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中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

世界の中の日本 第9回

2019年02月25日 | ブログ
日本の現状と今後

 サッカー観戦のサポーターが終了後、皆でゴミを拾って帰る姿がネット上で紹介され、世界の称賛を浴びるかと思えば、飲食店のアルバイト生の常軌を逸した行動のネットへの動画投稿など、国民の経済的格差だけでなく、民度にばらつきが大きくなっている。

 スポーツや芸能の世界で、天才的な少年少女が輩出することが珍しくなくなった反面、政治家や実業家の質はどんどん悪くなり、選挙で投票したくなる候補者や政党がなくなりつつある。生涯賭けて勤め上げようと思える企業も少なくなっているのではなかろうか。

 国民の志向が、才能や努力の成果が見えやすい分野に向かい、政治家など評価する側の民意の低下で世襲化が進む一方である。良くも悪くも角栄氏のようなゼロから這い上がるような人材は少ない。その角栄氏の上前を撥ねて東京湾アクアラインを実現させた浜田幸一氏など、私は好きだったな。安倍氏や麻生氏など戦後一代目世代の吉田、岸の孫にあたるが、軽量化は誰の目にも明らかである。

 昭和30年代(1960年代)池田勇人の経済成長政策は時機を得たものであったが、後年『第三次池田内閣成立後の首相所信表明演説は、人造りと精神主義の香り豊かなものだった。「英知と愛情と意思の3つが保って完成された人格こそ、人造りの究極の目標である。このためには、宗教的情操とこれに支えられた敬虔な人生観がとくに重要である。偉大なあるものに近づこうとする願い、天職を遂行する使命感、利害得失を越えて働きぬく真摯なる心。これこそ、世界の中で将来、日本民族がより高く評価されるゆえんである。・・・

 歴史は、常に進歩と発展を求めてやまない。われわれの幸福は、決して手をこまねいて得られるものではなく、不断の創意とたゆみなき努力、そして多数の人々の強い協力によってのみ得られるものである」』-秘書の伊藤昌哉氏の草稿―土師ニ三生著「人間池田勇人」講談社昭和42年刊より

 しかし、その後佐藤、田中、三木、福田、大平と続く自民党内閣も池田の経済政策を表立って批判していた人まで経済成長中心の政策を続け、人造りは置き去りにされた。そして現在、経済さえ持ちこたえれば、政権を失うことはないと、隣国の危険な政策にさえ協力する内閣が健在である。

 1980年代、急激に進んだ円高で国内の多くの事業所が中国などに進出していった。これが地方衰退の原因であった。失業率が低いと余剰人員が無いような印象を持つが、失業率は職を求めている人のうち職に就けない人の割合であり、高齢者や主婦層など潜在的就職希望者は多い筈。特に地方では、パート・アルバイトなら人手はまだまだある。地方に工場など事業所があれば若者も都会に出る必要はなくなる。

 中国や韓国などへ出ている企業は、一斉には無理でも徐々に国内回帰すべきである。未だに戦前の徴用工裁判に従軍慰安婦がどうのという国、スパイ容疑で民間の日本人を拘束する国。尖閣諸島国有化でどれだけ日本人経営の店舗などを暴徒によって壊したか。何でそのような国々に投資を続ける必要があるのか。

 企業の国内回帰で地方創生は成る。ストレスの少ない田舎では自然に出生率も上がる。少子化に歯止めが掛かる。三世代同居で保育所などの設備も少なくて済む。

 経済力に見合うほどに軍事力を増強し、米国の核をシェアーして貰い、日米欧連携で中国の覇権主義に対峙すべきだ。中国や韓国に言いたい放題言わせるのはいい加減終わりにすべきだ。

 他国や財界に文句を言われるのを恐れ、お国ために命を捧げた人への敬意の無さを露呈して、総裁が靖国参拝さえ行わず、戦力を持たぬ自衛隊加憲案で憲法改正など子供だましもいいところ。地方は兎も角、永田町の自民党はほぼ腐っている。新しい真の保守政党が必要である。国家の土台となる人造りが急務である。





