悪貨は良貨を駆逐する
悪人が跋扈して善良な人が圧迫される状態を模して言う言葉。政治家の世界では頓にその傾向が強いのではないか。それを是正できるのが民主主義社会の良い所なのだけれど、実は一般大衆もひとつに、政治家を良く見ていない。マスメディアも政治に取り込まれているので、本当の情報を知っていても伝えない。評論家やジャーナリストと呼ばれる人、ほとんど自称に過ぎず、権力に阿る連中ばかりになっている。真実を一歩踏み込んで発言すると、テレビのコメンテーターには呼ばれなくなる懸念があるのだろう。
そんなこんなで、民主主義は有効に機能しない。くどいようであるが、今回の都知事選に現職も3選を目指して立候補するようだけれど、学歴詐称疑惑はまったく解消されていない。ジャーナリストを名乗る田崎史郎氏なども、文藝春秋6月号『「カイロ大卒」小池百合子都知事の真贋』との緊急座談会記事で、「私は小島氏の手記を読んで、非常に信憑性が高いと感じました。・・・「限りなく真実に近いな」と一読して感心しました。」と述べていたが、その後、お昼の報道番組などで、小池氏の出馬意向の報道に接し、学歴詐称疑惑への懸念をテレビ視聴者に伝えたのだろうか。
公明党など、自民党に先んじて党を挙げて小池氏支援を打ち出しているけれど、天下の公党が選挙における学歴詐称はご法度なのを知りながら、支援することは本来当該候補者と同罪となろう。勿論自民党も同罪だけれど、こちらは裏金問題で党の役職停止処分を受け、怪しげな韓国カルトへの関与疑惑も大きい人物が、都連自民党会長という事で、小池氏支援を主導しているように見える。周辺は、総裁選で不利にならぬよう表立った反対はできない。いざとなれば、悪貨都連会長一人に、責任を取らせて落着させるつもりではないか。自民党にはほとんど良貨は残っているようには見えない。すでに駆逐されてしまったのだろう。
前にも当ブログに書いた昔話がある。田中角栄氏が佐藤栄作総理の下、自民党幹事長などで権勢を誇っていた頃、藤原弘達氏の「創価学会を斬る」の出版刺し止めを直々に藤原氏に迫ったという話。藤原氏が広島県大竹市の講演会で、面白おかしく、しかし毅然として語られていたが、当時のジャーナリストは骨があった。公明党は昔から中共とは親しく、その後角栄氏は総理総裁として中共に赴き、台湾すなわち中華民国を切り捨て、日中友好条約等を米国に先んじて締結した。中国共産党がどんなものか分かっていない国民から概ね称賛された。すなわち当時からすでにわが国は、公明党を通じてわが国の政権党にまで浸透工作を成功させていたことが推測されるのだ。その後50年、わが国はかの国から開発資金(ODAなどを含む)と技術をむしり取られ続けた。
都知事選挙に戻って、本日12日、小池氏も正式に出馬表明したそうで、マスコミは早速小池氏対蓮舫氏の図式で煽り、テレビは報道番組の視聴率が上がると喜んでいるのではないか。迷惑は東京都民だ、どちらも都知事の資格などありはしない。投票する都民の資質にこそ問題を残すと思うが、政治ジャーナリストなどは、テレビ報道番組のコメンテーターとして仕事が増えるからか喜色満面な方もいる。いずこも本質を見ていない悪貨ばかりだ。