滅できずに時が過ぎれば、また大勢の自国民の命を失う恐れがある。

 このようなテロ組織、または宗教団体など、法治国家で暴力によって民衆を恐怖で縛り、自分たちの都合の良い政府を作ろうなんていうのが浅ましい。ロシアや中共も根っこはハマスと同様と考えていいのではないか。

 もし中露がその軍事力で日本列島の平和な島々に、ミサイル攻撃など仕掛けてくれば、1億2000万人の日本国民は、彼らを徹底的に潰すまで同盟国と協力して彼らをぶっ潰す。大和民族を侮ってはいけないのだ。

 仕事柄、企業を訪問させていただき、経営者は勿論、その奥様にもお会いする事がある。政治家の世襲と異なり、世襲の長く続いている企業ほど経営者夫人に覚悟的な雰囲気を感じることがある。従業員を使って仕事をする。その立場の人間にある種「覚悟」がなければ、他人は付いてこない。

 思えば、この国には武家が統治した時代があった。武士は一旦責任の取り様もなくなった際には腹を切ってお詫びをする。その厳しさが伝統となってこの国を支えてきた。中小企業の経営者のご家族の皆様にも、その日本の伝統が残っていることを感じることがある。

 不法な連中がいかに経済力、軍事力を高めようが、平和に暮らす他国など侵略することは許されない。地球を悪魔どもの巣窟にさせてはならないのだ。




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2024日本の課題・世界の問題 第15回

2024年02月13日 | ブログ
派閥とカネ

 勿論、この度問題となった自民党各派閥の政治資金パーティーの裏金の話だ。今月の文藝春秋には、菅政権で中枢を担い、日頃から定期的に情報交換を行っているという三人の自民党有力議員に、この問題について「聞く」との記事があった。

 結論から言えば、自民党個々の議員の認識は、党や派閥のやり方に追従してきただけとの結論で、「政治にはお金が掛るもの」として、個人の議員としての責任や強い反省は無いように感じた。

 本稿第11回(2月1日)に述べた通り、「自民党は解体すべき」であり、このままどうにか政権を維持したとしても、いずれまた同じような事件は繰り返されるであろう。

 そもそも、このような問題があることは相当前から公知(与野党議員、検察、政治記者等)のことであり、検察が政権に首根っこを押さえられ、平たく言えば人事権を掴まれ、捜査しなかった、放置されて来た問題のような気がする。要は「赤信号みんなで渡れば怖くない」の類が常態化すれば、信号機の色別の意味さえ分からなくなっていただけのこと。

 再発防止策であるかの如く、派閥解消を唱え、ほとんどの派閥は解散か、実質分裂かで、当面派閥政治は解消されたかに見えるが、ほとぼりが冷めるのを待つ期間であることは、暗黙の了解事項のような感じがする。今の自民党を維持する限り、今の議員連中では根本的に改善は困難ではないか。

 さらに自民党元幹事長に政党から相当額(在籍5年間で50億円)が渡っており、その支出項目には書籍購入費が3年間で3500万円とあったという。知人支援者等の著作本を次々とまとめ買いしたためとの、単なる忖度的臆測論もあるようだが、政治資金で支出するのは如何なものか。その元幹事長は、宮澤内閣不信任決議に賛同し自民党を離れ、小沢氏などと新生党結成、その後新進党へ、さらに自由党、保守党と10年間に亘り少数政党を渡り歩いていた。保守党が自民党に吸収されて復党し、その後、時々の権力者に取り入り(小泉政権では郵政民営化に貢献し、安倍政権では総裁(=首相)任期を2期から3期に伸ばした)派閥を率いて、近年では親中議員の親玉として影響力を行使し続けた。

 安倍政権での幹事長在籍期間は、角栄氏を抜いた。要はこのような金塗れの党の有力者を有する政党に、一般議員に清廉潔白を望むべくもない。

 元幹事長は親中として有名であるが、中共の天安門事件後の国際社会への復帰に、日本からの天皇訪中を実現させた総理として、反中勢力からは評判の良くない宮澤内閣の不信任案決議に、自民党に居ながら賛同したという事は、その時々の党内実力者に取り入り甘い汁を吸うことに長けてはいるが、そのポリシーの一貫性に疑問を禁じ得ない。日本国のため、日本人のため働いてきたと言えるのであろうか。