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世界の中の日本 第8回

2019年02月22日 | ブログ
文化とインバウンド

 わが国は、古代大陸からいろいろなものを受け入れ学び、その文化圏として発展した。仏教や儒教また鉄器や米作にしてしかりである。

 しかし、大陸とは気候風土が大きく異なる所から、文化面にしても独自の進化を遂げたものと思われる。現代の日本文化として、世界の人々にも親しまれるようになった日本庭園や茶の湯、華道など、室町時代に確立されたと聞く。

 江戸時代には、幕府の鎖国政策によって、まさに西洋から見れば極東の島国で、ガラパゴス的に文化が熟成したのではないか。この間、特に地理的に近い中国や朝鮮半島とさえ交易が少なかったことで、彼らの儒教的精神構造の影響が希薄となったことは幸いであったと聞く。

 見方によれば欠点かもしれないが、現代日本人に心身ともに拘束される宗教観がほとんどなく、生活する上で宗教の影響を受けないことは幸いであると思う。わが家は「真言宗」であるとか「浄土真宗」だとか言って、身内が亡くなった時にはその宗派のお坊さんに経を上げて貰うが、その程度のこと。国民共通に神道もあって、初詣での神社参りは衰えを見せない。八百万神(やおろずのかみ)は人々の心に健在であるように見受ける。それでいいのだ。

 それにしてもついこの間(平成10年代頃)まで、年間600万人程度の訪日観光客数は昨年3000万人を超えたそうな。中国や東南アジアの人々が豊かになったことが大きいと思うが、インターネットの時代、評判が立てば広がるのは早い。日本文化の高さが注目されているのだ。

 和食は世界遺産となり、確かに日本食はヘルシーで美しく、おいしいので好まれるのは分かる。しかし盆栽や錦鯉など、日本人でさえ愛好者は多いとは言えない分野にも外国人富裕層は群がるようだ。この季節、雪に憧れる外国人も多い。

 雪と温泉に古都に富士。しかし京都などマナーの悪い外国人に舞妓さんも参った。何といっても現政権は、「観光大国化」、「働き方改革」などなど準備不十分なまま聞こえの良い政策だけを掲げるから、官僚から現場まで尻拭いで大忙しの体に見える。結果迷惑するのは国民である。

 中国人の爆買が低調になったとは聞いたが、『昨年8月、台風20号で関西空港の滑走路が使用できなくなっただけで外国人観光客が激減してしまい、大阪の街は干し上がってしまった。いかに日本経済がインバウンドに頼っているかが分かります。そして外国人の多くは中国から来ているんです』と、親中派のジャーナリストは、500数十兆円あるわが国のGDPに対して高々1兆円足らずのインバウンド消費を持ち上げる。-文藝春秋2019年3月号対談記事「トランプVS習近平「悪」はどっちだ」- 中国人は来なくていいと思っている日本人は観光地でも多いと思うのだけれど。

 それにしても、この対談記事では、「安全保障と経済は切り離して考えた方が良い」(経済力があっての軍事力であり、切り離せるものではないだろう。長年の経済優先の平和ボケ国家の日本にしてこのような発言が生まれる)と言ったり、一帯一路に協力する安倍首相を持ち上げるジャーナリストや底の浅い評論家を集めた文藝春秋の人選が悪い。

 スキー場など中国人インバウンド消費に惑わされて、さらにこれで儲けようなどと考えないことだ。設備を増設した頃にパタリと中国人が来なくなり、投資が還元できずスキー場を売りに出せば、中国資本が安く手に入れるような図式が見えてしまう。




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世界の中の日本 第7回

2019年02月19日 | ブログ
先端技術力

 文学賞、平和賞という科学技術だけを顕彰するものではないが、ノーベル賞は夙に有名なので、先端技術力の参考ぐらいにはなると思い、世界の国別の受賞者数を数えてみた。昨年2018年までの受賞者(組織を含む)で、文学・平和及び経済学賞を含んだ数字ではある。(byWikipedia)

 1番は米国の366はダントツである。2位は英国の122。3位ドイツで82。4位はフランスの59。5位地元スェーデンの32。何とこれら欧米先進国に続き極東の国日本が24と健闘しており、第6位である。

