中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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世相を診る 第29回

2022年04月28日 | ブログ
最近のテレビドラマから

 テレビ地上波の連ドラは、「相棒」のように半年毎のものもあるが通常3か月毎に入れ替わる。4月から始まったものでは、木村拓哉さん主演の「未来への10カウント」が秀逸である。きちんと回ごと(まだ2回ではあるが)に見せ場がある。テンポがいい。助演陣がしっかりしている。特に満島ひかりさんの楽しそうな演技がいい。

 ドラマは、まず脚本がしっかりしていること、主役と相方の相性がいいこと。物語の展開が、世間とかけ離れず、そして現実的になり過ぎない(夢がある)ことが必要であると思う。そこは脚本によるわけだが、空想科学ドラマなら現実離れしていて当然だが、現代を舞台にしたドラマで奇をてらい過ぎるのはダメ。初回途中までしか見なかったが、大泉洋さんと綾瀬はるかさんの、自分を殺した人間に全財産を譲るみたいな設定は、これからいろいろミステリアスで面白い展開もあるのだろうけれど、いただけない。大泉さんと綾瀬さんと当世の人気スターを揃えたはいいが、俳句に季語を2つ入れたような雰囲気になっていて、どちらも立たずの雰囲気がした。

 土屋太鳳さんと松下洸平さんの「やんごとなき一族」(フジ)も現実離れの物語で、見始めてすぐに興ざめした。連ドラは見続けて貰える基礎的条件が必須で、先に希望がないと駄目。余りに極端な一族に抗して二人が結ばれてもどうなるものでもなかろうと思ってしまった。

 堺雅人さんの3月末のスペシャルドラマ「ダマせない男」(日テレ)は失敗したようだが、こちらも現実離れした脚本と、主役と相方の組み合わせの失敗だったと診る。以前、堺さんはガッキーと組んで「リーガルハイ」を成功させている。これは脇の里見浩太朗さんの存在が大きかった。主役の二人を引き立てるに十分な脇役に力量があった。

 この4月からの連ドラで、もう一本、継続して見ようと決めたのが、今田美桜さん主演の日テレ「悪女(わる)」。今田さんは、2019年のテレ朝深夜枠連続ドラマ「セミオトコ」に脇で出ており、その時は全く知らない女優さんだったが、光るものを感じたので調べてみた。「福岡で一番かわいい女の子」としてすでに知られる存在だったようだ。

 彼女が主役なので、録画しておいたのに、いざドラマを観て、主役の「若い女優さんは誰だっけ」とまた調べてみたほど、過去の印象と今回の役柄にギャップがあった。このドラマのテーマとして、企業戦士には、今も女性が不利のようなドラマ作りは仕方がないが、職業によって性による適性の異なりは大きく、女性が主に活躍できる職業とそうでない職業との区分けはどこまでいってもあるように思う。

 キムタクドラマに返って、木村さんは過去に宮本武蔵役や「武士の一分」で見せた剣の腕は知っていたが、ボクシングもかなり練習しているように診る。まあそこは、名の在る役者さんの凄いところで、単なる演技だけで、剣の達人や天才ボクサー役が務まるわけではなかろう。今回のドラマでの高校4冠達成の天才ボクサーは、大学時代網膜剥離でボクシングを断念した経緯があるという。

 柔道の全盛時代に、やはり網膜剥離でその道を断たれた私には、強さのレベルは全く異なるが、その辛さが良く分かる。その意味でも、今後のドラマの展開に期待している。





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世相を診る 第28回

2022年04月25日 | ブログ
観光船遭難

 春まだ早き北海道の知床の海で、悲惨な遭難事故が起きてしまった。連絡が途絶えての翌日の時点で、発見された遭難者10人は全員死亡が確認されたという。悲報である。残る16人の安否は不明。全員救命胴衣は着用していたそうだが、海水温は2,3度という。海に投げ出された時点で絶望的な寒さだ。