 自民党は派閥解消だけでなく、政党そのものを一旦解体して、思想的に近い政党の有志を取り込んで、変な宗教に関係したり、金塗れ、親中の連中や安倍派二階派を切り離し、新たに出直すべきであろう。




 
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2024日本の課題・世界の問題 第14回

2024年02月10日 | ブログ
ウクライナが危ない

 年末の米国大統領選挙で、共和党はトランプさんが再登場候補だからかどうか、米国のウクライナへの戦費支援が滞る事態となっているらしい。トランプさんは以前から「自分が大統領なら即刻戦争は終わらせる」と豪語していたが、大統領になっていなくても、議会でバイデン大統領側のウクライナ支援策を潰せば、ウクライナに祖国防衛戦争の継続は難しくなる。クリミア半島に加え、この度のロシア侵攻で取られた領土を奪い返すことなく、戦争を終結させてはゼレンスキー大統領にすれば、これまで失った兵士の命もあり、何の為の戦争であったか分からなくなる。

 そのような情勢の中、ウクライナでは、人気の高かったザルジニー総司令官が8日更迭された。どのような軋轢があったのかは知らないが、ウクライナ側に内部抗争があったのでは対露戦争に勝ち目は少ない。

 しかもウクライナを応援しようという国は世界では少数派で、今回軍事支援を行っている西側諸国にしても、その支援は遅れ気味なのだという。軍事・資源大国ロシアに気兼ねするところが大きい。やはり世界一の保有量を誇るロシアの核兵器の威圧力は大きいのだ。

 さらにウクライナ国内でも、ゼレンスキー大統領の経歴から、国民全体からの熱い支持というものは絶対的ではないという。

 わが国にしても、日米同盟があるから、ロシアや中共から軍事侵攻があった場合、米軍の核の傘の下、国内に駐留する米軍が敵を駆逐してくれるだろうという希望的信頼がなくもないが、ロシアや中共のわが国への軍事侵略があった時、米軍は本当に、最後まで我々を守ってくれるものだろうか。

 日米同盟の下、長く平和だったわが国だが、米ソ冷戦時代とは桁違いに国力を増した中共というモンスターは、米軍でさえあまり相手にしたくない敵となっているのではないか。

 結局、わが国でも核武装は必要であり、装備も人員も自衛隊は少なくとも倍くらいには増強しないと、日本列島は守れないのではないか。いざ中露に軍事侵攻されれば、莫大な人的被害も覚悟せざるにはいられない。

 中露にけっして隙をみせぬよう、日米安全保障条約の維持強化は勿論、サイバー攻撃対策などぬかりなく、防衛力強化に野党やマスコミも責任ある発言を心がけるべきであろう。国防には国民の生命財産が掛っている。

 ロシアのウクライナ侵攻から2年。ウクライナ支援も必要だが、冷静に自国の安全保障を考えなくてはならない時と思う。




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2024日本の課題・世界の問題 第13回

2024年02月07日 | ブログ
博士離れ深刻

 私などが企業で現役の頃、その研究所で大学卒連中のほとんどは、一流大学の修士課程卒業者だった。1970年代半ばの彼らの話だが、現業・現場対応技術・知識が求められる企業の研究室では、修士卒程度が丁度良く、博士課程まで大学で研究していると、実業感覚から遠くなり、出遅れ感が強い。実際博士で入社しても取締役まで行くわけではなかった。

 ただ、研究室で私の直接の上司だった方は、後にリチウムイオン電池でノーベル化学賞に輝いた旭化成の吉野彰博士と同年、紫綬褒章を受章した方だったが、同期入社の東北大博士課程卒の方のことを、相当高く評価されていた。その博士氏は当社の社長にまで出世された。

 6日の読売新聞に、参議院議員の有村治子氏へのインタビュー記事として『成功例が見えづらく「博士離れ」』が目についた。有村議員は初代の女性活躍相などを務め、以前から博士人材の待遇改善や活用を訴えているという。