 意外と少ないのがロシア(旧、ソ連邦を含む)で20に留まる。7位23のスイスの後塵を拝して8位。以下10以上の受賞者(組織を含む)を輩出している国を列挙すると、17のオランダ、15のカナダ、14のイタリア、13のデンマークとオーストリア、12のハンガリーとイスラエル、11のノルウェー、10のベルギーとオーストラリアで、世界で10以上の受賞者(組織を含む)を出している国は18しかない。東アジアでは日本だけだ。

 ただ、最近のわが国の受賞者のコメントの多くが、ノーベル賞は評価された研究が発表された時期との時差が大きく、現在のわが国の基礎的な研究分野での活動状況を見ると、今後ノーベル賞受賞者は減ってゆくのではないかという懸念である。

 中国やシンガポールなど国家ぐるみで学者を厚遇して研究を支援する。日本の学者は昔からより良い研究環境を求めて米国に抜ける人が多かったようだが、現代はシンガポールであれ、中国へでさえ、お金が出るならと知力を提供する。

 政治家の知的レベルの劣化によって、予算配分に適性を欠くようになっているのであろう。世界第3位の経済大国にしては、お粗末な現実がある。ただ、お金が潤沢にあれば腐る部分もあり、私など企業の研究室での経験からは、人もお金も不足するくらいの方が、一生懸命考えて知恵で補おうとするからいい面もある。要は学問であれ、仕事であれ本当に好きに成れるかどうかで成果は分かれるように思う。対極として、頭が良くても拝金主義で、権力に寄り添う御用学者に成り下る連中が問題である。

 日経ビジネス2019.02.04号に「世界を動かす日本人50」と題する特集記事があり、次の日本人ノーベル賞候補者をはじめ50名の学者や起業家を挙げている。まだ日本人も捨てたものではないのだ。

 ノーベル賞候補では、自己免疫機能の暴走による難病に挑む大阪大学の坂口志文教授。自然界の自己組織化に倣い、全く新しい構造や機能を持つ分子を作り出す東京大学の藤田誠教授。超伝導素材として最も不向きだと言われていた鉄を使った超伝導や肥料原料として欠かせないアンモニア合成の新技術を発明したという東京工業大学の細野秀雄教授の三人である。

 私が一番注目したのは、「変える」のジャンルからSF系起業家インテグリカルチャーの羽生雄毅社長だ。それは動物を殺さず、細胞から肉を作れる培養技術。課題はコストであったが、羽生社長はすでに従来比1万分の1以下のコストを実現しているという。

 牛舎などを訪ねると哀しげな表情をした牛に出会うことがある。赤ちゃんの時から育てた牛や豚を場に送る牧場主も割り切っているとはいえ辛かろう。そこから人類を開放出来たら素晴らしい。




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世界の中の日本 第6回

2019年02月16日 | ブログ
地政学的に見た日本

 高校一年生の「地理」は「人文地理」。中学で一応日本、そして世界の地形、すなわち大陸、島嶼、海洋、山脈、河川、湖沼など物理的な現状は認識されているという前提で、それらの地理的条件が、そこで生活する人々にどのような影響を与えているかを学んだ。

 地政学とは、地理的な条件が一国の政治・経済や軍事に与える影響を学ぶ学問と理解していいだろう。特にここでは軍事力による覇権が及びやすい地理的に近い国家間の凌ぎ合いがテーマとなる。地政学とは戦争の歴史を学ぶことでもある。

 近代の地政学的な大きな現象には、ロシアの南下政策があった。あったというより現在も進行中かも知れない。

 1905年、わが国が日露戦争でロシアを破った時、長年ロシアと国境を接するがゆえに苛められてきたトルコや北欧の国フィンランドの人々は日本人以上に喜んだ。

 日露戦争の勝利は、中国大陸での覇権争いを有利に進めたい英国や米国の戦略が功を奏したものでもあった。その意味から眺めれば英国や米国の手のひらの上で、わが国の兵士たちはマイナス20℃以下の大陸の前線で果敢に戦い、多くの血を流しながらロシアを朝鮮半島や満州の地から追い払ったとも見える。日本海ではバルチック艦隊を壊滅させた。わが国もロシアからの脅威をしばし緩和できたのである。

 一般論として民主国家同士の戦争は確率が低いと言われる。一方独裁国家やそれに近い政治体制では、国益のために他国を蹂躙することをいとわぬ指導者の下であれば、その意向に沿い他国へ侵略戦争を起こし易いのである。