 当該観光船は19t。過去に浅瀬に座礁したトラブルがあったと聞き、日航機の御巣鷹山の墜落事故を思い出した。その機体も過去に着陸時尻もち事故を起こしていた。当然修理はしただろうが、後部隔壁に隙間が残り、徐々に拡大し、飛行中破裂に至ったということだった。当時は客席で喫煙が許されており、隔壁の隙間にタバコのヤニが付着していたことで、徐々に隙間が拡大した証拠ともなった。

 今回、船首から浸水し、大きく傾いたという事故の連絡があったということで、過去の座礁事故との関連が疑われる。

 高圧ガスを取り扱う圧力容器であれば、溶接修理などしても気密テストは確実に実施できるが、船や飛行機は細かい漏れの有無の確認は容易ではないのだろう。

 元々、地元漁師が漁を午前中には切り上げたほどの悪天候の日に、客を乗せて遊覧航海に出航すること自体問題だとは、後付けなら誰でも言えることだけれど、コロナ禍の観光客の減少、長く厳しい冬の海。ようやく観光シーズンを迎え、遠路お客さんも来てくれたとなれば、船を出したい気持ちも分からぬではない。乗組員だって命は掛かっている。

 風が強い日など、鉄道でさえ、運行を取りやめる。昔家族で湯河原に出掛けた帰りに、風速が規定値以上に高いということで、風の影響を強く受ける鉄橋のある区間の運行が見送られ、代替の満員のバスで送られた経験をした。

 それは、1986年12月、山陰本線余部鉄橋(兵庫県城崎郡香住町余部)での客車転落事故(客車7両が41m落下、車掌1名と鉄橋下の工場の従業員5名が亡くなった。回送列車のため一般乗客は居なかった)の教訓を受けての当然の処置である。事故当時、すでに風速25m/s以上の風速で列車は停止することになっていたが、風の強さも測定時刻で変化があり、徹底できなかったようだ。

 風の危険は高速道路などの走行車両にもある。高波さえ受ける船舶はことさら危険である。過去の不幸な事故の教訓を受けて、いろいろな改善と対策が成されているが、しばらく同様の事故がないと、事故の痛みを忘れる。

 ウクライナの惨状の報道を見ても、悪魔にすぐる人間の残忍さをしっかりと肝に銘じ、不幸なことではあるが、この国の絵空事の平和主義を見直す必要がある。核を持たずば侵略者の標的となるのだ。



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世相を診る第27回

2022年04月22日 | ブログ
令和の怪物

 勿論、プロ野球ロッテマリーンズ佐々木朗希投手のこと(愛称)。「日本プロ野球記録となる13者連続奪三振、プロ野球タイ記録の1試合19奪三振の記録保持者。かつ21世紀そして令和初、および2022年現在の現役選手唯一の日本プロ野球公式戦における完全試合達成者」と、すでにウィキペディアにある。

 大分話が古いが、大相撲で「平成生まれの力士です」という紹介をよく聞いたけれど、佐々木選手は2001年生まれ、すなわち21世紀生まれなのだ。驚くべきは、プロ入りして3年目しかもまだ一軍登板は15試合(21,22年合わせて)という。

 また数奇な運命(巡りあわせ)である。甲子園大会を賭けた県の大会の決勝戦を監督判断で投げられず、甲子園出場を棒に振った。今回2試合連続完全試合を8回まで達成していながら、球数が102球と多くなっているところから、9回はベンチに下がった。

 いずれも監督の佐々木選手の将来への配慮というが、まさに日本シリーズ4連投、「神様、仏様、稲尾様」の時代とは大違いである。もっとも昔から甲子園に出て投げに投げた投手は長持ちしないとは聞いていたが、楽天の田中投手など、甲子園の決勝戦再試合で早稲田実業の斎藤投手と投げ合って敗れはしたが、メジャーでも大活躍した。また甲子園春夏連覇の平成の怪物松坂大輔投手もプロでも相当活躍した印象がある。