 『20年前、日本の人口100万人当たりの博士号取得者は130人で、米国や韓国などとほぼ同じ水準だった。しかし、これらの国では博士号の取得者数が右肩上がりに伸びる一方、日本だけが低迷している。絶対数を見ても米国と中国はこの20年間で倍増した。』

 ・・・『日本の「博士離れ」の要因は、「社会的に成功した事例が見えづらいのが一因だ。博士というと、大学教授や研究者になるという思い込みが強い。不安定な身分で研究するポスドク(博士研究員)のイメージもある。一方、海外では学術界もちろん、国際機関や産業界、公務員など、幅広い分野でその能力を生かし、活躍している。日本では、こうした人材の活用が進まず、将来への不安から博士課程へ進む学生が減っている。」』

 世間では「学歴無用論」が「学識無用論」と混同され、「政治家は頭が悪くてもいい」などという訳の分からない論理が独り歩きし、どんどん政治家の質は低下した。

 この新聞記事にあるように、『科学技術力は国力そのものであり、いま手を打たなければ、国の産業競争力の低下に歯止めがかからなくなる。』

 有村議員は「博士とは、社会課題について仮説を立てて研究・検証し、その過程で新たな知を生み出し、それを第三者に論理的に伝えるという、極めて高度な知識と能力を持った人材だ。研究者としてだけでなく、行政や産業界、メディア、国際機関など幅広いフィールドで活躍できる素養や見識も併せ持っている。

 こうした人材を活用しない手はない。産学官が連携し、『新たな価値を生み出す人材』として、博士人材がその能力を発揮できるような環境を整えていくことが重要だ」と述べている。

 このような考えに到達できる人材こそ、政治家に必要なのである。




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2024日本の課題・世界の問題 第12回

2024年02月04日 | ブログ
「ならず者の枢軸」

 本稿第4回で紹介した『国際情勢のリスク分析を行う米調査会社「ユーラシア・グループ」の予測報告書2024年の「10大リスク」 』の5位に、「ならず者の枢軸」ロシア、北朝鮮、イランの連携が脅威に、があがっている。

 日本人のわれわれが感じている「ならず者の枢軸」とは、中共とロシアであり、北朝鮮やイランはスケール感が乏しい。中共やロシアを大手暴力団とすれば、街の半ぐれ集団としか見えはしない。欧米サイドから見ている世界的なリスクは、アラブ人とユダヤ人の対立であるパレスチナ問題。そこにイランや北朝鮮が絡んでくることは、第三次世界大戦の勃発リスクが高まるとの懸念であろう。

 しかし、今や世界のならず者の筆頭はロシアだとしても、単に反米の一点で共闘する中共とロシアはまさにならず者の双璧である。

 中共はウクライナに侵攻したロシアへの直接の軍事援助はしていないらしいが、両国の貿易額は過去最高の約35兆円に達しており、中ロ国境での物流が非常に活発になっているという(3日読売朝刊)。それは経済的に落ち込んで来た中共にも好都合である。ロシア経済を孤立化させたい米欧の思惑は、中共という大きな抜け穴を封じる術を持たない。

 元々、中共を経済大国にしたのは、欲深い欧米そして日本の財界人と政治家であり、今更その行動を制限するに手遅れ感が否めない。資本主義経済のウイークポイントは、民の経済格差の拡大に留まらず、ならず者の跋扈を、自社、自国の経済的見地から見過ごしてしまうことにある。欲深い人間でなければ経済発展を遂げることはならず、欲深い人間の欲望は癌細胞の様に肥大化し、転移する。気づいた時はステージ4。現代の世界情勢に近い。

 中共は日本の防空識別圏内に、勝手に自国の防空識別圏を引き、海上に自国の軍艦を配備する。日本のEEZ(排他的経済水域)内に、勝手に海洋調査用と思われるブイを浮かべる。日本政府はきちんとした抗議を中共に対して行っているようにも見えない。さらに日本人ビジネスマンをスパイ容疑で拘束する。企業団体が抗議してもゼロ回答。彼らは自国の軍事力を背景にやりたい放題である。