 現代には、中国の台頭が周辺国家に脅威を与えている。中国は民主国家ではなく、共産党独裁国家である。北朝鮮しかり。北にロシアあり。従って今、世界の中で地政学的に最も紛争の確率が高いのが、東アジア、すなわち日本周辺なのだ。

 中国は南シナ海に九段線を引き、諸島を埋め立て軍事基地化しているという。ベトナムやフィリピンが自国の領海を蹂躙されたと訴えても、中国の軍事力の前になす術がない。現代にもそのような不法なことが公然と行われているのだ。国連などお飾りに過ぎない。

 ひとつに米国オバマ大統領8年間の不作為があった。米国は「世界の警察官ではない」と宣言し、中国の経済的横暴(知的財産権の詐取)さえも見過ごしてきた。加えて日本政府も中国に阿って、明確な対立姿勢を示してこなかった。トランプ米国の下でさえ、現政権は中国の姿勢を容認している。トランプの米国には敵わない中国が、その圧力からの緩和に日本との融和を求めてきたことに喜んで、中国旧暦新年を「東京タワーレッドライトアップ」で祝賀までする現政権の諂(へつら)い振りは、小商人国家に堕したわが国の姿を象徴している。

 特に中国との現政権の外交姿勢は、国会で野党も攻撃しない。集団的自衛権さえ反対の野党はこぞって敵国支持勢力だ。安倍首相もそこを踏んでのこともあろう。




本稿は、高橋洋一著「地政学入門」2015年、株式会社あさ出版刊を一部参考にしています。





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世界の中の日本 第5回

2019年02月13日 | ブログ
続、国力

 経済力は国力を示すひとつの大きな指標ではあるが、人口や国土の面積、天然資源に加え軍事力は国力の評価に大きなウェイトを占めるであろう。もっともその軍事力の評価にも保有する武器や兵員数、兵士の練度、軍事予算だけでなく、地理的条件(周辺の状況や国土の面積など)や兵站能力、保有する天然資源、産業の状態なども加味されるようだから、軍事力は国力の総和を示すものに近いと言えそうだ。

 世界一の軍事大国は米国であり、軍事予算や装備で突出した力を持っている。軍事予算は6,470億ドル、兵員数208万人。2位は中国かと思いきや、ロシアが米ソ冷戦時代の遺産を引き継いでいるようで、中国は今の所3位のようだ。ロシアは兵員数が360万人と米国を凌ぐが予算は470億ドルとわが国並み。GDPがイタリア、カナダに次ぐ世界11位だから軍事予算的には苦しいようだ。ただ、恐らくソ連時代からの核兵器数や宇宙の技術力なども高い軍事力につながっているのではないか。

 中国は、269万人の兵員数は米国を上回り、軍事予算1,510億ドルは米国に次ぐもので、しかも年々2桁成長させているようだ。中国に次ぐ軍事大国が4位に入ったインド。多くの人口を抱えるだけに兵員数は420万人。これは北朝鮮(軍事力世界18位)644万人、韓国583万人に次ぐ兵員数。但し、予算は470億ドルとロシア並み。

 5位はフランスで兵員数39万人、予算は400億ドル。6位英国、28万人で500億ドル。そして7位が韓国583万人と北朝鮮と張り合ってきたこともあってか徴兵制で兵員数が中国の倍。予算は400億ドル。8位日本は兵員数31万人で予算440億ドル。9位トルコ、10位ドイツまでが世界の軍事力ベスト10。

 ヨーロッパは、NATO軍を持っており、米国、フランス、英国、トルコなど10位までの上位国も加盟国に名を連ねる。最近は東欧諸国もNATO軍に加わり30か国を数えるという。これにはロシアが警戒を強めているらしい。

 11位イタリア、12位エジプト、13位イラン、14位ブラジル、15位インドネシア、16位イスラエル、17位パキスタン、18位北朝鮮、19位スペイン、20位ベトナムと続く。以上「グローバル・ファイヤーパワー」2018軍事力ランキング136か国による。