 佐々木選手も甲子園出場とそこでの優勝、また今回2試合連続完全試合もけっして夢物語ではなかったであろうから、残念と思うファンも多かろうと思う。でも黙って監督の采配に従った佐々木選手の将来は楽しみである。一番悩み、また苦しんだのは、高校の監督であり、ロッテの井口監督であったと推測する。

 大相撲では貴乃花また稀勢の里が、負傷しながら優勝はしたが、その後遺症で休場続きとなり引退していった事例もある。「痛みに耐えてよく頑張った」の賞讃も、今回のような引き留める役目を担った人も、悪気があった訳ではない。

 佐々木選手を写真での印象であるが、イチローさんと目つきが良く似ていると思う。野球の天才の目なのであろうか。イチローさんは、プロに入った頃、そのバッテングスタイルが周囲から不評であまり使って貰えなかった。彼の才能が開花したのは、監督が土井さんから仰木さんに代わってからとの評価がある。ただ、土井監督は長い目でイチローを育てたくて、体が出来上がってからとの思惑があったそうで、選手と監督の関係性も一面の評価だけでは難しいものだ。

 令和の怪物は、将棋界にも居る。10代で5冠を達成した藤井聡太(2002年生)さんであることは論を待たない。数々の将棋界の最年少記録を更新し続けている。佐々木投手の現在年俸契約は3000万円。藤井さんは昨年獲得した竜王戦の賞金だけで4500万円。ただ、佐々木投手の来年以降の年俸は倍々どころか10倍(3億)、20倍(6億)と上昇する可能性がある。何でもお金で勘定するのは、良くないけれど、業界差も感じながら、評価のひとつの指標ではある。



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世相を診る 第26回

2022年04月19日 | ブログ
安全保障環境の悪化

 リベラルとの印象のある岸田政権の誕生、さらにロシアの暴挙をきっかけに、俄然言いたい放題の方がいらっしゃるけれど、自身がこの前まで国のトップでありながら、媚中幹事長とタッグを組んで、自身の政権の延命を優先したつけがまわっているだけではないか。

 自身の政権の時は、台湾へのエールなどあまり聞いたことはなく、また防衛費をGDPの2%にするとか、核シェアリングとか、その口から聞いたことはなかった。媚中の公明党に配慮して憲法改正は9条に自衛隊を付記する程度で収めようとし、中共の一帯一路にさえ協力してどこかの国の発電所建設に三井物産を協力させていた。

 二言目には中共との経済的つながりを無視できないとして、TPPへさえ参加させる腹積もりであるようだ。習近平主席に「国賓でお招きしたい」という発言が、その媚中ぶりを象徴していた。要は自分の政権の間は、中共との間に波風を立てず、表立って中共からの批判を受けたくなかっただけ。岸田氏が立った総裁選では、対抗馬の高市氏を支援して、タカ派の高市氏の陰から影響力だけ行使しようとした卑怯者である。

 日本、勿論世界もであるが、安全保障のためには、中共の経済力を断つこと、これが一番である。その取り組みは全く行わず、今更少々防衛力を高めようとしても時間が掛り過ぎる。大体防衛大学を卒業しても任官拒否する者が結構出る状況で、兵士の数も定員割れの続く状況だと聞く。たかだか自衛官23万人程度では、「侵略されたら何日持つか」が現実ではないか。

 野党や媚中政治家ばかりか国民も能天気なのが多過ぎる。日米安保と平和憲法でこの国は守れると考えて(というより、誰も攻めてこないと思っている)、非核三原則堅持、防衛費はGDPの1%。それでも本当にアベノミクスが良い経済政策であれば、GDPも毎年伸びていた筈で、防衛費も増せていた筈だ。日銀総裁(この方も経済が分かっているのか疑問)依存の経済音痴の総理大臣が長期政権を担っていたのだから、経済成長などするわけがない。

 ものづくりは中共はじめ開発途上国に任せ、国内雇用は飲食店などの店員はじめ企業の派遣社員、パート・アルバイトで失業率は低く抑えたが薄給。雇われ人の平均給料は韓国にさえ抜かれる始末。