 そんな国と、いつまで友好条約なるものを継続するのか。未だに大企業が中国企業と合弁で事業を行うなど、新たな中共への投資を行ったり、交易を開始したりする。すべて中共の経済力に寄与し、伴って中共軍の軍事力の拡大に貢献することが分からないわけではなかろうに。

 習近平の毛沢東への拘り、回帰は、鄧小平の成した資本主義的経済発展が、共産主義に適合しないとの発想であろう。資本家が国内で力を持つことへの懸念であり、自身の絶対権力を削ぐことに繋がると恐れるからであろう。経済音痴の習近平の権力が維持される間に、日本企業は中共から経済的にも距離を取り、西側諸国や開発途上国と共に、世界のならず者国家の経済成長を阻止せねばならない。




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2024日本の課題・世界の問題 第11回

2024年02月01日 | ブログ
自民党の解体、政党再編

 これだけ政治資金問題で不正が暴露されても、各派閥の長や有力者は刑事罰を受けない。検察からすれば、不正が確認できた金額での線引きという事らしいが、有力政治家への忖度感は否めない。

 相変わらず、「秘書が秘書が」で逃げまくる有力議員のみっともなさは、元々そんなものと知れた人物だから驚きはしないけれど、やっぱり情けなくなる。その程度の人物が有力議員であったことが問題の本質であろう。

 国会議員の質の低下は深刻で、このような状況でも選挙をやれば、自民党に取って代われる野党はない。安倍長期政権で何をやってもお構いなしの風潮が蔓延し、「私にとって総理と言えば安倍さんをおいてない」とか、コバンザメの様に権力者に媚びて、いつの間にか有力者となり、総理大臣にまでなる。無派閥で世襲でもない叩き上げ。そういう方も必要だが、総理総裁には人品骨柄も問われるのではないか。

 右翼だという事で、その筋の雑誌に総理候補で名前が挙がる女性議員も居られるようだが、押しなべて安倍元総理の信奉者は信用できない。ご都合主義の保守であり似非右翼である。

 ウクライナ、台湾、パレスチナ、深刻な自然災害、政治に一時的な空白さえ許されるものではない。早急な政党再編が必要である。具体的には自民党二階派や安倍派だった方を除き、国民民主と維新を取り込んだ保守新党を結成する。維新や国民民主の中にも離反者が出るかもしれないが、それはそれでいいし、麻生さん菅さんや岸田さんなど総理経験者は新党には入れない方がいい。親中議員や変な宗教に関与していた議員も入れるべきではない。

 そうして解散総選挙で新政権を樹立する。私の推す当面の内閣は、総理に上川外務大臣、官房長官は小野寺元防衛大臣(両名が入れ替わってもいい)。防衛大臣には佐藤正久氏(元自衛官でイラク派遣隊長などの経歴有)。一般人気では昔から総理に石破さんが有力で、私も安倍さんと競っていた頃の石破さんは良いと思っていたが、安倍さんに「トランプさんとは仲良しになっているが、習近平とはどうか」の一言で幻滅した。その後安倍さんは国賓での習近平訪日を言いだした。とんでもないことだ。新政権は公明党との連立もやめて欲しい。

 世論調査の「誰が次の首相にふさわしいか」という設問。朝日新聞の調査では小泉進次郎元環境相が16%、石破茂元幹事長が15%、河野太郎デジタル相が13%。日本経済新聞社とテレビ東京の調査では石破茂元幹事長が16%、小泉進次郎元環境相が15%、河野太郎デジタル相が13%と続いた。産経新聞社とFNNの調査でも石破茂元幹事長15.2%、河野太郎デジタル相が11.6%、小泉進次郎元環境相が9.2%だった。ようだ。

 今の岸田政権の支持率が20%はあるわけで、このうちの誰かを総理にしても一長一短ですぐにボロを出すのは目に見えている。

 民主政治は人気だけでは量れない。しかも50%以上の国民が推すならまだしも、せいぜい10%台の支持では大した意味はない。

 ただ、自民党は一度解体して、保守系野党も含め政界再編が望ましいことは、多くの国民の賛同が得られるのではないか。




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