 わが国は抑止力として米国の核の傘に守られているということで、GDPの1%程度の軍事費で賄っているが、自国で核武装をできないにせよ、今後さらに進む中国の空母増設などによる海洋進出に対抗するため、複数の原子力潜水艦の建造と海上保安庁予算の大幅増額が必要となろう。サンゴなどの中国人密漁者はとっ捕まえてたっぷりお仕置きをするべきだ。

 米ソの冷戦時代からそうであったように、宇宙開発競争も軍事的要素が大きい。敵情偵察に加え、人工衛星や宇宙ステーションからのミサイル攻撃も技術的には可能ではないか。中国などによる月の軍事基地化も絵空事ではなかろうと思う。ロシアなど、わが国から不法に占拠した国後・択捉島にもすでに軍事基地を置いていると聞く。どこまで行っても人類は懲りないのである。ゆえに国力(軍事力)を高め、あらゆるリスクに備えなければならないのだ。



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世界の中の日本 第4回

2019年02月10日 | ブログ
国力

 日本のGDP(国内総生産)は2017年の統計で、名目4兆8,732億ドル。米国、中国に次ぐ世界第3位の規模。世界の約6.1%を占めているが米国の25%、中国の約40%に過ぎない。4位はドイツで3兆7006億ドル。5位は英国の2兆6284億ドル、6位インド2兆6023億ドル、7位にフランスが入り、8位のブラジルまでが2兆ドル超。以下イタリア、カナダ、ロシアと続き、韓国が12位で1兆5405億ドル。

 先進7か国でサミット(G7)をやっているが、7位までには米国、日本、ドイツ、英国及びフランスの5か国が入るのみ。近年中国、インド、ブラジルの経済発展が著しいことが分かる。

 人口一人当たりのGDPで見ると景色はがらりと変わる。1位ルクセンブルクに始まり、スイス、マカオ、ノルウェー、アイスランド、アイルランド、カタール、米国、シンガポール、デンマークまでがベスト10で、日本はフランス、英国に次ぐ25位。カナダ18位、ドイツ19位だからG7で下から二番目、28位のイタリアを辛うじて超える程度。

 世界のGDPの14%を占め、国民一人当たりの所得でも世界2位まで登りつめたこともあったけれど、あれは泡沫の夢。

 しかも1997年から2017年の20年間に、中国は12倍、米国でさえ2倍超の成長(名目GDPの伸び)を果たしているが、わが国はこの間横ばいである。覇権国家を太らせただけだ。

 それにしても現在高度経済成長時代のいざなぎ景気超えなどと政府は当てに成らない統計データで喧伝しているが、庶民の所得はこの20年上がっておらず、共産党が言うように庶民から巻き上げた消費税はすべて大企業減税にまわり、内部留保と株主と経営者の懐を潤しているだけのようだ。

 すでに海外では語られることもなくなったという「アベノミクス」は、大企業とその関係者の味方で、庶民の生活を潤していないのだ。そんな政権でも支持率は高い。失業率が低いことが救いで、勤勉な日本人は仕事があればと、日々の生活をやりくりして頑張っている。GDPは横ばいでも弱い立場でも頑張っている人にこそ陽の当たる施策が必要である。

 しかも特殊詐欺に虐待やDVにあおり運転、SNS、出会い系サイトなどインターネット時代の負による犯罪の増加に警察は無力。やる気はあるのか。加えて自然災害の増大、インフラなどの老朽化問題。観光大国化は良いけれど、ゴミのポイ捨てルール無視で、怖い伝染病を蔓延らせる訪日客に地域のコミュニティーを壊す外国人。最悪なのがそんな現状に目配りできない政治家と官僚の劣化。(以下次号に続く)
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世界の中の日本 第3回

2019年02月07日 | ブログ
続、敵国の認識

 尖閣諸島は中国固有の領土だと嘯く中国。中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域で勝手に海底調査を行っていることで、日本が遺憾の意を伝えると、この水域は島ではなく岩礁を根拠にしたものであり、日本の排他的経済水域と中国は認めていない。その日本から文句を言われる謂われはないと言い放つ。世界が認めても、中国が認めない法は法ではないと言っているのだ。こんな国といつまで友好条約を継続するのか。