 要は、中共に持っていった製造業などを早急に国内に返す必要がある。領海侵犯などあれば都度、侵犯国へ経済制裁を加える。日本の不動産取得は認めないだけでなく、都度取り上げる。留学生などは帰国させる。国費で中国人を養成することはない。

 ここ10年でも、そういうことをきちんとやっておれば、現状のような安全保障環境の悪化にはならなかった。敵はその間GDPを3倍にしている。そして14億人のうち5億人の民は、その経済成長から取り残され、途上国並み以下の生活に喘いでいるそうだ(4月16日読売新聞)。北朝鮮と同じ、国家予算を戦争準備に費やして、民生に活かしてないのだ。

 国防や外交・経済、この国は抜本的に考え方を変える必要がある。また、元総理であっても、在籍中の悪事、不作為には責任がある。刑務所に入っていただくことが必要ではないか。




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世相を診る 第25回

2022年04月16日 | ブログ
世界戦争も辞せず

 ウクライナでのロシアの暴挙は、中世を思わせるものがあるとさえ言われる。いじめられっ子を、服装の良い子供たちが周りを囲んで見つめている図が現状の世界である。

 このままロシアの暴挙がさらにエスカレートするようなら、米国も欧州の国々も腹を括って、ロシアに警告して後、クレムリンに向かってミサイル攻撃を加えるべきではないかとの妄想が浮かぶ。確かに核弾頭ミサイルが米国にも欧州各国にも日本にも飛んでくるかも知れない。中共や北朝鮮はロシアに味方し独裁国家同士連携を図るであろう。すなわち第三次世界大戦の勃発である。

 喧嘩は怯んだ方が負け。今、西側諸国はロシアの核弾頭ミサイルを恐れるあまり、負けている状態である。ピンチはチャンス。この際、ロシアや中共などの独裁国家で人道上も問題の多い国家を潰してしまうチャンスだ。ウイグルやチベットなど国家を奪われ、抑圧された人々の救済もできる。

 このままプーチンが矛を収めるのを待って、第三次世界大戦にならなくて良かったとしても、フィンランドやバルト三国に魔の手は迫る。隣国日本も同様である。北海道は昔からロシアが喉から手が出るくらい欲しい場所と聞く。また、いずれ中共は、西側諸国の馬鹿な多国籍企業の儲け第一、株価しか指標を持たぬ経営者どもや、そこから政治資金を得ている阿呆な政治家達(民主国家の致命的欠陥)を取り込んで、さらに経済力を蓄え、いずれ米国の覇権を奪いに来る。その時は手遅れなのだ。

 ロシアのミサイル制御能力はそれほどの精度は無いようだし、中共の核弾頭も数、制御能力で米国には劣るであろう。何よりその戦闘能力は、第二次世界大戦の際は単なる地方ゲリラだったわけで、実戦能力が高いとは考えにくい。威張っているだけである。

 ウクライナで見す見す殺されている人々の数と、世界大戦による被害の大きさは天文学的に差があるとしても、その後の西側諸国の人道上後ろめたさからくる精神的荒廃、米国などの同盟国への信頼の低下、将来に亘りさらに大きなリスクを残すことになること。等々勘案すれば現在の定量的な被害見積で図ることはナンセンスであろう。

 残された人々が、現在の西側諸国の自由と民主主義による平和な世界を志向するかも未知数ではあるが、「理不尽な暴力を見ているだけでした」では、その命には意味がないのではないか。現状のロシアへの経済的制裁は、抜け道だらけで、制裁国側の経済も病むことで、戦争を停止させる効力はないように感じる。

 世界大戦の対ロシアは欧州のNATO諸国に任せ、対中共は、米国、日本、オーストラリア、インド、台湾にフィリピン、ベトナムも加えて取り組めば潰せる。西側指導者の肝と覚悟が正念場である。加えて言えば、これまでの人類が冒してきた悪行に、神が天罰を与えるための機会かも知れない。