 安倍首相の前のめりで、日本側が歯舞・色丹の2島返還で妥協すればと日露平和条約交渉が行われたようだが、当面進展はなかった。交渉は継続されるようだが。プーチン大統領の思惑は、平和条約を結び、4島がロシアに帰属することを承認させ、領土返還は留保したいというのが本音で、さすがに安倍首相も了解するわけにはゆかなったものだろう。

 プーチン大統領も日本との平和条約締結を言うなら、まず自国民に条約締結、北方領土の日本への返還のメリットを十分説明しておくのが筋である。ロシア国民のほとんどは戦争で獲得した領土を返す必要はないと考えているようだ。「ロシアは未だ前近代国家であります」とロシア国民は宣言し続けているのだ。

 第二次大戦後、日本人捕虜がシベリアでどのような扱いを受けたか。満州からの引揚の日本人婦女子がソ連兵にどのような仕打ちを受けたか。日本人は日頃恨みがましいことは言わないけれど、けっして忘れてはいない。ロシアには前近代国家の国民に相応しい対応を心がけるべきだ。

 中韓露敵国対応のために良い教科書がある。兵頭二十八著「日本人が知らない軍事学の常識」株式会社 草思社 2014年刊。

 『わたくしたちも、国家を一個の生命体だとみることにすれば、直接侵略であれ間接侵略であれ、いつのまにか他国人に行政を乗っ取られる心配はなくなるでしょう。ヒトの身体のように考えることです。

 動物であれ、植物であれ、微生物であれ、およそ生命体は、有害な他者・異物に対しては、きっと反撃、駆逐あるいは除毒の方策を講じて怠りません。その日常的な営みを、近代国家の政府も、そっくり模範にできます。

 無害な他者か、有害な他者かによって、政府や住民は、態度をあらためるべきです。』

 現実はどうか、韓国人や中国人にビザを緩和するなど特権を与えている。人手不足だと中国人をさらにこの国に雇い入れようとする。北海道の原野を中国資本が買い漁っても規制しない。今年は中国の主席が来日すると、自身の手柄のように喜んでいる総理大臣。有害な他者・異物に対して全く逆の対応をし続けているのが現政権の外交の実態なのだ。そこに日本人の明るい未来は見えない。それで政権支持率はほぼ50%。日本人は世界の常識を間違って理解
しているようだ。




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世界の中の日本 第2回

2019年02月04日 | ブログ
敵国の認識

 世界の国家数は日本が承認している国で自国を含め196ケ国。国連加盟国は193ケ国だそうだ。(2018年1月1日現在、総務省ホームページから)

 それぞれの国家ごとに同盟国、友好国、敵対国などと色分けできる筈である。もっともわが国では、特に敵対国を明確にしない。軍事的にも大きな脅威のある国であろうが、その経済的依存度が高いゆえに友好国扱いを止めることはない。これが北朝鮮程度の小国であれば首相案件で「圧力」「圧力」を繰り返し、肝心の拉致問題解決にはその話し合いの席にも着かせて貰えていない。小商人根性国家に成り下がっているのだ。

 「侍ジャパン」「サムライブルー」などスポーツの世界では、この国は侍を強調するが、今の政治家に責任を取って腹を切れる(潔い身の処し方ができる)ような侍(武士道)精神がある方は見受けない。

 武士道とは何か。『「自己肯定」「自己主張」の西洋思想に対して、古来日本の武士道は「自己否定」。自己否定(自分を虚しゅうする:筆者の解釈)できるかできないかそれが武士道の根本である。ギリギリの時に「腹を切れるか」どうかだ。「平和主義だけでは生きてゆけない。絶えず戦争を覚悟して、それで平和でいる」。「備えあれば憂いなし」、文武両道の精神が重要である』と説く人がいる。「私も武道経験者です」(財)日本武道館 平成16年刊

 日本の排他的経済水域である日本海で韓国駆逐艦に日本の哨戒機がレーダー照射(ミサイル発射標的確認)されたとする事件で大騒ぎしているけれど、元々韓国など友好国などではなく、明確に敵国であることを、これまで日本が曖昧にしてきただけである。経済的結び付きは確かに大きい。人の交流も多い。しかし、過去には日本の大臣が韓国に対する歴史認識で事実を言うと更迭されたことがあり、益々韓国はつけ上がった。村山談話を安倍内閣も踏襲した。兎に角韓国との間に波風を立てず、自身の政権を維持したいだけの総理総裁が続いた。現総理など何の思想も哲学もないまま外交を行っているように見える。今頃敵軍の敵対行動に驚いて国民の手前非難しているだけだ。

 韓国が敵国である根拠は、戦後のドサクサに火事場泥棒のごとく、勝手に李承晩ラインを引き、多くの日本漁船とその乗組員を拉致し続けた。日本の海上保安庁の艦船を銃撃し、殺された日本の漁民もいるという。そして竹島を固有の領土だと未だに実行支配を続けている。

 何が従軍慰安婦だ、徴用工裁判だ。日本のマスコミも戦後の韓国の悪行を敢えてほとんど報道しない。日本のテレビ局は多くの韓国人によって占拠されているとも言われる。

 中国、ロシアはさらに軍事大国であるだけにやっかいで、表立って批判や反論できるような度胸のある政治家はこの国にはいない。どこが「侍日本」か。(続く)




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世界の中の日本 第1回

2019年02月01日 | ブログ
逆行する現政権

 トランプ大統領の仕掛けた対中国貿易戦争は、単なる米国の対中国貿易収支だけの問題ではなく、世界の民の自由と基本的人権、民主主義を守る闘いにようやく米国が立ち上がったもので、欧州そしてわが国もトランプ大統領と協調してゆかねばならない筈だ。

 しかし、日本のテレビでは、「米中の対立の中、うまく立ち回れば日本は経済的利益を得ることができる」などという能天気の発言をするコメンテーターがおり、大手新聞の中にも現政権御用学者に中国の一帯一路に協力する政権を支持する意見を載せ、米国の有力者にトランプ批判をさせたりしている。

 日露戦争当時の日本と極東ロシア軍の軍事均衡ではないが、「このままでは2年後には極東ロシア軍の兵力は膨大になりわが国を圧迫する。その時立ち上がっても、もはや勝負になりません。今なら何とかなる、万死に一生を期して戦うほか残された道はない」と日露戦争反対を唱える渋沢栄一を説いた児玉源太郎ではないが、まさに米中の軍事バランスからしてもトランプ大統領はこのまま中国を放置できないと考えたものであろう。

 現状の世界経済だけの安寧を考慮すれば、トランプ大統領の仕掛けた対中貿易政策は問題であろうが、将来に亘る世界平和を考慮すれば、すでに手遅れという説はあるが、中国を経済的に叩き、さらなる軍事大国化を阻止するしか道はない。元々共産党独裁国家の国家資本主義と民間主導の民主主義国家の資本主義が同じ土俵で自由貿易だと言うこと自体ナンセンスであった。

 しかし、この国の現政権の小学生レベルの思考経路「世界はみんな兄弟。みなさん仲良く自由貿易」では、いずれトランプの米国からも見限られるであろう。先の民主党政権は半島政権と揶揄されたが、現在の自民党政権は未だ経済優先の大陸政権に成り果てている。

 先に日本が表明した国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退は、昨秋の安倍首相の中国訪問ともリンクし、元々わが国が進めている日米豪印連携による太平洋、南シナ海からインド洋の自由で安全な海運の確保を目指していた連携に大きなマイナスであり、中国の意向さえ感じさせるものだ。

 オーストラリアが、日本の南氷洋の調査捕鯨にさえ反対しており、IWCからの脱退は友好国オーストラリアの心象を著しく損ねる公算が大きい。確かに戦後の食糧難の時代の蛋白源として鯨肉はありがたかった。しかし現代、わが国に商業捕鯨を復活しなければならない差し迫った理由があるのだろうか。中国の一帯一路に対抗する日米豪印連携の大切な時機にである。世界の趨勢に逆らってまで、鯨の肉を食べたい日本人はどの程度居るかと考えればIWCからの脱退は大きな外交上の失政である。

 一説には安倍首相や二階自民党幹事長の地元漁港が捕鯨再開を望んでいたということがある。政府高官や大政党のトップが政治に私情を挟むことは避けねばならないし、そのような疑念を挟まれるだけでも問題ではないか。現政権にはモリカケ騒動の意味さえ分かっていないようだ。




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