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世相を診る第24回

2022年04月13日 | ブログ
GE(米ゼネラル・エレクトリック)の話

 私は定年前の9年間を、GEの末端の子会社(日本GEプラスチックス)でお世話になった。ジャック・ウェルチCEOの20年間の最期の数年であり、シックスシグマ活動からリーンシックスシグマに修正し、CEOはジェフ・インメルト氏に引き継がれた時期(2001年)に遭遇したことになる。

 1878年、エジソンが電気照明会社を設立したところから始まったGE。その120年余りの歴史の中で、インメルト氏は9人目のCEOだった。社長の任期は20年、社長就任後の仕事はまず後継の社長を探すことだと言われる企業だ。

 転属になった頃のGEは、稼ぎ頭は金融業で、一時日本のサラ金まで傘下に加えた。当時の日本GEプラスチックスの社長はオーストラリア人だったが、オーストラリアGEで金融関係のCEOとして転出した。栄転のように聞いた。その後日本人社長などが続いたが、GE本体とは全く異なり、いずれも短期間に退社交代した。

 そして2007年、私の定年退職の年にアラブの石油化学会社に1兆4千億円でGEのプラスチック部門全体の売却が公表され、私の本籍だった会社は合弁を解消し、日本GEプラスチックスは名称をSABICジャパン合同会社に変えて、主にエンジニアリングプラスチックを、栃木県真岡市で今も作っているようだ。

 GEは株式時価総額で世界一の企業になったこともある。ジャック・ウェルチCEOはその在任中に株価を30倍に上げ、日本の企業経営者にも多大の影響を与えてきた。世界でNo.1かNo.2でなければ、その事業は売却する。徹底したM&Aで拡大し、コングロマリット(関連のない複数の企業を統合してできた巨大企業グループ)を形成した。その後どうなっているのか。ジェフ・インメルトCEOの時代にプラスチック部門だけでなく、金融業から撤退していたと聞いていたが、撤退は完了しておらず、インメルトCEOが6年以上かけて選び抜いたジョン・フラナリー氏の代になって、当事業で巨額の評価損が発生した。電気照明事業から撤退し、ヘルスケア事業の分離など経営のスリム化も、主力の電力事業の不振で株価を半分以下に落とし、フラナリーCEOは僅か一年で解任されることになった。

 フラナリーCEOの能力というより、時代の巡りあわせと巨大企業の長年の澱(おり)が噴出したというべきであろう。そしてGE140年の歴史で初の外部人材が登用された。

 現在のGEは、航空機エンジン事業、医療機器事業、電力事業、再生可能エネルギー事業で構成されているが、来年2023年には医療機器事業を分社化、さらに2024年には電力事業と再生可能エネルギーも分社化。本体には航空機エンジンが残る。すなわち外部人材のCEOの手で、3分割されることとなった。

 日本でも東芝分割案が産業界の大きな話題となっていたが、こちらも原子力発電事業の拡大の失敗に始まり、半導体事業で世界市場に大きく後れをとってしまった。GEと共に巨大企業ゆえの経営の難しさが伺われる。


 日経ビジネス2022.03.28号「勝ち残る「変身経営」」などを参考にしています

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世相を診る第23回

2022年04月10日 | ブログ
バラマキ批判

 稚拙なアベノミクスという経済政策が長く続いた後遺症で、現役世代の賃金が、この3年間で0.4%下がったそうだ。連動して、今年度には年金生活者2600万人の年金も0.4%減額されるという。今年は参議院選挙がある。そこで自公両党から年金生活者一人5000円の給付金を支給しようという案が出たらしい。

 岸田内閣にしてみれば、この参議院選挙を乗り切れば、自ら解散しない限り3年間は国政選挙が無い。いかにも選挙目当てのバラマキだとの批判が当然のように出た。批判を受けて岸田総理はこの給付案を見送ったように聞いた。いただく側からしても、ほとんどの人は現状の世界情勢も鑑み、5千円に執着は無いと思う。

 一方2022年度の予算に対してもバラマキと批判する人も居る。物価高対策としてガソリン価格調整のため、石油元売りへの補助金の引き上げもバラマキであるというわけだ。しかし、ウクライナへのロシアの侵略行為の影響も加わった原油価格の高騰対策費と、年金生活者に限った現金支給案を同様にバラマキと言うのは違うのではないか。

 世界的な食糧・燃料の高騰による物価高の中、ウクライナ難民支援、防衛費や科学技術予算の増額を求める声、声。国内総生産(GDP)は横ばいながら、国家予算は過去最大を更新し、赤字国債も増える一方。プライマリーバランスの均衡など程遠い状況である。

 科学技術予算の場合、20年前から1.2倍にしか増えていないらしい。一方中共ではこの間10倍以上に増えているとのこと。但し、前稿にも書いたが、ここ20年で中国はGDPを20数倍にしたが、わが国はほとんど増えていないのだから、1.2倍対10倍以上でもそれほど文句も言えはしないと思うのだが。

 それぞれの関連分野で、理由を付けてそれぞれが予算の増額を要求する。その調整は財務省が主管とは思うが、最終的には総理大臣の裁量が大きい。乏しい財源から各省庁にどう配分するか、岸田総理の哲学や手腕(調整能力)が問われる。国民も批判だけでなく、それぞれの優先順位を考慮して政府に協力してゆく姿勢が重要であろう。

 ただ、科学技術予算に関して12年間企業の研究所で、その分野では世界の最先端を競う研究の補助者として勤務した経験から言うと、マクロ的にみて確かに研究開発費とその成果は相関性があるかも知れないが、例えば実験器具ひとつにしても工夫一つで安くできるし、私が勤務した貧乏性の研究室で当時世界一の触媒開発に成功している。

 我々のような研究補助者が、二六時中どうしたらもっと性能の高い触媒ができるか考え、電卓なども研究経費でなく、個人の物を会社で使っていた。

 一方国家には、官房機密費だとか、外交機密費など不明朗な出費が権力者の一存で可能な仕組みがあるようで、結局、投資/効果の検証も為されないまま、実態を真近かで見て来た人間を後継者にして口を封じる。バラマキどころの話ではないが、多くの不祥事と共に闇に閉ざされてきたのが実態であろう。


本稿は日経ビジネス2022.04.11号の内容を一部参考にしています。




      
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世相を診る 第22回

2022年04月07日 | ブログ
アベノミクスの成れの果て

 これまで本稿(当ブログ)では安倍元首相批判を繰り返し、アベノミクスは中共を太らせただけのように論評した。その根拠はあるのかとの反論もあろうかと思う。

 普通に考えて自由貿易で、一方の国はここ10年でGDPを3倍にし、一方の国は横ばいということは、本来横ばいの国の伸びしろを他方の国が奪ったと考えるのが妥当であろう。理論的裏付けはないが、これが論拠である。自由主義陣営の雄である米国は同じ時期にGDPを2倍にしているのだ。

 中共の躍進には欧米の失政もあるが、ドイツにしてもこの間のGDPは横ばいながら、この20年で見れば、英仏と共にGDPを伸ばしている。20年間も伸ばしていないのはわが国だけなのだ。20年で見れば中共はGDPを20倍以上にしている。客観的に診て、先進国の中でわが国が一番中共の経済発展に寄与し、その軍事力増強に貢献してきたことが分かる。

 21世紀初頭わが国では、バブル崩壊後の不良債権処理から銀行がようやく持ち直したが、2008年のリーマンショックで、電機、IT関連企業などは大きな打撃を受けた。そして2009年にわが国で起こったのが民主党への政権交代である。これは安倍、福田、麻生という世襲ボンボン3兄弟政権の稚拙さに起因するもので、小沢氏、鳩山氏、菅(かん)氏など半島政権に取って代わられたのである。円は1ドル80円を下回る高値が続き、貿易依存のわが国電機業界は半島企業や台湾、中国などの企業に後れを取ることになる。人員整理を余儀なくされた日本企業で放出された技術者の多くが、中韓の企業に流れた。中韓はわが国から技術・経営ノウハウのタダ取りである。

 2012年に復権した安倍自民党政権は、黒田日銀総裁の異次元の財政出動で円安に導き、株価の上昇に貢献した。そうした株式投資で生きている、他人のふんどしで相撲をとるような連中の支持で、いかにも経済復興を果たしたかの幻想を国民に抱かせた。あまりの民主党政権の体たらくに懲りた国民を基盤に、安倍政権はその後の国政選挙で勝ち続けた。そのことが安倍氏の錯覚にもつながった。国民からの支持は堅調で、アベノミクスも成功であるという幻想である。

 多くの企業が海外に工場を作り、「1円でも安く」と奔走した挙句、時代は変わり、従来の円安がわが国経済の強さには全くつながらなくなっているのが現状である。当然である。製品基本設計がモジュラー型(組み合わせ型)の製品では、部品を寄せ集めれば誰でも製品を作り出せる。ここにわが国の強みはすでに存在し得ない。

 円安誘導で一時的には一服したわが国大企業の高収益は、イノベーションで果たしたものではない。しかも多くのものづくりを中共はじめ開発途上国に依存していたため、コロナ禍でマスクさえ不足した。

 そして世界の騒乱の中、円は日銀の想定以上に価値を低下し始め、地下資源や食料の購買力を落とし、貧しい国の仲間入りを果たしそうだ。

 長期政権を担った安倍政権アベノミクスの成れの果てである。




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世相を診る 第21回

2022年04月04日 | ブログ
世界の指導者を診る

 最近の主要国のリーダーで比較的高評価を得ていたのは、ドイツのメルケル前首相だった。私は昔から彼女を評価していない。学識レベルは確かに高いようだが、地政学的に中共リスクは低いとみて、自国の車を売るために何度も中共を訪問し習近平主席に媚びを売っていた。要するに中共の軍事力増強が直接自国の脅威にならないと踏んでいた気配がある。

 ロシアのプーチンさんとも仲良しで、ドイツのガスや石油はほとんどをロシアに依存するようになっていた。要は人間を見る目が土台なっていない。その点ではわが国の安倍元首相とよく似た、そのレベルの指導者だった。近視眼的な経済重視で、人権や自由と民主主義への価値観は、自分の政治的成果の二の次としていたのだ。

 トランプ前大統領の評価は一般的には概ね良くない。従来の価値観と異なるところが多く、現状の社会システムでおいしいご飯を食っている連中、政治家や評論家、知識人と言われる連中は、挙ってトランプ氏を批判していたように思う。現状の社会システムの変更は、これ迄のシステムに合わせることで得てきた既得権益、すなわち自分たちの今の恵まれた環境を犯されることに繋がるというのがその理由であろう。

 よって、選挙で不正があったかどうか知らないけれど、4年で大統領ではなくなり、「米国は世界の警察ではない」と、しなくてもいい宣言を行ったオバマ元大統領の下で副大統領だったバイデンさんが新大統領となった。この時期安倍元首相は病の再発を理由に退陣して、官房長官だった菅氏が新首相となった。変えてはいけない人を変えてしまい、変えなくてはいけない流れを変えなかったことに私は嘆息したが、結果は中共をさらにのさばらせ、ロシアまでものが暴れ出した。勿論わが国の首相など誰がやっても世界へのインパクトは小さい。それにしても何で中共サマサマの二階氏などがこの国で大きな顔をしていられるのか、中共に頼る日本の財界の意向によるところ大きいように診る。日本の経団連などの指導者が、この国の安全保障を著しく悪化させ続けてきたのだ。

 その点、オーストラリアのモリソン首相は偉い。毅然と中共に向き合っている。経済制裁を受けて、牛肉の輸出が減らされても、筋を曲げなかった。5月のオーストラリア総選挙は大切である。現野党が政権を取れば、「台湾はオーストラリアにとって重要な利益はない」と言う勢力が力を持つ。

 フランスは国連の常任理事国で、拒否権を持つ5大国のひとつであるが、現在の大統領であるマクロン氏は、1977年生まれの44歳と言う若さもあってか、戦後のドゴール大統領のような世界的な知名度も影響力もあまりないように見える。もっとも米国のケネディ(1917-1963)大統領が、ソ連のフルシチョフ(1884-1971)首相と対峙したキューバ危機(1962年10月)の頃の年齢と変わらない。

 ケネディ大統領は、太平洋戦争時米軍海軍将校であり、日本軍と戦った。艦長として乗っていた魚雷艦が日本の駆逐艦に撃破され、命からがらの経験をしているという。

 究極の体験が人を育むものであろう。



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世相を診る 第20回

2022年04月01日 | ブログ
祖国の防衛を考える?

 今回のロシアのウクライナ侵略は、ロシア軍がウクライナの首都攻略に失敗して、停戦協議を行っているようだけれど、あれだけ人命を奪い、街を破壊し、じゃあこれで、しばらく停戦にしましょうで済む話ではなかろうに。

 それにしても、確かに20世紀は戦争の世紀とか言われたけれど、その反省の上に立っての国際協調であったものが、21世紀も20年も過ぎてなおこのおそまつ。

 一つに世界的な指導者が居ないこと。みんな小粒で、自国の経済、経済で、そのために太らせてはならない国をモンスター化させた。その独裁国家と張り合って、北の狂った白熊が、米ソ冷戦時代の偉大な自国の幻想を忘れられず、核兵器迄ちらつかせて慟哭し、隣国に押し入った。

 これだけの情報化社会で、いくら国家内で情報統制したところで、マスコミにも軍の最下層の兵士にも、自国の理不尽さは知れる。従って士気は上がりようがない。元々同じような民族で、実際に親類縁者も多いと聞く隣国への侵略である。

 ロシアの侵略行動を見て、手遅れ感はあるが、わが国でも国防論が盛んになっている。NATO軍が、ウクライナを直接助けることが出来ない様を見て、同盟国の核の傘は大丈夫か。日本が攻撃されたとき、米軍は本当に助けてくれるのか。大いに不安になってきたのだ。

 戦後75年、実質米国の作った憲法を一行さえ改正できず、そのまま読めば、自衛隊さえ違憲状態のまま。そもそも「・・・平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した・・・」とある前文なんぞをありがたがって「護憲」を声高に叫んできた連中が、皆を巻き添えに地獄へ落とす憲法である。人柄を信用できない首相が、自分のレガシーづくりに改正しようなんぞの魂胆では国民はついて行かない。

 今更急には憲法改正できないし、核兵器も核シェルターも間に合わない。尖閣諸島の帰属について曖昧なまま締結した日中平和友好条約とは何だったのか。

 あれだけ領海を侵犯され、空自F15は頻繁にスクランブル発進を余儀なくされながら、制裁を加えるどころか、アベノミクスで太らせ続けた。未だに11万人もの中国人留学生を受け入れ、国費で養成しているらしい。単なる馬鹿のお人好し。日立のテレビコマーシャルでは、「中国にはエレベータの無い高層の集合住宅が相当数あり、日立は日当たりにまで配慮した透明なエレベータ設置にその技術で貢献しています」政財界は、挙って中共に媚びるだけ。野党も本当に政権交代を目指すなら、歴代自民党内閣の中共政策への矛盾を突けばいいのに、それはしない。

 GDPは2010年に日本を抜き去り、今やその3倍という。米国さえ抜き去るのは時間の問題。経済力を十分に民政にまわさず、軍事力へ転換させていることは先の日立のCMでも見え見えなのに、何の対策も行わない日本の政権。せいぜい、沖縄周辺の島々への自衛隊の僅かな部隊を配置しただけ。いざとなれば数秒で根こそぎ吹き飛ばされそうだ。

 それでも、未だに平和外交を謳う能天気の評論家の先生方。みっともないからテレビに出るのは止めましょう。



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